公務員保育士の年収は高い?私立保育士との差分や役職別・経験別でも比較!

公務員保育士の年収は高い?私立保育士との差分や役職別・経験別でも比較!

    公務員保育士の平均年収を、私立保育士や役職別、地域別とあらゆる観点から比較していきます。

    また、公務員保育士の平均年収が高くなる理由や、保育士として年収を上げる方法も徹底的に解説しています。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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公務員保育士と私立保育士の平均年収比較

公務員保育士と私立保育士の平均年収は、主任保育士以上の役職だと公務員保育士の方が20〜30万円程度高いです。

ただ公務員保育士は勤続年数が長いため、私立保育園で早く役職に就けば私立保育士の方が年収が高くなる可能性もあります。

【保育士】

平均年収 月給(賞与込) 勤続年数
公務員 363万円 30万円 11年
私立 362万円 30万円 11.2年

【主任保育士】

平均年収 月給(賞与込) 勤続年数
公務員 674万円 56万円 25.1年
私立 507万円 42万円 21.7年

【施設長/管理者(園長)】

平均年収 月給(賞与込) 勤続年数
公務員 759万円 63万円 31.8年
私立 679万円 56万円 25.8年

出典:令和4年賃金構造基本統計調査

※私立保育園:33,456人、公立保育園:35,826人に調査

公務員保育士の役職別平均年収

公務員保育士の平均年収を役職別で見ると、平均年収が主任保育士から一気に300万円近く増加しています。

これは令和4年賃金構造基本統計調査から主任保育士の平均勤続年数は25.1年となっているので、40代くらいまで保育士として昇給し続けた分に加えて役職手当がつくことが要因と考えられます。

役職名 平均年収
保育補助 178万円
クラス担任 363万円
保育士 363万円
主任保育士 674万円
施設長 759万円

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主任ではない保育士の平均勤続年数は11年ということを考えると、40代まで大幅に年収が上がらないことに納得がいかず、30代前後で公務員保育士を辞めている人も一定数いるということですね。

公務員保育士の経験年数別平均年収

公務員保育士は経験年数に応じて毎年昇給します。そのため長く勤めれば勤めるほど、年収は高くなります。

また、ボーナスも毎年出るので私立保育士と比較して給料の安定性が確保されている点はメリットとして大きいです。

公立保育士の勤続年数別の平均年収は以下の通りです。

勤続年数 給料 年収
1年未満 18万1004円 217万2048円
1年以上〜2年未満 18万5907円 223万0884円
2年以上〜3年未満 19万2200円 230万6400円
3年以上〜5年未満 20万3652円 244万3824円
5年以上〜7年未満 21万9989円 263万9868円
7年以上〜10年未満 24万55円 288万660円
10年以上〜15年未満 27万2521円 327万252円
15年以上〜20年未満 31万9045円 382万8540円
20年以上〜25年未満 35万6333円 427万5996円
25年以上〜30年未満 38万339円 456万4068円
30年以上〜35年未満 39万6158円 475万3896円
35年以上 36万9700円 443万6400円

参照:総務省「令和4年地方公務員給与実態調査

公務員保育士の地域別平均年収

公務員保育士の平均年収は各都道府県で大きく差があり、最も平均年収が高い東京都が450.8万円に対して、最も低い沖縄県は308.7万円と平均年収に142.1万円もの差があります。

保育士としてのやりがいも大事だけど、年収も気になるという人は働く地域にも注意が必要です。

各都道府県の公務員保育士の平均年収は以下のようになっています。

都道府県 平均年収
東京都 450.8万円
神奈川県 439.0万円
大阪府 424.4万円
福岡県 358.1万円
北海道 385.8万円
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都道府県 平均年収
青森県 427.0万円
岩手県 335.0万円
宮城県 336.3万円
秋田県 315.1万円
山形県 284.2万円
福島県 345.5万円
茨城県 373.7万円
栃木県 383.6万円
群馬県 374.9万円
埼玉県 383.5万円
千葉県 398.4万円
山梨県 373.0万円
長野県 314.5万円
新潟県 370.9万円
富山県 388.8万円
石川県 431.3万円
福井県 376.5万円
岐阜県 377.7万円
愛知県 368.5万円
静岡県 372.5万円
三重県 339.9万円
滋賀県 349.7万円
京都府 445万円
兵庫県 351.8万円
奈良県 363.1万円
和歌山県 393.7万円
鳥取県 368.8万円
島根県 349.9万円
岡山県 397.0万円
広島県 334.9万円
山口県 359.2万円
徳島県 366.6万円
香川県 407.4万円
愛媛県 358.2万円
高知県 358.5万円
佐賀県 334.7万円
長崎県 320.8万円
熊本県 367.4万円
大分県 364.3万円
宮崎県 370.4万円
鹿児島県 407.6万円
沖縄県 308.7万円

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このように都道府県によって大きく差があるので、公務員保育士として就職する場合はどの県で保育士になるかはかなり重要になってきます。

とはいえ上記のデータはあくまで平均年収です。保育士として転職を考えている際に、自分の都道府県の年収をより詳しく知りたいという方は転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントは転職先の年収をデータとして確実に持っているので、あなたの今の状況よりも年収が上がる転職先を、あなたの希望条件を加味した上で紹介してくれます。

また、あなたの転職を内定が出るまでサポートしてくれるので、迷うことなく転職活動を進めることができます。

保育士として年収を上げて転職したい場合は是非転職エージェントを利用してみましょう。

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また保育士の平均年収391万円を超えて年収400万円以上を狙っていきたいという場合はこちらの記事も読んでみることをおすすめします。

公務員保育士の平均年収が高い理由

公務員保育士の平均年収が他の保育園で働く保育士よりも高くなる理由ですが、大きな理由の1つに処遇改善加算の対象となっている保育士が多いことが挙げられます。

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「処遇改善加算」は保育士の賃金を上げて保育士が長く働ける職場を構築することで、質の高い保育を安定的に供給可能にすることを狙った政策のことです。

処遇改善加算にはⅠとⅡがあり、Ⅱは7年以上の経験を有する副主任保育士・専門リーダー等や3年以上の経験を有する職務分野別リーダーの賃金を上げる狙いがあります。

公務員保育士の平均年収が私立保育士より高いのは、公務員保育士の方がこの処遇改善加算Ⅱの条件にあてはまる年数の人が多いことが要因だと考えられます。

また公務員保育士はボーナスや退職金が支払われる点も年収が高くなる理由の一つです。

処遇改善加算の詳細が気になる人は以下の記事を参考にしてみてください。

公務員保育士になるには

そもそも公立保育士とは地方自治体が運営する公立の保育施設で働く保育士の人のことを指します。

地方公務員なので保育士資格のみで就業はできず、地方自治体が各自でおこなっている公務員保育士採用試験を受験し合格する必要があります。

公務員保育士採用試験に合格すると採用候補名簿に名前が載り、園から声がかかると勤務となります。

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この名簿に載るのは1年間のみとなっており、万が一声がかからなかった場合はもう一度試験を受けることになります。


また、地方公務員試験に関してはさらに年齢制限も各都道府県でそれぞれ定められています。多くは30歳までのところが多いですが、都道府県によっては35歳まで受験を受け付けているところもあるので、まずは確認してみましょう。

公務員試験

公務員保育士試験の内容

公務員保育士試験の実施時期は各自治体によりますが、大体4〜8月の間でおこなわれます。

ただし上記の日程以外でおこなっている自治体もあるので、自分が受けようと考えている自治体の実施期間は定期的にチェックしておくことをおすすめします。

そして公務員保育士試験の内容ですが、試験は1次試験と2次試験に分かれています。

1次試験は高校卒業レベルの問題が出題される教養試験と、保育士の専門的な知識を問う専門試験の2つに分かれます。

教養試験では文章の理解力、数的推理力、判断推理力、資料解釈力の4つの力を把握するための問題が中心に出題され、専門試験では保育原理、教育原理及び社会的擁護、保育の心理学、子どもの食と栄養のような問題が出題されます。

そして、2次試験では握力、前屈、背筋力、反復横跳びといった体力テストをおこないます。

ある程度の動きをこなすことができるのであれば、緊張せずに全力で取り組めば2次試験に関しては問題ありません。

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また、公務員保育士試験の気になる難易度ですが、これは都道府県によってかなり差があります。


令和4年度の採用試験の結果でいうと、静岡が倍率が1.9倍であったのに対して、神奈川県は8.2倍となっています。

※神奈川県参考サイト:横浜市ホームページ

※静岡県参考サイト:令和4年度 静岡市職員採用試験(大学卒程度・短大卒程度・免許資格職)実施状況

平均年収と難易度のバランスをしっかりと考慮した上で都道府県を選ぶことがポイントになってきます。

公務員試験の内容や難易度について詳しく知りたい人は下記の記事も読んでみてくださいね。

雇用形態

公務員保育士の雇用形態

公務員保育士としての雇用形態としては以下の3つがあります。

保育士の雇用形態

  • 正職員
  • 臨時職員
  • パート

臨時職員は公務員ではあるものの、勤務時間が短い、もしくは任期を限定している職員のことを指します。臨時保育士として登録して、役所から頼みが合った際に現場に出勤します。

非正規雇用で要請が来ないと働けないという安定しない立場ですが、家事や育児と両立しながら働きたい人 には合っている働き方です。

パートも同じように非正規雇用になりますが、雇用先が派遣会社となります。深夜の勤務の埋め合わせとして出勤させられることも少なくありません。

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ただ、そもそも上記で述べた通り、公務員保育士は人気なために倍率もかなり高くどれだけ頑張っても、なれない可能性も考えられます。


もし、公務員保育士になりたい理由として年収の側面や安定して働きたいという側面が強いのなら他にも存在するので、検討してみましょう。

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その際に保育士に特化した転職エージェントを利用することをお勧めします。


転職エージェントはあなたの要望を聞いた上で、あなたが働きやすい転職先を提案し、転職までサポートしてくれます。

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公務員保育士になるメリット・デメリット

公務員保育士になるメリットとデメリットをここでは詳しく紹介していきます。

自分には公務員保育士が合っているのかどうかを確認してみてください。

公務員保育士になるメリット

公務員保育士になるメリットは以下の通りです。

給料が高い

1つ目のメリットはここまで様々な形で比較してきてわかるように給与が高い点です。

定期的な昇給がある上に、主任保育士以上の役職になると大幅に年収がアップします。

期末勤勉手当(賞与)も自治体によりますが、年に3,4回支給されています。

安定して働くことができる

2つ目のメリットは安定して働くことができるという点です。

公務員なので、労働制限や果たすべき義務は存在しますが、法律によって身分がしっかりと保証されています。

住宅ローンを組む際も社会的信頼があるため、銀行の審査が通りやすかったりと、将来的なことを考えると非常に大きなメリットであると言えます。

福利厚生が充実している

3つ目は福利厚生が手厚く、充実していることです。

休暇取得制度はしっかりとしており、育休は3年とることができます。

他にも、共済会や互助会の制度として、レジャー施設、宿泊施設の割引があったり、利率の良い年金積立なども可能です。

公務員保育士になるデメリット

公務員保育士になるデメリットは以下の通りです。

配属先が保育園だけではない

1つ目のデメリットは公務員保育士の配属先は保育園だけではないことです。

公務員保育士は保育園以外で働くこともあり、必ずしも希望が通るとは言えない点はデメリットと言えます。

ちなみに公務員保育士の配属先は以下のようなものがあります。

子育て支援センター

子育て支援センターは主に乳幼児の子どもと、子どもを持つ親が交流することのできる場で、親同士で子育てに関する不安を話し合うことができるような施設です。

その中でもセンター内で一時保育を実施しているセンターも存在し、そこで公務員保育士は勤務することもあります。

児童福祉施設

児童福祉施設は虐待・死別などの特別な理由で両親からの保育依頼を受けられなかったり、支援が必要な障がいを持った子どもを対象に支援している施設で、ここで働く保育士は施設保育士と呼ばれます。

施設保育士の仕事内容はその施設の状況によって変わってきます。

乳児院

最後に乳児院ですが、乳児院は基本的に0〜2歳の子どもを対象とした施設で、保護者が病気や経済的な事情で一時的に子育てができない状況の場合に変わりに育児する施設の事です。

保育士は24時間体制の運営に伴って、夜勤含む2交代制が一般的となっています。

子どもの愛着形成のために頻繁に保育士を変えることもできないため、担当の子どもに合わせて勤務していくことになります。

異動が存在する

2つ目のデメリットは異動が存在することです。

公務員保育士は2〜4年に一度異動があり、保育してきた子どもの成長を卒園まで見届けられないということも多々あります。

また保育園以外の施設に異動する可能性もあり、急に働き方や生活リズムが変わるといったことも時には覚悟しなければいけません。

副業をすることができない

3つ目のデメリットは副業ができないことです。

公務員は国家公務員法地方公務員法によって副業を始めることを禁止されています。

保育士としての仕事以外になにか取り組む余裕が出てきたとしても挑戦することはできないので、そこは公務員のデメリットといえるでしょう。

倍率が高い

4つ目のデメリットは倍率が高いことです。

地域によって差はあるものの、全体的にも公務員保育士は倍率が高いです。

保育士が人手不足である状況とはいえ、近年公立保育園の民営化が進められていて公務員保育士の採用枠が少なくなっています。

加えて給料や福利厚生の安定性がある点で公務員保育士の方が人気であることから倍率が高くなっています。

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ただ地域によって競争倍率がかなり異なるため、各都道府県の「職員採用試験実施状況」で自分の地域と通える範囲の近隣地域の競争倍率を比較してみることをおすすめします。


その結果倍率が低い地域で公務員試験を受けてみるというのも手段の1つですね。

公務員保育士の実態について詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてくださいね。

公務員保育士になる際の注意点

公務員保育士になる際の注意点

ここでは公務員保育士になりたい人が注意しておくべき内容を紹介します。

希望の職場を選べない

1つ目の注意点は希望の職場を選べないという点です。

上記で述べた通り、公立保育園の保育士は上記で述べた通り頻繁に異動が発生することがあります。

なので、どのような環境で働くことになっても、しっかりやり抜く心構えをしておかないといけないことが注意点といえます。

採用待ちになる可能性がある

2つ目の注意点は採用待ちになる可能性がある点です。

こちらも上記で述べましたが、公務員保育士の試験合格後、自治体の採用候補名簿に登録され、園からの採用通知があって初めて採用という流れになります。

そのため、保育園の人数がすでに間に合っているという状況が続けば、採用されることなく1年が経過し、また試験に合格する必要があるというような採用待ち状態になる可能性も考えられます。

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20代であれば問題ないですが、30代に近い人はそもそも試験が受けられなくなる年齢になってしまう可能性もあります。


数年連続で全く採用されないということはないと思いますが、注意が必要です。

試験に合格したからと言ってすぐに働き始めることができないというのは注意点です。

幼保一元化のケースも多い

3つ目の注意点は幼保一元化のケースも多いという点です。

公務員保育士は保育士資格と公務員試験の合格があれば働くことができますが、最近は少子化の背景や、育児サービスの多様化によって幼保一元化の施設も増えてきており、経験年数や幼稚園教諭免許も必要とする職場も増えてきています。

働きたい職場が、保育士免許と公務員試験の合格のみで挑戦できるのかどうかは注意して確認しておきましょう。

保育士として今よりも年収を上げるコツ

保育士として今よりも年収を上げるには数年働いて役職をつける以外の選択肢として、転職することをおすすめします。

その際、保育士に特化した転職エージェントを使うと有利に転職をすすめることができるのでおすすめです。

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転職エージェントを利用して転職に成功した場合、あなたをサポートしてくれるエージェントが転職先の企業に年収交渉や待遇交渉をしてくれます。


一人で転職する際になかなか直接交渉ではできないことをサポートしてくれるため心強いです。

以下におすすめの転職エージェントを紹介しておくので、気になるエージェントにまずは登録してみてください。

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