転職エージェントの費用・料金は無料?仕組みをプロが徹底解説!

転職エージェントの費用・料金は無料?仕組みをプロが徹底解説!

    転職エージェントの費用・料金がかからない仕組みやなぜ無料で利用できるのかを現役の転職エージェントがわかりやすく解説します。

    他にも、成功報酬の裏事情や退職時のQ&Aや活用するメリット、タダだからこそ気をつけたい注意点も紹介します。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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転職エージェントは無料で利用できる

転職者・求職者であれば、転職エージェントの費用・料金はかからず無料で利用できます

つまり、転職エージェントで受けられるすべてのサービスが料金を支払わずに利用できるのです。

求職者が負担をせずにサービスを利用できる点が転職エージェントのメリットです。

とはいえ、無料なんてそんな上手い話ってあるの?と思われるかもしれませんが、以下の法律で定められているため心配は要りません。

有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない。

厚生労働省 職業安定法の第三十二条の三

末永雄大 末永

ただし、転職エージェントはボランティアではなく、ビジネスの一環としてサービスを展開しています。


ビジネスである以上、転職エージェントもどこかから利益を得ていることになります。


そこで転職エージェントのビジネスモデルを簡単に解説するため、以下のような図をご用意しました。

転職エージェントのビジネスモデル

上記の図からもわかるように、転職エージェントは人材を採用したい企業と転職したい人の間に入って、双方をマッチングさせるビジネスモデルとなっています。

末永雄大 末永

転職者に対しては無料で求人紹介や履歴書添削などのサポートを行い、企業には募集要件に合う求職者を紹介します。


企業が紹介された人材を採用した際に、成功報酬として手数料が支払われる仕組みです。

転職エージェントの成功報酬の相場

厚生労働省の手数料表によると、転職エージェントが企業から受け取る成功報酬の相場は、一般的に転職決定した人の年収の30〜45%程度です。

成果報酬は一律で固定されているわけではなく、転職者によって変わってきます。実際にどれくらいになるのか、成功報酬の実例を紹介します。

                       
年収 30% 35% 45%
300万円90万円105万円135万円
500万円150万円175万円225万円
700万円210万円245万円315万円
1000万円300万円350万円450万円

参考:採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査報告書

このように転職者の推定年収が高ければ高いほど、転職エージェントが企業から受け取れる成功報酬の額も上がります。

ただ、企業から成功報酬を受け取るビジネスモデルのため、中には内定が出やすい企業や年収が高い企業ばかり提案してくる場合があります。また、内定承諾を強要してくる転職エージェントも存在するので注意が必要です。

転職エージェントはやめとけと言われる理由についてさらに詳しく知りたい人は下の記事も併せてご覧くださいね。

転職支援サービスの料金比較表

転職活動で利用されることの多い3つのサービスと、それぞれのサービスに対して企業が支払う成功報酬の特徴をまとめてみました。

企業によっては転職エージェント以外のサービスを使ったほうが転職しやすい場合があります。自分の希望する企業がどれに当てはまるのか、参考にしてみてください。

エージェント 【企業が支払う料金・費用】
年収の30〜45%
●採用意欲の高い企業が多い傾向
●応募者を絞り込みたい多くの大手企業や人気企業が利用している
●年収が高い業種や管理職の募集で利用されることが多い
転職サイト
求人サイト
【企業が支払う料金・費用】
掲載料金型
└2週間掲載で約40万〜100万円ほど
採用課金型
└採用1口につき1万〜10万円ほど
応募課金型
└応募1口につき数千円〜2万円ほど
※掲載期間などによっても変わる
●大量採用したい企業が多い傾向
●事務職など採用にコストのかけられない職種で利用していることが多い
ハローワーク 【企業が支払う料金・費用】
無料
●採用にコストをかけられない中小企業が多い傾向

この中で企業にとって転職エージェントが1番採用コストのかかる手段です。

しかし、成功報酬として年収30〜45%の費用を払ってまで、転職エージェントを使って採用したい企業は多いです。

高い報酬を支払ってまでエージェントを利用する理由

求人企業は採用したい人材の年収30〜45%を支払ってまで転職エージェントを利用するのは、自分の会社にあった人材を採用したいと考えているからです。

スキルやマインド、人柄を重要視しているからこそ、転職エージェントを利用しているのです。

それぞれの理由を表にまとめてみました。

メリット デメリット
採用コスト 成功報酬制のため、採用が決まるまでコストがかからない 採用が決まった場合、年収の30〜45%程度の高額な成功報酬が必要
採用効率 専門家による候補者の選別で、質の高い人材と出会える可能性が高い エージェントの質によって紹介される人材の適合度にばらつきがある
市場価値
の把握
求める人材の市場価値や相場感を把握しやすい エージェントによって提示される相場観に差がある場合がある
採用ブランディング エージェントを通じて企業の魅力を効果的に伝えられる エージェントの説明力によって企業イメージが左右される可能性がある

たとえ採用コストをおさえても、それに見合うだけのスキルや売り上げがなければ、結果的に採用コストが無駄になってしまいます。

アルバイトやパートのように「誰でもいいから人が欲しい」と思っている企業は、高額な成功報酬を払ってまで転職エージェントを利用しようとしません。

つまり、転職エージェントを利用することで「高額な成功報酬を払ってでも、優秀な人材を採用したい!」という意欲的な企業に絞って選考を受けられます。

転職エージェントのビジネスモデルや料金体系、成功報酬といった裏事情についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。

無料で転職エージェントを利用する流れ

費用が無料で利用できる転職エージェントですが、どのようなサービスを提供しているのか、登録後の流れについて紹介していきます。

転職エージェントを利用した転職活動は以下の流れで進みます。

転職エージェントを利用する流れ

転職活動に必要な手順を6つに分け、それぞれで提供しているサービスについて説明します。

転職エージェントに会員登録

転職エージェントへの会員登録で大切なのは、自分と相性の合うアドバイザーを見つけることです。登録は比較できるように2〜3社同時に登録してみるとよいですね。

「2〜3社への登録なんて簡単でしょ?」と思われるかもしれませんが、2024年時点で日本にはなんと30,000社以上もの転職エージェント(有料職業紹介事業所)があります。

参考:厚生労働省 民営職業紹介事業所数の推移

この中から自分に合う転職エージェントを見つけるのは大変ですよね。そこで筆者がとくにおすすめできる3社を厳選しました。

おすすめの大手総合型転職エージェント

転職エージェントの特徴や評判、上手に活用する秘訣について知りたい人は、以下の記事もチェックしてみてください。

面談

面談でのヒアリングを通して、転職で大切な自己分析をおこないます。自己分析は自分でできていると思っていても、思ったほどできていない人が多いため、とくに20代の若手層はその傾向が顕著です。

面談では以下のことをヒアリングされるので、どうやって答えれば良いのか事前に自分の考えをまとめておくとスムーズに面談を進められます。

  • 転職理由・退職理由
  • これまでの経歴・実績
  • 将来どうなりたいのかといったビジョン
  • 転職先に求める条件
  • どういう業界・会社に興味があるのか

上記の質問を通して、求職者の潜在ニーズを把握し、スキルの棚卸しや自己分析をおこないます。漠然とした転職理由や仕事観が明確になり、中長期のキャリア設計などをキャリアアドバイザーと一緒に考えます。

「なんとなく転職したい!」「転職するか悩んでいる」「自分に向いている仕事がわからない」といった漠然とした悩みを抱えている段階でも、1度相談してみると良いでしょう。

転職ノウハウを持つプロと話すことで、自分の考えがまとまり、将来のキャリアにとって最適な選択を見つけられますよ。

転職エージェントとの面談の流れやイメージを掴みたいという人は、以下の記事も合わせて読んでみてください。

求人紹介・選定・エントリー

自分の希望にマッチする求人の紹介はもちろんのこと、企業の採用ページや転職サイトでは公募されていない非公開求人も紹介してもらえるというメリットがあります。

転職エージェントで取り扱っている求人のうち7~8割の求人が非公開で、こうした非公開求人は転職エージェントでしか取り扱っていないものがほとんどです。

こうした非公開求人は自分自身で探しても見つけられないため、隠れた優良求人と出会える可能性が広がります。

さらに転職のプロ視点から志向性に合った求人を選んでくれているので、いざ転職してみて「思っていたのと違う」「こんなはずじゃなかった」というミスマッチも防げるのが大きなポイントです。

ただし紹介は1回あたり5件程度が理想で、20件も紹介する場合は要注意です。多数の求人を1度に紹介する場合は、キャリアアドバイザーがとにかく入社させて成功報酬のノルマを達成したい意図があるかもしれません。

なお、面接実施の日程調整も可能で日程の重複を避け無理のない面接を受けられます。

書類・面接の対策

転職エージェントでは選考の対象となる履歴書・職務経歴書の添削、応募企業に合わせた面接対策のサポートをおこなっています。

履歴書・職務経歴書の書き方に不安がある場合は、人事の目に留まりやすいポイントをアドバイスしてもらえます。作成した書類は添削してもらえるので、質の高い履歴書・職務経歴書を作成でき、書類選考の通過率が高まります。

また、応募する際には推薦状を書いてもらえるため、履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない魅力や、活かせる経験やスキルを企業にアピールしてもらえます。

さらに転職エージェントは求人企業と直接やりとりをしているため、転職エージェントは企業の採用基準や面接時によく聞かれる質問なども把握しており、よく聞かれる質問などを把握しています。

自分で調べてもなかなか入手できない情報をもとに面接対策をしてもらえるため、面接の通過率も上がりやすいです。

書類選考通過率がどれくらいなのか、さらに詳しく知りたい人は以下の記事もチェックしてみてください。

内定・意思決定

転職エージェントでは複数社受けた企業の内定が同じタイミングで出るように日程調整してくれます。タイミングを合わせることで、それぞれの雇用条件や仕事内容などを比較して、1番良いと思えるところを選べるメリットがあります。

もし、どうすれば良いのか悩んだら、客観的な視点で意見・アドバイスをしてもらえるので意思決定をしやすくなります。

また、自分では交渉しづらい給与や労働条件の交渉も代行してもらえます。希望年収などがある場合は、内定が出たタイミングではなく求人に応募する段階で相談してみましょう。

内定が出た後で条件交渉を始めてしまうと条件を簡単に変更できないため気をつけましょう。内定を出した企業がすでに稟議を通していることが多く、条件の変更が難しいためです。給与交渉のやり方について知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。

退職交渉

転職エージェントは退職代行はできませんが、どのように伝えれば円満に退職できるのか、引き止められた際の対応などをアドバイスしてもらえます。

もし、退職交渉を申し出て引き止められた際には、転職エージェントに相談してみましょう。また、家族の反対にあっている場合も相談に乗ってくれ、必要であれば家族に対して「この転職で何を叶えたいのか」などの説明をしてくれます。

転職エージェントのサービス内容や手順・使いこなし術について、もっと知りたいという人は以下の記事も合わせてご覧ください!

無料だからこそ意識したい転職エージェント利用のコツ

転職エージェントはお金がかからず無料で使えるからこそ、利用する側が注意すべきチェックポイントもあります。

大切なのは便利なサービスだからといって転職エージェントに全部を任せっきりにするのではなく、転職エージェントをうまく利用することです。その際に注意しておきたいのは以下の5つです。

  • 利用すれば必ず転職できるわけではない
  • 企業情報をそのまま鵜呑みにしない
  • ミスマッチな求人を紹介されることもある
  • 優先順位もエージェントの都合が影響しやすい
  • 複数の転職エージェントから同じ求人に応募できない

必ずというサービスは存在しません。あくまでも転職エージェントは転職活動をサポートするサービスです。無事に内定を獲得できるかは、自分がどこまで頑張れるかにかかっています。

そのためには転職エージェントに必要なノウハウやコツを伝授してもらい、自分の転職が効率よく進むように使い倒してみましょう。

また、以下の項目をチェックしてみましょう。「はい」の数が多いほど、転職エージェントを効果的に利用できる可能性が高くなりますよ。

自分のキャリアゴールが明確になっている
転職理由を具体的に説明できる
自分のスキルや強みを客観的に把握している
希望する業界や職種がある程度絞れている
転職に関する情報を自分でも積極的に収集している
紹介された求人情報を自分でも調べる習慣がある
面接対策や履歴書作成に時間をかける覚悟がある
エージェントからのアドバイスを素直に聞く姿勢がある

転職エージェントを利用する際の注意点や、使い倒すコツについてさらに詳しく知りたい人は以下の記事を併せてご覧くださいね。

自分に合う転職エージェントを見つける診断ツール

費用が無料だからと適当に選んでしまって「思ったような求人を紹介してもらえなかった」「サポートに満足できず、転職が進まない」というケースはよくあります。

末永雄大 末永

しかし、よい転職エージェントを自分で見つけるのは大変で、転職を希望する各社の情報を集めて比較するのはもっと時間がかかります。


そこで筆者がおすすめを厳選し、質問に答えるだけで自分にぴったりの転職エージェントがわかる診断ツールを用意しました。

末永雄大 末永

この診断ではおすすめの転職エージェントを3社ほど紹介する仕組みになっています。


まずはすべて複数登録して面談してみて、自分に合うエージェントを見つけられると転職活動をスムーズに進められますよ。

あなたに最適なエージェントが見つかる「転職エージェント診断」 あなたに最適なエージェントが見つかる「転職エージェント診断」

監修 すべらないキャリアエージェント 末永 雄大 監修 すべらないキャリアエージェント 末永 雄大

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転職エージェントの費用に関するQ&A

世の中にあるサービスでは登録費用は無料だけど、あとからお金がかかるものも多いです。

さらに費用が無料だと基本的なサービスしか利用できず、それ以上のサービスを受けようとすると別料金を取られることもよくあります。

転職エージェントも上記のようなサービスと同じなのか、本当に完全無料なのかといった疑問にズバリ回答します!

途中で退会すると違約金はかかる?

違約金はかかりません。面談後、面談前、どのタイミングであってもサポートを終了する際にはキャンセル料といったお金はかかりません。

内定辞退してもお金はかからない?

求職者から手数料を取ってはならないと法律で定められているので、内定を辞退しても請求されることはありません。

しかし、内定まで進んでいるということは、1ヶ月半〜2ヶ月ほどサポートに時間を費やしています。

転職エージェントは成功報酬を得られず、企業にも迷惑がかかるため「なぜ辞退したいのか」をしっかり伝えるようにしましょう。

理由を説明しないとブラックリストに入れられてしまい、それ以降、転職エージェントを利用できなくなる可能性があります。

数ヶ月で退職してしまったらどうなるの?

転職者にお金を請求することはないので安心してください。

しかし、その求職者を紹介した転職エージェントと企業の間には返金規定と呼ばれるものがあります。

返金規定とは、紹介した求職者が半年以内の早期退職をしてしまった場合、支払われた成功報酬を返金しなければならないという契約です。

入社後の早期退職は転職エージェントに迷惑をかける行為です。求人企業への信用問題にも関わってくるので、確実にブラックリスト入れられてしまいます。

転職エージェントの多くは、サポート終了後でも相談に乗ってくれます。もし、早期離職したくなったら、まずサポートしてくれた転職エージェントに相談してみるとよいでしょう。

ちなみに、転職エージェントを使わない方が良い人の特徴は下の記事にまとめています。参考にしてみて下さいね。

有料の転職エージェントを見かけたけど…

職業安定法により求職者から料金をもらう転職エージェントは存在しません。

そもそも転職エージェントを名乗るには厚生労働省の認可が必要です。認可を受けるには法律に規定されていることを守らなければならないのがルールです。

規定を守っていないということは、認可を取っていない可能性があるのでトラブルにならないよう、ご利用の際には慎重になったほうが良いですね。

ただ、有料のキャリアコーチングサービスを転職エージェントと勘違いしてしまっている可能性もあります。

キャリアコーチングでは、求人紹介といった転職エージェントとは違うため求人紹介サービスは提供していません。希望するサービスなのか、事前に確認してから登録すると良いでしょう。

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