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エンジニアから営業への転職はアリ?SEの志望動機例文と年収を解説

    エンジニアから営業への転職は、20代なら十分に現実的な選択肢です。30代でも、プリセールスやIT営業など技術経験を活かせる職種であれば可能性があります。

    SEから営業への志望動機の例文3パターンと、キャリアチェンジとして成立させる進め方、年収が上がる職種の選び方をキャリア支援のプロが解説します。

この記事を書いた人
末永 雄大 Suenaga Yuta
アクシス株式会社 代表取締役/すべらない転職 運営責任者
末永 雄大
新卒でリクルートエージェント(現インディードリクルートパートナーズ)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。YouTubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書『成功する転職面接』『キャリアロジック』。ニュース番組「ABEMA Prime」に転職のプロとして出演。
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エンジニアから営業への転職は20代ならアリ

システムエンジニアから営業に移るのはアリなのか、というSEやPGからの相談は本当に多いです。

結論から言うと、20代であれば十分に現実的な選択肢で、市場価値を高められる可能性があるキャリアチェンジです。

ただし、どの営業職を選んでもよいわけではなく、業界選びと進め方によっては年収やキャリアの幅が狭まることもあります。

転職市場でエンジニア出身営業が評価される理由

転職市場では、エンジニア出身の営業は希少性のある人材として評価されることがあります。

IT営業やSaaS営業、無形商材の法人営業の求人では、エンジニア出身であることが書類選考で評価されやすい傾向があります。

理由は3つあります。顧客の技術課題を構造的に理解できること、開発側とのやりとりがスムーズなこと、仕様や制約を踏まえた現実的な提案ができることです。

営業職は文系の仕事というイメージで語られがちですが、技術が前提になるBtoB領域では技術理解を持つ人材の希少性が市場価値につながります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

転職市場では、多くの企業が年齢に見合った経験を求める傾向があります。


20代のうちにエンジニアと営業の掛け合わせを作っておくと、30代以降の選択肢が広がりやすくなりますよ。

エンジニアから異業種への転職全般の考え方は、以下の記事でも詳しく解説しています。

「やめとけ」と言われる理由とその実態

「エンジニアから営業への転職はやめとけ」という声には、一定の根拠があります

評価軸がプロセスから結果に変わり、顧客との折衝でストレスが増え、技術の実務経験を積む機会が減る可能性があるからです。

営業は嘘をつく仕事だから向いていない、といった極端な意見も見かけますが、これは個人向けの押し込み営業のイメージを引きずった話です。

法人向けの無形商材営業は顧客の事業課題に対する解決策を提案する仕事なので、課題に合わない提案は顧客に選ばれにくくなります。

大事なのは、自分の志向性に合う営業職を選ぶことと、合わないと感じたときに方向修正できる余地を残しておくことです。

自分にどの営業職が合うのか分からない段階こそ、強みの棚卸しから始めるのが第一歩です。

すべらないキャリアエージェントでは、エンジニア経験のどこが営業で活きるのかを言語化するところから一緒に整理できます。

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年収はどう変わるか(上がる人・下がる人)

エンジニアから営業への転職で年収がどう変わるかは、選ぶ営業職や現職の年収、企業の評価制度によって大きく左右されます。

営業に転職すれば必ず年収が上がるわけではありません。

年収が上がりやすいケースと下がりやすいケースには、それぞれ傾向があります。

まずは職種別の目安を並べて、どこで差がつくのかを確認してください。

職種 20代の年収レンジ 年収が伸びる条件
IT営業(SI・パッケージ営業) 500万円から800万円 大手や外資系ベンダーの上位ポジションに進む
SaaS営業 400万円から900万円 成果連動の比率が高い企業で数字を出す
無形商材の法人営業 400万円から1,000万円 顧客単価と粗利率が高い商材を扱う
プリセールス・技術営業 600万円から1,000万円 技術検証から提案まで一貫して担う
カスタマーサクセス 500万円から800万円 解約防止と追加契約の数字を持つ

上記は2026年7月時点の公開求人と支援事例をもとにした目安です。企業規模や評価制度によって上下します。

年収が上がりやすいケース

無形商材の法人営業やSaaS営業、外資系を含むIT営業に移る場合は年収が上がりやすい傾向があります。

これらの領域には、インセンティブ比率が高く成果報酬の天井も高い企業があるためです。

例えばSIerで年収450万円のSEがSaaS企業のフィールドセールスに移った場合、初年度500万円、2年目700万円、3年目900万円という進み方をした事例があります。

インセンティブの大きい無形商材の法人営業では、20代で年収1,000万円に届くこともあります。

共通しているのは、顧客単価が高く粗利率の高い商材を扱っている点です。

顧客単価や粗利率が低い企業では、成果を出しても給与が伸びにくい場合があります。

求人を見るときは、商材の単価やインセンティブ制度もあわせて確認しておくと判断しやすくなります。

年収が下がりやすいケース

完全未経験で個人向け営業に移る場合、最初の数年は年収が下がるケースが多いです。

住宅営業や保険営業は基本給が低くインセンティブの振れ幅も大きいため、初年度は300万円から400万円台に落ちることもあります。

エンジニア時代に年収700万円以上を得ていた人が完全未経験で営業に移ると、ベース給与の差で一時的なダウンは避けにくくなります。

重要なのは、3年後にエンジニア時代を超えるルートが見える職種を選ぶことです。

個人向け営業は受かりやすい反面、身につくスキルが転職市場での評価につながりにくい場合がある点にも注意が必要です。

目先の内定の取りやすさで選ぶと、数年後に選択肢が狭まります。

受かりやすさと市場価値は別物として切り分けて考えてください。

中長期で年収を最大化する考え方

短期の年収ダウンを恐れて選択肢を狭めるより、中長期で市場価値を最大化する視点が大事です。

私たちキャリアアドバイザーの経験では、年収を左右する主な要素は需要が大きい市場にいるかどうかと、代替されにくいスキルを持っているかどうかの2点です。

エンジニアと営業を掛け合わせたスキルセットは、IT市場の拡大とDX需要の継続で今後も一定の需要が見込まれます。

20代でこの掛け合わせを作っておけば、30代で年収1,000万円超やITコンサル、事業責任者を目指せる可能性があります。

3年ごとに1つずつ専門性を積み上げる前提で考えると、1社目に求めるものが絞り込みやすいです。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

年収は今いくらかより、3年後にいくらまで届くかで考えるのがおすすめです。


逆算して考えるだけで、求人の優先順位が大きく変わってきますよ。

エンジニア経験を活かせる営業職5選

エンジニアから営業に移るなら、これまでの経験を活かせる職種を選ぶのが鉄則です。

キャリア支援の現場で、実際にエンジニア出身者の転職事例が多い5職種を紹介します。

どれもIT領域と接点があり、技術が分かることが評価につながるポジションです。

IT営業(SI・パッケージ営業)

IT営業は、エンジニア出身者が比較的移りやすい営業職です。

SIerの営業職や業務パッケージの販売、クラウドサービスの法人営業など、顧客のIT課題を解決する提案型の営業を指します。

エンジニア時代に培った技術理解と、プロジェクトを回す感覚がそのまま活きる職種です。

商談が数ヶ月から1年単位で動くことも多く、腰を据えて関係を作るスタイルが合います。

未経験から始める場合でも、エンジニア経験があればテクニカルセールス候補として採用されやすいポジションです。

提案の中身が技術寄りになるほど、営業経験の浅さは問題になりにくくなります。

現職がSIerなら扱う商材も商談の進み方も想像しやすく、入社後のギャップが小さい点も選びやすい理由です。

SaaS営業(インサイドセールス・フィールドセールス)

SaaS営業は、いま採用が活発な営業領域の1つです。

HRTechやSalesTech、FinTechなど、SaaSプロダクト全般で営業職の募集が続いており、エンジニア出身者のニーズも高い分野です。

業務は電話やオンラインで初期商談を担うインサイドセールスと、クロージングを担うフィールドセールスに分かれます。

商談のサイクルが短く、月単位で数字を追いかける働き方になります。

市場の拡大が続く傾向があるため、若いうちに飛び込んでおく価値がある領域です。

プロダクトが頻繁に更新されるので、新しい仕様を追いかけるのが苦にならない人ほど成果を出しやすくなります。

SaaS営業の業務内容や転職難易度は、以下の記事でも詳しく解説しています。

無形商材の法人営業

無形商材の法人営業は、市場価値を伸ばしやすい営業職の代表格です。

広告代理店や人材紹介、WebマーケティングやITシステム開発の法人営業などが該当し、形のないサービスを企業に提案します。

商品力に加えて課題整理力や提案力が成果を左右しやすいため、営業スキルが鍛えられる環境です。

在庫の仕入れを伴わない商材も多く、粗利率が高い企業では成果が給与に反映されやすくなります。

押し売りがしにくく顧客の事業課題に向き合えるため、提案そのものにやりがいを感じやすい仕事です。

20代でこの領域に入って3年経験を積むと、ITコンサルやSaaSのハイクラスポジションも選択肢に入ってきます。

無形商材の法人営業の特徴と志望動機の書き方は、以下の記事もあわせて確認してみてください。

プリセールス・セールスエンジニア(技術営業)

プリセールスやセールスエンジニアは技術営業とも呼ばれ、エンジニア経験を直接活かせる中間職種です。

営業のクロージング前後で技術検証やデモンストレーション、要件の技術的な落とし込みを担当します。

完全な営業職への転身に抵抗がある人にとって、これまでの経験を9割方持ち込める選択肢です。

SaaS企業や外資系ベンダーを中心に求人が見られます。

技術から営業に移りたいと考えて調べている人が、最終的にここに落ち着くケースも多いです。

プリセールスの実務や技術営業の転職難易度は、以下の記事で詳しく解説しています。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

プリセールスは、営業に振り切るのは不安だけれど上流の提案には興味がある人に向いています。


エンジニアと営業のいいところを両方持てる希少な職種なので、まず候補に入れてみてください。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、SaaS企業を中心に重視されているポジションです。

契約後の顧客が成果を出せるように運用を支援し、活用提案や追加契約までを担う仕事です。

プロダクト理解と顧客対応力の両方が必要なため、エンジニア経験者は評価されやすい傾向があります。

顧客の技術環境を踏まえた現実的な活用提案ができる点が、他の候補者との違いです。

新規営業とは異なる指標を追うことが多く、長期的に顧客と関わりたい人に向いている職種です。

解約を防ぎ追加契約につなげる役割で、成果次第ではマネージャー職への昇進ルートも見えてきます。

継続率や解約率、アップセルの数字を持つため、目標のプレッシャーがないわけではありません。

営業職の種類を業界別に整理した記事もあるので、選択肢を広げたいときに使ってみてください。

SEから営業への志望動機の書き方と例文3パターン

SEやエンジニアが営業職を受ける場合、志望動機の組み立て方には型があります。

ここで扱うのは営業職全般の志望動機ではなく、技術職から営業職に移る人向けの型です。

上司や家族に転職理由を説明するときにも使えます。

例文は面接で話す想定なので、書類に書く場合は御社を貴社に置き換えてください。

志望動機で評価される3つの要素

SEから営業への志望動機で評価されるのは、3つの要素が1本の線でつながっているかどうかです。

SEから営業の志望動機に必要な3要素

  • エンジニア時代に実際に見た具体的な原体験

  • 営業でなければ解決できない理由

  • 入社後に再現できる貢献の型

志望動機は、自分がなりたい状態と今の自分との差を埋める行動と、その企業が任せてくれる仕事が重なる部分に生まれます。

どちらか一方しか語れないと、この会社でなくてもいいという印象になります。

原体験は成功体験である必要はありません。

顧客の要望が固まらないまま開発が始まって手戻りが続いた、といった苦い経験のほうが説得力を持ちます。

貢献の型として書けるのは、技術の話を顧客の言葉に置き換えられる、開発側の事情を踏まえた提案ができる、といった内容です。

この3つがつながっていないと、技術から逃げた人だと受け取られてしまいます。

どの例文も、応募先の会社名や商材、顧客層のいずれかを自分の言葉で入れてから使ってください。

【例文1】IT営業・SIer系の営業職を受ける場合

SIerやパッケージベンダーの営業職を受ける場合の例文です。

志望動機の例文(IT営業)

5年間、製造業向けの生産管理システムの開発と保守を担当してきました。


現場で最も歯がゆかったのは、要件が固まらないまま開発が始まり、稼働後に使われない機能が残ることでした。


原因をたどると、提案の段階で顧客の業務課題が正しく言語化されていないケースがほとんどでした。


だからこそ、課題を定義する最初の工程に自分が入りたいと考えています。


御社が製造業向けに提供する生産管理パッケージでは、営業が開発の制約を理解した上で提案しているため、開発経験を活かして実現可能性の高い提案に貢献できると考えています。

評価されるのは、開発現場でしか見えない事実を起点にしている点です。

営業でなければ解決できない理由と、入社後に再現できる貢献が最後の2文でつながっています。

【例文2】SaaS営業を受ける場合

SaaS企業のインサイドセールスやフィールドセールスを受ける場合の例文です。

志望動機の例文(SaaS営業)

3年間、SESで業務システムの改修を担当し、直近1年は要件定義から関わってきました。


複数の現場を回る中で、良いプロダクトを入れても現場が使いこなせずに投資が無駄になる場面を何度も目にしています。


導入する側に立って、業務にどう組み込むかまで一緒に考える仕事がしたいと思うようになりました。


御社の勤怠管理SaaSは既存の人事システムとの連携が前提になるため、技術的な制約を正しく説明できる営業が価値を出せる領域です。


入社後は、デモ環境の構築や技術面の一次回答を自分で完結させ、商談のスピードを上げることで貢献します。

入社後の貢献が具体的な行動レベルまで書かれている点が評価されます。

プロダクト理解の速さと技術的な一次対応は、エンジニア出身者が強みを発揮しやすいポイントです。

【例文3】プリセールス・技術営業を受ける場合

プリセールスや技術営業を受ける場合の例文です。

志望動機の例文(プリセールス)

4年間、インフラエンジニアとしてクラウド移行の設計と構築を担当してきました。


提案段階で技術検証が甘いまま受注が決まり、構築フェーズで実現できないと分かる案件を何度も引き継ぎました。


売る前の段階で技術的な実現性を見極める役割が、受注後の品質を大きく左右すると考えています。


御社のプリセールスは、金融機関向けクラウド基盤の提案で技術検証と要件の落とし込みを担うポジションです。


入社後は構築側の視点から実現可能な提案に落とし込み、受注後の手戻りを減らすことで貢献します。

技術営業のポジションでは、技術力そのものよりそれを提案にどう接続するかが問われます。

営業職の志望動機の書き方全般は、以下の関連記事も例文が豊富なので参考にしてみてください。

落ちる志望動機のNG例と直し方

落ちる志望動機には、はっきりした型が3つあります

1つ目は、人と話す仕事がしたかったという抽象論です。営業でなくても実現できるため、なぜこの職種なのかに答えられていません。

2つ目は、成長したいという表現です。何をどう成長させたいのかが抜けていると、面接官は判断材料を持てません。

3つ目は、エージェントに勧められたからという理由です。きっかけは正直に話して構いませんが、最後は自分で決めたと言えなければ流されやすい人だと見られます。

直し方は共通していて、抽象的な言葉を実際に起きた出来事に置き換えるだけです。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

志望動機は、盛るほど面接の深掘りで崩れます。


実際に見た事実を起点にすれば、深掘りされても話が変わりませんよ。

入社後半年以内の退職率1.5%以下が示す通り、軸から逆算した転職はミスマッチが起きにくくなります。

すべらないキャリアエージェントでは、志望動機の組み立てから伝え方まで一緒に整理できます。

【書類・面接対策込み】
SEからの営業転職を相談する

エンジニア経験が営業で活きる5つの強み

エンジニア経験は、営業職で5つの強みになります。

特にBtoBのIT領域では、営業一筋のキャリアを歩んできた人にはない持ち味として評価されるポイントです。

どれも日々の実務で自然に身についているもので、意識して棚卸しすれば面接でそのまま語れます。

技術を分かりやすい言葉に置き換えて伝える力

エンジニア出身者の持ち味として挙げられるのは、技術用語をビジネスの言葉に置き換えて説明できる力です。

クラウドやAPI、データベースといった専門用語を、顧客の業務に置き換えて話せる人は営業の現場にそれほど多くいません。

IT営業の現場では、顧客側の情報システム部門や経営層に技術の中身を説明する場面が少なくありません。

そのときエンジニア出身の営業は、自分もコードを書いていたから分かる、という一次情報を交えて話せます。

結果として、信頼を得るまでのスピードが速いのも特徴です。

対人コミュニケーションに苦手意識がある人ほど、この力を過小評価しています。

伝える相手が変わるだけで、複雑な仕組みを噛み砕いて説明してきた経験はそのまま持ち込めます。

論理的に課題を整理する力

エンジニア時代に身についた論理的な思考は、営業のヒアリングと提案の場面で大きく効いてきます。

顧客の漠然とした要望を構造化して本当の課題を特定する作業は、要件定義そのものだからです。

コストを下げたいという顧客の一言から仮説を立て、業務フローのどこに無駄が生じているのかをヒアリングで特定できる営業は、提案の質が高まります。

何が問題で何が解決策なのかを切り分ける思考は、職種が変わっても価値が落ちません

提案書を作るときも、前提と結論の筋が通っているかを自分でチェックできる人は強いです。

実際、営業経験が長い人でもこの切り分けが苦手で、提案が的外れになるケースは珍しくありません。

顧客の言葉をそのまま受け取らずに一段掘る癖は、エンジニア時代に磨かれた財産です。

ITリテラシーの高さ(SaaS・クラウドで即戦力)

SaaSやクラウド系の営業では、ITリテラシーの高さがそのまま提案スピードに直結します。

新しいプロダクトを覚える速さ、デモ環境の準備、技術トラブルの一次対応など、営業一筋の人がつまずく場面で先に走り出せるのが強みです。

SaaS企業のフィールドセールスでは、プロダクト理解の深さが受注率に影響することがよくあります。

顧客から仕様の細かい質問が飛んできても、その場で答えられるかどうかで商談の流れが変わるからです。

エンジニア出身者は、配属後の立ち上がりで強みを発揮しやすい傾向があります。

自社プロダクトのAPI連携や既存システムとの接続可否を自分で判断できる点も、現場では重宝されるポイントです。

基本的な技術質問に一次回答しやすいため、開発部門への確認回数を減らせます。

開発現場との折衝経験

エンジニア時代に経験するPMやビジネスサイドとの調整は、営業の現場でもそのまま活かせます

顧客の要望を社内の開発やカスタマーサクセス、経営層に伝えて優先度をすり合わせる場面は、SIerやSESで経験する社内調整とほぼ同じ構造です。

無形商材の法人営業では、受注した後の社内調整力が追加提案や継続契約につながります。

売って終わりではなく、社内をどう動かして顧客に価値を届けるかが評価される時代です。

開発側の事情が分かる営業は、無理な納期を安請け合いしないぶん社内からも信頼されます。

顧客と開発の板挟みになったときに、双方の言い分を相手に伝わる言葉へ置き換えられる人は、チームの中で代えの利かない存在になります。

この立ち位置を取れることが、エンジニア出身営業の評価が下がりにくい理由の1つです。

プロダクトの導入後を想像できる力

運用や保守まで担当してきたエンジニアは、作ったものが導入後にどう使われるかを考える経験があります。

この視点は、営業の提案フェーズで顧客の信頼を得る決め手になります。

導入後の運用や拡張、障害対応まで想像して提案できる営業は、顧客から見ると安心して任せられる存在です。

プロダクトのライフサイクルや拡張性まで踏み込んで話せると、競合との違いが自然に伝わります。

逆にここを語れない営業は、契約直前で情報システム部門に止められがちです。

導入後の運用体制まで踏まえた提案ができると、価格だけの勝負から抜け出せます。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

エンジニア時代の経験は過去の話ではなく、営業の現場で毎日のように再現されます。


どの強みがどの営業職で活きるのかを、一度言葉にしてみてください。

エンジニアから営業に転職する3つのメリット

エンジニアから営業に移るメリットは、年収と市場価値、仕事の手応えの3点に集約されます。

キャリア支援の現場で成功事例を見てきた観点から、現実的なところを整理します。

どれも転職して数年経ってから効いてくる話なので、短期の条件だけで判断しないでください。

年収アップの可能性が広がる

営業職へ転職すると、成果や評価制度によっては年収の上限が高くなる可能性があります。

エンジニア職は企業によって基本給やスキル評価を中心に給与が決まり、営業職より成果報酬の比率が低い場合があります。

一方で営業職はインセンティブや成果報酬の比率が高く、年収の上振れ幅が大きい職種です。

インセンティブの設計は会社ごとに大きく違うため、求人票の給与欄だけでは判断できません。

結果を出した分だけ評価される仕組みは、年功序列で昇給が抑えられがちなSIerからの転職では大きな魅力になります。

粗利率の高い商材を扱う企業では、成果を給与やインセンティブへ還元しやすい場合があります。

評価が数字に直結するぶん、成果が出ない期間は収入が揺れやすい点にも備えが必要です。

同じ営業職でも扱う商材で年収の伸び方が変わる点は、転職先を選ぶときに必ず確認してください。

市場価値が高まりキャリアの選択肢が増える

エンジニアと営業を掛け合わせたスキルセットは、転職市場で希少性の高い組み合わせです。

営業だけの経験者は多い一方、技術理解を伴う営業経験者は供給が少ないため、相対的に評価が高くなります。

5年後や10年後のキャリアの幅が広がるのも、この組み合わせの強みです。

ITコンサルやプロダクトマネージャー、SaaS企業の事業責任者など、技術と営業の両方が分かる人材を求めるポジションも見られます。

技術一本で伸ばすキャリアに迷いがあるなら、選択肢を洗い出すところから始めてみてください。

すべらないキャリアエージェントでは、エンジニア出身者の事例を踏まえて現実的な道筋を一緒に整理できます。

営業職の市場価値の伸ばし方は、以下の関連記事も参考にしてみてください。

顧客との直接接点で仕事の手応えが大きくなる

自分が作ったものが誰にどう使われているか分からない、という違和感を抱えていた人ほど、営業職で得られる手応えは大きいです。

顧客の課題を直接聞いて提案し、契約に至り、導入後の効果まで一緒に追える仕事は、達成感の質がエンジニア時代と大きく異なります。

カスタマーサクセスやアカウントエグゼクティブのように長期で顧客と伴走する職種では、技術が誰のどんな課題を解決しているのかが手触りを持って分かります。

人の役に立っている実感が欲しいという人には、営業職は強い充実感を返してくれる選択肢です。

感謝の言葉を直接もらえる頻度は、開発の現場とは比べものになりません。

この手応えがあるからこそ、数字のプレッシャーがあっても続けられるという人は多いです。

エンジニアから営業への転職で押さえるべき3つのデメリット

メリットだけを見て勢いで動くと、後悔につながりやすくなります。

事前に把握しておくべきデメリットも、現実的な視点で整理しておきましょう。

ここを直視できるかどうかが、転職後に踏みとどまれるかの分かれ目になります。

いずれも入社してから気づくと修正が効きにくい項目です。

評価軸がプロセス重視から結果重視に変わる

エンジニアと営業では、評価軸が異なる傾向があります。

エンジニアは決められた仕様を品質高く作り上げる過程が評価される一方、営業は数字を達成したかどうかの比重が大きくなります。

どれだけ丁寧に準備しても、月次の数字が未達なら評価は厳しくなりがちです。

過程を大事にする文化で育った人にとっては、この変化に順応するまで負担を感じることもあります。

ただし結果が出れば評価と報酬に反映される仕組みでもあり、それをゲームとして楽しめるかが向き不向きを分けます。

数字が未達の月に、自分の何が足りなかったのかを冷静に分解できる人は伸びるタイプです。

落ち込んで手が止まるタイプだと、この評価軸は苦しさのほうが勝ってしまいます。

転職前に、直近1年で自分がどう成果を測られてきたかを振り返っておくと判断しやすくなります。

営業未経験の場合、最初は年収が下がる場合がある

エンジニアから営業に移ると、最初の1年から2年はベース給与が下がるケースもあります。

エンジニア時代に高い年収を得ていた場合、未経験の営業ポジションから始めると一時的な年収ダウンは避けにくくなります。

ただし中長期で年収を回復できる可能性もあるため、短期だけで判断しないでください。

SaaS営業や無形商材の法人営業で成果を出せば、3年以内にエンジニア時代を超える年収に届く事例も多くあります。

家庭の事情などで年収を落とせない場合は、プリセールスやIT営業のように前職の年収を維持しやすい職種から検討してください。

短期の年収ダウンを受け入れられるかどうかが、覚悟を測る1つの目安になります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

目先の年収だけで判断すると、3年後の伸びを取り逃すことになります。


中長期で年収を最大化する視点で選んでみてください。

客先で頭を下げる場面・断られる場面が増える

営業は、エンジニア時代より断られる場面が増えやすい仕事です。

新規開拓のテレアポやメール、提案後の失注、価格交渉での折衝など、打たれ強さが日々試されます。

エンジニア時代も障害対応や顧客対応のプレッシャーはありますが、営業のそれは質が違います。

提案を断られたときに精神的な負担を感じることもあり、気持ちの切り替えが苦手だと続きにくい仕事です。

逆に、断られても引きずらない素直さがあれば営業はとてもやりがいのある仕事になります。

断られた理由を次の商談の改善材料として扱えるかどうかで、1年後の成績が大きく変わります。

障害対応で理不尽な指摘を受けた経験がある人は、実はこの耐性を既に持っていることも多いです。

自分がどこまで打たれ強いかは、現職の修羅場を思い返すと見当がつきます。

エンジニアから営業に向いている人・向いていない人

エンジニアから営業への転職は、向き不向きが分かれやすいテーマです。

キャリア支援の現場で、実際に成功している人と後悔している人の特徴を整理しました。

営業とエンジニアのどちらが自分に合うのか迷っている段階の人は、ここで判断してみてください。

向いている人の5つの特徴

エンジニアから営業に向いている人には、共通する特徴があります

メリット エンジニアから営業に向いている人

  • 顧客の課題解決にやりがいを感じる
  • 自分の成果が数字で見える環境を楽しめる
  • 人と話すこと、人を動かすことが苦ではない
  • 技術だけでなくビジネス全体への興味がある
  • 短期の年収より中長期の市場価値を優先できる

当てはまる項目が多いほど営業職との相性がよい可能性がありますが、あくまで判断材料の1つとして考えてください。

特に、顧客と直接話す手応えが欲しい、ビジネスサイドにキャリアの軸を広げたいと感じている人は営業への転身が転機になることがあります。

逆にどれも当てはまらないのに営業を選ぶと、入社後に評価軸のギャップで苦しむことになりがちです。

5つのうち、数字で評価される環境を楽しめるかどうかは実務で特に効いてきます。

ここに抵抗があるまま飛び込むと、成果が出ていても働き方そのものが辛いです。

自分がどれに当てはまるかは、現職で一番楽しかった仕事を思い出すと判断しやすくなります。

顧客の反応が直接返ってくる場面に手応えを感じていたなら、営業との相性はよい可能性があります。

向いていない人の5つの特徴

逆に、エンジニアから営業への転職が向いていない人にも共通点があります

デメリット エンジニアから営業に向いていない人

  • コードを書く時間が一番楽しい純粋な技術者志向
  • 数字のプレッシャーに弱く長期間ストレスを抱えやすい
  • 人前で話したり交渉したりするのが極度に苦手
  • 過程より結果で評価される環境が肌に合わない
  • 短期の年収ダウンを受け入れる余裕がない

当てはまる項目が多い場合は、技術専門職や社内SE、ITコンサルなども含めて、自分の得意分野に合う職種を比較してください。

無理に営業へ飛び込まず、自分の志向性に合うキャリアを選ぶことが後悔しない転職につながります。

特に、数字のプレッシャーへの弱さと結果重視の環境への抵抗は、慣れだけでは解消しにくい項目です。

合わないと感じた時点で選択肢を切り替えられる人のほうが、結果的に早く次の道筋が見えてきます。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

向き不向きは性格や価値観の問題で、優劣ではありません。


合わないと感じる人は、上流工程や事業会社のIT部門も比較すると、自分に合う働き方を見つけやすくなりますよ。

営業以外も選択肢に入れるべき3つのキャリア

エンジニアから営業への転職を考える人の多くは、本当は下流工程の閉塞感を解消したいと感じています。

自分の経験をビジネスサイドで活かしたい、というのが本音のケースも多いです。

そう感じているなら営業職だけに絞らず、近い距離にある3つのキャリアも比較対象に入れてみてください。

ITコンサル(上流の課題解決へ)

ITコンサルは、エンジニア出身者にとって親和性の高いキャリアアップ先の1つです。

Big4やベイカレント、アクセンチュア、アビーム、Dirbato、ノースサンドといったファームでは、SIerやSES出身者の求人が見られます。

業務は要件定義や業務改革、DX戦略、システム導入の上流工程が中心で、エンジニア時代の技術理解を直接使える領域です。

年収レンジは20代後半で700万円から1,100万円、30代で1,000万円から1,500万円という求人例があります。

ITコンサルの働き方や未経験からの難易度は、以下の記事で詳しく解説しています。

もしより上流の課題整理や意思決定に関わりたいと感じているなら、上流工程に携われるキャリアパスを一度整理してみてください。

すべらないキャリアエージェントでは、SIer出身者がITコンサルに移った具体事例を踏まえて現実的な道筋を一緒に整理できます。

【SIer出身者向け】
ITコンサル転職の戦略を相談する

プロダクトマネージャー(PdM)

プロダクトマネージャーは技術理解とビジネス感覚の両方が求められる職種で、エンジニア出身者が活躍しやすいポジションです。

プロダクトの方向性を決め、開発と営業、カスタマーサクセスを束ねる役割で、SaaS企業を中心に求人が見られます。

年収レンジは600万円から1,200万円という求人例があり、技術と事業の両方を理解できる人材は限られています。

営業のように個人の売上目標を直接持たない場合もありますが、利用率や売上などプロダクトの成果指標に責任を持つポジションです。

エンジニア時代の論理的思考と、ビジネス全体への興味がある人に向いている選択肢です。

開発の現場を知っているぶん、無理のない開発計画を引ける点が評価されます。

未経験から直接狙うのは難しいため、プリセールスやカスタマーサクセスを経由するルートが現実的です。

社内SE・事業会社IT部門

営業の数字のプレッシャーは避けたい、働き方を安定させたいという人には事業会社の社内SEやIT部門も選択肢になります

受託開発と違い自社のシステム企画や運用、改善に取り組めるため、長期的に同じ事業へ貢献している実感を持ちやすい仕事です。

年収はエンジニア時代と同等か微減になるケースが多いですが、そのぶん労働環境の安定が得られます。

ベンダーマネジメントの経験を積めば、社内SEの中でも管理職ポジションに進むルートが見えてきます。

営業はやりたくないけれど下流工程から離れたい、というタイプの落としどころとして相談現場でも人気です。

ただし社内SEは人気が高く、応募が集中する企業では選考のハードルも上がります。

上流の要件定義やベンダー折衝の経験があるかどうかで、通過率が大きく変わります。

エンジニアから営業へのキャリアチェンジを成立させる3つの条件

職種を変えることと、キャリアチェンジとして成立させることは別の話です。

前者は1回の転職で完結しますが、後者は数年後の到達点まで含めた話になります。

エンジニアから営業へのキャリアチェンジを成立させるには、3つの条件が必要です。

欠けている要素があると、次の転職でキャリアの一貫性を説明しにくくなります。

条件1|逃げの転職に見えない一貫性をつくる

最初の条件は、技術から逃げたのではないと自分でも説明できる一貫性をつくることです。

エンジニアから営業への転職でつまずきやすいのは、面接での志望動機ではなくその手前にある動機の整理です。

技術を捨てて営業に行くという組み立てにすると、なぜ2年から5年かけた経験を手放すのかという疑問に答えられなくなります。

技術の使い先を、作る側から届ける側に変えるという組み立てなら経験が地続きです。

そのためには、転職で絶対に譲れない条件を1つだけ決めておくことをおすすめします。

年収でも扱う商材でも身につけたい経験でも構いませんが、優先順位の1位を決めておくと選択がぶれません。

譲れない条件が定まっていれば、面接で他社の選考状況を聞かれたときも一貫した説明ができます。

条件2|3年後に持っていたい経験から逆算して1社目を選ぶ

2つ目の条件は、3年後に持っていたい経験から逆算して1社目を選ぶことです。

希望する経験をすべて一度に得られる会社はほとんどありません。

3年で1つ、次の3年でもう1つというように積み上げる前提で考えたほうが現実的です。

その観点で比較的キャリアの選択肢を広げやすいのが、無形商材の法人営業です。

未経験でも挑戦しやすく、粗利率の高い企業では給与も上がりやすく、専門性を高めれば事業会社の専門職にも広げられます。

弊社の支援現場では、課題解決力や提案力が求められる無形商材の法人営業は、ほかの職種への応用が利きやすいと考えています。

3年後にITコンサルを狙うなら業界特化の法人営業、事業責任者を狙うなら事業全体に関われる規模の会社という逆算が有効です。

キャリアチェンジ全般の進め方は、以下の記事でも年代別に解説しています。

条件3|20代と30代で判断基準を切り替える

3つ目の条件は、自分の年齢に合わせて狙うポジションを切り替えることです。

支援の現場では、20代半ばまではポテンシャルを評価されやすく、20代後半以降は関連経験や再現性をより詳しく見られる傾向があります。

30代では、業界や職種の経験に加えてマネジメント経験を求められることも増えてきます。

完全未経験での営業転職が成立しやすいのは、20代のうちだと考えておくほうが安全です。

30代前半以降は、プリセールスやアカウントエグゼクティブのように技術知識が前提になるポジションを狙うほうが成功率が上がります。

迷っている期間が長いほど、選択肢が狭まっていく点には注意が必要です。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

年齢が上がるほど、人柄やポテンシャルだけでは評価されにくくなります。


何歳までにどの経験を取るかを決めてから動くと、遠回りが減りますよ。

エンジニアから営業への転職を成功させる5ステップ

エンジニアから営業への転職を成功させるには、勢いではなく順序立てた準備が必要です。

相談現場で実際に転職を成功させた人が踏んでいる5つのステップを紹介します。

順番を入れ替えると、求人選びの段階で判断がぶれやすいです。

特に最初の2つを飛ばして応募から始めると、書類選考で足踏みします。

Step1|市場価値と会社内価値を分けて棚卸す

最初にやるべきは、自分のスキルと経験を市場価値と会社内価値に分けて棚卸すことです。

市場価値は他社でも通用するスキル、会社内価値はその会社でしか通用しないスキルを指します。

社内の独自ルールに関する知識はそのままでは評価されにくい一方、関係者との調整能力は具体的な成果とセットで伝えれば他社でも通用します。

担当案件の規模、使用技術、上流工程の経験、マネジメント実績、業界知識をそれぞれ書き出してください。

そのうえで、転職市場で評価される要素はどれかを仕分けます。

ここを言葉にできないまま転職活動を始めると、面接で何ができる人か分からないと判断されます。

同じ企業に長く在籍している場合は、自分の経験が他社でも再現できるものかを意識して棚卸ししてください。

棚卸しは職務経歴書を書き始める前にやっておくと、後の工程が進めやすくなります。

Step2|キャリアの軸(BEING)を言語化する

次に、自分が10年後にどんな状態でいたいかを言葉にします。

年収を上げたい、営業に行きたいというだけでは判断軸として弱く、ミスマッチにつながります。

誰のためにどんな価値を提供したいのか、どんな働き方を実現したいのか、どこまでの責任を背負いたいのかを具体的に描いてください。

軸が定まれば、応募すべき企業の条件と避けるべき条件が明確になります。

求人の取捨選択がしやすくなり、内定を複数もらったときの決断も早くなります。

10年後が描きにくい場合は、これまでの仕事で一番手応えがあった瞬間を3つ挙げるところから始めてください。

共通点を探すと、自分が何に価値を感じるのかが見えてきます。

エンジニア向けのキャリア相談の進め方は、以下の関連記事も参考にしてみてください。

Step3|営業職の選択肢を5つの軸で比較する

営業職を選ぶときは、5つの軸で比較することをおすすめします。

有形商材か無形商材か、法人向けか個人向けか、新規開拓か既存深耕か、商材の単価帯、業界の成長性の5つです。

エンジニア経験が活きやすいのは、無形商材の法人営業や、顧客の技術課題を踏まえて提案する営業職です。

具体的にはSaaS営業やIT営業、人材業界や広告代理店の無形商材法人営業が該当します。

この5軸で2社から3社を選んでから比較すると、自分の志向性に合う企業が見えやすくなります。

求人票だけでは判断できない項目もあるため、面接で顧客単価や商談期間、評価指標、インセンティブ制度を確認してください。

回答が曖昧な場合は、入社後の評価方法を追加で確認しておくと安心です。

Step4|業界知識のあるエージェントを活用する

業界知識のあるエージェントを活用すると、求人選びや選考対策を進めやすくなります。

エンジニア出身者の営業転職を支援してきた実績があるエージェントなら、公開されていない求人や企業内部の情報にもアクセスできるのが強みです。

エージェントを選ぶ基準は3つあります。

IT領域とビジネスサイドの両方に強い担当者がいるか、エンジニア出身者の支援実績があるか、求人を機械的に紹介せず軸から逆算してくれるかです。

複数のエージェントに登録して比較するのも有効ですが、軸の言語化を一緒にやってくれるパートナーを1社見つけるほうが結果的に近道です。

初回面談で希望や価値観を十分に確認せず求人紹介へ進む場合は、自分の軸に合った支援を受けられるか慎重に見極めてください。

何を大事にしたいのかを先に聞いてくれるかどうかは、相性を測る材料になります。

Step5|職務経歴書をビジネス言語に置き換えて書き直す

最後のステップは、職務経歴書を営業職の採用担当が読んで分かる言葉に書き直すことです。

使用言語とフレームワークだけを並べた職務経歴書は、営業のポジションでは評価されにくくなります。

例えばJavaで基幹システムの改修を担当という記述は、受発注業務の停止リスクを解消し月次の締め作業を短縮した、という書き方に変わります。

担当した案件の規模、関わった人数、削減できた工数や金額を数字で入れてください。

面接官が特に知りたいのは、どのような工夫によって成果を出してきたのかという点です。

目標が未達だったときに何を変えたのか、その結果どうなったのかまで書けると営業職の選考でも通用します。

技術の詳細は付記程度にとどめ、顧客や事業にどう影響したかを主語にして書き直してください。

エンジニアから営業への転職に関するよくある質問

最後に、エンジニアから営業への転職を考える人から特に多く寄せられる質問に答えます。

意思決定で迷いやすいポイントを短くまとめているので、自分の状況に近い項目を参考にしてみてください。

どの質問も、相談現場で実際に何度も聞かれてきた内容です。

30代でもエンジニアから営業に転職できるか

30代でも可能ですが、20代より選択肢は絞られます。

30代前半までなら、ITコンサルやSaaS営業、プリセールスといった経験が活きる職種は十分狙えます。

30代後半以降は完全未経験での営業転職が難しく、技術知識が前提のポジションを選ぶほうが現実的です。

エンジニアから営業に転職する人は何割くらいいるか

市場全体の割合を示す公的な統計は確認できていません。

弊社の相談現場では、営業やITコンサル、プロダクトマネージャーなどビジネスサイドへの転身を検討する人が一定数います。

数字だけで判断せず、自分の志向と経験で決めるほうが納得のいく選択になります。

営業未経験で受かりやすい業界はあるか

技術理解を持つ未経験者を募集する求人が見られるのは、SaaSやIT営業、無形商材の法人営業です。

エンジニア経験を応募先の業務に結び付けて説明できれば、選考で評価される可能性があります。

住宅や保険などの個人向け営業は応募のハードルが低めですが、年収面では慎重に判断してください。

エンジニアから営業に転職して後悔する人の特徴は

後悔につながりやすいパターンは3つあります。

数字のプレッシャーが想像以上だった、ベース給与の下落を受け入れられなかった、個人向け営業に流れて経験の汎用性が下がった、というケースです。

事前に向き不向きを見極め、中長期で年収が伸びる職種を選んでいる人は、後悔しにくい傾向があります。

営業をやって合わなかったらエンジニアに戻れるか

20代であれば戻れるケースもありますが、難易度は状況によって変わります。

影響するのは、担当していた技術領域やブランクの長さ、営業に移った後の学習状況です。

技術の学習や実務との接点を保っておけば、戻れる可能性は高まります。

SEと営業はどっちがきついか

きつさの質が違うため、どちらが楽ということはありません。

SEは納期と障害対応、技術のキャッチアップがきつさの中心になります。

営業は数字の未達と、断られ続けることが中心になります。

納期に追われるプレッシャーと、提案を断られるストレスのどちらを負担に感じるかで考えてみてください。

上司や家族に営業への転職をどう説明すればいいか

技術を捨てるという説明ではなく、技術の使い先を変えると伝えてください。

開発現場で見た課題を挙げ、それを解決するには提案の段階から関わる必要があると話すと筋が通ります。

面接で使う志望動機と同じ組み立てで説明できます。

まとめ|エンジニア経験は営業でも活きる

エンジニアから営業への転職は、20代であれば十分に現実的で、市場価値を高められる可能性があるキャリアチェンジです。

技術を分かりやすい言葉に置き換える力、論理的に課題を整理する力、ITリテラシー、開発との折衝経験、導入後を想像できる力は、IT営業やSaaS営業、プリセールスで大きく評価されます。

一方で評価軸の変化や数字のプレッシャー、短期的な年収ダウンもあるため、向き不向きの見極めが欠かせません。

営業職だけでなくITコンサルやプロダクトマネージャー、社内SEも含めて比較すると、自分の軸に合う選択肢にたどり着きやすくなります。

そして志望動機を自分の言葉で語り、入社後に営業経験を積むことで、一貫性のあるキャリアチェンジにつながります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

下流工程の閉塞感を、市場価値の高い経験に転換できるのがこのキャリアチェンジの本質です。


迷っている段階から相談できるので、軸の言語化から一歩を踏み出してみてください。

職種選びと志望動機の設計は、転職後のミスマッチを防ぐ重要なポイントです。自分の経験がどの営業職で活きるのかを、プロと一緒に整理してみてください。

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