無期雇用派遣って何?正社員や登録型派遣との違いも解説!

無期雇用派遣って何?正社員や登録型派遣との違いも解説!

    派遣で働くうえで押さえておきたい無期雇用派遣の働き方を解説していきます。

    無期雇用派遣の働き方があなたに合っているかメリット・デメリットを紹介します。

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末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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無期雇用派遣とは

無期雇用派遣とは派遣において就業期間が定められてない派遣業態のことを指します。

厚生労働省が平成25年4月1日に改正労働契約法の施行に伴って定めた無期転換ルールによって労働者が安定した雇用のもとで働ける状態を推奨することとなりました。

派遣会社では有期労働契約者と期間の定めなく契約を結ぶことで、労働者が安定した雇用のもとで働けるように無期雇用派遣へと転換させることができます。

注意点としては、あくまで派遣会社と労働者間で結ばれる契約であり、派遣先と労働者で結ばれるものではないため、確実に定年まで派遣先で働けるものではないことは覚えておきましょう。

登録型派遣との違い

登録型派遣との違いはいくつかありますが、やはり明確に違うのは雇用期間がないことです。

登録型派遣は最大で3年間という期間が定められているのに対して、無期雇用は特に期間は定められていません。

またそれに伴って無期雇用の場合は就業先が決まっていない間も契約している派遣会社から給料が振り込まれるのに対して、登録型派遣の場合は契約が終了し、次の就業先が決まるまでの期間は給料が振り込まれません。

給料の計算方法も無期雇用は月給制であることに対して、登録型派遣は時給制となります。

このように収入の安定感という面でも少し違いが出てきます。

正社員との違い

正社員との最も大きな違いは雇用契約を結んでいる相手です。正社員は働いている企業と雇用契約を締結していますが、無期雇用派遣として働いている場合は契約先は派遣会社と結んでいます。

締結先が違うことで正社員と大きく違う点は主に2つあります。1つ目は就業中は指揮・命令の権限が派遣先企業にあるものの基本的な指揮・命令の権限は派遣会社にあるということです。

そして2つ目は、給料を振り込むのも働いている企業からではなく、契約している派遣会社からだということです。

なので、例え派遣先の企業の業績が好調でボーナスがでるといっても無期雇用派遣の場合は派遣会社から振り込まれるため、ボーナスを受け取ることができません。

福利厚生を受けられる点や、社会保険に加入する点などを含めて他は特に大きく変わっている点はありません。

最後に無期雇用派遣と、登録型派遣、正社員をまとめて比較できる表を用意したので参考にしてみてください。

項目 無期雇用派遣 登録型派遣 正社員
給料 月給 派遣会社から支給される可能性あり(ないことが多い) 企業から支給
賞与 派遣会社から支給 派遣会社から支給 企業から支給
雇用契約 派遣会社と結ぶ 派遣会社と結ぶ 企業と結ぶ
雇用期間 無期 有期 無期

無期雇用派遣として働くには

無期雇用派遣になる条件は以下の2つの方法があります。

  • 3年間同じ派遣先で働く
  • 通算5年間同じ派遣会社で働く

無期雇用派遣として働くにはいくつか条件があります。派遣会社に登録してすぐに無期雇用派遣として働くことはできません。

派遣法により同じ派遣先で同じ仕事を3年以上働くことが禁止されています。

なので、労働者が継続して3年以上働きたいと希望したことに加え、派遣会社と派遣先も継続して働いてほしいとなった場合、無期雇用派遣か直接雇用のどちらかになります。

「3年間も同じ派遣先で契約を更新されたことがない」という人に関しては、登録した派遣会社で5年以上働くことが必要です。

5年以上働いた後に無期転換の申し込みをすることができます。この場合、派遣会社はその申請を拒否することができません。

注意点として、5年の間に派遣先の企業を変更することはできますが、派遣会社自体を変えてしまうと、変えたタイミングからまた5年という数え方になってしまうので気をつけなければいけません。

なのでまずは登録型派遣として3年間有期雇用で働き、その後無期雇用派遣という働き方に転換することと、5年間同じ派遣会社で働くという流れがあることを覚えておいてください。

派遣から直接雇用になるメリット・デメリットを紹介している記事がありますので、こちらも併せて参考にしてください。

無期雇用派遣のメリット

「無期雇用派遣はやめとけ」という声や、「無期雇用派遣はデメリットしかない」というネガティブな意見もよく聞く人も多いと思いますが、働く人の状況によっては、無期雇用派遣が最も適切な働き方となる場合も少なくありません。

無期雇用で働くことのデメリットはほぼありません。ここでは無期雇用派遣で働くメリットを紹介します。

登録型派遣で働いているときに比べてどのような変化があるのかに着目して紹介していきます。

同じ職場で働き続けることができる

無期雇用派遣で働く魅力の一つは、これまでに勤めてきた企業で引き続き働くことができる点です。

通常、派遣社員は労働者派遣法によって同一の派遣先で3年以上勤務することができないというルールがありますが、無期雇用派遣として働くことで3年の制限をなくすことができます。

さらに、築いてきた人間関係や身に付けたスキルをそのまま活かすこともできます。

現在の職場の雰囲気が非常に良い場合や、人間関係を再構築すること、新しいことを毎回覚えることが苦手な人にとっては大きなメリットです。

同じ職場で長期で働くことができるため、安心してキャリアを積み上げることができます。

収入が途切れることがない

無期雇用派遣の大きな魅力は、次の企業を探している間にも給料が支払われる点です。

無期雇用派遣では、常に雇用されているため、次の派遣先を優先的に紹介されるので、新しい仕事を探す手間を省くことができます。

さらに、企業が休業したり、解雇されたりした場合でも給料は継続して支払われるので、金銭的な心配をせずに生活することが可能です。

無期雇用派遣では、登録型派遣とは異なり次の企業を探している期間に、ただ待機するだけではなく派遣会社から別の仕事を割り当てられることもあります。

とはいえ、派遣会社は派遣先での就業がなければ利益がでないため、無期雇用派遣の人に対しては、待機期間を作らないように積極的に派遣先を紹介してくれるので安定した収入を得ることができます。

昇給や賞与が存在する

無期雇用派遣として働く場合、賞与を受け取ることができるうえに昇給するチャンスも与えられています。

登録型派遣の場合、派遣会社によっては賞与が存在する場合もありますが非常に稀なケースです。

昇給や賞与があることで、登録型派遣よりも年収を上げることができることはメリットと言えるでしょう。

派遣切りされない

無期雇用派遣は、派遣先からの突然の派遣切りのリスクが非常に低いため、安心して長期間働くことができます。

登録型派遣とは違い3年ルールが適用されないため、安定した雇用環境で働くことができます。

もし仮に派遣先の経営問題で解雇された場合でも、無期雇用派遣であれば、派遣会社が新しい仕事を見つけるまで給料の支払いが続くので経済的にも安心です。

時給ではなく月収になる

無期雇用派遣では、時給制ではなく月収を採用しているため、年末年始やGWなど休暇日が多い月でも変動なく同じ額の給料を受け取ることができます。

一方、登録型派遣で時給制で働く場合、土日が多い月や体調不良で休むと給料が減少し、毎月の収入が不安定になるリスクがあります。

月収の無期雇用派遣で働くことにより、このようなリスクを回避しライフプランや家計管理をしやすいのは非常に魅力的であると言えるでしょう。

転職エージェント末永 末永

仮に派遣先が変わったとしても、無期雇用として働く人がほとんどです。 3年間働いた上で、無期雇用で働くのが嫌だ!という人はほとんど見たことがありません。

無期雇用派遣のデメリット

無期雇用契約をデメリットと感じる人は、自身の状況や環境において無期雇用派遣という働き方が適さない人が当てはまります。

基本的には無期雇用派遣という働き方はほとんどがメリットです。

以下でどのような人が無期雇用派遣で働くことが難しいのか見ていきましょう。

勤務地が固定される

無期雇用派遣となった場合、これからは1つの企業で働き続けることになるので勤務地が固定されます。

長期で働けるメリットがある分、勤務地を変更しなければならない事情があったとしてもすぐに対応してもらうことが困難になります。

将来的に移住をしなければならないことが分かっているのであれば、あらかじめ移住先を考慮して無期転換しなければなりません。

たとえば、パートナーが転勤や引っ越しを繰り返す可能性が高く、柔軟に勤務地を変えながら働きたいといった人の場合は無期雇用派遣として契約することは難しいでしょう。

なので、勤務地が固定されることで不便に感じる人はデメリットになります。

派遣社員ならではの自由な働き方ができなくなる

派遣社員としての働き方は、自分の都合に合わせて働く期間や業務内容を自由に決められるというメリットがあります。

一方、無期雇用派遣になると、働き方の柔軟性が失われ希望休を自由に設定することが難しくなるのがデメリットです。

ただし、実際には登録型派遣でも決められた日程で働く必要があり、働いていない期間は収入がないため、次の仕事をすぐに探すケースがほとんどです。

さらに、無期雇用派遣は3年以上派遣で働いた人に限られるため、長期間派遣で働いてきた人にとっては、生活や働き方に大きな変化はなく、実質デメリットと感じるようなものではありません。

転職エージェント末永 末永

収入を得ながら自由な働き方をしたいという考えの人はそもそも派遣ではなく 単発バイトのような働き方をしたほうが良いですね。

無期雇用派遣に向いている人

ここまで読んできた人は登録型派遣として3年間働いたあと、無期雇用派遣という働き方に移行するのが良いとわかっているのではないでしょうか。

でも、ここまで正社員と同じような待遇を受けられるのであれば、正社員になってしまったほうが良いのではないか?と考える人もいるかもしれません。

ここでは最後に正社員として働く場合と比較して無期雇用で働くほうが向いている人の特徴を紹介していきます。

ストレスなく働きたい人

仕事のストレスや責任に敏感な人には、無期雇用派遣での働き方が良いでしょう。

正社員として働く場合、スキルが向上するにつれて大きな仕事を任され、リーダーやマネージャーへ昇格していきます。

当然役職が上がればメンバーのマネジメントや会社の業績に対する責任が伴い、精神的なプレッシャーが増加することもあります。

一方で、無期雇用派遣では重役を担うことは少なく、正社員と同等の報酬を受け取りながらより少ない責任で働くことが可能です。

ただし、正社員のような昇格による大幅な年収アップやキャリア形成は見込めません。

年収やキャリアアップの機会と責任のバランスを比較したときに、無期雇用派遣の働き方が合っていると感じた方には向いていると言えるでしょう。

一つの職場で長く働きたい人

今の職場の雰囲気や人間関係に満足していて、このまま長期的に今の職場で働いていたいという人は無期雇用派遣に向いていると言えるでしょう。

派遣として働くときは、嫌な職場は変更することができる反面、派遣先が変わるたびに人間関係や信頼関係を1から築き上げていかないといけない点が少し大変です。

チームメンバーとの関係性構築、管理職との信頼関係、職場の価値観の理解など、次の職場で必ずしもこれらが良いとは限りません。

今の職場が満足の行く環境であれば迷わず無期雇用派遣として働くと良いでしょう。

給料を安定させたい人

無期雇用派遣は月給であり、登録型派遣の時給制とは大きく異なります。

月給の場合、休日が多い月や体調不良で出勤日が減っても一定額の給料が保証されます。

たとえば、GWや年末年始などの長期休暇や風邪をひいて数日間休んだ場合でも、月給であれば給料の減少を心配する必要がありません。

そのため、安定した収入を求める人には向いていると言えます。

社会保険に継続的に加入したい人

無期雇用派遣では、社会保険に加入することができます。

社会保険の加入条件は以下のとおりです。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生でない

社会保険に加入することで、傷病手当金や出産手当金としてそれぞれ休業していたとしても給与の6割を受け取ることができます。

安定して働き続けるためには、予測できないリスクに備える必要があるため、社会保険に加入したいという人は無期雇用派遣が向いているといえます。

無期雇用派遣として働きたい人におすすめの派遣会社

ここでは無期雇用派遣として働くことを前提に派遣会社に登録したい人におすすめの派遣会社を紹介します。

結論からお伝えすると、無期雇用派遣に特化したサービスを利用することをおすすめします。

キャリアウィンク

Careerwink

キャリアウィンクは、リクルートスタッフィングが運営する人材派遣会社で、大手企業の求人を多数保有しています。

未経験者でも充実した研修とフォロー体制により大手企業での派遣勤務が可能です。

また、福利厚生も充実しています。

福利厚生一覧

  • 土日祝日休み
  • 残業少なめ
  • 賞与年2回
  • 昇給制度あり
  • 評価制度あり
  • 充実の研修制度
  • 産休・育休あり
  • 派遣先の社員化実績あり

安定した収入を得ながら、高待遇で働くことができるのは魅力的です。

キャリアウィンクはとくに事務職に興味はあるけど自信がない人に向いている派遣会社です。

8割の派遣スタッフは事務職未経験からスタートしていますが、それができるのもしっかりとした研修とサポートがあるからと言えます。

取り扱っている職種は一般事務が全体の8割を占め、営業事務や経理・人事等の専門職も扱っています。

入社後の研修とサポートがしっかりしていることが理由です。

また、キャリアウィンクは無期雇用派遣を積極的に取り入れることで、リクルートスタッフィングの社員として働いていくことも可能です。

しっかりとした受け入れ体制が整っている派遣会社を求めているのであれば、キャリアウィンクがおすすめです。

マイナビキャリレーション

マイナビキャリレーション

マイナビキャリレーションは、マイナビワークスが運営する人材派遣会社で、とくに未経験からオフィスワークや事務職を目指す人に適しています。

ボーナスや昇給制度があり、週休2日制で安定した働き方が可能です。

マイナビキャリレーションでは取り扱っている事務職の幅が広いことが特徴の一つです。

事務職一覧

  • 一般事務
  • 営業事務
  • 医療事務
  • 貿易事務
  • 学校事務
  • 総務事務
  • 人事事務

事務職が未経験でも安心して仕事を始められるよう、マイナビキャリレーションでは充実した研修制度を用意しています。

入社前研修に加え、入社後もビジネスマナーやビジネスコミュニケーション、OAスキル、キャリアアップ研修が利用できます。

また、カウンセリングや適性検査を通じて、一人ひとりに合った配属先を選定します。

専任のキャリアアドバイザーが一貫してサポートをしているため、事務職で働きながら充実したサポートを受けたい方には、マイナビキャリレーションがおすすめです。

ミラエール

ミラエール

ミラエールはスタッフサービスが運営する人材派遣会社で、99%の求人が事務職です。

年に1回の昇給とボーナスがあり、事務職未経験者でも安心して働ける環境が整っており、実際の登録者の85%が事務職未経験です。

入社前の研修と就業中のスキルアップ制度が充実しており、最大101講座の無料ビジネススクールや講座を受講できます。

ミラエールの求人の多くは土日休みで、残業も月平均5時間未満と少なめです。

そのため、休日や就業後のプライベートな時間も充実させることができます。

さらに、無期雇用派遣としては、運営元のスタッフサービスの社員として安定して働くこともできます。

無理なく安定して働きたい人にはミラエールがおすすめです。

まずはサービスサイトを見て、自分にあってそうな派遣会社に登録し初回面談で話を聞いてみることをおすすめします。

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