言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の仕事内容や役割、求人探しの方法を解説
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の仕事内容や勤務先、おすすめの資格を紹介します。
仕事のやりがいや注意点も解説するので、訪問リハビリへの転職を検討している人は参考にしてみてください。
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訪問リハビリにおける言語聴覚士の特徴
訪問リハビリへの転職を検討している言語聴覚士の人は、訪問リハビリのサービスや収入面での理解を深めておくことが大切です。
仕事内容・役割
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の仕事内容は、失語症・構音障害・嚥下障害を持つ利用者に対して、回復や機能維持を目的とした訓練をおこなうことです。
理学療法士や作業療法士と異なり、聴覚機能や発語機能、嚥下動作など、主に首から上のリハビリを担当します。
「仕事に就きたい」「外食を楽しみたい」「趣味のサークル活動に参加したい」など、現状を踏まえたうえで利用者の要望実現に向けてサポートするのが主な役目です。
年収は400〜600万円で平均的
医療従事者向けの転職サービス「マイナビコメディカル」の調査結果によれば、訪問リハビリの年収は400〜600万円が相場とされています。
一方、厚生労働省が発表している令和6年賃金構造基本統計調査によると、言語聴覚士の年収は約470万円です。
また、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、日本の平均年収は約460万と発表されています。
訪問リハビリ | 約400〜600万円 |
---|---|
言語聴覚士 | 約470万円 |
日本の平均年収 | 約460万円 |
訪問リハビリの給料に幅があるのは、インセンティブ制度が導入されている点が大きな要因です。
訪問件数によって1件あたり数千円のインセンティブが加算されるので、頑張りに応じて収入アップを目指せます。
将来的な需要が高い職業
訪問リハビリは将来的に需要が高い職業です。
厚生労働省がおこなった令和5年の社会保障審議会の資料によれば、訪問リハビリの受給者は年々増加傾向にあると発表されています。
令和2年から令和4年までの訪問リハビリの受給者数は以下の通りです。
令和2年 | 約119万人 |
---|---|
令和3年 | 約131万人 |
令和4年 | 約136万人 |
また、令和4年版厚生労働白書において、日本は2025年に75歳以上の人口が全体の約18%に達し、超高齢社会になると示されています。
そのため、訪問リハビリは将来的にも需要が大きく増える見込みです。
訪問リハビリで働くのに向いている言語聴覚士の特徴
訪問リハビリで働くのに向いている言語聴覚士には、以下の特徴があります。
訪問リハビリ・訪問看護に興味のある人は、自分に当てはまる項目があるか確認してみてください。
利用者と個別でじっくり関わりたい
利用者と個別でじっくり関わりたい言語聴覚士の人は、訪問リハビリ・訪問看護の仕事が向いています。
訪問リハビリは個人宅でおこなうため、他の患者に気を遣うことなく利用者と1対1で訓練に集中できるからです。
言語聴覚訓練は「ことば」と「きこえ」の機能回復や維持を目的としているため、静かな環境で関われる訪問リハビリなら質の良いサービスを提供できます。
家族間のコミュニケーションをサポートしたい
家族間のコミュニケーションをサポートしたい言語聴覚士の人も、訪問リハビリや訪問看護に向いています。
言語聴覚士の力を必要としている人は自分の気持ちを言葉にしたり、相手の話を理解したりすることを苦手としています。
そのため、家族であっても接し方に戸惑いを抱えている人も少なくありません。
言語聴覚士が家族と利用者の仲立ちをすることで、家族間の意思疎通が円滑になり、安心して過ごせる環境作りにつながります。
家族を含めたケアを大切に考えている人や、利用者の思いに寄り添ったサポートをしたい人は、訪問リハビリの仕事にやりがいを感じられます。
日常生活に密着した訓練をおこないたい
日常生活に密着した訓練をおこないたい言語聴覚士の人も、訪問リハビリ・訪問看護の仕事に向いています。
研修やセミナーで得た知識をベースにするだけでなく、日常生活に即したケアを実践したいという思いを持つ人こそ、訪問リハビリにふさわしい人材だからです。
利用者の実生活に根ざしたサポートがしたい人にとって、訪問リハビリ・訪問看護は充実感を得られる仕事といえます。
訪問リハビリへの転職を検討している人は、転職サイト・エージェントで求人をチェックしてみてください。
細かい条件で求人を絞り込めるので、理想の働き方に適した仕事を見つけられます。
リハビリ職におすすめの転職サイト
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言語聴覚士におすすめの転職サイトは以下の記事でも詳しく紹介しているので、併せて参考にしてみてください。
訪問リハビリで働く言語聴覚士におすすめの資格5選
訪問リハビリや訪問看護に興味がある言語聴覚士の人は、以下の資格取得を検討してみてください。
転職の際に有利になるだけでなく実務でも役立つ場面が多く、自信を持って業務に取り組めます。
ケアマネージャー(介護支援相談員)
ケアマネージャー(介護支援相談員)は、介護保険やサービスについて豊富な知識を有する専門職で、介護を必要としている人に適切なサービスを提案します。
言語聴覚士がケアマネージャーの受験資格を得るには、5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。
その後は筆記試験に合格し、約87時間以上の実務研修を完了すれば資格が交付されます。
介護サービスに関する相談に乗れるため、訪問リハビリ・訪問看護の際にも役立つ場面が多い資格です。
認定言語聴覚士
認定言語聴覚士は、より高い専門性が認められた言語聴覚士のみが取得できる認定資格です。
認定を得るためには、言語聴覚訓練のすべての領域において知識や技術を高める必要があり、成果につながる良質なリハビリを提供できるようになります。
認定言語聴覚士の資格を取得するには、基礎プログラムと専門プログラムの修了後に指定の講習会を受講し、最終試験に合格しなければなりません。
資格を得るためのハードルは上がりますが、その分リハビリ分野における評価も高くなるので、キャリアアップを目指す人にもおすすめです。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士は、医師や歯科医師が作成した嚥下訓練の計画にもとづいてトレーニング・指導をおこないます。
訪問リハビリ・訪問看護は摂食誤嚥リスクが高い高齢の利用者が多いため、認定資格を取得している言語聴覚士は重宝されます。
資格取得の条件は学会員として2年以上在籍していることに加え、嚥下訓練に関して3年以上の臨床経験が必要です。
また、eラーニングを通して所定の学習プログラムを修了し、認定士試験に合格する必要があります。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士は、これから超高齢化社会が進んでいくなかで需要が高まる資格の1つです。
手話通訳士
手話通訳士は音声理解や表現方法に関する高い専門性を活かし、聴覚に課題を抱える人のスムーズな意思疎通をサポートします。
また、言葉でのコミュニケーションを苦手とする人が、自己表現しやすい環境を整えるのも手話通訳士の役目です。
資格を取得するためには厚生労働省が認定する手話通訳技能認定試験で、学科と技能の両方に合格する必要があります。
手話通訳士の資格があれば、気持ちを汲み取るのが難しい利用者に対しても意思疎通がスムーズになり、訪問リハビリ・訪問看護の場で重宝されます。
LSVT® LOUD
LSVT® LOUDは、体の機能が著しく低下するパーキンソン患者のサポートを主な目的とした認定資格です。
また、言語障害を持つ患者に対するアプローチ方法も学べるため、言語聴覚士とリンクした分野での専門性を高められます。
言語聴覚士がLSVT® LOUDの認定資格を得るためには、オンライン学習と2日間の認定講習を受けたあとに認定試験に合格する必要があります。
LSVT® LOUDの資格があれば、声量の増大や発語の明瞭度に焦点を当てた訓練が可能となり、言語聴覚士としてワンランク上のリハビリを提供できます。
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の主な勤務先
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の主な勤務先は以下の3つです。
それぞれの仕事内容や役割を確認し、転職先を選ぶ際の参考にしてみてください。
訪問リハビリテーション
言語聴覚士が活躍できる訪問系の職場の代表として挙げられるのが、訪問リハビリテーションです。
訪問リハビリテーションでは「ことば」や「きこえ」の機能回復や向上を目指した訓練をおこない、利用者の社会参加をサポートします。
個人に対して根気強くアプローチを続ける必要があるため、回復期病棟で働いていた経験がある人なら、利用者への適切なケアが可能です。
小児訪問リハビリテーション
小児訪問リハビリテーションは、文字通り子どもを専門的にケアする訪問リハビリです。
子どもは適切な自己表現方法が獲得できていないことが多く、成長に合わせたアプローチが必要になるため、大人のケアより高い専門性が必要になります。
吸収が早い子どもは成果が現れやすいので、大きなやりがいを感じられるのが魅力です。
子どもが好きな人や、子どもの接し方に慣れている人に向いている職場といえます。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは医療的な要素が強く、利用者が今ある機能を維持できるようサポートすることを主な目的としています。
訪問リハビリテーションより症状が重い利用者が多く、ターミナルケアをおこなうのも訪問看護ステーションで働くスタッフの役割です。
特に食事の誤嚥は肺炎に直結しやすいため、言語聴覚士の知識や技術が求められます。
個人の気持ちを優先し、生活の質を保ちながら寄り添ったサポートをおこないたい人は、訪問看護ステーションへの転職を検討してみてください。
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際のやりがい
言語聴覚士が訪問リハビリや訪問看護で働く際には、以下のようなやりがいがあります。
仕事へのモチベーション維持につながる重要なポイントなので、よく確認しておきましょう。
利用者と心の通じ合う喜びを共有できる
訪問リハビリや訪問看護で働く言語聴覚士は、利用者とさまざまな気持ちを共有できます。
利用者の「ことば」と「きこえ」をサポートをすることで、気持ちのやり取りがスムーズになり、コミュニケーション能力が向上するからです。
スムーズな意思疎通を繰り返すうちに、利用者と深い信頼関係が育まれていきます。
利用者が心を開いてくれるようになると、大きなやりがいを感じられます。
利用者の食の楽しみを支えられる
利用者の食の楽しみを支えられる点も、訪問リハビリ・訪問看護で働く言語聴覚士のやりがいの1つです。
言語聴覚訓練には嚥下動作が含まれるため、利用者が食べたいものを少しずつ食べられるようになる様子を間近で見守れます。
食への不安が強かった利用者が嬉しそうに食べ物を口にできるようになる姿は、言語聴覚士にとって仕事への意義につながります。
家庭の笑顔が増える瞬間に立ち会える
訪問リハビリや訪問看護の仕事では、家族の笑顔が増える瞬間に立ち会えます。
個人宅には家族も住んでいるため、アプローチに対する反応をともに見守る機会が多いからです。
リハビリに取り組むなかでよい成果が得られたときには、本人だけでなく家族の喜びにもつながります。
訪問リハビリや訪問看護を通して多くの人を笑顔にできることは、働くうえで大きな原動力となります。
言語聴覚士が訪問リハビリで働く際の注意点
言語聴覚士が訪問リハビリや訪問看護で働く際には、以下のような注意点もあります。
転職に踏み切る前に、内容をよく確認しておきましょう。
5年以上の臨床経験を求められるケースが多い
訪問リハビリで働く際には、5年以上の臨床経験を求められる傾向があります。
訪問リハビリは基本的に1人で利用者宅に出向き、トレーニングをおこなうからです。
あらゆる症状に対して適切な評価と対応が必要になるため、臨床経験が少ない言語聴覚士は不安視されてしまいます。
言語聴覚士としてのキャリアが5年未満の人は、現場での経験をさらに重ねて知識や技術力の向上を目指しましょう。
嚥下訓練時のプレッシャーが大きい
訪問リハビリや訪問看護では、嚥下訓練時のプレッシャーが大きくなる点にも注意が必要です。
利用者の自宅で使用できる医療機器は限られているだけでなく、訪問看護でも毎回看護師が同行するわけではありません。
誤嚥を起こすと肺炎のリスクが高くなるため、事故が起こらないよう毎回慎重に対応する必要があります。
言語聴覚訓練の際には家族への配慮も必要
訪問での言語聴覚訓練の際には、家族への配慮も欠かせません。
言語聴覚訓練では音を聞いたり発声したりする場面が多いため、一緒に住む家族にも理解や協力を得る必要があります。
訪問リハビリでは利用者だけでなく家族も含めたケアを意識し、常に寄り添う姿勢を心掛けることが大切です。
専門外の相談を受けやすい
訪問リハビリや訪問看護をおこなう言語聴覚士は、プライベートな相談を受けやすい傾向があります。
何度も同じ家に訪問するうちに家族や利用者との関係性が近くなり、生活に関する悩みも打ち明けやすくなるからです。
経済面での悩みや将来への不安など、言語聴覚訓練に無関係な悩みも受け止める必要があるため、対応を考えておく必要があります。
ケアマネージャーや看護師など、他の業種とのつながりを大切にして、常に連携できる体制を整えておきましょう。
経験・スキルや職場によって転職の難易度が異なる
訪問リハビリや訪問看護への転職難易度は、個人の経験やスキルによって異なります。
訪問系のサービスの需要は増えているものの、事業規模が小さいぶん言語聴覚士の求人数も少なく、狭き門となりやすいのが現状です。
厚生労働省が発表している令和5年介護サービス施設・事業所調査の概況によると、訪問リハビリで働く言語聴覚士の人数は3,289人です。
一方、理学療法士は2万6,366人、作業療法士は1万1,303人となっており、言語聴覚士の比率が低いことがわかります。
職業 | 人数 |
---|---|
理学療法士 | 2万6,366人 |
作業療法士 | 1万1,303人 |
言語聴覚士 | 3,289人 |
しかし、要点を押さえて転職活動をおこなえば、言語聴覚士が訪問リハビリや訪問看護で働くことは可能です。
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