
保育士の給料は2026年も上がる|5.3%と手取りの増やし方を解説
この記事では保育士の給料は上がるのかをはじめ、処遇改善手当の詳細情報や実施された背景、追加された役職について徹底解説します。
他にも処遇改善等加算の注意点や給料を上げる方法などについても紹介します。
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【2026年最新】保育士の給料は上がる|人件費5.3%の引き上げが決定
保育士の給料は2026年度も上がります。こども家庭庁の令和8年度保育関係予算案の概要によると、国が定める公定価格の人件費が5.3%引き上げられます。
2025年度の10.7%に続いて2年連続の改善です。ただしこの引き上げがそのまま自分の手取りに乗るかは別の話になります。
2年連続の引き上げ
2026年度の引き上げ幅は5.3%です。同資料では、令和7年人事院勧告を踏まえて保育士や幼稚園教諭の公定価格上の人件費を5.3%改善する方針が示されています。
前年の2025年度は10.7%の改善でした。こちらは令和6年人事院勧告を踏まえたもので、過去最大の引き上げ幅です。
支給の開始時期も押さえておきましょう。5.3%分は令和7年度補正予算で844億円が措置され、令和7年4月まで遡って公定価格が引き上げられます。
2026年度の処遇改善のポイント
- 公定価格上の人件費を5.3%引き上げ
- 令和7年度補正予算で844億円を措置
- 令和7年4月まで遡って公定価格を引き上げ
- 前年度の10.7%に続く2年連続の改善

2年連続でこの幅の改善は、これまでの保育業界ではほとんどありませんでした。
制度としては確実に前に進んでいます。
統計で見ても保育士の給料は上がっている
制度の話だけでなく、実際の統計にも上昇が表れています。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、保育士のきまって支給する現金給与額は285,700円、年間賞与は847,900円でした。
月額の12ヶ月分と賞与を合わせると、年収の目安は約427万円になります。前年版では約406万円だったので、1年で約20万円増えた計算です。
もう少し長い期間で見てみます。令和3年の同じ調査では約382万円でした。4年間で約45万円上がっており、上昇は一時的なものではありません。
一方で、全職種の平均には届いていません。同じ調査の全職種平均は約545万円なので、その差は約118万円あります。
| 調査年 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|
| 令和3年 | 256,500円 | 744,000円 | 約382万円 |
| 令和4年 | 266,800円 | 712,100円 | 約391万円 |
| 令和5年 | 271,400円 | 712,200円 | 約396万円 |
| 令和6年 | 277,200円 | 741,700円 | 約406万円 |
| 令和7年 | 285,700円 | 847,900円 | 約427万円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(年収は月額の12ヶ月分と年間賞与から算出した目安)

4年で45万円という伸びは、他の職種と比べても小さくない数字です。
ただ、全職種平均との差はまだ118万円あります。
保育士の給料や手取りの内訳をさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も併せてご覧ください。
保育士の給料が上がったはずなのに手取りが増えないのはなぜ?
制度上は上がっているのに、給与明細が変わらないという声は多く聞かれます。処遇改善の実感がない、手当をもらえないという相談も珍しくありません。
引き上げ分が園に支払われた後、個人にどう配るかは園側が決める仕組みだからです。
引き上げ分はまず園に支払われ、配分は園の裁量で決まる
処遇改善のお金は、保育士個人に直接振り込まれるわけではありません。公定価格に上乗せされる形で保育施設に支払われ、そこから各職員の給与として配られます。
配分の方法には一定のルールがあります。こども家庭庁の施設型給付費等に係る処遇改善等加算についてに定めがあります。
後述する区分2と区分3の合計額のうち、2分の1以上を基本給か毎月支払われる手当で改善することとされています。
裏を返すと、残りの2分の1は賞与や一時金に回すこともできます。同じ額が園に入っていても、月々の明細に表れる金額は園ごとに変わってきます。

園に入った額と自分の月給に乗る額がずれるのは、この配分ルールが理由です。
年度末の一時金としてまとめて支給されるケースがある
配分先として賞与や一時金が選ばれた場合、毎月の給与では変化に気づけません。年度末の3月にまとめて支給されるケースも実際にあります。
この場合、月々の明細をいくら見比べても手当の項目は増えません。もらえていないと感じていた分が、年度末に一括で入っていたということも起こります。
まずは直近1年分の明細と賞与の支給額を並べて確認してみましょう。月給ではなく賞与のほうが増えていれば、一時金として配分されている可能性があります。

毎月の明細だけで判断すると、見落としが起きます。
保育士の場合は賞与の支給明細まで含めて1年単位で見るのが確実です。
手当として支給されるとボーナスや退職金に反映されないことがある
基本給に組み込まれるか、手当として支給されるかで、生涯の収入は変わります。ここは意外と見落とされがちな点です。
賞与の計算は基本給をもとにする園が多く、退職金の算定も基本給が基準になることが一般的です。処遇改善分が手当として外に置かれていると、賞与や退職金の計算には乗りません。
同じ月3万円でも、基本給に入るのと手当で付くのとでは、10年20年の単位で差が出ます。給与規程で賞与と退職金の算定基礎を確認しておくと、自分の場合にどちらなのか判断できます。

月々の額面が同じでも、基本給か手当かで将来の受取額は変わります。
保育士は給与規程の算定基礎を1度見ておくと安心ですね。
同じ制度でも園によって支給額に差が出る
配分が園に委ねられている以上、保育士の支給額には差が生まれます。月5,000円程度の園もあれば、月2万円を超える園もあるのが実情です。
差が出る要因は主に3つあります。いずれも園ごとの状況によって変わる部分です。
支給額に差が出る主な要因
- 職員の平均経験年数によって区分1の加算率が変わる
- 役職の有無で区分3の対象になるかが決まる
- 基本給に入れるか賞与に回すかを園が判断できる
額の大小だけを他の園と比べても原因はわかりません。自分の園でどう配分されているかを確認するのが先になります。
次の章で制度の中身を整理したうえで、確認の手順を具体的に見ていきます。

他の園の金額を聞いて落ち込む前に、まず自分の園の配分を確かめましょう。
2025年度に一本化された保育士の「処遇改善等加算」の仕組み
処遇改善等加算は、2025年度から仕組みが変わりました。それまで加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3本立てだったものが1つに統合され、3つの区分に再編されています。
ここを押さえると、自分の手当がどこから来ているかが見えてきます。
旧加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲは3つの区分に再編された
令和7年度から、保育士の処遇改善等加算は一本化されました。根拠となるのは令和7年4月11日付の通知で、こども家庭庁の令和7年度以降の処遇改善等加算についてに詳細が示されています。
旧制度との対応は下の表のとおりです。名前は変わりましたが、加算の考え方そのものが消えたわけではありません。
| 新しい区分 | 対応する旧加算 | 内容 |
|---|---|---|
| 区分1(基礎分) | 旧加算Ⅰの基礎分とキャリアパス要件分 | 経験年数に応じた昇給の仕組みと職場環境の改善 |
| 区分2(賃金改善分) | 旧加算Ⅰの賃金改善要件分と旧加算Ⅲ | 賃金の底上げ |
| 区分3(質の向上分) | 旧加算Ⅱ | 役職に応じた上乗せ |
出典:こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」

加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲという呼び方で覚えていた人は、区分1・2・3に読み替えてください。
区分1|経験年数に応じた基礎分
区分1は、職員(保育士)の平均経験年数に応じて加算率が決まる部分です。0年から10年以上までの範囲で、2%から12%が上乗せされます。
ここでいう経験年数は、今の園での勤続年数だけではありません。過去に勤めた別の保育施設や地域型保育事業所、幼稚園や社会福祉事業をおこなう施設での年数も通算できます。認可外保育施設での経験も含められます。
出典:こども家庭庁「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」(一本化前の仕組み)
転職を重ねてきた人ほど、この通算を見落としがちです。前職の在籍期間が正しく申告されているか、入職時の書類を確認しておくと加算率に反映されます。

認可外での経験も通算できる点は、意外と知られていません。
転職時は前職の在籍証明をきちんと出しておきましょう。
区分2|旧加算Ⅲが統合された賃金改善分
区分2は賃金の底上げにあたる部分です。加算率は6%で、職員(保育士)の平均経験年数が11年以上の施設では7%になります。これに、職員1人あたり9,000円相当を改善するための加算率が加わります。
ここで注意したいのが、旧加算Ⅲとの関係です。かつて月額9,000円として独立していた加算は区分2に統合され、単独の枠としては存在しなくなりました。
出典:こども家庭庁「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」(一本化前の仕組み)
そのため、明細に9,000円という項目を探しても見つからないことがあります。名前が消えただけで、原資そのものは区分2の中に残っています。

9,000円の手当がなくなったという相談を受けますが、区分2に移っただけですよ。
区分3|役職に応じた質の向上分
区分3は役職に応じた上乗せです。副主任保育士や専門リーダーは月額4万円を超えない範囲、職務分野別リーダーは原則として月額5,000円が目安になります。
ただし職務分野別リーダーについては、副主任保育士等の改善額のうち最も低い額を上回らない範囲で、月額5,000円以上4万円未満に設定することも可能です。
対象になる人数にも上限があります。園の職員数に応じて枠が決まる仕組みです。
区分3の対象人数の考え方
- 副主任保育士等:基礎職員数の3分の1と該当者数のうち少ないほう
- 職務分野別リーダー等:基礎職員数の5分の1と該当者数のうち少ないほう
- 研修を修了見込みの人は人数に含まれない
出典:こども家庭庁「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲの一本化について」(一本化前の仕組み)
ここで、保育士の給料が5万円上がるという話について触れておきます。
この5万円という数字は区分3の上限額をもとにしたもので、全員が受け取れる金額ではありません。役職に就いて要件を満たした人が対象になります。

上限額だけが独り歩きしやすい部分です。
自分が対象人数の枠に入っているかが実際の分かれ目になります。
一本化で変わった4つのポイント
保育士加算の一本化にあたって、運用のルールもいくつか変わりました。園にとっては配分の自由度が上がり、職員にとっては受け取り方が変わる可能性があります。
一本化による主な変更点
- 月額4万円の改善をおこなう副主任保育士等を1人以上確保する要件が廃止された
- 基礎職員数の5分の1の職務分野別リーダーを確保する要件が廃止された
- キャリアパス要件を満たさない場合に2%減額する方式をやめ、区分1の要件として設定された
- 実績報告書が最大9枚から最大3枚に削減された
特に1つ目と2つ目の影響は小さくありません。これまでは月額4万円を受け取る人を必ず置く必要がありましたが、その縛りがなくなり、園の判断で幅広く薄く配ることもできるようになりました。
配分の自由度が上がったことは、園によって差が広がる方向にも働きます。だからこそ、自分の園がどう運用しているかを確認する必要が出てきます。

制度が柔軟になった分、園ごとの運用の差はこれまで以上に開きやすくなっています。
保育士に処遇改善手当が支給されているか確認する4ステップ
制度はわかったが自分は受け取れているのか、という点が1番気になるところだと思います。処遇改善手当の確認方法を知っておけば、園に頼らず判断できます。
ここからは、園に頼らず自分で確かめる手順を4つに分けて解説します。
給与明細で確認すべき項目をチェックする
保育士が最初にやることは、手元の給与明細を見ることです。処遇改善分は必ずしもわかりやすい名前で載っているとは限りません。
給与明細でチェックする項目
手当欄の名称だけでなく、基本給の推移と賞与まで含めて見るのがポイントです。
手当欄に処遇改善手当や改善加算といった名称の項目があるか
前年度と比べて基本給が上がっているか
賞与や一時金の支給額が前年度から増えているか
3月など年度末に臨時の支給がないか
名称は園によって異なります。処遇改善手当のほか、加算手当や職務手当という名前で処理されていることもあり、名前だけで判断するのは避けたほうが確実です。
前年度の明細が手元にない場合は、源泉徴収票で年間の支給総額を比べる方法もあります。年収ベースで増えていれば、どこかに反映されている可能性が高いといえます。

手当の名前は園ごとにばらばらです。
基本給と賞与を含めた年間の総額で見比べるのが確実ですよ。
ここdeサーチで園のモデル給与と人件費比率を調べる
保育士は園に聞かなくても、公表されている情報から確かめる方法があります。
2025年4月に施行された改正子ども・子育て支援法により、保育施設は経営情報を都道府県に報告し、都道府県がその情報を公表することが義務づけられました。詳しい制度の内容はこども家庭庁の幼児教育・保育における継続的な経営情報の見える化についてにまとまっています。
公表の窓口になっているのが、こども家庭庁の子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」です。ここで自分の園や気になる園の情報を調べられます。
ここdeサーチで確認できる主な情報
個別の施設ごとに、次の情報が公表されます。
モデル給与:経験年数や役職ごとの基本給、手当、賞与の目安(常勤職員は記載が必須)
人件費比率:総収入に占める人件費の割合
職員配置状況:基準上の配置と実際の配置の比率
見るべきは人件費比率です。同じ地域の他園と比べて低ければ、園に入ったお金が人件費に十分回っていない可能性を読み取れます。
モデル給与と自分の実際の給与を照らし合わせれば、差があるかどうかもわかります。
なお、公表のタイミングは施設ごとに異なります。園が報告し、市区町村が確認し、都道府県が公表処理をする流れのため、まだ載っていない園もあります。

自分で調べられる公的な手段があるのは、2025年度からの大きな変化です。
転職先を選ぶときにも使えますよ。
園に聞きづらいときの切り出し方
制度上は園に確認するのが早道ですが、実際には聞きにくいものです。人間関係が良好でない職場だと、なおさら切り出しづらくなります。
角が立ちにくい聞き方をいくつか挙げておきます。処遇改善の話を正面から持ち出すのではなく、事務的な確認として尋ねるのがコツです。
角が立ちにくい聞き方の例
- 給与規程を確認したいのですが、賞与と退職金の算定基礎はどの項目になりますか
- 年末調整の書類を整理していて気になったのですが、手当の内訳を教えていただけますか
- キャリアアップ研修を受けたいと考えています。修了後は手当の対象になりますか
3つ目のように、自分から前向きな相談として持ちかける形にすると、待遇への不満ではなく意欲の話として受け取ってもらいやすくなります。
同僚保育士と一緒に確認するのも1つの方法です。個人からの問い合わせよりも、複数人からの質問のほうが園としても回答を用意しやすくなります。

待遇の話を単独で切り出すより、研修やキャリアの相談と絡めるほうが自然です。
手当が支給されていない疑いがあるときの相談先
確認しても納得のいく説明が得られない場合、外部に相談する選択肢があります。1人で抱え込む必要はありません。
まず窓口になるのが、園を指導監督する立場にある自治体です。認可保育所であれば市区町村や都道府県の保育担当課が該当します。
処遇改善等加算は実績報告が求められる制度なので、自治体は園の報告内容を把握しています。
給与の未払いや賃金規程との不一致が疑われる場合は、労働基準監督署も相談先になります。こちらは処遇改善そのものではなく、労働条件の問題として扱われます。
もう1つ、園に確認を促す材料があります。令和8年7月から、経営情報の報告をしていない施設には基本分単価に5%を乗じた額の減算が適用されるようになりました。
報告は園にとっても避けられないものになっています。

自治体の保育担当課は、園の実績報告を確認する立場にあります。
保育士個人で園と交渉するより現実的な相談先ですね。
【属性別】保育士が処遇改善の対象になるのか
対象になるかどうかは働き方によって変わります。正社員以外は関係ないと思われがちですが、そうとは限りません。
自分の状況に近いところを確認してみてください。
パート・非常勤保育士
パートや非常勤でも対象になります。処遇改善等加算は常勤職員だけの制度ではありません。
旧制度では、1日6時間以上かつ1ヶ月に20日以上勤務していれば、パートや派遣であっても対象に含まれるという線引きがありました。この考え方は一本化後も引き継がれています。
ただし配分の判断は園に委ねられているため、勤務時間に応じて按分されることが多くなります。時給が数十円上がる形で反映されているケースもあり、手当の項目として立っていないこともあります。

時給の改定通知が処遇改善の反映だったというケースは実際にあります。
派遣保育士
派遣で働いている場合も対象になり得ますが、経路が変わります。加算は派遣先の施設に支払われ、賃金の改善は派遣元の事業所を通じておこなわれるためです。
そのため、確認先は派遣会社になります。派遣先の園に聞いても、賃金の決定権がないため答えが得られません。
担当の営業に、処遇改善分が時給や賞与にどう反映されているかを尋ねてみましょう。派遣元は賃金改善の実施を確認する立場にあるので、説明を受けられます。

派遣の場合は園ではなく派遣会社が窓口です。
問い合わせ先を間違えると話が進みません。
認可外保育園・企業主導型で働く保育士
認可外保育施設は、原則として処遇改善等加算の対象外です。加算は認可施設への公定価格に上乗せされる仕組みだからです。
ただし、ここには非対称な扱いがあります。加算の計算に使う経験年数については、認可外保育施設での勤務も通算できます。
認可外で働いている間は加算の対象にならないものの、その経験は認可園に移った際の加算率に反映されます。将来を見据えるなら、在籍期間を証明できる書類は保管しておいたほうがよいといえます。

認可外での経験は無駄になりません。
認可園に移ったときの加算率にきちんと反映されます。
産休・育休中や年度途中で退職する保育士
年度末の一時金として支給される園では、支給日の在籍状況が問題になります。ここは制度で一律に決まっているわけではなく、園の裁量が大きい部分です。
賃金改善の実施期間に在籍して働いていれば、その期間に応じた支給を受けられるのが基本的な考え方になります。年度の途中まで働いた場合、その分が対象になると考えられます。
一方で、支給日に在籍していることを条件にしている園もあります。産休に入る前や退職前に、就業規則と賃金規程で支給条件を確認しておきましょう。

支給日在籍を条件にしている園もあります。
退職や産休の時期が決まったら、早めに規程を確認しておきたいですね。
保育士が自分で給料を上げる5つの方法
保育士は制度の改善を待つだけでなく、自分から動いて収入を上げる方法もあります。配分は園に委ねられているため、自分の条件を変えるほうが早い場合も少なくありません。
保育士が給料を上げる5つの方法
キャリアアップ研修を受けて役職手当を得る
区分3の対象になるには、都道府県が実施するキャリアアップ研修の修了が必要です。保育士の研修分野は8種類に分かれています。
保育士のキャリアアップ研修
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
- 保育実践
- マネジメント
役職ごとに求められる要件は異なります。それぞれの条件を整理しておきます。
職務分野別リーダーの対象要件
- おおむね3年以上の経験年数があること
- 担当する職務分野のキャリアアップ研修を修了すること
- 研修修了後に職務分野別リーダーの発令を受けること
専門リーダーの対象要件
- 保育士としての経験年数がおおむね7年以上あること
- 職務分野別リーダーを経験していること
- キャリアアップ研修のうち4つ以上の分野を修了していること
- 研修修了後に専門リーダーとしての発令を受けること
副主任保育士の対象要件
- 保育士としての経験年数がおおむね7年以上あること
- 職務分野別リーダーを経験していること
- キャリアアップ研修のマネジメント分野と3つ以上の分野を修了していること
- 研修修了後に副主任保育士としての発令を受けること
経験年数3年から挑戦できる職務分野別リーダーが入口になります。研修は担当分野について15時間程度、専門リーダーと副主任保育士は合計60時間以上が目安です。
注意したいのは、研修を修了しただけでは手当がつかない点です。園から発令を受けて初めて対象になります。研修を受ける前に、修了後の発令予定を園に確認しておきましょう。

研修だけ受けて発令がないという相談は少なくありません。
受講前に発令の見込みを聞いておくのが大事です。
給与水準の高い自治体や地域の園で働く
保育士の給与には地域差があります。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の都道府県別データでは、年収の目安が最も高い山梨県は約472万円、最も低い香川県は約323万円でした。
もっとも、標本数が少ない県は年によって数字が振れやすく、額面をそのまま受け取るのは避けたほうがよいところです。月額で見ると東京都が315,200円で最も高く、千葉県、愛知県が続きます。
国の制度とは別に、自治体が独自の補助をおこなっている地域もあります。宿舎の借り上げを支援する制度もその1つで、家賃負担が下がる分は年収の数字に表れませんが、手元に残るお金は増えます。
求人を見るときは、額面の給与だけでなく住宅補助の有無まで含めて比べてみましょう。同じ月給でも実際の生活費は変わってきます。

宿舎の借り上げ支援は年収に出てこない部分です。
額面だけで比べると見落とします。
公務員保育士を目指す
公立の保育施設で働く公務員保育士は、私立と比べて給与水準が高い傾向にあります。
こども家庭庁の令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査によると、常勤保育士の賞与込み月額は公立が363,315円、私立が341,468円でした。
差は月額で約2万円、年間にすると約26万円になります。給与表が条例で定められているため昇給の見通しが立てやすい点も特徴です。
一方で、採用試験を通過する必要があります。離職率が低く欠員が出にくいため、募集人数そのものが限られる年もあります。
公務員保育士の年収や試験の難易度については、こちらの記事で詳しく解説しています。

給与の安定という意味では有力な選択肢です。
ただ採用枠が読みにくいので、併願を前提に考えたほうが現実的ですね。
正規職員として働く、雇用形態を変える
非正規の保育士として働いている場合、正規職員になることで収入が上がる可能性があります。賞与や退職金の対象になり、区分3の役職にも就きやすくなるためです。
まず検討したいのは、今の園での正社員登用です。現場をわかっている状態で登用されれば、環境を変えずに条件だけを改善できます。上司に登用制度の有無と条件を確認するところから始められます。
登用の見込みが立たない場合は、正規職員として採用してくれる園を探す方法もあります。業務量は増えますが、任される範囲が広がる分、役職への道も開けます。

まずは今の園での登用を確認してからでも遅くありません。
環境を変えずに条件だけ変えられるのが1番負担の小さい方法です。
処遇改善の運用が適正な園へ転職する
配分の判断が園に委ねられている以上、園を変えることは収入に直結します。保育士が転職による年収アップを考えている場合、2025年度からは事前に園の状況を調べられるようになっています。
これまでは入職してみないとわからなかった人件費比率やモデル給与が、ここdeサーチで公表されています。求人票の給与額だけでなく、園の経営情報まで見たうえで判断できます。
給料が上がりにくい背景には、保育業界そのものの構造もあります。収入の大半が公定価格で決まるため、園が自由に単価を上げられません。
この構造は転職しても変わらないので、同じ業界の中で運用の良い園を選ぶという発想が現実的になります。
処遇改善の運用実態や賞与の算定基礎まで求人票から読み取るのは簡単ではありません。保育に特化した転職エージェントなら、園ごとの内情や過去の支給実績まで把握しているので、応募前に確認できます。

求人票に出てこない配分の実態を事前に聞けるのが、特化型を使う1番の利点です。
保育士の転職の進め方は、こちらの記事でも解説しています。
保育士の給料が上がる園を選ぶときに確認したい3つのポイント
求人票の給与額だけでは、実際に手元に残る金額はわかりません。転職で収入を上げたいなら、応募前と面接時に確認しておきたい項目があります。
基本給と手当の内訳を確認する
保育士は月給の総額が同じでも、基本給がいくらかで賞与と退職金は変わります。月給25万円のうち基本給が20万円の園と、17万円の園では、賞与の計算結果に差が出ます。
求人票に基本給の記載がない場合は、応募の段階で確認しておきましょう。処遇改善分が手当に含まれているのか、基本給に組み込まれているのかも合わせて聞いておくと判断材料になります。
自分から園に直接聞きにくい内訳も、保育士ワーカー・保育士人材バンクのような保育特化のサービスなら、担当者が園に代わりに確認してくれます。

総額が同じでも基本給の割合で生涯の受取額は変わります。
人件費比率を他園と比べる
ここdeサーチで公表されている人件費比率は、園がどれだけ保育士の人件費にお金を回しているかを示します。同じ地域の同規模の園と比べることで、水準が見えてきます。
比率が低い園は、加算が入っても職員に回る割合が小さい可能性があります。求人票ではわからない情報なので、応募前に調べておく価値があります。

求人票に書かれない情報を公的なデータで補えるようになりました。
面接では研修とキャリアの文脈で聞く
保育士個人が面接で待遇の話を切り出すのは難易度が高いです。給与や休みの話だけを唐突に聞くと、それまで伝えてきた志望理由と噛み合わなくなり、印象を損なうことがあります。
そこで、逆質問は自分の仮説を検証する場として使います。事前に3つほど用意しておき、キャリアの相談という文脈に乗せて確認するのが自然です。
面接で使える質問例
- キャリアアップ研修の受講を考えています。修了後に発令を受けている職員はいますか
- 処遇改善の配分は、基本給と手当のどちらで反映されていますか
- 副主任や専門リーダーは、現在何名いますか
3つ目の質問は、区分3の対象人数の枠が埋まっているかを知る手がかりになります。役職者が上限まで在籍している園では、当面は枠が空かないと考えられます。
条件の交渉をするなら、タイミングにも気をつけましょう。内定を口頭で伝えられた後、条件通知書が作成される前が交渉の余地がある時期です。通知書ができてからでは基本的に覆りません。
もし今の園で確認しても納得のいく説明が得られないなら、他の園の条件を見比べるところから始めてみてください。複数の求人を比べると、自分の待遇が相場のどのあたりかがつかめます。

待遇を単独で聞くと浮きます。
研修やキャリアの話に乗せると、意欲の確認として自然に伝わりますよ。
保育士の給料に関するよくある質問
保育士の給料や処遇改善について、よく寄せられる質問をまとめました。気になる項目から確認してみてください。
保育士の給料はいつから上がりますか?
2026年度分の5.3%の引き上げは、令和7年4月まで遡って公定価格に反映されています。
ただし個人の給与にいつ反映されるかは園の判断によるため、支給時期は園ごとに異なります。
処遇改善手当はボーナスや退職金に反映されますか?
基本給に組み込まれていれば反映されますが、手当として支給されている場合は対象外になることが多くなります。
給与規程で賞与と退職金の算定基礎を確認してみてください。
パートでも処遇改善の対象になりますか?
対象になります。旧制度では1日6時間以上かつ1ヶ月に20日以上の勤務が目安とされていました。
時給の改定という形で反映されている場合もあります。
なぜ保育士の給料は上がらないと言われるのですか?
保育所の収入の大半は公定価格で決まっており、園が自由に単価を上げられないためです。
国の予算が増えない限り、賃金に回せる原資も増えにくい構造になっています。
保育の無償化で保育士の給料は変わりますか?
変わりません。保護者が支払う保育料の額にかかわらず、保育所の収入は変わらない仕組みになっています。
無償化を理由に給与が上下することはありません。
保育士の平均年収はいくらですか?
令和7年賃金構造基本統計調査をもとにすると、年収の目安は約427万円です。
年代や地域による差も大きいため、詳しくは以下の記事で確認できます。
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2026年度も制度としての賃上げは続きますが、実際にいくら受け取れるかは園の配分次第で変わります。
まずは自分の明細とここdeサーチで現状を確かめ、納得できなければ他の園の条件と見比べてみてください。
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