
失業保険をもらいながら職業訓練を受ける条件と金額を解説
失業保険をもらいながら職業訓練を受けたいけれど、条件や金額がわかりにくいと感じる人は少なくありません。
公共職業訓練と求職者支援訓練の違いから、受給条件、もらえる金額、手続きの流れ、2025年に変わった給付制限のルールまで解説します。
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失業保険をもらいながら職業訓練は受けられる
失業保険を受け取りながら職業訓練を受けることは可能です。離職後の生活費を確保しつつ、無料でスキルを身につけられる仕組みになっています。
職業訓練は大きく2種類に分かれ、自分が失業保険を受給できるかどうかで、受けられる訓練と支給されるお金が変わります。
どちらの訓練も受講料は無料で、就職や転職に必要な技能を学べます。それぞれの対象者や特徴を順に見ていきましょう。

受講料は無料ですが、テキスト代は自己負担になるケースがほとんどです。
コースによっては1万円前後かかることもあるので、申込み前に確認しておくと安心ですよ。
公共職業訓練(失業保険を受給できる人向け)
| 対象者 | ハローワークに求職申込みをし、失業保険を受給中の求職者 |
|---|---|
| 受講期間 | 2ヶ月〜2年 |
| 主なコース | 施設内訓練(製造・整備などのものづくり系)、委託訓練(事務・PC操作などのオフィス系) |
公共職業訓練は、失業保険を受給している人が受けられる職業訓練です。基本手当を受け取りながらスキルアップを目指せます。
訓練には、国や都道府県の施設で学ぶ「施設内訓練」と、民間企業やNPOに委託された「委託訓練」があります。
施設内訓練ではものづくり系の技能を、委託訓練では事務や介護などオフィス・サービス系のスキルを習得できます。
厚生労働省が運営するハロートレーニングのページから、自分の地域でどんなコースが開講されているかを検索できます。
求職者支援訓練(失業保険を受け取れない人向け)
| 対象者 | 雇用保険の被保険者・受給資格者でない求職者(受給が終わった人を含む) |
|---|---|
| 受講期間 | 2ヶ月〜6ヶ月 |
| 主なコース | 基礎コース(社会人経験が浅い人向け)、実践コース(専門スキルで就職したい人向け) |
求職者支援訓練は、雇用保険に入っていなかった人や失業保険の受給が終わった人を対象とした訓練です。
受講者は、条件を満たせば職業訓練受講給付金として月10万円を受け取りながら学べます。
コースは2種類あり、社会人経験の浅い人向けの「基礎コース」と、専門知識を身につけて就職したい人向けの「実践コース」から選べます。

そもそも自分が失業保険を受給できるのかも分からないという方は、求職申込みの際にハローワークの窓口で確認できますよ。
失業保険をもらいながら職業訓練を受ける条件
職業訓練中も失業保険を受け取るには、失業保険そのものの基本条件に加えて、訓練中ならではの追加条件を満たす必要があります。
それぞれの条件を具体的に確認していきましょう。
失業保険の基本的な受給条件
失業保険(基本手当)を受け取るには、以下のすべてを満たす必要があります。
失業保険を受給する基本条件
- 65歳未満である
- 失業の状態にある(働く意思と能力があるのに就けない)
- 離職前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
- 転職の意思があり、求職活動をしている
失業保険は、再就職までの生活を支え、転職活動を後押しするための制度です。そのため、転職する意思があることが給付の条件になります。
その意思を確認する方法が求職活動実績の報告です。原則として、認定期間ごとに最低2回以上の求職活動が必要になります。
求人への応募やハローワークの職業相談のほか、転職エージェントが開くオンラインセミナーの受講も実績として認められます。
オンラインセミナーはPCやスマホがあればどこでも参加でき、アーカイブ動画ですぐに実績を作れる場合もあります。求職活動実績について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
職業訓練中に受給を続けるための追加条件
職業訓練を受けながら失業保険を受け取るには、基本条件に加えて以下をすべて満たす必要があります。
職業訓練中に受給を続ける追加条件
- 失業保険の給付日数が1/3以上残っている(自己都合退職の場合)
- 過去1年以内に職業訓練校から退校処分を受けていない
- 前回の公共職業訓練の終了から1年以上経過している
初めて職業訓練を受ける人は問題ありません。注意したいのは、過去に職業訓練を受けたことがある人です。前回の終了から1年以上空いていないと対象外になるため、受講のタイミングには気をつけましょう。
職業訓練を受けると得られる失業保険の優遇措置
職業訓練を受けると、失業保険の受け取り方が有利になる優遇措置があります。生活費の不安を抑えながら学びに集中できる仕組みです。
職業訓練で受けられる優遇措置
- 自己都合退職の給付制限が、訓練開始日の前日に解除される
- 訓練が終わるまで失業保険の給付期間が延長される
通常、失業保険の給付日数は雇用保険の被保険者期間と離職理由によって90日から360日の間で決まります。訓練期間がこの日数を超えると、本来は途中で支給が止まってしまいます。
しかし職業訓練を受けている間は、給付日数を使い切っても訓練終了まで基本手当が支給され続けます。最後までコースを受けきれるよう、給付が延長される仕組みです。
失業保険の延長について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
2025年4月から給付制限のルールが変わった
自己都合で退職した人の失業保険は、これまで2〜3ヶ月の給付制限期間がありました。この期間は失業保険が受け取れず、生活費の面で大きな負担でした。
2025年4月の改正で、自己都合退職の給付制限は原則1ヶ月に短縮されました。
さらに、離職前後にリスキリングを受けた場合は給付制限がなくなり、7日間の待機期間だけで失業保険を受け取れます(出典:厚生労働省)。
職業訓練を受ける人にとっては追い風の改正です。自己都合退職でも、早い段階から生活費を確保しながらスキルを学べるようになりました。自己都合退職の失業保険は、以下の記事でも詳しく解説しています。

給付制限の有無は、対象となる教育訓練の種類や受講開始日で変わります。
自分のケースが当てはまるかは、離職前にハローワークで確認しておくと失敗がありません。
失業保険をもらいながら職業訓練を受ける手続きの流れ
職業訓練を受けながら失業保険をもらうには、ハローワークで2つの手続きを進めます。職業訓練の申込みと失業保険の申請は別々のため、どちらも忘れずに進めましょう。
職業訓練の手続き
- 希望の職種やコースを選ぶ
- ハローワークで職業訓練の説明を受ける
- 願書を提出する
- 訓練校の選考(書類選考・面接など)を受ける
- 合格発表
- 受講に関する説明を受ける
失業保険の手続き
- ハローワークで求職申込みをする
- 雇用保険被保険者離職票を提出する
- 受給資格の決定(「雇用保険受給資格者のしおり」交付)
- 7日間の待機期間
- 雇用保険受給説明会に出席する
- 受給開始
手続きを始めてから受講開始まで、コースによって数週間から数ヶ月かかることがあります。
受講中は指定された認定日にハローワークへ来所し、その後に基本手当が振り込まれます。初回の振込時期が気になる人は、申請時に窓口で目安を確認しておきましょう。
職業訓練を受けながらもらえる失業保険・手当の金額
職業訓練を受けると、失業保険の基本手当に加えて、いくつかの手当が上乗せされます。まずは手当の内訳を確認しましょう。
職業訓練で支給される手当
- 基本手当(失業保険):賃金日額の約50〜80%
- 受講手当:日額500円(上限2万円)
- 通所手当:上限月42,500円
- 寄宿手当:月10,700円(家族と別居して受講する場合)
受講手当や通所手当が上乗せされるため、訓練中はふだんの失業保険よりも受け取れる金額が増えます。(出典:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」)
では、実際にどのくらい受け取れるのか、1つの例でシミュレーションしてみましょう。
正社員としてフルタイムで働いていた人が、公共職業訓練に通う場合の一例です。
【前提条件】
・雇用保険の受給資格あり
・賃金日額:1万円(基本手当日額は年齢ごとの上限の範囲内で決まる)
・自宅から訓練校へバスで通学
・訓練日数:月22日
1ヶ月の支給額の目安
- 基本手当:日額約6,000円 × 22日=132,000円
- 受講手当:日額500円 × 22日=11,000円(上限2万円の範囲内)
- 通所手当:バス往復400円 × 22日=8,800円
- 合計:約151,800円
基本手当の日額は賃金や年齢によって変わり、年齢ごとに上限額が定められています。あくまで目安ですが、訓練中は手当が加わることで、生活費を確保しながら学べる金額になります。

受講手当や通所手当があると、交通費の心配が減るのは大きいですよね。
お金の不安が小さくなるぶん、スキルの習得に集中しやすくなりますよ。
職業訓練を受けながら失業保険をもらうときの注意点
職業訓練と失業保険を組み合わせるときは、知らないと損をする注意点があります。事前に押さえておきましょう。
途中退会すると基本手当以外の手当は止まる
職業訓練を途中で辞めると、基本手当以外の手当は打ち切りになります。つまり受講手当や通所手当、寄宿手当は止まり、基本手当だけの支給に戻ります。
訓練がつらくて辞めたいと感じたときは、こうした手当が止まることも踏まえて判断しましょう。

訓練中に転職が決まった場合も、失業保険の受給期間内であっても退校が必要になります。
その場合、基本手当は就業の前日分まで支給され、入社日以降は支給されません。
職業訓練受講給付金はもらえない
失業保険を受給しながら職業訓練を受ける場合、月10万円の職業訓練受講給付金は受け取れません。
この給付金は、雇用保険に入っていなかった人など、失業保険を受け取れない人のための制度だからです。失業保険を受給している人は対象外になります。

ただ、職業訓練受講給付金の10万円より、失業保険の基本手当のほうが額面は高くなる傾向があります。
失業保険を受け取れる人は、無理に給付金と比べる必要はありませんよ。
早期に就職すると追加の手当がもらえる
訓練中や受給期間中に早く就職が決まると、失業保険を満額もらいきらなくても受け取れる手当があります。それが再就職手当と就業促進定着手当です。
早期就職でもらえる主な手当
- 再就職手当:給付日数を1/3以上残して安定した職に就いた場合に支給(残日数に応じて基本手当の60〜70%)
- 就業促進定着手当:再就職後6ヶ月の給与が前職より低い場合に支給
再就職手当は、待機期間の満了後に就職し、1年を超えて働くことが見込まれるなどの条件を満たすと受け取れます。早めに転職を決めても損をしない仕組みなので、転職活動は前向きに進めて問題ありません。
失業保険の受給期間内に転職を成功させる方法
短期の職業訓練を受ける人や、訓練を受けずに転職したい人は、失業保険の受給期間内に転職を決めたいところです。給付期間が終わると、それ以降の生活費は自己負担になるためです。
限られた期間で結果を出すための進め方を解説します。
ハローワーク以外の選択肢も併用する
短期間で転職を成功させたいなら、ハローワークだけに頼らず転職エージェントや転職サイトも併用しましょう。
職業訓練を受けるとハローワークの支援を受けられますが、それだけでは選択肢が広がりにくい面があります。
ハローワークだけに頼るときの不安要素
- 中小企業や地元密着の求人が中心になりやすい
- 誰でも求人を出せるため、条件の良くない企業も混ざる
- 一人ひとりへの転職サポートが手厚いとは限らない
- 平日しか対応してもらえないことが多い
転職エージェントを併用すると、これらの不安をカバーできます。各業界に詳しいキャリアアドバイザーが、選考ごとにアドバイスをくれるため、活動がスムーズに進みやすくなります。
大手のエージェントなら、全国の幅広い求人に出会えるうえ、土日や平日夜にも対応してくれます。まずは複数のサービスに登録し、選択肢を広げるところから始めてみてください。
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自分の市場価値とポータブルスキルを棚卸しする
職業訓練で新しいスキルを学ぶ前に、自分がすでに持っている強みを整理しておくことも大切です。実は、転職市場で評価される力をすでに持っている場合も少なくありません。
転職で年収や選択肢を左右するのは、特定の会社でしか通じない経験ではなく、業界や企業を問わず活かせる市場価値です。
市場価値は、需要の大きい仕事のなかで、他の人に代替されにくいスキルを積むほど高まります。
その土台になるのが、職種を問わず使えるポータブルスキルです。
ポータブルスキルの例
- 情報収集力
- 課題解決力
- コミュニケーション能力
- 計画力や調整力
- 論理的思考力や分析力
これらを言葉にしてアピールできれば、未経験の職種でも転職が成功しやすくなります。まずは自己分析で、自分の経験を棚卸しすることから始めましょう。
面接対策で経験不足を補う
転職活動をスムーズに進めたいなら、面接対策にしっかり時間をかけましょう。専門スキルや経験に自信がなくても、面接の準備を整えれば挽回できます。
以下の手順で進めると、緊張する場面でも自分の考えを伝えやすくなります。
面接対策の手順
- 志望動機を整理する
- 自己PRを整理する
- 転職理由を整理する
- 想定質問への回答を用意する
- 逆質問を用意する
- 声に出して練習する

職業訓練で学んだスキルそのものより、それをどう活かしたいかを語れるかが評価を分けます。
自分の市場価値を言葉にできると、面接の説得力が一気に上がりますよ。
社会人経験が浅い人の面接対策については、以下の記事も読んでみてください。
失業保険・職業訓練を活用して転職したい人におすすめの転職エージェント
職業訓練を受ける人も受けない人も、転職活動では転職エージェントの併用が有効です。職業訓練を利用する層は、未経験の分野に挑戦したり、経歴に自信がなかったりするケースが多いものです。
そうした20代や経験の浅い人には、若手の支援に強いエージェントが向いています。未経験から正社員への転職を数多くサポートしてきたサービスもあるので、選択肢の1つとして相談してみてください。

なかでもUZUZは、第二新卒や既卒、フリーターなど、正社員経験が少ない20代の支援に強みがあります。
1人あたり平均12時間以上の手厚いサポートで、未経験からの転職を後押ししてくれますよ。
よくある質問
「職業訓練」と「失業保険」について、よく寄せられる質問をまとめました。理解を深める参考にしてください。
職業訓練を欠席しても給付金はもらえますか?
欠席した日の受講手当などは原則もらえません。求職者支援訓練の給付金は、原則8割以上の出席が条件です。
ただし、失業保険の基本手当は支給されます。
自己都合で辞めても職業訓練ですぐ失業保険をもらえますか?
2025年4月の改正で、離職前後にリスキリングを受けた場合は給付制限がなくなり、7日の待機後に受給できます。
職業訓練を受けると、給付制限が訓練開始の前日に解除される仕組みもあります。
職業訓練の途中で就職してもいいですか?
途中で就職しても問題ありません。ただし就職すると訓練校は退校になり、基本手当以外の手当は止まります。
条件を満たせば、再就職手当を受け取れます。
失業保険の求職活動実績はどう作ればいいですか?
求人への応募やハローワークでの職業相談のほか、転職エージェントのオンラインセミナー受講も実績になります。
アーカイブ動画で実績を作れる場合もあります。
職業訓練受講給付金と失業保険は両方もらえますか?
両方を同時に受け取ることはできません。職業訓練受講給付金は失業保険を受け取れない人向けの制度です。
そのため、失業保険を受給している人は対象外になります。
給付期間には限りがあるため、職業訓練を受ける場合も、転職活動と並行して早めに情報を集めておくと安心です。気になる人は大手の転職エージェントに登録しておきましょう。
大手や人気企業の求人を多数保有!大手エージェント
大手エージェントには、全業界・職種の求人が集まっています。さらに、大手企業や人気企業の求人を独占で持っていることも。
幅広い選択肢の中から求人を提案してもらいたい、大手企業や人気企業への転職を検討しているという方は登録しておきましょう。
全業界・全職種の求人を扱う大手総合型エージェント
おすすめポイント
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