看護師は需要が高く将来性もある!看護の将来の動向を徹底解説します

看護師の将来性はどうなる?需要のある仕事内容を徹底解説!

    本記事では、少子高齢化による社会構造の変化やAIやロボット技術の発展による影響で、看護師の需要や将来性について解説しています。

    また、今後の看護師に求められる知識も紹介するので、看護師の需要や将来性が気になる人は参考にしてみてください。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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看護師は需要が高く将来性もある仕事

看護師は医師の診察に基づいて診療や治療の補助を行ったり、病気やケガで不自由な生活を送る患者に対して、看護を提供することが仕事です。

そのため、看護師は需要が高く将来性もある仕事です。

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団塊世代が75歳以上となる2025年には、医療や介護の需要が一段と高まります。


看護師をはじめとした医療・福祉専門職の需要が高まっていく反面、看護師をはじめとした医療・福祉従事者の人材は不足することが予想されています。

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また、従来は病院やクリニックでの勤務が中心だった看護師の活躍の場は広がっていて、医師に代わって専門知識を持つ看護師が患者の日常生活・治療・療養に関する指導や相談、情報提供を行う「看護専門外来」の設置も進んでいます。

その他にも、病床不足や通院困難な高齢者に対して、適切な医療を提供できるように、患者の自宅に訪問して看護を行う訪問看護の需要も高まっていることからも、看護師の需要は非常に高く将来性もあることがわかります。

看護師の需要が高く将来性もある理由

看護師の需要が高くて将来性もある大きな理由としては、主に以下の3つの要素が影響しています。

超高齢化社会で医療の需要が高くなるか

日本では高齢化社会の影響で医療需要が高まっていると聞いたことがある人は多いと思いますが、実際に日本の高齢者の人口は2023年9月時点で総人口の29.1%が65歳以上の高齢者です。

そして、2040年には第二次ベビーブーム期(1971年〜1974年)の世代が65歳以上になり、総人口の34.8%が65歳以上の超高齢化社会になることが予想されているため、今後も高齢者の割合が増加して医療・福祉の需要も増えると考えられています。

また、総務省が発表した「統計から見た我が国の高齢者」では、日本の総人口に占める高齢者の割合は世界1位で2位のイタリアの24.5%と比較して大きく差がついていることからも、日本の高齢者の割合は世界的にも多いことがわかります。

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そして、日本の平均寿命や健康寿命も医療の発展によって伸びているため、高齢化社会の影響と平均寿命の延伸が起こります。


医療を必要とする人口は今後も増加していき、医療・福祉分野の従事者の需要も増えていくことが予想されているのです。

看護師は常に人手が不足しているか

高齢化社会の影響で看護師の需要が増加することを予想して、国は看護師を確保するために「新規養成」「復職支援」「定着促進」を通して、人材の確保を進めてきました。

その結果、看護師の就業者数は「2011年102.7万人」「2014年112.2万人」「2017年122.3万人」「2020年132万人」と着実に増えているのですが、看護師の2021年度の有効求人倍率は2.20倍と職種合計の1.19倍と比較しても非常に高いことから、看護師は不足状態にあることが分かります。

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そして、看護師の人材不足は高齢化による医療・福祉の需要増加も大きな要因ですが、他にも「業務負担が大きい」「勤務形態が不規則」「女性社会で人間関係が面倒」など、様々な理由で離職者が減らないことも要因となっているようです。

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また、看護師は女性の割合が多いので、育休・産休を取得する人も多いですが、激務の現場では働きながらの子育てが難しいと考える人も多く、育休・産休取得後の復職率が低いことも人手不足が解消しない一つの要因となっています。

看護師の知識や経験は幅広い分野で活かせるから

看護師として病院やクリニックで働く人も多いですが、看護師の知識や経験は病院やクリニック以外にも、様々な分野の仕事で活かすことが可能です。

例えば、看護師の働き先には訪問看護ステーションや高齢者向け福祉施設だけではなく、一般企業の看護師として働くこともできますし、看護や医療の知識を活かして医療機器メーカーでフィールドナースとして働く選択肢もあります。

その他にも、救護室やツアーナース・イベントナースとして働くこともできますし、医療看護専門のWebライターや看護師向けの転職・派遣会社でキャリアアドバイザーもしくは派遣コーディネーターとして働いている人もいます。

そして、近年では地方での医療格差を補うためにトラベルナースの需要も高まっているため、看護師の働き方は自由度も高まっていて、知識や経験を活かして活躍できる場も広がっているようですね。

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看護師にとって重要な2025年問題とは

「2025年問題」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、医療現場における2025年問題とは高齢者人口の割合が30%を超えたことで様々な問題が生じる可能性があることを伝えるために付けられた名称です。

具体的には、総人口の中で65歳以上の人口が占める割合が増えることで、医療費や介護費の増加、医療・福祉需要の増加による従事者の不足、社会報奨制度の持続可能性の確保に問題が生じる可能性があることを示唆しています。

もちろん、国も「新規養成」「復職支援」「定着促進」の3本柱で看護師の人材確保を進めていますが、それでも需要に対して供給が不足している状態にあり、今後も高齢者の割合が増えることで医療現場が逼迫することも懸念されています。

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また、人材不足による医療現場の課題を解決するためにオンライン診療や訪問看護の仕組み化を進めていたり、ITやAIの活用による医療補助や業務効率化で人手不足を補えるように対策していますが、まだまだ課題も多いのが現状です。

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2025年問題の先にも、2040年には総人口の34.8%が65歳以上となり2025年問題よりも深刻な状況になることも予想されています。


また、2040年には少子高齢化の影響もあって日本の総人口も低下している中で医療人材が不足するため、国も人口減少を克服するために対策しているようですね。

看護師の今後の需要や将来性に不安を感じる要因3選

看護師は需要や将来性の高い仕事ですが、看護師として働いている中で、将来に不安を感じている人もいると思います。

そこで、本項では看護師が将来に不安を感じる要因の中でも、看護師全体の需要や将来性に関する不安ついて解説していきます。

2025年問題の影響で看護師が余る可能性

国は2025年問題における問題を少しでも緩和するための施策として、2014年6月に医療介護総合確保促進法で2025年に必要な病床を適切に配置するための地域医療構想を練っていて、毎月各施設の報告から病床機能別での病床調整に力を入れています。

その影響で、高度急性期・急性期の病床を削減して回復期の病床を確保する動きがあったことから、高度急性期・急性期に関わる病棟で働いている看護師の中には、将来的に仕事がなくなるのではないかと不安に感じてしまう人もいたようです。

その他にも、看護師の人数が増えている中で、人口が減少することで看護師の必要数も減ってしまい、医療現場での人手不足が緩和・解消した後に看護師が余って働き先に困るのではないかと懸念する声もあったようですね。

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ですが、2025年問題に向けた対策の影響で看護師が増えすぎて余った場合に向けて、国は増えた看護師をカバーする看護体制の確立もしているので、安心してください。

AIの導入による看護師需要の低下

2015年のオックスフォード大学と野村総研の共同研究では「10〜20年以内に日本の労働人口の49%の仕事がAIの導入によってなくなる可能性がある」という研究結果が発表されました。

実際に、AI(人工知能)やロボット技術の発展によって、AIが組み込まれた家電製品が販売されたり、AIチャットボットやChatGPTをはじめとしたAI技術を活かしたITサービスが出てきたことで、既にAIは身近な存在となっています。

そして、医療・看護(介護)の現場でも「薬や検体を運搬するためのロボット」「音声認識によるカルテ入力ロボット」「手術支援ロボット、調剤ロボット」など、様々なAIやロボットの導入が進められていることから、看護師の仕事もAIに奪われるのではないかと不安に感じた人もいるようですね。

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AIによって看護師の仕事が奪われてしまうのではないかと心配している人もいるかもしれませんが、実際のところはAIにはできない看護師の仕事も多いです。


また、AIは人手不足解消の手助けとなるだけではなく、AIは医療水準を保つために重要な役割を担うので、医療現場でもAIの活用は注目されているようですね。

地域や領域による看護師需要の格差の問題

日本の医療現場では人手不足の状態が続いており、人口減少や医師不足の影響で地域・診療科によって看護師の需給には差がありますが、今後も地域や領域による医療格差の影響によって、看護師の需給の差が顕著になる可能性があります。

実際に、都道府県別の看護職員の儒給推計を見ると、看護職員が不足している地域と需要に供給が追いついていることで看護師が充足している状況になっている地域があることがわかります。

もちろん、地域の医療格差によって十分な医療が提供できていない地域もあるので看護師の需要自体はありますが、領域によっては有効求人倍率が1.00倍を下回っている施設もあることから、看護師の就労先が限定されたり、希望する施設での就労が難しい地域が出てくることも懸念されているようです。

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地域や領域の看護師需給格差解消のカギは訪問看護と言われており、領域別の有効求人倍率の中でも3.22倍となっています。


そのため、看護師として働く中で安定して働きたい人は、地域・領域別の有効求人倍率や需要の高い仕事にどんなものがあるのかチェックしておくと良いですよ。

将来的に看護師の仕事はなくなってしまうのか

看護師人材の増加やAIの発展による仕事の置き換え、地域や領域による看護師需要の格差の影響で、将来的に看護師の仕事がなくなるのではないかと心配している人もいるかもしれません。

そこで、本項では看護師の今後の需要や将来性に不安を感じる要因に対して、現時点でどのような見解があるのかについて詳しく紹介していきます。

増えた看護師をカバーする看護体制の確立

看護師の人数は、年々着実に増えている状況にありますが、将来的に「看護師が増え過ぎたことで働き先がなくなってしまうのではないか」と心配してしまう人もいると思います。

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ですが、看護師の需要は高齢化や社会情勢の変化によって増加傾向にあって、看護師自身の活躍の場も広がっていることから、看護師の人数が増えすぎたからといって、余剰人員が生まれるような傾向は見られません。

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また、日本看護協会の働きかけによって看護体制の拡充が図られたことで、入院患者に対して看護師の数が多いほど診療報酬が高くなるシステムが確立されていて、15:1の看護体制よりも7:1の看護体制の方が一般病棟の入院基本料は1.5倍となっています。

そのため、医療現場では患者への手厚いケアと看護師の業務負担軽減、診療報酬確保のために看護師を追加で募集する病院もあるため、看護師の需要が低下して仕事がなくなることはないので心配しなくても大丈夫ですよ。

AIにはできない看護師の仕事も多い

AI技術の発展に伴って、医療・福祉の現場でもAIが活用されることが増えてきたことで「AIに看護師の仕事が奪われて仕事がなくなってしまうのではないか」と不安に感じた人もいるかもしれません。

ですが、患者の気持ちや意向を汲んで適切に対応していくためには、高度なコミュニケーション能力や細やかな配慮が求められるため、今のAI技術では完全に代替することは難しいです。

また、AIは学習内容を元に分析や判断をするため、AIの導き出した結果の最終チェックは人が行う必要がありますし、機械から導き出された結果では受け入れられない患者もいます。

そのため、AIは業務効率化や人為的なミスの削減のために活用されることはあっても、あくまで医療現場の補助的な役割に留まり、人の介在が必要な仕事は医師や看護師が担うことになるので、AIに仕事を奪われることは心配しなくても大丈夫ですよ。

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AIは人手不足の解消や地域医療の水準を保つために必要な技術なので、仕事を奪い合うのではなく共存していくことが求められます。


そのため、AIの活用でどのようなメリットがあるのか、実際に現場で活躍しているAIにはどのようなものがあるのかについても詳しく紹介していきますね。

AIは人手不足解消の手助けとなる

看護師の将来的な人手不足は高齢化社会の需要増加だけではなく、総人口の減少によって医療従事者数の減少も要因となっていますが、人材不足を緩和する手段として注目されているのがAIの活用です。

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実際に医療現場では「AIによるレントゲンやMRIなどの画像診断」「自然言語処理によるカルテの解析」「AIを組み込んだ医療機器」「AIによるオンライン診断」など、様々な場面で活用されています。

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その他にも「AIの検知システムによる患者のモニタリング」「レセプト・看護計画・看護記録の自動作成」など、事務業務をはじめとした自動化しやすい分野でAIは積極的に活用されているようです。

このように、看護師の仕事の中でも負担が大きい業務を自動化していき、人の介在が必要な業務にリソースを限定することで、看護師の負担軽減や業務効率化を図ることができるため、AIは医療現場の人手不足解消の手助けになると考えられています。

AIは医療水準を保つために重要な役割を担う

人口減少による地域の医療格差は日本の社会問題として長年問題視されてきましたが、地域の医療格差を解消するために仕組みを整えたり、人材育成や復職率の向上などの人手不足を補う策を講じるなど、国も様々な方策を実行してきました。

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それでも高齢化の影響で増加した需要を満たすことは難しい状況にあり、十分な知識・スキル・経験を持った医師や看護師を特定地域で働かせるのも簡単ではないため、地域によって人手不足が深刻な状況になることも懸念されています。

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ですが、AIを活用して業務の自動化や効率化を進めて、医師や看護師の業務を限定できれば業務負担を減らすこともできますし、AIの精度が高くなれば医師や看護師のレベルに左右されずに平等な医療を提供できるようになる可能性もあります。

また、AIを活用すれば24時間診療が実現できるため、AI診療で対応して必要に応じて医師がオンラインで診療や処方の指導を行うことで、医師不足の地域でも適切な医療の提供ができるようになる可能性も高いです。

そして、AI診療や医師の診断の診療データを参考に訪問看護ステーションと連携しながら医療サービスを提供することで、地域による医療格差を緩和して日本の医療水準を保つための重要な役割を担うことも期待されています。

医療分野や介護・福祉分野で活用されるAI

医療・介護・福祉などの様々な領域でAIは活用されており、AIを搭載したシステムやロボットによる医療補助や業務効率化が進められています。

では、実際に医療分野や介護・福祉分野ではどのようなAIが活用されているのでしょうか?

医療分野におけるAIの活用例

  • AIを組み込んだ医療機器による医療支援
  • 自然言語処理を活用したカルテの解析
  • データ分析や画像処理を活用したゲノム解析
  • AIによるレントゲンやMRIなどの画像診断
  • AIを搭載したロボットによる手術支援
  • AIによる24時間診療やオンライン診療
  • AI検知システムによる患者のモニタリング
  • AIを活用したレセプトの自動作成
  • AIによる看護計画や看護記録の自動作成

介護・福祉分野におけるAIの活用例

  • ケアプランや個別支援計画書の自動作成
  • AIを活用した介護福祉施設の送迎の効率化
  • 音声対話型AIによる問い合わせ対応の自動化
  • AIを搭載したコミュニケーションロボット

医療分野では「ゲノム医療」「画像診断支援」「診断・治療支援」「医薬品開発」「介護・認知症対策」「手術支援」が重点分野とされていて、実用に至っているAIやロボットも存在します。

また、介護福祉におけるAIやロボットの活用では「移乗介助」「移動支援」「排泄支援」「見守り・コミュニケーション」「入浴支援」「介護業務支援」の6分野とそれぞれの項目の13項目を定めてAIやロボットの開発や導入支援を進めています。

上記のように、実際にAIは医療・介護・福祉の現場で活用されており、今後も業務効率化による人手不足の解消やサービスの質の向上のために、様々なAIやロボットの実用化が期待されているようですね。

地域や領域の看護師需給格差解消のカギ

看護師の仕事は地域や領域によって看護師需給の格差が発生していているケースもあり、看護師が働ける環境は数多くあったとしても、需要は地域や施設によって変わることも多いです。

特に、地方の医療機関や福祉施設に関しては、施設そのものが少なくなっていて、規模の大きい病院や特定の施設に看護師が集中していることもあり、有効求人倍率が1.00倍を下回る施設もあります。

有効求人倍率1.00倍を超える施設|2021年度

  • 訪問看護ステーション|3.22倍
  • 病院(20~199床)|1.80倍
  • 病院(200~499床)|1.40倍
  • 介護老人福祉施設(特養)|1.13倍
  • ケアハウス/グループホーム|1.04倍
  • 有料老人ホーム|1.04倍
  • その他社会福祉施設|1.03倍

有効求人倍率1.00倍を下回る施設|2021年度

  • 介護老人保健施設|0.93倍
  • 病院(500床移乗)|0.89倍
  • 診療所(無床)|0.81倍
  • デイサービス・デイケアセンター|0.70倍
  • その他居宅介護支援事業所|0.58倍
  • 市区町村・保健センター|0.55倍
  • 診療所(有床)|0.47倍
  • 都道府県・保健所|0.46倍
  • 学校・養成所等|0.46倍
  • 会社・事業所|0.39倍
  • 在宅介護支援センター|0.33倍
  • 看護小規模多機能型居宅介護事業所|0.26倍
  • 保育所・幼稚園|0.26倍
  • 救護(イベント等 )|0.23倍
  • 健診センター・労働衛生機関|0.21倍
  • 地域包括支援センター|0.15倍
  • 小・中・高校(養護教諭)|0.10倍
  • 介護医療院(Ⅰ型) |0.09倍
  • 介護医療院(Ⅱ 型)|0.08倍
  • 助産所|0.02倍

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況の領域別の看護職員の求人倍率の数値を見ると、看護師の職場としての需要が高いのが訪問看護ステーションとなっており、次いで病院(20~199床)と病院(200~499床)の有効求人倍率が高い状況です。

このことからも、現状で最も看護師を必要としているのは訪問看護を提供できる施設となっていて、訪問看護の性質を考えると地域による医療格差や平等な医療の提供を行なうためには訪問看護が求められていることがわかります。

そして、地域包括ケアシステムでは、Web問診やオンライン診断の活用と訪問看護との連携による医療提供によって、通院が難しい高齢者に対する支援にも力を入れているため、訪問看護ステーションの設置と人材確保が進められています。

また、看護師の需給の格差を解消するには、需要のある職場の人員を増やすことが重要です。つまり、需要が最もある訪問看護ステーションの人員を満たしていくことがカギだと言えます。

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地域によって有効求人倍率は変わりますし、有効求人倍率が低くてもスキルや経験次第で転職できる可能性は十分にあります。


そのため、看護師として転職を考えている場合は、看護師の転職に強い転職エージェントで相談してみるのもおすすめですよ。

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看護師で需要が増して将来性の高い看護分野

看護師が活躍できるフィールドは幅広いですが、社会情勢や政策、看護需給の変化によって看護師の需要には偏りが出ることが予想されています。

そのため、本項では看護分野の中でも需要が増していて将来性の高い分野について紹介していくので、今後のキャリア選択の参考にしてみてくださいね。

在宅医療

少子高齢化などの社会構造の変化によって、地域医療の需要は病院やクリニックでの医療だけではなく、地域包括ケアシステムによる在宅医療の需要も高まっています。

地域包括ケアシステムとは、住み慣れた地域・自宅で自分らしく人生の最期まで過ごせるように、医療・介護・住まい・予防・生活支援サービスが包括的に提供される地域の支援・サービス提供体制のことを指します。

そして、地域によって病院や医療従事者が減少していることによって病院やクリニックへの通院や入院が困難な患者もいて、自宅で治療を受けられる在宅医療は今後の医療にとって必要なため将来性が高い分野と認識されているようです。

高齢者ケア

2019年に内閣府が発表した「高齢社会白書」によると、2030年には日本の総人口のおよそ1億1900万人のうち、1/3となる約3700万人が65歳以上の高齢者になり、その後も2065年頃まで高齢者の占める割合は増えることが予想されてます。

そして、高齢になると運動能力や身体機能が低下して怪我や病気になりやすいですが、より健全な生活を送っていくためには高齢者自身が生き方・暮らし方を決めて残存能力を活用しながら生活が継続できるように支援することが重要です。

そして、高齢者ケアは医療・介護・福祉領域においても重要な分野で、今後も高齢者ケアの分野は高齢化社会の中で需要が増加していくため、将来性が高い分野と考えられています。

訪問看護

高齢化社会や地域医療の需要の変化、地域包括ケアシステムの推進によって注目されているのが訪問看護の仕事になります。

訪問看護では、医療機関に通院できない高齢者や自宅介護の高齢者、自宅療養中の患者に平等かつ適切な医療を提供できるように、看護師が訪問して医療方針に則って看護を行っていきます。

訪問看護は地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担っており、2021年度の有効求人倍率が3.22倍となっていることからも需要が高く将来性の高い分野ですね。

看護専門外来

看護師は本来医師の具体的な指示に基づいて医療行為を補助するのが仕事ですが、看護師に認められている医療行為の範囲は広がっており、看護専門外来を設置している医療機関も増えています。

看護専門外来では、通常の外来を受診した後に医師の指示に基づいて、看護師が患者の日常生活・治療・療養に関する生活全般のケアや指導や相談、情報提供を通して患者に最適な医療サービスを提供するための支援を行なっていくのが特徴です。

看護外来は限られた外来の診療時間では対応が難しい患者さんや家族の相談ができる場の提供するためにも重要な分野であり、在宅医療や訪問看護と連携することで退院後のケアもできるため、今後も需要が伸びて将来性が高い分野となっています。

看護師が将来を見据えたキャリア形成のために大切なこと

看護師として働く際には、将来のキャリアを見据えたキャリア選択が大切ですが、実際に将来のキャリアについて考えたり、キャリア形成を行っていく際には、以下のポイントを意識してみてくださいね。

将来的に看護師に求められることを把握する

看護師としてのキャリアには「特定分野のスペシャリストとしての知識や経験を身に付ける」「需要の変化を考慮してキャリア形成をして需要の高い現場で働き続ける」といった選択肢があります。

また、キャリアについて考える時には興味関心で選ぶ人も多いですが、将来を見据えたキャリア形成をしたいのであれば、将来の看護師に求められることや需要のある分野を正確に把握してキャリアプランを立てていくことも大切です。

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具体的には、興味関心のある分野や知識・経験を活かしやすい分野だけではなく、現状において需要・注目度の高い分野と将来的に需要・注目度が高くなる分野を把握しておくことで、将来を見据えたキャリアプランを立てやすくなります。

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もちろん、最終的には自分の希望にとって最適なキャリアを選ぶことになりますが、将来を見据えたキャリア形成がしたいのであれば、需要や将来性を把握しておくことは無駄にならないので、気になることは積極的に調べておきましょう。

キャリアプランを明確にしてキャリアを選ぶ

将来を見据えたキャリア形成をしていくためには、キャリアプランを明確にした上で、希望のキャリアを実現するために必要なことを把握しておく必要があります。

キャリア選択の際には興味関心でこれからのキャリアを決めてしまう人もいますが、看護師として需要のある分野で働きたい人や将来を見据えたキャリア選択をしていきたい人はキャリアプランを明確にした上でキャリアを選ぶことが大切です。

もちろん、キャリアの希望は働いていく中で変わることも多いですが、それでも希望を明確にしておくことで、明確な目標を持って仕事に取り組むことができますし、希望のキャリアが明確であれば将来に不安を感じることも少なくなります。

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そのため、将来を見据えたキャリア形成をしていきたいのであれば、将来的に看護師に求められることを把握した上で、希望のキャリアを明確にしてキャリアプランを立てていくことをおすすめします。

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看護師のキャリアプランを立てる際には、順を追って情報収集や整理をしながら計画を立てていく必要があります。


そのため、看護師の具体的なキャリアプランの立て方について知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

専門分野を持った看護師を目指していく

看護師として安定して働いていくためには、特定分野のスペシャリストとしての知識や経験を積んでいくことが重要になります。

看護師にも特定分野に精通したスペシャリストと幅広い分野の知識や経験があって様々な場面で活躍できるジェネラリストがいますが、ジェネラリストとして働くためには計画的にキャリア形成や資格取得をする必要があるため難易度が高いです。

その点、スペシャリストのキャリア形成では、特定分野の経験を積んだり関連知識の習得や資格取得をして専門性を高めていく形になるので、ジェネラリストに比べてキャリア形成がしやすくなります。

看護現場では幅広い知識や経験がある看護師は重宝されますが、それは一定水準のレベルの仕事ができることが前提となるので、キャリア形成をしていく際には専門性を高めていくために特定分野のスペシャリストを目指すのがおすすめですよ。

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ジェネラリストを目指す場合でも特定分野に精通してから関連分野の経験を積む方が効率的にキャリアを築いていくことができます。


また、中途半端な知識や経験だと意味がないので、最低でも即戦力として一通りの業務に対応できるだけの経験を積んでから、次の分野にチャレンジしましょう。

キャリア選択に迷ったら転職エージェントで相談するのもおすすめ

看護師として働いていく中で、将来のキャリア選択に迷ったら、転職エージェントでキャリアについて相談してみるのもおすすめです。

転職エージェントでは転職以外にも、キャリアに関する相談や希望のキャリアを実現するために必要なことに関するアドバイスもしてくれます。

特に、看護師向けの転職エージェントでは、看護師経験のあるキャリアアドバイザーが在籍しているため、看護師の転職市場やキャリアに関する具体的なアドバイスをもらえる可能性も高いです。

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そのため、将来のキャリアについて悩んでいる人や希望のキャリアを実現するためにどのような職場に転職すればいいのか知りたい人は、転職エージェントで話を聞いてみると良いですよ。

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将来の看護師に求められる知識

看護師として将来を見据えたキャリア形成をしていきたいのであれば、興味関心だけではなく、将来の看護師に求められる知識を身に付けていくことが求められます。

そして、将来的にどのような分野の知識の需要が高くなるのか気になっている人もいると思うので、本項では将来の看護師に求められる知識にはどのようなものがあるのかについて紹介していきます。

在宅医療・在宅ケアに関する知識

地域包括ケアシステムを円滑に機能させるためには在宅医療・在宅ケアは必要不可欠な分野とされているため、将来の看護師には在宅医療や在宅ケアに関する知識も求められてきます。

特に、在宅医療を推進している病院や看護外来で働いている看護師は、患者が自宅でも適切な医療を受けられるようにサポートする必要がありますし、訪問看護師として働く場合にも在宅医療・在宅ケアの知識は必要です。

そして、高齢化社会における医療人材の不足や地域による医療格差を緩和するためには、在宅医療は重要な要素となるため、看護師として働いていくのであれば在宅医療や在宅ケアに関する知識を身につけておくと役に立ちますよ。

高齢者ケア・老年看護に関する知識

高齢化社会の影響で医療が必要な高齢者は増えており、今後も医療や福祉のサービスが必要な高齢者は増え続けることが予想されているため、看護師には高齢者ケアや老年看護に関する知識も求められてきます。

看護師として働いていると高齢者と接する機会も多いので、高齢者ケアや老年看護について勉強をしている看護師も多いですが、高齢者ケアや老年看護は病院以外にも在宅医療や高齢者向け福祉施設など、様々な場面でも必要とされている知識です。

また、平均寿命が伸びたことで看護師には高齢者が健康な状態で自分らしく充実した生活を送れるようにサポートしていくことも求められてくるので、看護師として働くなら高齢者ケアや老年看護に関する勉強は積極的にしていきましょう。

地域医療・地域包括ケアに関連する知識

医療における大きな課題の一つとして挙げられるのが、地域による医療格差ですが、国や医療機関では全ての国民に平等に医療を受ける機会を保障するために地域包括ケアシステムを推進してきました。

そして、今後も広がっていく地域の医療格差や医療人材の不足を緩和するために、各自治体や地域の医療機関・介護福祉施設を中心に連携をとりながら、医療を必要としていて通院が難しい高齢者を中心に支援を行なっています。

また、地域医療や地域包括ケアは地方の問題ではなく、人口比率が高い都心でも医療人材不足による地域での医療格差は発生しているため、より最適な医療提供をするために看護師は地域医療や地域包括ケアの状況を把握しておくことも大切です。

介護予防・生活習慣病予防に関する知識

看護師として働いている中でも介護業務を行うことは多いですが、今後も高齢化社会の影響によって、医療や介護が必要になる高齢者は増え続けることが予想されています。

ですが、医療従事者や介護従事者は総人口の減少と少子高齢化の影響で一人当たりの業務負担が増えている状態にあるため、介護や生活習慣病の治療が必要になる人材を少しでも減らすための介護予防や生活習慣病予防は重要な分野となっています。

そして、介護予防や生活習慣病予防に関する知識は、看護外来や訪問看護でも必要な知識となるため、看護外来や訪問看護で働きたいと考えている人は介護予防や生活習慣病予防に関する知識について勉強しておくのもおすすめですよ。

訪問看護や外来看護に関する知識

少子高齢化社会の影響による医療従事者の不足や地域の医療格差を緩和するために注目されているのが訪問看護と外来看護で、医療や看護が必要な患者に対して適切な医療サービスを提供するためにも訪問看護や外来看護は重要な役割を担っています。

特に、地域包括ケアシステムでは、医療機関の診断に基づいて外来看護で患者の相談や予防支援の対応をしたり、通院の難しい患者に対して訪問看護で在宅医療を提供ができるように仕組みを作っている状態で需要はかなり高くなっています。

そのため、看護師として訪問看護や看護師外来の仕事に携わりたいと考えている場合には、訪問看護や外来看護の仕事内容や求められる知識・スキルについて把握した上で、その他にも必要になる知識に関しても積極的に勉強していくことが大切です。

将来性のある看護師関連の転職先

看護師としてのキャリアを築いていく際には、どの職場で働くかによって積める経験も変わるため、本項では看護師として働く上で将来性のある看護師関連の転職先について紹介していきます。

看護師として働く場合には病院や診療所(クリニック)以外にも様々な転職先がありますが、訪問看護ステーションや高齢者向け介護福祉施設も需要が高まっているので、ぜひ参考にしてみてください。

病院・診療所(クリニック)

病院や診療所(クリニック)は地域の医療提供に欠かせない存在であり、需要も安定していて将来性も高いだけではなく、看護師が現場経験を積んで成長できる環境が整っています。

特に、病床数が20〜99床の小規模病院や100〜499床の中規模病院の有効求人倍率は1.40倍〜1.80倍と高いため、需要が高い職場に転職したい看護師にはおすすめですね。

また、診療所(クリニック)も病院と違って軽い怪我や病気、慢性疾患の患者の治療が中心となるため、病棟勤務に比べて看護師にかかる精神的な負担も少なく、診療時間が決まっているため残業も少ないため看護師に人気の転職先になっています。

そして、病院や診療所(クリニック)には経営状況に差はあれど、地域の医療に必要不可欠な存在であるため、将来性のある職場として病院・診療所(クリニック)はおすすめです。

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看護師経験を積みたい場合は中規模以上の病院、ワークライフバランスを重視したい人は小規模の病院や診療所(クリニック)で働くのがおすすめですよ。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、地域包括ケアを推進していくためにも重要な役割を担っており、2021年度の有効求人倍率は3.22倍と他の職場よりも圧倒的に需要が高い転職先となっています。

また、訪問看護師として働く際には、医療機関と連携をしながら在宅看護を行いますが、何かあればその場で判断して適切な処置が求められるため、看護師としてもある程度の経験が求められます。

その分、看護師としての知識や経験を活かして医療支援をしていきたい人や患者に向き合った看護をしたい人にはおすすめの職場で、訪問看護は夜勤がなく柔軟な働き方もしやすいのも特徴です。

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もちろん、訪問看護にもオンコール対応が発生することもありますし、基本的に一人で対応する必要があるので責任が重いと感じることもありますが、今後需要は高まっていき将来性も高いので転職先としてはおすすめですよ。

高齢者向け介護福祉施設

高齢者向けの介護福祉施設は高齢化社会の影響で需要が高まっていますが、介護福祉施設でも看護師の需要は高いので転職先としてはおすすめです。

高齢者向けの介護福祉施設では、バイタルチェックや健康管理、投薬管理や感染予防などの業務対応をしていきますが、必要に応じて介護補助を行うこともあるため介護に関する知識も求められます。

また、入居型の介護移設であれば夜勤も発生しますし、施設によっては一人・少人数の看護師で仕事を回さなければいけなくて大変に感じることもあるので、決して楽な仕事ではありません。

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ですが、介護福祉に特化した経験を積むことで、高齢者ケアや介護の専門性を高めることができて様々な領域で活躍できるので、介護福祉分野の仕事に興味がある人は転職するのもおすすめです。

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高齢者向け福祉施設にはデイサービス・グループホーム・有料老人ホーム・特別養護老人ホームなど、様々な種類があるので転職する際には情報収集した上で転職先を選ぶことが大切です。

保健所・保健センター

保健所や保健センターは地域包括ケアシステムにおいて、地域の人々の健康を支援する場として重要な役割を担っていて、看護師の中には保健所や保健センターで働いている人もいます。

保健所・保健センターは地域の人に対する健康相談や家庭訪問による看護・指導、健康診断や予防接種の対応などの予防看護が主な仕事となります。

また、保健所・保健センターの看護師は公務員となり、収入も安定していて夜勤がなくて残業も少ないので、ワークライフバランスを重視したい人にはおすすめの転職先です。

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ですが、保健所・保健センターには保健師がおり、看護師の募集枠は限られていて競争率も高いので、転職する際にはしっかりと情報収集や準備をした上で転職活動を進めていくことが大切です。

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看護師が転職をする場合には、看護師向けの転職エージェントを活用すると、転職相談もしやすくて希望にマッチした求人も効率的に見つけることができます。


特に、看護roo!転職レバウェル看護(旧:看護のお仕事)看護師ワーカー(旧:医療ワーカー)は、保有求人数も多く転職支援実績も豊富なのでおすすめですよ。

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看護師のスキルアップ・キャリアアップに役立つ資格

看護師として働いていく中で、スキルアップやキャリアアップを目指す場合には、特定の資格を取得するのが有効な手段となります。

そこで、本項では看護師のスキルアップやキャリアアップに役立つ資格を4つ紹介していくので、参考にしてみてください。

専門看護師

専門看護師(Certified Nurse Specialist)とは、特定分野の深い知識や優れた技術を活かし、患者やその家族に質の高いケアを提供できる看護師のことを指し、専門看護分野において以下の役割を果たせる人材であることを認定する資格です。

専門看護師の役割
実践 個人・家族及び集団に対して卓越した看護を実践する
相談 看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う
調整 必要なケアを円滑に行うために、保健医療福祉関係者とのコーディネーションを行う
倫理調整 個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る
教育 看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす
研究 専門知識及び技術の向上ならびに開発を図るために実践の場における研究活動を行う

専門看護師資格には、地域看護・老人看護・感染症看護・在宅看護をはじめとして14分野の専門分野の試験があり、看護師としてのキャリアアップを目指していく際に有効な資格となっています。

また、専門看護師の資格を取得するには、以下の3つの要件を満たした上で認定試験に合格する必要があります。

専門看護師の受験資格

  1. 日本の看護師免許を保有していること
  2. 看護系大学/大学院に通って2年間で38単位取得していること
  3. 看護師の実務経験5年以上(そのうち3年以上は専門分野での実務)があること

専門看護師試験に受験には特定分野での実務経験が必要になるため、複数の資格を取得する難易度は高いですが、専門看護師は高い専門性を持つ看護師として市場価値も高いので、キャリアの希望に沿う資格は積極的に取得を目指していきましょう。

認定看護師

認定看護師(Certified Nurse)は、特定分野において熟練した看護技術を有していて、高い水準での看護実践や看護師への指導・相談対応ができるだけの知識があることを証明する資格です。

認定看護師の分野には、在宅ケア・接触嚥下障害看護・感染管理・認知症看護など19の分野があり、資格を取得することで特定分野で以下の役割を果たせる人材であることを証明できます。

認定看護師の役割
実践 個人・家族・集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する
指導 看護実践を通して看護職に対し指導を行う
相談 看護職等に対しコンサルテーションを行う

また、認定看護師の資格を取得するには、以下の3つの要件を満たした上で認定試験に合格する必要があります。

認定看護師の受験資格

  1. 日本の看護師免許を保有していること
  2. 看護師の実務経験5年以上(そのうち3年以上は専門分野での実務)があること
  3. 認定看護師教育機関でA課程(615時間)もしくはB課程(800時間+特定行為研修)の教育を修了していること

認定看護師も資格取得のハードルは高いですが、取得することで特定分野における看護のスペシャリストとして活躍できるので、キャリアアップを目指したい人は積極的に資格を取得していきましょう。

保健師

保健師は病気にならないように指導や対策を行う予防医療に精通した職種で、食事や運動などの様々な観点から生活指導やアドバイスを行っていきます。

保健師には看護師資格と保健師資格の両方が必要となるため、看護師免許を持っている場合には、保健師の養成学校(1年生)や看護系大学保健師養成課程(3年次編入)の勉強をした上で保健師国家試験に合格する必要があります。

また、保健師は保健所・保健センター・市区町村の役所で働くことが多いですが、保健所・保健センター・市区町村の役所で働くには公務員試験にも合格する必要があるため転職のハードルは高いです。

ですが、保健師の資格を取得することで、需要が高まっている予防医療の専門家として働いていくことができるので、活躍できる場を広げていきたいと考えている人は資格の取得も検討してみてください。

助産師

助産師は、助産のスペシャリストとして妊娠から出産、育児に至るまで、母子の健康を支えていく仕事で、助産師は女性限定の仕事なので女性のキャリアの選択肢としてはおすすめの選択肢になります。

助産師になるには、看護師資格と助産師資格の両方が必要となっているので、看護師免許を取得している場合には、助産師養成学校に1年通った上で助産師の国家試験に合格する必要があります。

ですが、助産師国家試験の合格率は2023年2月実施の試験で95.6%となっていて、養成学校で勉強をすれば資格取得は目指しやすいので、看護師だけではなく助産師として働いてみたいと考えているのであれば資格取得を目指すのもおすすめですよ。

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また、少子化が進む日本では助産師の将来性を不安視する声もありますが、看護専門外来として「助産師外来」を設ける病院やクリニックは増えていますし、看護師としての経験があれば就職先に困ることはないので安心してくださいね。

看護師としての知識の幅を広げたい人におすすめの資格

看護師として働く際には、専門看護師や認定看護師の資格取得を目指すのがおすすめですが、知識の幅を広げたい人は以下の資格取得もおすすめですよ。

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看護師として携わっている分野だけではなく、関連性の高い分野の資格を取得することでキャリアにプラスになることもあります。


そのため、本項で紹介する資格の中で、仕事に関連性の高い資格や興味のある資格があれば取得も検討してみましょう。

呼吸療法認定士

呼吸療法認定士は「3学会合同呼吸療法認定士」の略称で、専門性を高めたい看護師が積極的に取得を目指している資格になります。

高齢化社会において呼吸器に障害を抱える人も増えている中で、呼吸療法は医療において必要な分野となっており、呼吸療法認定士は呼吸療法を的確に実施したり、関連機器を管理するための知識を有していることを証明できる資格です。

そのため、呼吸療法認定士の資格を取得すれば、呼吸療法に関する専門的な知識や技術をアピールできて、キャリアアップや手当による年収アップにつながることもあるので、興味のある人は資格取得を検討してみてくださいね。

また、呼吸療法認定士の資格を取得するには、看護師としての実務経験を2年以上積んだ上で、毎年8月に実施される認定講習を受講した後に、11月に実施される認定試験で規定以上の点数を獲得することで認定資格を取得することができますよ。

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、終末期を過ごす人やその家族をサポートする「臨床ケアのスペシャリスト」として、確かな根拠に基づいて臨床ケアができる人材であることを証明する資格となっています。

終末期ケア専門士の資格を取得するには、看護師として2年以上の実務経験を積んだ上で終末期ケア専門士認定試験に合格する必要があり、資格取得後にも3年ごとに規定の単位の取得をして資格を更新する必要があります。

高齢者が増えている現代では、最期まで穏やかに自分らしく過ごしたいと考える人が増えていて、終末期の看取りケアの需要も高まっているため、終末期ケア専門士の資格を活かせる場面は増えています。

また、終末期ケア専門士は、緩和ケア外来や訪問看護ステーション、高齢者向け福祉施設などで働く場合に有効な資格となるので、キャリアの希望に応じて資格を取得していくのもおすすめですよ。

臨床心理士

臨床心理士は心理学に関する専門知識を駆使して、クライアントの心の問題を解決していく仕事ですが、精神科で働く看護師がスキルアップ・キャリアアップ目的で資格取得を目指すこともあります。

臨床心理士の資格を取得するには、指定大学院(第1種・第2種)・専門大学院での課程を修了する必要があるためハードルは高いですが、精神科領域の看護師としてキャリアアップを目指したい場合に有効な手段となっています。

また、現代社会ではうつ病や気分障害をはじめとした精神疾患の患者が増えていたり、発達障害への理解が深まったことで大人になってから発達障害に気付くケースも増えているため、現代社会において精神科領域は非常に需要の高い分野です。

そのため、精神科で働く看護師もうつ病や発達障害など心身的な問題を抱えていたり、特性によって生活に不自由を感じている患者に向き合うことも多いので、より適切な看護をしていきたいと考えている人は資格取得も検討してみてくださいね。

栄養サポートチーム専門療法士

栄養サポートチーム専門療法士は、患者の栄養管理計画書を作成した上で、栄養状態を管理して適切な栄養摂取や食事改善を通してサポートできる知識を持っていることを証明する資格になります。

栄養サポートは、患者の栄養状態の改善や治療効果の向上、合併症の予防など、医療サービスの効果を高めていくためにも重要な要素であり、病院でも栄養サポートチーム(NST)で患者を包括的にサポートする体制を整えているところも多いです。

そして、栄養サポートチーム専門療法士の資格を取得するには以下の要件を満たして、栄養サポートチーム専門療法士試験に合格する必要があります。

栄養サポートチーム専門療法士試験の要件

  1. 受験申請時までに日本臨床栄養代謝学会の会員となり会費を完納すること
  2. 認定対象となる国家資格(看護師を含む)を保有していること
  3. 5年以上の業務経験と栄養管理業務の経験があること
  4. セミナーや学会に参加して規定の単位を取得していること
  5. 規定の教育施設での実地修練を修了していること

栄養サポートは患者に適切な医療を提供していくためにも重要にな要素ですし、訪問看護においてもNSTチームを設立して、在宅療養者の栄養管理をしているケースもあるため、資格を取得しておけばキャリアにもプラスになりますよ。

将来は介護・福祉の仕事に携わりたい看護師におすすめの資格

地域包括ケアシステムでは医療機関で働く看護師だけではなく、介護福祉に関する技能・知識を有した看護師の需要も高まっていくため、看護師として介護福祉の仕事に携わりたいと考えている人は以下の資格を取得するのもおすすめです。

特に、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得すれば福祉分野での市場価値が上がりますし、ケアマネージャーや介護福祉士の資格を取得すると介護分野での市場価値も上がるのでキャリア志向に応じて取得を検討していきましょう。

社会福祉士

社会福祉士は「身体や精神に障害を抱えている人」「何かしらの理由で日常生活を営むことに支障のある人」を対象に相談・助言・指導を行なったり、福祉サービスを受けられるように援助する仕事です。

社会福祉士になるには、以下の要件を満たした上で、社会福祉士国家試験に合格して、社会福祉士として登録する必要があります。

社会福祉士試験 受験資格

◇出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

看護師の仕事は基本的に相談業務経験には入らないので資格取得の難易度は高いですが、要件を満たしている看護師の中には福祉介護分野の知識や技術を補う目的でダブルライセンスを目指す人もいます。

そして、社会福祉士は介護福祉分野では名称独占資格で資格保有者の需要は高いため、将来的に介護福祉に関連する仕事に携わりたい人で要件を満たしている人は取得を検討するのもおすすめですよ。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、総合失調症・認知症・アスペルガー症候群などの精神障害を抱える人とその家族からの相談に対応して、日常生活が営めるように訓練をする施設を紹介したり、就職のためのアドバイスなどの援助を行なっていく仕事です。

そして、精神保健福祉士になるには、以下の要件を満たした上で精神保健福祉士国家試験に合格して、精神保健福祉士として登録する必要があります。

精神保健福祉士試験 受験資格

◇出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

精神保健福祉士は、精神障害分野に特化したソーシャルワーカー(PSW)とも呼ばれており、精神障害を抱える人が増えている現代においても需要の高い仕事となっています。

また、精神保健福祉士は、総合病院や精神病院などの医療機関、精神福祉保健センターなどの行政機関、精神障害福祉施設など幅広い施設での需要があるため、興味がある人は資格取得を検討してみるのもおすすめです。

ケアマネージャー(介護支援専門員)

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする利用者が介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整を行う役割を担っています。

ケアマネージャーは、介護保険のスペシャリストとして、居住介護支援事業や特別養護老人ホームなどの介護施設で働いたり、自治体の介護相談窓口となる地域包括支援センターで働くことも多いです。

ケアマネージャーになるには、指定業務を5年以上かつ900日以上経験した上で、介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要がありますが、看護師の仕事は指定業務に含まれているので5年以上の業務経験があれば資格試験にチャレンジできます。

転職エージェント末永 末永

そして、看護師とケアマネージャーのダブルライセンスになると、介護業界での市場価値が上がって転職先に困ることもなくなりますし、医療や福祉の知識を活用して連携がとりやすくなるので現場でも重宝されるようになりますよ。

介護福祉士

介護福祉士は、要介護者の生活支援とその家族に対する介護指導・相談業務を行う介護のスペシャリストで、高齢化社会において需要が高い仕事です。

介護福祉士は介護業界唯一の国家資格で、資格を取得することで介護業界でキャリアアップを目指しやすくなりますが、資格を取得するには以下の要件を満たした上で介護福祉士試験に合格して登録する必要があります。

介護福祉士試験 受験資格

◇出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

介護業界の看護師として働く場合には、介護福祉士と看護師免許のダブルライセンスになると、市場価値も高くてキャリアアップも目指しやすいですし、転職でも有利に進めることができます。

また、看護師でも訪問看護や病棟勤務に携わっている人は介護・介助業務をすることも多いため、介護福祉士の資格を取得しておけば看護師としてのスキルアップにもつながるのでおすすめですよ。

看護師の転職には看護師向け転職エージェントの活用がおすすめ

看護師が将来のキャリアを見据えて転職をする場合は、看護師向けの転職エージェントの活用がおすすめですよ。

というのも、看護師向けの転職エージェントでは、看護師経験のあるキャリアアドバイザーも在籍していて希望のキャリアに関する相談もしやすいです。

また、転職エージェントでは求人紹介や求人担当者との連絡の仲介もしてくれるので働きながらの転職活動でも進めやすく、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策のアドバイスまでしてくれるので選考の通過率を上げることにもつながります。

転職エージェント末永 末永

そのため、効率的に転職活動を進めたい人や相談しながら転職活動を進めたい人は、積極的に転職エージェントを活用していくのがおすすめです。

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看護師の転職で希望の求人を効率的に探したい場合には、2社〜3社の転職エージェントを併用していくと求人探しの幅が広がります。


また、複数の転職エージェントを利用することで希望にマッチした求人が見つけやすくなるので、気になるサービスがあれば積極的に登録しておきましょう。

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また、転職エージェントについて、さらに詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

看護師の需要や将来性に関するよくある質問

最後に、看護師の需要や将来性に関するよくある質問をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

看護師の2025年問題とはなんですか

人物 看護師

看護師の2025年問題ってよく聞きますけど、どのような問題なのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

2025年には65歳以上の人口が増えることで、医療費や介護費の増加、医療・福祉需要の増加による従事者の不足、社会報奨制度の持続可能性の確保に問題が生じる可能性があります。


そして、2025年問題とはそれらの問題が起こることを伝えるために付けられた名称となります。

看護師の仕事はAIに取られてしまうのでしょうか

人物 看護師

看護師の現場でもAIが導入されていますが、将来的に看護師の仕事はAIに取られてしまうのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

看護の仕事の中には高度なコミュニケーション能力や細やかな配慮が求められる仕事もあるため、AIでの代替が難しい仕事もあるので、完全に仕事を奪われる心配はありません。


なので、AIは医療現場の人手不足の解消や地域による医療格差を緩和するために必要な技術と考えて共存していくことが大切です。

将来的に看護師は余るのでしょうか

人物 看護師

看護師の人数は年々増加していると聞いたのですが、将来的に看護師は余ることはあるのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

看護師は医療現場において必要不可欠な存在で、高齢化や社会情勢の変化を背景に看護師の需要は増加傾向にあり、活躍の場も広がっています。


そのため、看護師不足が解消しても、看護師が余るような傾向は見られないので安心してください。

看護師として働き続けることはできるの

人物 看護師

今は看護師の需要があるので良いですが、将来も変わらず看護師として働き続けることはできるのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

看護師は今後も医療現場において必要不可欠な存在であり、経験を積めば働き続けることはできるので安心してください。


また、看護師が活躍できる職場は広がっているので、関連知識を身に付けたり、経験を積むことで安定して働くことができますよ。

将来の看護師に求められる知識にはどんなものがあるのか

人物 看護師

将来の看護師に求められる知識にはどんなものがあるのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

需要の増加傾向を見ると以下の分野の需要が高いため、将来の看護師には以下の知識が求められることが増えますね。

将来の看護師に求められる知識

  • 在宅医療・在宅ケア
  • 高齢者ケア・老年看護
  • 地域医療・地域包括ケア
  • 介護予防・生活習慣病予防
  • 訪問看護・外来看護

看護師が転職をするのにおすすめの転職エージェントはありますか

人物 看護師

看護師が転職をするのにおすすめの転職エージェントはありますか?

転職エージェント末永 末永

看護師の転職であれば、看護roo!転職レバウェル看護(旧:看護のお仕事)看護師ワーカー(旧:医療ワーカー)がおすすめです。


いずれの転職エージェントも看護師経験のあるキャリアアドバイザーも在籍していますし、取扱求人数も多くて転職支援実績も豊富なので、効率的に希望の求人を探していくことができますよ。

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