公務員保育士とは?メリット・デメリットや私立保育士との違いも解説!

公務員保育士とは?メリット・デメリットや私立保育士との違いも解説!

    保育士を目指す人の間で人気の公務員保育士ですが、実態を知らない人は多いです。

    この記事では公務員保育士のメリット・デメリットや、私立保育士と比較してどんな違いがあるのかについて解説しているので、公立か私立かを決める際の参考にしてくださいね。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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公務員保育士とは?

公務員保育士は地方自治体が運営する保育施設に勤務する保育士のことで、「公立保育士」とも言います。

公務員保育士は地方公務員なので、保育士の資格だけではなく公務員試験を受験する必要があります。

また公務員保育士が働く保育施設は、保育園だけではなく児童福祉施設や認定こども園、相談所なども含まれるので必ずしも保育園で働くわけではありません。

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ちなみに公務員保育士が「認可保育園で働いている保育士」と勘違いする人もいますが、それは違います。


というのも、認可保育園は私立の保育園も含まれるからです。


認可保育園は児童福祉法に基づいた基準を満たし、都道府県知事の認可を受けた施設のことを言うので私立の保育園も含まれます。

公務員保育士の3つの雇用形態

公立の保育施設で働く保育士の雇用形態は以下の3つです。

雇用形態によって働き方や待遇が異なるので自分のライフスタイルに合ったものを選択できるように違いを知っておきましょう。

公務員保育士の雇用形態

正規職員

正規職員(正職員)は一般企業の正社員と同じで、フルタイムでの勤務になります。

役職によって範囲は異なりますが、子どもの保育や保護者の対応など保育園での全ての業務に責任を持ちます。

また担任や主任を任されたり、副園長や園長など、経験に応じて役職に抜擢されることもあります。

臨時職員

臨時職員は契約社員のことで、6か月〜1年などと就労期間が定められている保育士のことです。

正職員と仕事内容に変わりはありませんが、給料や福利厚生面での待遇面や勤務時間や日数に融通が利くといった違いがあります。

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ちなみに、臨時職員は時給制を採用している市区町村が多いです。


また臨時職員には、交通費などの手当や賞与などが支払われないことがほとんどなので、正職員と比べると待遇の差は大きいです。

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一方で子育て中の人や副業をしている人など、勤務時間に融通を融通を利かせたい人や、保育士の経験が浅く正職員として働くのが不安な人にはメリットのある働き方です。

派遣保育士

派遣保育士は派遣会社を経由して決められた契約期間で公立の保育士施設に派遣される保育士のことで、複数のクラスの保育補助をおこないます。

派遣保育士の場合、雇用主が派遣会社になるため福利厚生は派遣会社の規定により異なります。

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派遣保育士は基本的に時給制です。

また正職員と比べて事務仕事が少ないので、残業が少なかったり、子供と関わる時間が多いです。

保育補助の仕事について詳しく知りたい人はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

公務員保育士のメリット・デメリット

ここでは公務員保育士のメリットとデメリットについて紹介します。

このメリット・デメリットを見てみて、自分にとってのメリット・デメリットになりうるか参考にしてみてください。

公務員保育士のメリット

公務員保育士のメリットは以下の2点です。

  1. 給与や特別休暇などの福利厚生が整っている
  2. 自治体ごとに保育方針が一律である

公務員保育士のメリットは福利厚生が整っていて安定しているのと、保育方針が自治体内で統一されている点です。

公務員保育士は毎年昇給があり、賞与も一律で出ます。またの福利厚生の面でも育休・産休などの制度があり、ライフイベントがあっても仕事を継続しやすい環境が整っています。

また自治体ごとに保育方針が一律で決まっているため、異動になったとしても方針の違いに迷うことがないという点はメリットと言えます。

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ただ私立保育園でも職員の職場環境を整えることに力を入れている保育園もあるため、平均的に公立保育園の方が環境が整っていることが多いくらいの認識が良いと思います。


また、保育方針が固まっているが故に柔軟に業務を変更することができないということもあると思います。


メリットに見える点もあなたにとってはデメリットになりうるので、私立保育園ともしっかり比較検討しましょう。

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公務員保育士のデメリット

公務員保育士のデメリットは以下の3点です。

  1. 長く勤めないと役職も給料も大幅には上がらない
  2. 保育園以外に配属になる可能性がある
  3. 競争率が高い

公務員保育士のデメリットの1つ目は、「長く勤めない限り役職も給料も大幅には上がらない」という点です。

公務員は年功序列型なので勤続年数に応じて役職に就きます。保育士が年収を上げるには役職に就くのが一番ですが、役職に就くまでに時間がかかるのは公務員保育士のデメリットです。

2つ目は「保育園以外に配属になる可能性がある」点です。

公務員保育士の勤務先は「自治体が運営する保育施設」です。その保育施設の中には託児所、相談所や学童保育なども含まれるので、保育園以外に配属される可能性もある点は、心づもりしておく必要がありますね。

3つ目は「競争率が高い」という点です。

公務員保育士は待遇の良さから保育士を目指す人からの人気が高く競争率も高いです。

また近年保育園の民営化も進んでいるため、公務員保育士の採用枠が減っていることも競争率が高くなる要因となっています。

公務員保育士の実態についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてみてください。

公務員保育士と私立保育士の違い

公務員保育士と私立保育士の違いについて働き方や給料、福利厚生などの面から比較してみました。

どちらの働き方が自分に合うかの判断材料として参考にしてみてくださいね。

勤務先の運営母体が異なる

公務員保育士は地方自治体が運営している保育園に勤務し、私立保育士は社会福祉法人、NPO法人などの民間企業が運営する保育施設に勤務します。

運営母体が異なることで、保育方針の違いが生まれます

公立の保育施設は自治体ごとに一律の保育方針があるので、別の保育園に異動したとしても方針が違いすぎて戸惑うことは少ないでしょう。

一方で私立の保育園だと施設ごとに保育方針が定められているので、他の保育園に入職すると全く別の保育方針の基で業務をおこなうことになります。

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自分の保育観にあった保育園を選びたい人は私立保育園を選ぶことをおすすめします。


というのも、私立保育園の方がバリエーションが豊富ですし、公立の保育園より園の方針を公表していることも多く、その分入ってからのギャップが少ないからです。

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ただ私立保育園も様々あるので、自分で選ぶのが難しい場合は転職エージェントに相談しましょう。

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保育園の雰囲気が合わなくて早期離職にならないようにするために、転職エージェントをうまく活用していきましょう。

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公務員保育士は異動がある

公務員保育士には2〜4年に一度異動があります。さらに異動先は保育園以外の児童養護施設や相談所などの可能性もあります。

一方で私立保育園の場合、基本的には異動はありません。

ただし運営元が複数の保育施設を運営している場合はグループ内の他の保育施設への異動する可能性もあるので、入職を決める前に確認しましょう。

仕事内容に差はない

公務員保育士と私立保育士では、保育園で勤務する限り仕事内容に差はありません

保育士の基本的な仕事内容は以下の通りです。

ボックスデザイン

  • 子供の保育
  • 保護者対応
  • 事務作業
  • 園内の整備
  • 行事や年間計画に関する打ち合わせ
  • 研修やセミナーへの参加
  • 行事の企画・運営

公務員保育士の場合、保育園以外の施設で働くこともあります。その場合には仕事内容が異なることもありますが、保育園の仕事内容では大きな違いはありません。

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ただ私立保育園の方が書類の電子化が進んでいるところもあるので、業務量の負担が保育園によって違うことはあります。

保育士の仕事内容についてさらに詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてくださいね。

全体の平均年収に大きな差はないが、役職は20〜30万円変わる

こども家庭庁の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、公立と私立の保育士の平均年収は、公立363.7万円・私立362.1万円と年収に大きな差はありません

一方で主任保育士以上の役職になると、以下のように公務員保育士の方が平均年収が20〜30万円程度高くなります。

■主任保育士

平均年収 月給(賞与込) 勤続年数
公務員 674万円 56万円 25.1年
私立 507万円 42万円 21.7年

■施設長/管理者(園長)

平均年収 月給(賞与込) 勤続年数
公務員 759万円 63万円 31.8年
私立 679万円 56万円 25.8年

出典:令和4年賃金構造基本統計調査

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ただし、上記の勤続年数を見ると同じ役職でも公務員保育士の方が勤続年数が長くなっています。


そのため私立保育士の方が早く役職に就いて年収を上げるということが可能とも考えられます。

公務員保育士の平均年収についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

勤務時間は公務員保育士の方が短い

公立の保育施設では、延長保育や休日保育をほとんどおこなっていないこともあり残業が少なく、私立保育士と比べて勤務時間が短い傾向があります。

一方、私立保育園では独自サービスとして延長保育や休日保育をおこなっている施設が多く、結果として私立保育士の方が勤務時間が長くなる傾向があります。

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ただ公立保育士も、行事がある時など業務量が多くなると自宅に持ち帰って仕事をすることもあるという話もあります。


その場合はサービス残業という形になるので、実態として勤務時間はあまり変わらない可能性もあります。

参考:全国保育協議会会員の実態調査報告書

福利厚生は公務員保育士の方が平均的に良い

福利厚生に関しては、公務員であるだけに公務員保育士の方が整っていることが多いです。

公務員保育士だと、育休産休の制度や退職金が出るなどの福利厚生があります。

一方私立保育園の場合は、施設の運営母体の方針によって福利厚生の内容が異なります。

そのため、公務員保育士より充実した福利厚生を受けられる可能性もあればそうではないこともあるという点で、平均的には公務員保育士の方が福利厚生は充実していると考えられます。

就職方法は公務員保育士の方が一手間多い

公立保育園、私立保育園、それぞれで保育士として働くには保育士資格が必要ですが、公務員保育士の場合は保育士資格に加えて公務員試験に合格する必要があります

また公務員試験を合格したとしても、保育施設で職員の空きができない限り勤務できないため、私立保育士より勤務開始までに時間がかかるケースもあります。

一方私立保育士の場合は保育士資格を取得した後、「園見学→応募→面接→内定」といった流れで保育士として勤務することができます。

公務員保育士に向いてる人向いてない人

ここでは公務員保育士になるか、私立保育士になるか迷っている人向けに、どんな人が公務員保育士に向いているのか・向いていないのかについて解説します。

公務員保育士を目指すか判断するための材料として参考にしてみてくださいね。

公務員保育士に向いている人

公務員保育士に向いているのは、以下の特徴が当てはまる人です。

公務員保育士に向いている人

  • 待遇の良さ・安定性を求める人
  • 年功序列で役職や給料が決まることに抵抗がない人
  • 保育園以外で働くことや異動に抵抗がない人

公務員保育士の待遇の良さは定評がありますが、一方で年功序列で役職や給料が決まったり異動がある点は、規則であって施設ごとに改善する余地がないため、自分の保育観でこだわりを持って保育士の仕事をしたい人にはデメリットになる可能性もあります。

そのため仕事の仕方や評価の柔軟性よりも待遇の良さの方が大事という人には公務員保育士がおすすめです。

公務員保育士に向いていない人

公務員保育士に向いていない人は以下の点が当てはまる人です。

公務員保育士に向いていない人

  • 保育方針にこだわりがある人
  • 自分なりに考えて運営してみたい人
  • 実力で評価されたい人

公務員保育士は自治体の保育方針によって業務内容や範囲が決められています。

そのため業務に改善の余地があったとしても、施設単位で改善することが難しい部分もあり「規則だから」という言葉で片付けられてしまうことも多いです。

子供達のことを考えて業務を工夫しながら取り組んだり、自発的に取り組んだことに対して正当な評価が欲しいという思いがある人は柔軟な運営や評価が可能な私立保育園の方がおすすめです。

公務員保育士になる方法

公務員保育士になるには、指定保育士養成施設(大学・短大・専門学校など)で学んで卒業するか、保育士試験に合格して保育士資格を取得した後、勤務したい地方自治体の公務員試験に合格する必要があります。

厚生労働省の保育士資格取得方法の説明 厚生労働省

ただし、公務員試験に合格したからといってすぐに働き始めることができるかというとそうではありません。

というのも、保育施設に職員の空きが出ないと勤務することができないからです。

公務員保育士は公務員試験に合格すると各自治体の採用候補者名簿に登録され、採用を希望する保育施設からの連絡を待つことになります。

保育士資格の取り方や公務員試験について詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてみてください。

公務員保育士になる前に注意すべきこと

公務員保育士になる前に注意しておきたいことは以下の2点です。

  • 採用候補者名簿の登録期間は1年間
  • 公立保育園の民営化が進んでいる

1点目は「採用候補者名簿の登録期間は1年間」であることです。

公務員試験に合格し登録者名簿に名前が載ってから1年の間に保育施設から連絡がなかった場合は、もう一度公務員試験を受けることになります。

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また地方公務員試験を受験できる年齢には制限があります。自治体により異なりますが30歳までが多く、長くても35歳までとなっているので注意が必要です。

2点目は「公立保育園の民営化が進んでいる」ことです。

近年自治体の財源不足から様々な自治体で公立保育園を民営化する動きが盛んです。

保育園が民営化された場合、公務員保育士は他の保育施設に異動することになるので職を失うことはありません。

ただそうなった場合に保育園で働ける保証はないということは念頭においておいた方が良いですね。

公務員保育士の民営化についての詳細は下記の記事を参考にしてみてくださいね。

公務員保育士か迷ったら転職エージェントへ

一般的には公務員の方が安定しているといった話もありますが、公務員保育士の働き方があなたにマッチするかどうかは一般論ではなくあなたのものさしで測る必要があります。

そのため自分に合う保育園がどんなものかよくわからず、公務員保育士がいいか私立保育士がいいかわからない場合は、私立保育園に詳しい転職エージェントに相談してみましょう。

私立保育園の内情を詳しく知ることで、自分に合う職場の雰囲気を知ることができたり、公務員保育士との違いもはっきりして方向性が定まります。

せっかく保育士の資格を取ったのに、公立保育園しか知らず環境がミスマッチなだけなのに保育士が合っていないと思い込んでしまうことがあってはもったいないです。

そのため、様々な保育園の情報を持っている転職エージェントに相談し自分に合う園がないか探してみましょう。

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