こんにちは。アクシス代表の末永です。

またまた更新が滞ってしまいましたが、社長ブログです。

今回は、事業と組織の成長において非常に重要なスレッショルドという概念について、個人的に最近大きな学びを得たため、こちらで共有させていただければと思います。

アクシス初のリーダー会の実施

先日弊社アクシス初のリーダー会を実施しました。

弊社は小さな会社ではありますが、下記の5つのチームに分かれており、サブリーダーも含めて6名のチームリーダーがいます。

  • すべらない転職チーム
  • Callingoodメディアグロースチーム
  • Callingoodセールスチーム
  • エージェントチーム
  • 開発&クリエティブチーム

リーダー候補として期待している他2名も含めて総計8名を集めて、オフィス外の会議室スペースを借りてMTGを実施しました。

今回のリーダー会実施の目的は以下の3点です。

  • 弊社は20代の若いメンバーが多く、プレイヤーとしても未経験者が多く、マネジメント経験については更に経験値が浅いために、より社内でナレッジ共有や意見交換の場を増やす事で、マネジメントノウハウが個人だけに依存せず、全員でリーダークラスのマネジメントレベルを向上する
  • 月に一度、リーダーが現場から離れてアニメの司令室のような場を作る事で、各自が経営目線を持ち、より当事者意識高く、俯瞰した意思決定ができるように事業経営者育成の場にする
  • 現場では普段できない緊急ではないが重要なテーマについてディスカッションする事で、新規事業機会や事業改善施策を模索する

このような取り組みは初めてなので、まだまだ今後試行錯誤をしていくフェイズですが、経営の要だと思っているので、毎回外部ゲストなども招きつつ、社内で多くの事業経営者を輩出していく会にしていきたいと思います。

スレッショルドを超える

最近、個人規模から組織化していく経緯の中で、チームによっては努力がなかなか成果に転換し切れていない状況があり、その原因について色々と頭を悩ませていたのですが、以下の書籍を読んでハッとさせられました。

・坂本桂一の成功力

こちらの著者である坂本氏はアルダス日本法人(のちのアドビシステムズ日本法人)設立したり、ウェブマネーを設立された経営経験豊富な方で、こちらの書籍は社員のために書いた内容との事なのですが、非常に良い内容なのでオススメです。

書籍の中で、一貫したメッセージとして、成功の成否はスレッショルドを超えられるかどうかがすべてという事です。

スレッショルドは聞き慣れない言葉だと思うのですが、以下のような意味になります。

スレッショルドとは、しきい値・閾値の事。具体的には、ある反応が発生するのに必要な最低限の刺激のこと。

たとえば、ある反応が発生するのに10が閾値であるとします。10未満の刺激に対しては反応が起こりません。それが1であろうと9であろうと、結果は一緒です。しかし、10を超えた途端反応が開始します。

要は、お湯が沸騰する沸点であったり、オリンピックで金メダルを取れる人と2位以下の人との差分点のようなものです。

99℃と100℃には大きな差はないし、オリンピック金メダルと2位の間にも0コンマ何秒くらいの差しかないのです。

ただ、そこを越えられない事が大きな決定的な差を生むのです。

多くの人は、そもそもスレッショルドを超えるという意識を持っていないし、スレッショルドを超える前に諦めてしまう。スレッショルドを超えるまでやり切らない。

スキルや能力の差はほとんどないのです。

どんなに努力をしていてもスレッショルドを超えない限りは結果は出ないし、況してや1位を取ったり勝利する事はできないといった事を示唆しているのです。

どうすればスレッショルドを越えられるのか?

では、どうすればスレッショルドを超える事ができるのでしょう?

結論から言いますと、他人や競争相手がやらないレベルの徹底力でやり切れているか否かだと坂本氏は著書の中で主張されています。

スレッショルドという表現は使っていないものの、ユニクロの柳井会長も同じような事をおっしゃっているようです。

「一般的に同じ業種の企業であれば行っていることに大差は無い。しかし、どれだけ徹底しているかにより業績が大きく違ってくる」

転職エージェント事業をやっている身としては、このご指摘には非常に納得をしています。

中途採用支援の現場で、多くの業界・業態・組織図・職種とそれに求められるケイパビリティを求人を通して死ぬほど見てきた自分としては、成長企業もそうでない会社も同じ業界・業態であれば、やっている業務内容などはほとんど差分はありません。

では、どこに差分が出るのかと言えば、ユニクロの柳井会長がおっしゃる通り、徹底力なのだと思います。

一定レベルで努力をしている同業界の中では、ビジネスモデルや戦略、業務フローは大体同じ方向性に収束していくし、それそのものに大きな差は生まれないのです。

むしろ、それらをどのくらいのレベルで徹底的にやり切れているかの差分なのだと思います。

それによってスレッショルドを越えられるか否かが決定されるのです。

成果の差は、「やった」と「やり切った」の差

これは、コミュニケーションの課題でもよくある話だと思います。

上司や先輩が部下や後輩に「お客さんにこれって伝えたの?」と質問した際に、「伝えました!」と返答する事は多いと思います。

ただ、ここで重要なのは、「伝えた」という行動を実行した事ではなく、伝えた事で「相手に意図が伝わったのか?」、さらに言えば「意図が伝わった結果、こちらの意図通り動いてくれて成果に繋がっているのか?」が目的であり、重要なのです。

つまり、自分本位で業務やタスクを「やった」では足りなくて、目的に到達できるだけの努力をすべて「やり切った」というステイタスにできているかという視点が必要なのです。

そういう意味で、常に高い基準値でやり切る事を徹底する事が重要になります。

施策の選択よりも施策の徹底的なやり切り

実際、社内でもエージェントチームのコンサルタントやメディアチームのディレクターと会話をしている中でもよくあるのですが、「この施策は既にやったけれど成果が出なかった」、「その件はお客さんに既に伝えているんです」と言われるのですが、詳細を確認してみると僕自身の目線や経験値からすると正直「やった」とは言えないレベルの事も多いです。

ここで言う「やった」の定義は、一般論的な意味合いでのタスクやアクション、業務の履行ではなくて、「目的や文脈にしっかりと沿う形で成果に繋がるくらいやり切っのか」という意味合いなのです。

例えばですが、施策がA、B,C,D、Eと5つの施策がアイデアベースで考えられている場合、一般的に成果インパクトと工数のマトリクスを書いて優先順位をつけて施策を打っていくと思います。

結果、施策Aを実施した際に想定通りの結果が出ずに、施策Bや施策Cに移っていってしまうケースが多いです。

こういったケースを目にする度に、僕からすると、これでは施策Aをやり切ったとは言えず、見切りが早すぎると思うのです。

仮に施策Aがヒットしたとしても、施策Aを選択するという事そのものは競争相手にもすぐに情報が伝達されてしまい真似されてしまう事であって中長期では差別化には繋がりません。

施策A〜Eを横軸の施策と考えると、施策Aを縦軸に深掘っていくA`、A“、A“`という施策が残されていると思うのです。

これらをやり切った上で、明らかに工数に対してインパクトが見込めないと判断したら、初めて施策B〜Eを検討すべきであって、更に言えば、施策Aを打った際の数値のモニタリングや分析の精度、その分析から導き出される課題や原因究明、改善案などの打ち手の仮説の細かさこそが重要であり、成果に繋がるか否かを決めるところなのに、そこを何となくシレっとやってしまい、「やった」と解釈されてしまっているケースが多いのです。

この「やった」「やり切った」の基準を大きく引き上げなければ、スレッショルドを超える事は絶対にできないし、その目線や基準でいる限りは、個人も会社も未来はありません。

文脈に沿ったやり切り=選択と集中

また、前述のように施策A~Eという粒度での議論や課題もあるのですが、施策1つ1つの点の課題だけでなく、施策の選択や意思決定においては、文脈の一貫性が非常に重要になってくると日々痛感しています。

点と点での局地戦の勝負や戦いももちろん重要なのですが、ビジネスにおいては、線と面における戦略としての戦いも組織同士の競争においては非常に重要です。

ビジネスにおける戦略というのは、平たく言えば、自社の限りある経営資源のリソース配分を時間軸でどちらの方向性に傾斜し続けるか。

つまり、どこに選択と集中し続けるのかだと考えています。

その際に、明確な骨子、ビジョン、方向性がなく、その文脈を無視して局地戦・点だけで部分最適だけに目を奪われていては、場当たり的でエネルギー分散したアウトプットになってしまい、集団✕時間軸での競争には勝てません。

この時間軸や文脈を意識したやり切りも非常に重要であり、これが実現できなければ組織やチームでのスレッショルドを超える事は絶対にできないと考えています。

グライナーの組織成長モデル

このスレッショルドを超えるまで徹底するという高い基準値をどのように個人や組織に浸透し、同じ目線まで引き上げれば良いのか?と色々と悩んでいる中で、最近リクルートの内定者当時の人事GMだった曽和さんの以下の御著書を拝読させていただき、めちゃくちゃ勉強になりました。

・人事と採用のセオリー 成長企業に共通する組織運営の原理と原則

この中で、グライナーの組織成長モデルが紹介されていたのですが、このモデルは、会社や組織の成長フェイズに応じてマネジメントスタイルは変わっていくという話です。

具体的位は、以下の5つのステップで組織の成長とともに、マネジメントスタイルは変化していくという理論です。

  1. 1 背中でマネジメント
  2. 2 行動でマネジメント
  3. 3 結果でマネジメント
  4. 4 計画でマネジメント
  5. 5 文化でマネジメント

僕が非常に納得した点として、1で起業・スタートアップしたベンチャー企業は、2を飛ばして、3に一足飛びに転換しがちであるという指摘です。

なぜならば、社長は自分自身が管理されるのが嫌な自由人であるために、権利と責任で組織をマネジメントしたがるためというご主張です。

僕自身は2を飛ばすどころか、1についても細かく指導・レクチャーする事なく、3~5に一気に転換してしまった感があり、猛省をしています。

1と2をきちんと徹底する事で、これまでお伝えしてきたスレッショルドを超えられるだけの徹底力を個人やチームに浸透させる必要があったのです。

そこが不在であるために、各メンバー、各チームは確かに業務はしっかりと完遂・履行しているものの、努力をしているものの、細かなディテール面での思想や手法が徹底されておらず、結果としてスレッショルドを超える事ができずに成果に転換され切らないのだと自己認識しました。

このスレッショルドを越えられるくらいの徹底力・高い基準値・目線を全社員が共有できない限り、絶対に生き残る事はできないシビアな世界だという事を全社員に危機感を持ってもらう事がまずは重要だと考えています。

実際、僕一人で起業して少なくとも生き残ってこれたり、人を増やすだけの利益原資を得られるようになったのは、普通に努力していたからではなく、スレッショルドを超えるくらい人がやらない事を徹底的にやったからであって、それが単純に人数が増えただけで、スレッショルドを超えられるわけがないのです。

人数が増えたとしても、増えた分の全社員がスレッショルドを超えるレベルで徹底力を身につけられなければ、それはただ単に固定費が増えただけであり、成長とは呼びません。

少なくともビジネスの世界では生き残る事さえできないのです。

第二四半期は、僕自身が色々なチームや席に自ら介入を深める事で、背中で語り、細かな行動レベルでレクチャー、マネジメントを徹底的に実施する事で、スレッショルドを越えられる基準値・目線の引き上げに腐心していきたいと思っています。

しばらくは社内で口うるさいオジサンになってしまいますが、お許しください・・・。