公務員保育士がなくなる?公務員保育士の今後と保育園民営化の実態を解説!

公務員保育士がなくなる?公務員保育士の今後と保育園民営化の実態を解説!

    保育園の民営化をよく耳にするようになったものの、「実際どれくらい民営化が進んでいるのか」や「公務員保育士の今後の選択肢として何があるのか」について解説します。

    今公務員保育士のあなたも、これから公務員保育士になることを検討しているあなたにも参考になる情報が詰まっているので、ぜひ見てみてくださいね。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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公立保育園民営化の実態

多くの自治体が公立保育園の民営化を進めようとしている中、公務員保育士を目指している人、現在公務員保育士の人にとっては今後どうなるのか不安ですよね。

ここでは、公立保育園の民営化が進められている背景とどの程度進んでいるのかについてお伝えします。

実態を知って、自分が働いている保育園が民営化されて慌てて次を考えなくても良いようにしましょう。

公立保育園民営化の背景

公立保育園を民営化する背景には以下の2点が関係しています。

  • 待機児童問題の解消
  • 地方自治体の財源不足

こども家庭庁の令和5年4月待機児童調査によると、2023年4月時点の待機児童数は2,680人で、待機児童数がピークだった2017年の26,081人から23,401人減少しています。

一方で人口が増えている地域では待機児童が増えており、依然として保育施設の需要はありますが、公立保育園の運営費を担う自治体の財政が厳しく保育施設が不足しています。

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自治体の財政が厳しくなったのは、2004年度の三位一体改革でそれまで国の予算で公立保育園を運営していたものを、地方自治体の予算の中で運営しなければならなくなり、公立保育園の運営が自治体の財政を圧迫するようになったからです。

そのため公立保育園を民営化することで財源を確保し、保育施設を増やしたり早朝・夜間保育や延長保育などの保育サービスを充実させたりして待機児童を減らす取り組みが盛んになったという背景があります。

公立保育園民営化は進んでいる

自治体問題研究所の論文によると2019年時点で保育園の公立・民間の割合は公立が35.4%、私立が64.4%と私立保育園の割合が多くなっています。

2000年の割合と比較すると公立と私立で占有率が逆転しており、私立保育園は約20%増えています

2000年 2019年
公立 57.1% 35.4%
私立 42.5% 64.6%

2024年3月時点で多くの自治体が保育園の民営化を公言しているので、今後もますます民営化が進んでいくことが予想されます。

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今すぐに公立保育園がなくなるわけではないものの、公務員保育士の人や公務員保育士を目指している人は今後の身の振り方を考えておきましょう。

勤務先の公立保育園が民営化されたら異動する

勤めている公立保育園が民営化された場合は、「別の公立保育園」もしくは「子育て支援センターや児童福祉施設など保育園以外の保育施設」に異動することになります。

またもし保育士としての仕事がなくなったとしてもそれだけが理由で解雇勧告を受けることはなく、学童保育や事務業務など市・区役所の職員として別の業務を行うことになります。

ちなみに公立保育園を民営化する場合、今いる職員の定年退職に合わせて新卒採用を行わずに業務を縮小したり、非正規雇用を増やすなどして人員を調整していきます。

そのため民営化を告げられた翌日から職を失うことはないので安心してくださいね。

公務員保育士以外の選択肢

「自分の保育園がいつ民営化されるのか」という不安を抱えて仕事をするのはしんどいですよね。

少しでもその不安を解消するために、公務員保育士が働き続けるには他にどんな選択肢があるのかを事前に知っておき、万が一のことがあったときもすぐに次の行動に移せるように準備しておきましょう。

ここから公務員保育士以外に働き続けるための選択肢を紹介します。

私立保育園に転職する

勤めている保育園が民営化された場合も保育士として働き続けるには、私立保育園に転職するという手段もあります。

公務員ではなくなるため給料や福利厚生など待遇面での違いはありますが、仕事内容として大きく変わることはありません。

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最近は保育士の働きやすさを重視した園もたくさんあるので、私立保育園も視野に入れてみるのをおすすめします。


とはいえ、私立保育園の実態がわからなくて不安だという人は保育士専門の転職エージェントに相談してみましょう。

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転職エージェントは保育園側から依頼を受けて人材を募集しているため、保育園の内情に詳しいです。


自分の選択肢を広げるためにもまずは下記から転職エージェントに無料登録して、自分の希望にあった園がないか相談してみましょう。

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私立保育士への転職が不安という人はこちらの記事も読んでみてください。

フリーランス保育士として働く

保育園の経営状態に左右されることなく柔軟に働きたいという人には、フリーランスの保育士として働くという手段もあります。

具体的にはベビーシッターや特定の保育園に所属するのではなく働きたい保育施設で好きな時間だけ働くフリーの保育士や、派遣保育士といった働き方があります。

フリーランスになると個人事業主や派遣・アルバイトになるためなかなか収入が安定しないなどのデメリットもありますが、スケジュールの柔軟性も確保しつつ保育士の経験を活かせる点に魅力を感じる人もいます。

フリーランス保育士としての働き方について詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

異業種に転職する

保育士として働くことにこだわらないという人は異業種への転職も選択肢の一つです。

特に「年収や働き方を変えたい」「保育士の仕事が自分に合っているかわからなくなってきた」という場合は、保育士の仕事を続けることでその悩みを解消するのが難しいケースもあります。

一般的に未経験転職は年齢が上がれば上がるほど難易度が高くなるので、異業種への転職を検討する場合は早めに情報収集しましょう。

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保育士をしている人の中に「資格や明確なスキルがないと転職できないのでは」と考えている人がいますが、それには誤解があります。


まず保育士のように資格がないとできない仕事は非常に少ないです。


またスキルというのも例えば「プログラミングができる」などのテクニカルなものだけではなく、コミュニケーション力やマネジメント力などソフト面でのスキルも重視されます。

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そのため、これまで保育士として身につけてきたソフト面でのスキルを活かしながら自分のライフスタイルや理想像にあった選択肢が他にないか探してみましょう。


とはいえ、本格的な一般企業の転職活動は初めてで企業の情報の見方もわからなくて不安ですよね。


そんな時は様々な業界・職種の求人を保有している総合型の転職エージェントに相談するのがおすすめです。

未経験での転職は一般企業に勤めている人も同じくハードルが高く不安なものです。ただだからと言って挑戦しないで仕方なく保育士を続けるのも辛いですよね。

そうならないためにも、一度いくつかの転職エージェントに相談してみて保育士以外の選択肢はないか検討してみましょう。

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保育士からの未経験転職について詳しく知りたい方は下記の記事を見てみてください。

公務員保育士と私立保育士の違い

公立保育園が民営化が進んでいる中で公立と私立で迷っている人向けに「勤務先」「保育方針」「異動」「給料」「労働時間」「福利厚生」の項目について公務員保育士と私立保育士の違いについて解説します。

公務員保育士は勤務先が保育園以外になることもある

公務員保育士は公立の保育施設に勤務します。その保育施設には、自治体が運営する託児所や相談所、児童福祉施設も含まれるため保育園以外の勤務になる可能性もあります。

一方私立保育士は社会福祉法人やNPO法人が運営する保育園に勤務することになります。

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私立保育士の場合は、運営元の規模感によって拠点がいくつもある場合もありますが、ある程度自分で勤務先を選べる点はメリットとも言えますね。

保育方針は公立保育園は自治体ごと、私立は施設ごとに異なる

保育方針は公立保育園だと地方自治体ごとに統一されていますが、私立の場合は各施設によって異なります。

公立保育園は数年単位で職員の異動があるため、保育の質を一定に保つために自治体ごとに統一されていると考えられます。

私立の場合は、運営元が法人になるため法人独自の保育観で施設を運営しています。それは公立の保育園では実現できない保育サービスの充実を図る意図があると考えられます。

異動は公務員保育士は2〜4年に1回、私立はほとんどない

公務員保育士は2〜4年に1回の頻度で異動があります。自治体内での異動のため遠方に赴任することはありませんが、保育園以外の保育施設に異動となるケースもあります。

私立保育士は基本的に異動はありません。ただ、勤務先の運営元が複数の保育施設を運営している場合は、グループ内で他の施設への異動が打診されるケースもあります。

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勤務先によって異動の有無が異なるため、「異動しても問題ないか」や異動したくないのであれば「勤務先に異動の可能性がないか」十分確認しましょう。

平均年収に大きな差はない

こども家庭庁の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、公立と私立の保育士の平均年収は、公立363.7万円・私立362.1万円と年収に大きな差はありませんでした

ただし、公務員保育士は年功序列で勤続年数による年収の上昇幅が高く、主任や園長などの役職に就くことで私立の主任保育士や園長よりも年収の水準が大幅に上がります。

長く勤める前提では公務員保育士の方が年収は高くなりますが、私立保育士は年功序列ではない独自の評価に基づいて年収が決まるため、公務員保育士よりも早いタイミングで主任や園長などの役職に就くことで年収を上げることは可能です。

労働時間は公務員保育士の方が短い

労働時間は公立保育園の方が短く、全国保育協議会会員の実態調査報告書によると、週の実働時間が公立保育園は30〜40時間未満の割合が多く、私立保育園は40〜50時間未満の割合が高くなっています。

私立保育園だと延長保育や休日保育をおこなっている施設もあるため、その分勤務時間が長くなる傾向にあります。

一方で私立の保育園だと書類の電子化が進んでいて事務手続きが少なく、保育にかける時間が長く残業が少ないところもあります。

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一概にどちらの方が労働時間が短いとははっきりと言えない部分もあるため、「どんなツールを使って仕事をするのか?」など具体的な仕事の仕方を把握してどちらを選ぶのが良いか検討しましょう。

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私立保育園の具体的な仕事内容や働き方について詳しく知りたい場合は、保育特化の転職エージェントに相談するのがおすすめです。


転職エージェントは保育園ごとの細かい情報を持っているので、一度相談してみて自分の理想にあった園があるか探してみましょう。

まずは以下から複数登録して私立保育園の実態について情報収集してみましょう。

保育士におすすめの転職サイト

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福利厚生の充実度は公務員保育士の方が高い

福利厚生は公務員保育士だと地方公務員の基準が適用されるため充実していることが多いです。

具体的には公務員保育士の福利厚生は休暇取得制度がしっかりとしており、育休は3年取ることができます。他にも、共済会や互助会の制度として、レジャー施設、宿泊施設の割引があったり、利率の良い年金積立なども可能です。

また、公務員保育士の場合退職金が出るというのも大きいです。

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ただ、私立保育士だけでなく一般企業でも退職金が出ない企業がほとんどのため、その点だけに引きずられすぎないように注意しましょう。


また私立保育園の場合は施設によって福利厚生の内容が異なり、独自の特典がついているケースもあります。

公務員保育士を目指す方法

公務員保育士になるには、保育士資格を取得した上で就職したい地方自治体がおこなっている公務員保育士採用試験を受験し合格する必要があります。

公務員保育士採用試験に合格すると採用候補名簿に名前が載り、園から声がかかると勤務となります。

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ただし、この名簿に名前が載るのは1年間で、万が一声がかからなかった場合はもう一度試験を受けることになります。


さらに、地方公務員試験は受験できる年齢に制限があります。都道府県によって年齢制限が異なりますが、多くは30歳までで長くても35歳までなので注意が必要です。

公務員保育士の試験内容や難易度について詳しく知りたい人は下記の関連記事も見てみてください。

公立保育園が民営化される前に次の選択肢を考えておこう

今すぐに公務員保育士という仕事がなくなるわけではありませんが、いつ選択を迫られても良いように次のキャリアの選択肢を早めに検討しておきましょう。

特に異業種転職の場合は、公務員保育士に年齢制限があるのと同じように年齢を重ねるごとに転職が難しくなります。

そのため常にアンテナを張っておき、いざとなった時に「行き場がない」という状態にならないようにしましょう。

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とはいえ、自分にはどんな選択肢があるのかわからないなどの不安は多いと思います。


うまく情報収集をして、自分にあった選択をできるようにするには転職のプロである転職エージェントに相談するのがおすすめです。

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転職エージェントには様々な業種に詳しい総合型と特定の業種に詳しい特化型があります。


保育士として転職することを検討したい人は保育業界特化のエージェント、異業種も視野に入れたい人は総合型と特化型両方のエージェントに複数登録するのがおすすめです。

まずは下記からいくつかのエージェントに無料登録して、今後の選択肢について相談してみましょう。

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