転職 自己分析

転職の自己分析のやり方|プロが使う5つの問いとシートを解説

    転職の自己分析のやり方を、転職エージェントの現場で10年以上使われている5つの問いとシートに沿って解説します。就活との違いや深掘りの順番、やりがいと苦痛・適性と志向性から転職の軸を言語化する手順まで網羅しました。フレームワークや診断ツールの使い分けも、今日から手を動かせる形でまとめています。

末永雄大 この記事を書いた人

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現インディードリクルートパートナーズ)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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転職しようと思って自己分析を始めたものの、就活のときのように自分史を書き出してみて、そこで手が止まってしまう人はとても多いです。

転職の自己分析は、自分らしさを探す作業ではありません。今の自分と、これから働く会社との合い具合を高めるための分析です

この記事では、アクシスの転職エージェントが実際の面談で10年以上使っている5つの問いをそのまま公開します。ノートとペンが1本あれば、読みながら始められます。

転職の自己分析とは?就活とはゴールが違う

ゴールが違えば、やり方も変わります。就活のときのやり方をそのまま持ち込むと、途中で手が止まります。

新卒と中途では、企業が見ているものが根本から違うからです。まずは何のためにやるのかを、はっきりさせておきます。

転職の自己分析のゴールは2つだけ

転職の自己分析のゴールは、将来的に自分のありたい姿と、面接で面接官に話す志望動機の2つです。この2つを一気通貫でつなげると、転職活動がブレなくなります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

自己分析は、自分探しではありません。

会社や仕事とのマッチ度を高めるための分析作業だと割り切ってください。

逆に言えば、それ以外は要りません。自分らしさとは何か、本当にやりたいことは何か。こうした問いは答えが出ないまま時間だけが過ぎていきます。

転職活動には期限があるので、答えの出ない問いに時間を使うのは避けたいところです。ありたい姿と志望動機の2つを言葉にできれば、自己分析は終わりです。終わりが決まっていると、迷わずに進められます。

就活はWill中心、転職はCan中心

新卒と中途で自己分析の中身が変わるのは、企業の採用方針が違うからです。新卒はポテンシャル採用なので、今のスキルよりどんな人柄かが見られます。中途は即戦力採用が基本のため、何ができるのかが問われます。

だから就活では、20年ほどの人生を振り返って部活やアルバイトから強みを見つけていきました。転職では、働いた経験がすでにあるので、現職までの仕事の経験を振り返って言語化していく作業になります。

就職活動 転職活動
採用方針 ポテンシャル採用 即戦力採用が中心
自己分析の目的 Willを明確にする
何がしたいのか
何が向いているのか
Canを明確にする
何ができるのか
振り返る対象 学生時代の経験全般 現職・前職での仕事の経験
出口 会社を選ぶ軸 現状と理想のギャップを埋める会社選び

就活のときに自己分析をやり込んだ人ほど、もう済ませたと考えがちです。ただ、振り返る対象も目的も入れ替わっているので、転職では改めてやり直す必要があります

自己分析をしないまま転職活動を始めるとどうなるか

自己分析をしなくても転職活動はできます。ただ、やらないまま進めた人ほど、入社後に後悔しやすくなります。

自己分析を飛ばすと起きること

  • 求人が魅力的かどうかだけで応募先を決めてしまう
  • 面接で回答に一貫性がなく、自分の言葉で話せない
  • 内定が出た瞬間に承諾し、入社後にやりがいを感じられなくなる
  • 家族や友人の価値観に引っ張られ、自分で決められない

とくに多いのが、条件の良い会社から内定が出た途端、深く考えずに承諾してしまうパターンです。判断の基準を持たないまま進むと、目の前の条件の良さだけで決めることになります

その結果、入社後に苦痛へ耐えきれず辞めてしまう人が出てきます。転職して何がしたいのか自分でも曖昧なままだと、求人を選ぶこともできません。

何がしたいかわからない状態のまま応募を始めてしまう人は、先に手を動かす順番を整理しておくのが近道です。

【5つの問い】転職の自己分析シートの書き方

ここから手を動かします。アクシスの転職エージェントが実際の面談で使っている自己分析シートには、5つの質問があります。特別なツールは要りません。コピー用紙かノートと、ペンを1本用意してください。

まずは5つの問いをノートに書き出す

転職の自己分析で用意するのは、次の5つの質問への答えだけです。無料のダウンロードシートを探しに行く必要はありません。ノート1冊で足ります。

アクシスの転職エージェントが使う5つの質問

  1. 今回なぜ転職活動を開始しようと思ったのか
  2. なぜ現職(離職中の人は前職)を選んだのか。その際にどういった基準で企業を選定したのか。その理由
  3. 転職先を選ぶ上で、どういった観点・方向性で企業や仕事を探しているのか。またそれはなぜか
  4. 転職先の選定要件を3点あげるとしたら何か。またその理由
  5. 今回の転職で実現したいことはどんなことか

書き出してみると、意外と手が止まります。とくに2番目の現職を選んだ理由は、思い出そうとしても言葉にならない人が多いところです。

それでも構いません。書けないという事実そのものが、あとで効いてきます。過去の意思決定を振り返れていない証拠だからです。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

5つの質問は、それぞれ単独で答えても意味がありません。

地続きに答えられているかを確認するための質問です。

「2→1→5→4→3」の順で深掘りする理由

5つの問いは、番号順に答えるものではありません。時間軸に沿って並べ替えた「2→1→5→4→3」が正しい順番です

順番 質問 何を確かめているか
1番目 2. なぜ現職を選んだのか 過去の意思決定の基準
2番目 1. なぜ転職しようと思ったのか 現在の不満がどこから来たのか
3番目 5. 今回の転職で実現したいことは何か 未来の目的
4番目 4. 選定要件を3点あげると何か 目的の要件への落とし込み
5番目 3. どういう観点で企業を探すか 実際の探し方

過去から現在、そして未来へと順に辿ります。こうすると、これまでの意思決定の経緯を把握した上で、反省と改善ができているかが自分で見えてきます。

転職の自己分析シートは、そのPDCAがきちんと回っているかを整理するためのものです。

多くの人は、この順番を踏まずに1番から3番、あるいは1番から4番へ論理を飛躍させて求人を選び始めます。そこに失敗の原因があります。

「なんで?」を2〜3段階まで繰り返す

各質問に答えたら、その答えに対して「なんで?」「具体的に言うと?」と、さらに2〜3段階ほど質問を重ねます。ここまでやって、ようやく面接で使える言葉になります。

なぜ自己分析の順番と深掘りにこだわるのか。噛み合っていない回答例を見ると、はっきりします。

地続きになっていない回答の例

  • 転職理由:官僚的な組織で裁量がなく、先輩や上司を見ても成長イメージが持てない。20代からスピーディーに成長できる環境に移りたい
  • 現職を選んだ理由:親に安心してもらう意味も含め、潰れることはないだろうと大手金融機関を中心にエントリーし、一番早く内定が出た現職に入社した
  • 選定要件3点:1.年収アップ 2.会社の基盤や安定感 3.より若くしてスピーディーに成長できる環境

成長できる環境に移りたいと言いながら、選定要件には新卒のときと同じ安定感が残っています。口で言っていることと、実際に選ぼうとしているものがズレているのです。

面接官はここを見抜きます。同じ基準でまた会社を選ぶなら、また同じ不満を抱えて辞めるのではないか、と判断されてしまいます。反省と改善ができていないと受け取られるからです。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

面接はクイズではありません。

1つひとつの答えが点ではなく線としてつながっているかを見られています。

では、線としてつながっているとどうなるのか。同じ人が深掘りをやり直すと、回答はこう変わります。

地続きにつながっている回答の例

  • 2. 現職を選んだ理由:親の安心と会社の安定を基準にした。自分の基準を持たないまま決めていた
  • 1. 転職理由:基準を人に預けた結果、裁量のない仕事に違和感が出た。今度は自分の基準で選びたい
  • 5. 実現したいこと:20代のうちに、自分で意思決定した仕事で成果を出す経験を積む
  • 4. 選定要件3点:1.若手に裁量がある 2.意思決定の過程が見える規模 3.成果が数字で返る
  • 3. 探す方向性:上記を満たしやすいベンチャーの営業・企画職を中心に見る

先ほどの例と中身の事実は同じです。違うのは、現職を選んだ基準への反省が、そのまま次の選定要件につながっている点です。ここまで来れば、面接官に反省と改善を示せます。

自己分析の結果を「転職の軸」に変える3ステップ

5つの問いに答えただけでは、まだ転職には使えません。書き出した内容を、企業を選ぶときの判断基準に変換していきます。ここで言語化したものが、いわゆる転職の軸になります。

強みを言語化する

最初にやるのは、強みをはっきりさせることです。強みが理解できているからこそ、志望動機や自己PRで採用担当者にアピールできます。

転職後の職場で早くから活躍できるのも同じ理由です。ただ、ここでつまずく人の多くは、強みを資格や専門知識だと思い込んでいます。

強みは専門的なスキルだけではない

  • 専門的なスキル:資格、専門知識、技術
  • 人としての特性:社交性、粘り強さ、責任感
  • どこでも使える汎用スキル:情報収集能力、問題解決能力、論理的思考力

専門スキルは、その仕事に就いてしまえばある程度は身につきます。同じ職種の人との差別化にはなりにくいところです。意識して努力しないと伸びない汎用スキルや姿勢のほうが、長い目で見ると効いてきます

転職の自己分析でスキルがないと感じている人ほど、責任感の強さや問題解決能力といった強みを見落としています。

提供したい価値を考える

強みが見えたら、次はその強みを転職先でどう活かしたいのかを考えます。ここが最も重要で、そして最も難しいところです。活かし方が決まっていないと、強みがあっても発揮できずに終わります

強みの活かし方を考える3点

  • 誰に対して
  • 何を
  • どのように

たとえば、傾聴力とコミュニケーション力を活かして、求職者に企業情報の提供や自己分析のサポートを届けたいといった形です。3点がそろうと、ぐっと具体的になります。

キャリアに悩んだ経験があるから、同じ悩みを抱える人に貢献したい。このように自分の経験をセットで伝えると、説得力が増します。

自分に合う環境を言語化する

転職の自己分析の最後は、強みを発揮できる環境を言葉にすることです。人には強みが出る環境と、出ない環境があります。合わない環境では、どんな強みも力を発揮できません。

環境を構成する4つの要素

  • 社風や職場の雰囲気
  • コミュニケーションの取り方(論理性を重視するか、気持ちを重視するか)
  • 社員の年齢層
  • 業務の進め方

1人で黙々と進めることで力が出る人が、チームで動く仕事に転職しても、強みは出ません。その人が1人で完結できる仕事を選べば、同じ強みが最大限に発揮されます。

強み単体ではなく、強みと環境の組み合わせで考えてください。ここまで言語化できると、求人票を見たときの判断が早くなります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

強みが出なかったのは、能力ではなく環境のせいかもしれません。

合う環境まで言葉にできると、求人の見え方が変わります。

【転職特化】定着と活躍から自己分析を深める

ここまでは、内定を取るための自己分析でした。ただ、転職のゴールは内定ではありません。入社した会社に定着して活躍できて、初めて転職して良かったと言えます。

数千人の転職理由を聞いてきた経験から言うと、ここを分析している人はほとんどいません。

定着を左右する「やりがい」と「苦痛」

定着で重要なのは、自分のやりがいと苦痛を把握することです。その仕事にやりがいを感じていて、苦痛が少なければ、辞めることはありません。

やりがい 他の人にとっては重要ではないけれど、自分にとっては仕事で強く動機づけを得られること
苦痛 他の人にとっては苦でなくても、自分はつらく感じてしまうこと

転職の自己分析でやりがいと苦痛を洗い出すときは、現職や前職をヒントにします。今の仕事で一番やりがいに感じたことは何か。逆に、一番苦痛に感じているのは何か。この2つに答えます。

ここで何より大事になるのは、やりがいを1つの塊で終わらせず、要素に分解しきることです

ソリューション提案が受注につながって業績を達成した瞬間にやりがいを感じた、という答えが出たとします。ここで止めてはいけません。

やりがいを因数分解した例

  • 目標数値を達成してインセンティブが得られること
  • 難易度の高い複雑なソリューションを考え出し、それが顧客に受け入れられたこと
  • 顧客に喜んでもらい、ありがとうと言われること
  • チームで一丸となって業績目標が達成できたこと

分解して並べると、実は目標達成そのものはそこまで重要ではなかったと気づく場合があります。

複雑な課題を多面的に分析して提案することが、やりがいの大半を占めていたというケースです。ここまで絞り込んで、初めて仕事選びに使えます。

苦痛も同じです。営業がしんどいから事務や企画に移りたい、という不満も分解が必要です。商材が粗悪で顧客に迷惑をかけた、上司の高圧的なマネジメント、ノルマが高すぎて未達が当たり前になっている。

分解すると、苦痛の正体が営業という仕事ではなく上司のマネジメントだった、というケースが出てきます。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

分解せずに感情のまま解釈すると、キャリアの打ち手を大きく間違えます。

ベストとワーストを絞り込むところまでやってください。

活躍を左右する「適性」と「志向性」

入社後の活躍を決めるのは、適性と志向性の2つです。どちらか一方が欠けても、持っている力を発揮しきれません。

適性 その人の特質によって、うまくできること
志向性 その人がキャリアや仕事に求める方向性と、所属する会社や仕事の方向性が合致しているか。その人独自の未来に向けた価値観

適性が仕事に合えば早く成果を出せますし、志向性が会社の方向性と合えば社内で活躍しやすくなります。順に見ていきましょう。

適性も、やりがいと同じように因数分解します。営業成績が上位だから営業向き、で止めないことが大切です。見込み客の発掘が得意なのか決裁者の攻略が得意なのか、なぜ得意なのかまで分けます。

志向性は、その仕事の何が自分の動機になるかを言語化します。人生で印象深かった経験を洗い出し、その原因の共通項を探すのがコツです。

志向のマトリクスは、2つの軸で自分の動機を整理する方法です。横軸は自分のためか他人のためか、縦軸は規模の大きさを重視するか関与の実感を重視するかで見ます。

利己的(自分起点) 利他的(他人起点)
インパクト志向 規模の大きな仕事で自分を成長させたい 大きな仕組みで多くの人に影響を与えたい
手触り感志向 自分の手ごたえや達成感を積み上げたい 目の前の相手に貢献した実感を得たい

自分がどの枠に当てはまるかを確かめましょう。たとえば手触り感かつ利他なら、目の前の相手に貢献できる仕事が合う、という具合に考えます。

ここでも、なぜそう思うのか、どんな体験がその価値観を作ったのかまで言葉にしておきましょう。

適性は自己分析でも気づけないことがほとんどです。向いてる仕事や適職がわからない段階の人は、まず適性の言語化から入ると迷いが減ります。

自分の適性を言葉にしたいなら、マジキャリのようなキャリアコーチングの利用も選択肢に入ります。幼少期から現在までの出来事を一緒に振り返り、原体験ベースで強みを掘り下げていくからです。

表面的な強みではなく、実際に力を発揮できる仕事の条件まで見えてきます。累計1万人の転職相談の知見をもとにしたカリキュラムなので、初回の無料相談で一度話してみてください。

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ありたい姿と現在地のギャップから、やるべきことを出す

転職の自己分析で定着と活躍まで見えたら、最後にありたい姿までつなげます。今の自分とありたい姿の差を、やるべきことに変える作業です。

ありたい姿から逆算する4ステップ

  1. 今の自分(現在地)を書き出す
  2. 将来のありたい姿を書き出す
  3. 2つの差を、足りない経験やスキルとして3つほどに分ける
  4. その差を埋めるために取る行動を、それぞれ書き出す

ありたい姿を言葉にするときは、何をしていたいかだけで終わらせないことです。将来はマーケターになりたい、32歳で年収1,000万円を達成したい。これらは何をの部分でしかありません。

なぜそう思うのか、その原体験は何か、どう実現するのか。ここまで自問自答して、初めてありたい姿が具体化します。ここがズレると、その後のプランがすべて意味をなさなくなります

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

やりたいことがないと悩む人は多いです。

ただ、やりたいことはなくても、ありたい姿なら見つかります。

足りないものは、経験やスキル、人脈などです。3〜5点ほどリスト化します。それを埋める行動こそ、次にやるべきことです。

ここまで明確になって、ようやく転職で志望する求人が見えてきます。やるべきことを満たせる求人を選んでいけばいいからです。

転職の自己分析に使えるフレームワークと診断ツール

5つの問いで手が止まったときに、補助として使えるやり方を紹介します。あくまで補助です。どれか1つを完璧にやることより、書き出した内容を転職の軸まで持っていくほうが大事になります。

フレームワークは数が多く、全部やろうとすると手段が目的になります。詰まっている場所に合うものを1つだけ選んでください。

詰まっている場所 使うフレームワーク
過去の出来事が思い出せない 自分史・モチベーショングラフ
1つの問いから先に進めない マインドマップ
経験をうまく言葉にできない 5W1H
転職の方向性が絞れない Will Can Must
強みと弱みが整理できない SWOT分析
そもそも何も出てこない 診断ツール

自分史とモチベーショングラフで価値観を掘り出す

転職の自己分析で過去が思い出せないときは、自分史から入ります。自分史は、入社や異動、退職といった出来事を時系列で書き出すだけの作業です。まずは事実だけを並べます。

事実が並んだら、そこにモチベーションの線を重ねます。これがモチベーショングラフです。出来事とそのときの感情をセットで振り返ることで、価値観や性格、強みがはっきりします。

モチベーショングラフの作り方

  1. 縦軸にモチベーションの高さ、横軸に年齢を書く
  2. モチベーションの高低を線でつなぐ
  3. 時期ごとの出来事を記入する
  4. そのときの感情や行動を振り返る
  5. 感情や思考の共通点を見つける

やりがいと苦痛の分析と相性がいいやり方です。モチベーションが上がったきっかけを並べていくと、どんな価値観で動いていたのかが見えてきます

マインドマップで1つのテーマを深掘りする

マインドマップは、転職の自己分析で思考やアイデアを書き出して整理するやり方です。1つのテーマを深く掘るのに向いているため、なんで?の繰り返しと組み合わせると効きます。

マインドマップの作り方

  1. テーマを中心に書き出す
  2. テーマからキーワードを派生させる
  3. なんで?を繰り返して深掘りする

5つの問いのうち、どれか1つで手が止まったときに使ってみてください。書き出した言葉から枝を伸ばすうちに、それまで気づかなかった価値観に行き当たります

5W1Hで経験を棚卸しする

5W1Hは、転職の面接での質問を意識して答えられるようにするための整理のやり方です。企業によっては、面接で5W1Hを深く掘り下げてきます。

経験を振り返る6つの視点

  • Who(誰が):どんな人とかかわったか。クライアントの属性など
  • When(いつ):期間はどのくらいか。スピード感や納期
  • Where(どこで):どんな会社だったか。規模感や知名度、社風
  • What(何を):どんなサービスを扱っていたか。競合との違いなど
  • Why(なぜ):なぜ入社したのか。会社は何を目指していたのか
  • How(どのように):具体的な仕事の進め方。営業手法など

この6つを整理しておかないと、面接で深掘りされたときに自分なりの答えを言えなくなります。

自己分析では、とくに強みとありたい姿、現職を辞めようと思っている理由の3つを必ず言語化しておいてください

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

5W1Hは埋めること自体が目的になりがちです。

面接官に深掘りされて答えられるかを基準に、粒度を決めてください。

Will Can Mustで転職の方向性を絞る

Will Can Mustは、やりたいこと・できること・求められることの3つを重ねる考え方です。重なった場所に仕事を置きます。方向性が絞れないときに効きます。

Will Can Mustの3要素

  • Will:やりたいこと、ありたい姿
  • Can:できること、これまでに身につけた強み
  • Must:転職先から求められること、市場のニーズ

就活ではWillから入るのが定石でした。ただ、転職では順番を逆にします。CanとMustを先に固めてから、Willを重ねるほうが現実的な選択肢が残ります

Willから入ると、できることと求められることを無視した理想論になりがちです。中途採用は即戦力採用なので、Canが伴わないWillは通りません。

3つが重なる場所が、今の自分が狙える現実的な転職先になります。自己分析ではCanから書き出してみてください。

SWOT分析で強みと弱みを整理する

SWOT分析は、転職の自己分析で強み・弱み・機会・脅威の4つから立ち位置を整理する手法です。もともとは企業の戦略立案に使うものを、個人のキャリアに当てはめます。

SWOT分析の4要素

  • Strength(強み):自分の内側にある得意なこと
  • Weakness(弱み):自分の内側にある苦手なこと
  • Opportunity(機会):市場や業界の追い風
  • Threat(脅威):市場や業界の向かい風

強みと弱みは自分の内側、機会と脅威は自分の外側の話です。ここを混ぜると整理になりません。

使いどころは、強みと機会が重なる場所を探すことです。自分の得意が、追い風の吹いている市場で活きるなら、そこが狙い目になります

逆に、弱みと脅威が重なる領域は避けたほうがいい選択肢だと事前に判断できるのです。応募先の絞り込みが早くなります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

個人のSWOTで多いのが、弱みだけ細かく書いて落ち込むパターンです。

弱みは避ける市場を決める材料と割り切ってください。

診断ツールや本は「たたき台」として使う

転職の自己分析で使う診断ツールや本は、最初のとっかかりとしては役に立ちます。ただ、診断結果を鵜呑みにするのはやめたほうがいいです。

ツールが出す向いてる仕事の診断結果は、個人の強みや弱み、性格を踏まえたものではありません。あくまでデータ上の傾向による結果です。

仕事の適性は、その人の特性や経歴から見えるものであり、傾向値で測れるものではありません

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

診断結果は、あくまでたたき台です。

出てきた言葉に対して、なんで?と掘っていく材料として使ってください。

自己分析に使えるツールや本を具体的に知りたい人は、それぞれ詳しくまとめた記事があるので、そちらを参考にしてください。

転職の自己分析を志望動機と面接の回答に変える方法

自己分析の出口は志望動機です。ここがつながらないと、せっかく書き出した内容が面接で使えません。志望動機の定義を間違えている人がとても多いので、そこから整理します。

志望動機は「やるべきこと」と「企業の特徴」が重なる部分

志望動機とは、面接官にゴマをすって企業の魅力を並べることではありません。

ありたい姿から逆算して出したやるべきことと、応募先企業の仕事内容や特徴を並べます。この2つが重なる部分が、正しい志望動機です

なんでうちなの、という面接官のラフな聞き方が誤解を招いています。面接官が実際に聞きたいのは、その会社に入ることが自分にとってどんな意味を持つのか、という点です。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

ありたい姿から逆算する過程で、今の自分に何が足りないかが明確になります。

それを埋めるためにどんな経験が必要かまで見えてきます。

つまり、転職の自己分析でやるべきことまで書ければ、志望動機はもう手元にあるのです。あとはそれを満たせる企業を探すだけです。順番が逆の人ほど、志望動機で苦労します。

原体験とセットで語る

転職の自己分析で出した志望動機を伝えるときは、必ず過去の原体験とセットにします。過去や現在の質問なら事実をそのまま話せばいいのですが、キャリアプランのような未来の話には事実がありません。

事実がないので、面接官にはどうしても抽象的で一般的に聞こえます。だからこそ、そう思う理由や根拠を過去の原体験で裏づける必要があります

たとえば、実家が地方で旅館を営んでいて将来的に継ぐ可能性がある。その際に集客が重要になるので、知見やノウハウを高めておきたいから広告業界に行きたい。こうした流れです。

ただし、原体験がないのに作り話をするのは避けてください。深掘りされた瞬間に崩れます。自分にしかない経験を探すほうが、結果的に早いです。

志望動機の例文

転職の自己分析を終えた人が書く志望動機は、どんな形になるのか。前職で人材派遣の営業をしていて、もっと成長したいという場合の例文を紹介します。

例文

私が貴社に応募した理由は、成長を重視する企業文化と、私の営業経験を活かせる環境が整っていると感じたからです。


前職では人材派遣の営業として、多様な業界のお客様に幅広い提案をおこない、ニーズに応じた最適な人材を提供することで信頼関係を築いてきました。この経験を通じて、顧客の成長をサポートすることにやりがいを感じています。


貴社が掲げる「すべての人に成長の機会を」という価値観に共感し、私自身も常に新しい知識やスキルを身につけることを大切にしてきました。幅広い提案力を活かし、貴社のクライアントに対しても、より良いソリューションを提供できる自信があります。


私の経験と価値観が貴社のビジョンにマッチしていると考え、ぜひ貴社の一員として貢献したいと考えています。

自己分析から組み立てた志望動機は、面接でさらに深掘りされるのが普通です。想定される質問と志望動機の組み立て方は、別の記事で詳しく解説しているので、あわせて確認してください。

転職の自己分析でやりがちな3つの失敗

やり方がわかっても、進め方を間違えると結果がズレます。面談の場でよく見かける失敗を3つにまとめました。どれも、あとから取り返すのに時間がかかるものです。

自分探しになってしまう

一番多い失敗が、自分探しに迷い込むことです。自分らしさとは何だろう、と考え始めると答えが出ません。転職の自己分析は、会社や仕事とのマッチ度を高めるための分析作業です。

具体性のない話も同じです。あやふやなまま進めると、採用担当者にアピールできないだけでなく、転職後のミスマッチの原因になります。時間軸に沿って自分を深掘りし、回答に一貫性を持たせてください。

自己分析をやって満足してしまう人もいます。転職活動に活かせなければ、やる意味がありません。

大切なのは、強みとその活かし方、そして合う環境です。この3つを満たす転職先を見つけるところまでが自己分析になります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

自分探しに入ると、答えが出ないまま転職の時期を逃します。

期限を決めて、マッチ度を高める作業に振り切ってください。

1人でやるとバイアスがかかる

1人でやると、どうしてもバイアスがかかります。自己認知と、他者から見た自分にはギャップがあるからです。本当の強みを見つけるには、他者から見た自分を知る必要があります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

自分の分析を自分でやる以上、主観は必ず入ります。

第三者の視点を積極的に取り入れてください。

手軽なのは他己分析です。自己分析の結果を友人や家族に話し、周りが持っている印象とズレていないかを確認します。ズレていたら、もう一度じっくりやり直します。

ただ、友人や家族はキャリアの専門家ではありません。業界や職種の知識、企業の風土を分析する力までは求められないところです。

キャリアコーチングや転職エージェントのようなキャリア相談のプロには、こうしたノウハウが蓄積されています。

2段階目のなんで?で手が止まっているなら、マジキャリへの相談も選択肢になります。国家資格を持つキャリアコンサルタントや、元転職エージェント、元採用人事のコーチが担当するからです。

バイアスのかかった自己認知をプロの視点で整理して、キャリアの優先順位まで一緒に決められます。初回は無料で相談できるので、1人で粘る前に一度話してみてください。

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1回で終わらせようとする

自己分析を1回で終わらせようとするのも失敗のもとです。人間は感情に左右されるので、そのときの気分で答えが変わります。

ネガティブな感情のときに自己分析をすると、本来の自分を見失ってズレた結果になります。とくに転職を考え始めた直後は、不満が閾値を超えているタイミングです。

現職のすべてを否定的に解釈しがちなので、この状態で書いたものはあとで見直してください。

回数を分けると時間はかかります。それでも、自分のキャリアを左右する作業なので、日を改めて何度か書くほうが精度は上がります

転職の自己分析でよくある質問

転職の自己分析について、面談でよく聞かれる質問をまとめました。進めながら迷ったときに確認してください。

自己分析はどのくらい時間をかければいいですか?

5つの問いを書き出すだけなら1〜2時間で終わります。ただ、深掘りと見直しを含めると数週間かける人が多いです。1回で終わらせず、日を分けて書き足していくのが精度の面でおすすめです。

転職活動のいつまでに終わらせるべきですか?

応募書類を作り始める前に終わらせてください。自己分析ができていないと志望動機が組み立てられず、書類選考の段階で苦戦します。求人を探すより前の準備だと考えてください。

ノートと自己分析シートのどちらがいいですか?

どちらでも構いません。アクシスの転職エージェントもコピー用紙とペンで進めています。大事なのは書式ではなく、5つの問いに時間軸の順で答えて深掘りできているかです。

診断ツールだけで済ませてもいいですか?

おすすめしません。診断結果はデータ上の傾向であり、個人の経歴や特性を踏まえたものではないからです。たたき台として使い、出てきた言葉をなんで?で掘っていく使い方が向いています。

看護師など職種によってやり方は変わりますか?

5つの問いと深掘りの順番は職種を問いません。ただ、看護師のように資格で成り立つ職種は、選定要件に資格の活かし方が入ってきます。そこを具体的に書き足してください。

社会人経験が浅く、強みと言えるものがありません

専門スキルだけを強みだと考えていると、そう感じやすいです。責任感や情報収集能力のような汎用スキルも強みに入ります。経験が浅くても、工夫したことや周りから褒められたことを書き出すと見つかります。

まとめ|自己分析は「転職の軸」を作る作業

転職の自己分析は、自分探しではありません。ありたい姿と志望動機を一気通貫でつなぐための分析作業です。

この記事の要点

  • 5つの問いに、時間軸の「2→1→5→4→3」の順で答える
  • 各回答に「なんで?」を2〜3段階まで重ねる
  • 強み、提供したい価値、合う環境の3つを言語化して転職の軸にする
  • 定着はやりがいと苦痛、活躍は適性と志向性から考える
  • ありたい姿と現在地のギャップを埋めるアクションが、そのまま志望動機になる

まずはノートとペンを用意して、なぜ現職を選んだのかという質問から書き始めてください。ここが埋まると、あとは順番に進みます。

とはいえ、やり方はわかっても1人で最後まで書き切れる自信がない。そう感じている人も多いかと思います。

数千人の転職相談を受けてきた中でも、2段階目のなんで?で手が止まる20代・30代をたくさん見てきました。転職活動がうまくいかない原因の多くは、能力ではなく自己分析の浅さにあります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

巷の自己分析法は、転職に特化したものがほとんどありません。

だから、やったあとに転職へどう活かすかがわからず終わってしまいます。

転職を成功させたい人におすすめしたいのがマジキャリです。転職エージェントも展開するアクシスが運営しているため、転職に関する知見が豊富にあります。

この記事で紹介した自己分析シートを使いながら、キャリアコーチと1対1で幼少期から現在までを深く振り返れるのが特徴です。転職やキャリアを踏まえた自己分析ができるので、納得のいく転職活動につながります。

現在マジキャリの無料相談を実施しているので、まずは今の状態を話してみてください。

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ポイント

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