
エンジニアから営業へ転職はアリ?年収・職種・進め方を解説
エンジニアから営業への転職は20代なら十分現実的です。
SE経験が活きる営業職5選、年収の上がりやすいケース、後悔しない進め方をキャリア支援のプロが解説します。
下流工程の閉塞感を上流の課題解決力に転換するキャリア設計の考え方もまとめました。
エンジニアから営業への転職は20代ならアリ
「エンジニアから営業に転職するのはアリなのか」と悩むSE・PGの相談は本当に多いです。
結論から言うと、20代であれば十分現実的な選択肢で、市場価値の伸びしろも大きいキャリアチェンジです。
ただし「営業全部が向いている」わけではなく、業界選びと進め方を間違えると年収もキャリアも下がるリスクがあります。
転職市場でエンジニア出身営業が評価される理由
転職市場では、エンジニア出身営業は希少価値の高い人材として高く評価されます。
特にIT営業・SaaS営業・無形商材の法人営業の現場では、エンジニア出身というだけで書類選考の通過率が一段上がる傾向があります。
理由は3つです。
顧客の技術課題を構造的に理解できる、開発側との橋渡しがスムーズにできる、プロダクトの仕様や制約を踏まえた現実的な提案ができるという点です。
営業職全般が「文系職」のイメージで語られがちですが、技術前提のBtoB領域では理系出身者の希少性がそのまま市場価値になります。
エンジニアから異業種への転職全般の考え方については、以下の記事でも詳しく解説しているのであわせて確認してみてください。
「やめとけ」と言われる理由とその実態
「エンジニアから営業はやめとけ」という声には一定の根拠があります。
評価軸が「プロセス」から「結果」に変わる、客との折衝でストレスが増える、技術力の蓄積が一時的に止まるといった現実があるからです。
ただし、この変化は営業職全体に共通する話で、エンジニア出身者だけの特殊な問題ではありません。
むしろエンジニア経験は営業の現場で武器になる場面が多く「やめとけ」の声を真に受けて選択肢を狭めるのはもったいない判断です。
重要なのは、自分の志向性と合う営業職を選ぶことと、向いていないと感じたら方向修正できる選択肢を残しておくことです。
自分にどの営業職が合うのか分からない段階こそ、強みの棚卸しから始めるのが第一歩です。
すべらないキャリアエージェントでは、エンジニア経験のどこが営業で活きるかを言語化するところから一緒に整理できます。
エンジニア経験が営業で活きる5つの強み
エンジニア経験は、営業職で5つの強みになります。
特にBtoBのIT領域では、文系営業出身者にはない強みとして評価されるポイントです。
エンジニア経験が活きる5つの強み
技術を平易に伝える「翻訳力」
エンジニア出身者の最大の武器は、技術用語をビジネス言語に翻訳できる力です。
クラウドやAPI、データベースといった専門用語を、顧客の業務に置き換えて説明できるのは、文系営業にはなかなか真似できない強みです。
特にIT営業の現場では、顧客側の情報システム部門や経営層に技術内容を説明する場面が頻繁にあります。
そのとき、エンジニア出身営業は「自分も書いていたから分かるが」という一次情報を交えて話せるため、信頼を得るスピードが圧倒的に速いです。
論理的に課題を整理する力
エンジニア時代に身につけた論理的思考は、営業のヒアリング・提案フェーズで大きな武器になります。
顧客の漠然とした要望を構造化し、本当の課題を特定する力は、要件定義の経験そのものだからです。
「コストを下げたい」という顧客の一言から、業務フローのどこにボトルネックがあるかを仮説立てて聞き出せる営業は、それだけで提案の質が一段違います。
エンジニア時代の「何が問題で、何が解決策か」を切り分ける思考は、そのまま営業の現場で活きます。
ITリテラシーの高さ(SaaS・クラウドで即戦力)
SaaSやクラウド系の営業では、ITリテラシーの高さがそのまま提案スピードに直結します。
新しいプロダクトを覚えるスピード、デモ環境のセットアップ、技術トラブルの一次対応など、文系営業がつまずく場面でエンジニア出身者は走り出せます。
SaaS企業のフィールドセールスでは、プロダクト理解の深さが受注率に影響することがよくあります。
エンジニア出身者は最初の3ヶ月で同期との差を一気に作りやすく、配属後の立ち上がりがとても速い傾向があります。
開発現場との折衝経験
エンジニア時代に経験する「PMやBizサイドとの調整」は、営業の現場でそのまま再現されます。
顧客の要望を社内の開発・カスタマーサクセス・経営層に伝え、優先度をすり合わせる場面は、SIerやSESで経験する社内折衝とほぼ同じ構造です。
無形商材の法人営業では、受注後の社内調整力が成約後のクロスセル・アップセルにつながります。
「営業は売って終わり」ではなく、社内をどう動かして顧客に価値を届けるかが評価される時代になっています。
プロダクトの導入後を想像できる力
エンジニアは「作ったものがどう運用されるか」を考える習慣を持っています。
この視点は営業の提案フェーズで顧客の信頼を得る決定打になります。
導入後の運用・拡張・障害対応をイメージして提案できる営業は、顧客から見ると「この人なら任せて大丈夫だ」と思える存在です。
プロダクトの寿命やスケーラビリティまで踏み込んで話せる営業は、競合との差別化が自然にできます。
エンジニア時代の経験は「過去の話」ではなく、営業の現場で日々再現される武器です。
自分の経験を棚卸しして、どの強みがどの営業職で活きるかを言語化してみてください。
エンジニア経験を活かせる営業職5選
エンジニアから営業へ転職するなら、エンジニア経験を活かせる職種を選ぶのが鉄則です。
キャリア支援の現場で実際にエンジニア出身者の転職事例が多い5職種を紹介します。
エンジニア経験を活かせる営業職5選
IT営業(SI・パッケージ営業)
IT営業は、エンジニア出身者が最も自然に移れる営業職です。
SIerの営業職、業務パッケージの販売、クラウドサービスの法人営業など、顧客のIT課題を解決する提案型の営業を指します。
エンジニア時代に培った技術理解と、プロジェクトマネジメントの感覚がそのまま活きます。
年収レンジは20代後半で500万から800万円が一般的で、外資系のクラウドベンダーになると900万円以上の事例もあります。
未経験から始める場合でも、エンジニア経験があれば「テクニカルセールス候補」として採用されやすいポジションです。
SaaS営業(インサイドセールス/フィールドセールス)
SaaS営業は、現在最も急成長している営業領域です。
HRTech、SalesTech、FinTech、SaaSプロダクト全般で営業職の採用が活発で、エンジニア出身者の採用ニーズも高い領域です。
業務はインサイドセールス(電話・オンラインでの初期商談)とフィールドセールス(クロージング)に分かれます。
20代未経験で年収400万から600万円スタート、成果次第で1〜2年後に700万から900万円まで届く事例もあります。
SaaS市場は今後も拡大が見込まれるため、若いうちに飛び込んでおく価値が大きい領域です。
SaaS営業の業務内容や転職難易度については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
無形商材の法人営業
無形商材の法人営業は、市場価値を最も伸ばしやすい営業職です。
リクルート系、広告代理店、人材紹介、コンサルティングサービスなど、形のないサービスを法人に提案する営業を指します。
無形商材の営業は、商品力ではなく営業力で結果が決まる世界です。
そのため営業スキルが本物の意味で鍛えられ、転職市場での評価も高くなります。
20代でリクルート系企業に入って3年経験を積めば、ITコンサルやSaaSのハイクラスポジションへの転職が現実的になります。
無形商材の法人営業の特徴と志望動機の書き方については、以下の記事もあわせて確認してみてください。
プリセールス・セールスエンジニア
プリセールスやセールスエンジニアは、エンジニア経験を「直接」活かせる中間職種です。
営業のクロージング前後の技術検証、デモンストレーション、要件の技術的な落とし込みを担います。
完全な営業職への転身に抵抗がある人にとって、エンジニア経験を9割活かせるベストな選択肢です。
年収レンジは600万から1,000万円と高く、SaaS企業や外資系ベンダーで求人が増えています。
エンジニアから営業へのソフトランディングとして人気の職種です。
プリセールスは「営業に振り切るのは不安だが、上流の提案や顧客接点には興味がある」というタイプにぴったりです。
エンジニアと営業のいいとこ取りができる希少な職種なので、まずは候補に入れてみてください。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、SaaS企業を中心に急速に重要度が増しているポジションです。
契約後の顧客が成果を出せるよう、運用支援・活用提案・アップセルを担う仕事で、プロダクト理解と顧客対応力の両方が必要です。
エンジニア経験者は、顧客の技術環境を踏まえた現実的な活用提案ができるため、カスタマーサクセスの現場で評価されやすいです。
営業ほどの数字プレッシャーはなく、長期的に顧客と向き合えるため、人と関わる仕事にじっくり取り組みたいタイプに向いています。
年収レンジは500万から800万円で、成果次第でマネージャー職への昇進ルートも明確です。
営業職の種類を業界別に整理した記事もあるので、選択肢の網羅に役立ててみてください。
エンジニアから営業に転職する3つのメリット
エンジニアから営業へ転職する大きなメリットは、市場価値・年収・仕事の手応えの3点に集約されます。
キャリア支援の現場で実際に多くの成功事例を見てきた観点から、現実的なメリットを整理します。
年収アップの可能性が広がる
営業職への転職は、年収レンジの天井が大きく上がる選択です。
エンジニアの給与は基本給とスキル手当で決まるため、上限が見えやすい構造になっています。
一方、営業職はインセンティブや成果報酬の比率が高く、年収の上振れ幅が大きい職種です。
SaaS営業や無形商材の法人営業では、20代で年収1,000万円に届く事例も珍しくありません。
特に「結果を出した分だけ評価される」仕組みは、年功序列で年収が抑えられがちなSIerからの転職では大きな魅力です。
市場価値が高まりキャリアの選択肢が増える
エンジニア×営業のスキルセットは、転職市場で希少性の高い組み合わせです。
営業職だけの経験者は多いですが、技術理解を伴う営業経験者は供給が圧倒的に少ないため、転職市場での評価が高くなります。
5年後・10年後のキャリア選択肢が一気に広がるのもこの組み合わせの強みです。
ITコンサル、プロダクトマネージャー、SaaS企業の事業責任者、スタートアップの共同創業者など、技術と営業の両方が分かる人材を求めるポジションは増え続けています。
下流工程ばかりで成長実感がないなら、今の技術力を上流の課題解決力に転換するキャリア設計から始めてみてください。
すべらないキャリアエージェントでは、エンジニア出身者のキャリア事例を踏まえて現実的な道筋を一緒に整理できます。
営業職の市場価値の伸ばし方については、以下の関連記事も参考にしてみてください。
顧客との直接接点で仕事の手応えが大きくなる
エンジニア時代に「自分が作ったものが誰にどう使われているか分からない」という違和感を抱えていた人にとって、営業職は手応えが段違いです。
顧客の課題を直接聞き、提案し、契約に至り、導入後の効果まで一緒に追える仕事は、達成感の質がエンジニアと全く異なります。
特にカスタマーサクセスやアカウントエグゼクティブのように、長期で顧客と伴走するポジションでは、技術が誰のどんな課題を解決しているかが手触り感を持って分かります。
「人の役に立っている実感が欲しい」というタイプには、営業職は強い充実感を返してくれる選択肢です。
エンジニアから営業転職で押さえるべき3つのデメリット
メリットだけを見て勢いで動くと後悔します。
事前に把握しておくべきデメリットも、現実的な視点で整理しておきます。
評価軸が「プロセス重視」から「結果重視」に変わる
エンジニアと営業の最大の違いは評価軸です。
エンジニアは「決められた仕様を品質高く作り上げるプロセス」が評価されますが、営業は「数字を達成したかどうか」という結果がほぼ全てです。
頑張ったプロセスがあっても、月次の数字が未達なら評価は厳しくなります。
プロセス重視の文化に慣れた人にとって、この変化は最初の半年が特にきついです。
ただし、結果が出れば評価とインセンティブで一気に返ってくる仕組みでもあるため、ゲーム性として楽しめるかが向き不向きを分けます。
営業未経験の場合、最初は年収が下がる場合がある
エンジニアから営業に転職すると、最初の1〜2年はベース給与が下がるケースもあります。
特にエンジニア時代に高い年収を得ていた場合、未経験営業のポジションでスタートすると一時的な年収ダウンは避けられないことが多いです。
ただし、これは中長期で見れば回収可能な投資です。
SaaS営業や無形商材の法人営業で成果を出せば、3年以内にエンジニア時代を超える年収に届く事例も多くあります。
短期の年収ダウンを受け入れられるかが、覚悟を測る一つの指標になります。
目先の年収だけで判断すると、3年後のキャリアの大きな伸びを取り逃します。
中長期で年収を最大化する視点でキャリアを選んでみてください。
客先で頭を下げる場面・断られる場面が増える
営業は、断られる回数がエンジニアの比ではないほど多い仕事です。
新規開拓のテレアポやコールドメール、提案後の失注、価格交渉での折衝など、精神的な打たれ強さが日々試されます。
エンジニア時代も顧客対応や障害対応のプレッシャーはありますが、営業のそれは質が違います。
「自分の人格を否定された」と感じやすい場面が増えるため、メンタルコントロールが下手だと続かない仕事です。
逆にいえば、断られても引きずらない素直さがあれば、営業はとてもやりがいのある仕事になります。
年収はどう変わるか(上がる人・下がる人)
エンジニアから営業への転職で年収がどう変わるかは、選ぶ営業職と現職の年収レンジで決まります。
「営業に行けば年収が上がる」という一般論は半分しか正しくありません。
年収が上がりやすいケース
無形商材の法人営業、SaaS営業、IT営業(外資系含む)に転職する場合は、年収が上がりやすい傾向があります。
これらの領域はインセンティブ比率が高く、成果報酬の天井が高いためです。
例えば、SIerで年収450万円のSEがSaaS企業のフィールドセールスに転職した場合、初年度500万円スタート、2年目で700万円、3年目で900万円という事例があります。
インセンティブが大きい無形商材の法人営業(リクルート系)では、20代で年収1,000万円に届くこともあります。
年収が下がりやすいケース
完全未経験で個人向け営業(住宅営業・保険営業)に転職する場合、最初の数年は年収が下がるケースが多いです。
個人向け営業は基本給が低く、インセンティブ比率の振れ幅も大きいため、初年度は300万から400万円台に落ちることもあります。
また、エンジニア時代に年収700万円以上を得ていた人が完全未経験で営業に行くと、ベース給与の差で一時的な年収ダウンは避けられません。
重要なのは、3年後にエンジニア時代を超えるルートが見える職種を選ぶことです。
中長期で年収を最大化する考え方
短期の年収ダウンを恐れて選択肢を狭めるより、中長期で市場価値を最大化する視点が大事です。
私たちキャリアアドバイザーの経験では、年収を決めるのは「需要が大きい市場」で「他の人に代替されにくいスキル」を持っているかという2点です。
エンジニア×営業のスキルセットは、IT市場の拡大とDX需要の継続でしばらく需要が伸び続けます。
20代でこの掛け合わせを作っておけば、30代で年収1,000万円超え、ITコンサルや事業責任者への道筋まで現実的に見えてきます。
年収は「今いくらか」より「3年後にいくらまで届くか」で考えるのがおすすめです。
逆算してキャリア設計するだけで、選択肢の優先順位が大きく変わってきますよ。
エンジニアから営業に向いている人・向いていない人
エンジニアから営業への転職は、向き不向きがはっきり分かれます。
キャリア支援の現場で実際に成功している人・後悔している人の特徴を整理しました。
向いている人の5つの特徴
エンジニアから営業に向いている人には、共通の特徴があります。
エンジニアから営業に向いている人
- 顧客の課題解決にやりがいを感じる
- 自分の成果が数字で見える環境を楽しめる
- 人と話すこと、人を動かすことが苦ではない
- 技術だけでなくビジネス全体への興味がある
- 短期の年収より中長期の市場価値を優先できる
これらに3つ以上当てはまる人は、営業職への転職が成功する可能性が高いタイプです。
特に「顧客と直接話す手応えが欲しい」「ビジネスサイドへキャリアの軸を広げたい」と感じている人は、営業職への転身がキャリアの転機になります。
向いていない人の5つの特徴
逆に、エンジニアから営業への転職が向いていない人にも共通点があります。
エンジニアから営業に向いていない人
- コードを書く時間が一番楽しい純粋な技術者志向
- 数字のプレッシャーに弱く長期間ストレスを抱えやすい
- 人前で話したり交渉したりするのが極度に苦手
- プロセスより結果で評価される環境が肌に合わない
- 短期の年収ダウンを受け入れる余裕がない
これらに3つ以上当てはまる人は、営業よりも社内SE・プロダクトマネージャー・ITコンサルといった選択肢の方が合う可能性が高いです。
無理に営業に飛び込まず、自分の志向性に合うキャリアを選ぶことが、後悔しない転職の第一歩です。
向き不向きは性格や価値観の問題で、優劣ではありません。
合わないと感じる人は、無理に営業に行くより、上流工程や事業会社のIT部門を検討した方が幸せなキャリアになりますよ。
「営業」以外も選択肢に入れるべき3つのキャリア
エンジニアから営業への転職を考える人の多くは、本当は「下流工程の閉塞感を解消したい」「自分の経験をビジネスサイドで活かしたい」と感じているケースが多いです。
そう感じているなら、営業職だけに絞らず、近接する3つのキャリアも比較対象に入れてみてください。
営業以外も検討すべき3つのキャリア
ITコンサル(上流の課題解決へ)
ITコンサルは、エンジニア出身者にとって最も親和性の高いキャリアアップ先です。
Big4(デロイト・PwC・KPMG・EY)、ベイカレント、アクセンチュア、アビーム、Dirbato、ノースサンドといったファームは、SIer・SES出身者の採用枠を年々増やしています。
業務は要件定義・業務改革・DX戦略・システム導入の上流工程が中心で、エンジニア時代の技術理解がそのまま活きます。
年収レンジは20代後半で700万から1,100万円、30代で1,000万から1,500万円とエンジニア時代から大きく伸びる事例が多いです。
営業ほどの数字プレッシャーがない代わりに、論理的思考と提案資料作成の負荷が高い領域です。
もし「言われたものを作るだけ」の仕事に限界を感じているなら、上流工程に携われるキャリアパスを一度整理してみてください。
すべらないキャリアエージェントでは、SIer出身者がITコンサルに移った具体事例を踏まえて、現実的な道筋を一緒に整理できます。
プロダクトマネージャー(PM)
プロダクトマネージャーは、技術理解とビジネス感覚の両方が求められる職種で、エンジニア出身者が活躍しやすいポジションです。
プロダクトの方向性を決め、開発・営業・カスタマーサクセスを束ねる役割で、SaaS企業を中心に求人が増えています。
年収レンジは600万から1,200万円で、PMの希少性は今後も高まり続ける見込みです。
営業のような直接的な数字責任はないものの、プロダクトの成功にコミットする深いコミットメントが求められます。
エンジニア時代の論理的思考と、ビジネス全体への興味がある人にぴったりの選択肢です。
社内SE・事業会社IT部門
「営業の数字プレッシャーは避けたい」「ワークライフバランスを重視したい」というタイプには、事業会社の社内SE・IT部門への転職もおすすめです。
受託開発と違い、自社のシステム企画・運用・改善に取り組めるため、長期的に同じ事業に貢献している実感を持ちやすい仕事です。
年収はエンジニア時代と同等か微減になるケースが多いですが、その分の労働環境の安定が得られます。
ベンダーマネジメント経験を積めば、社内SEの中でも管理職ポジションに進むルートが見えてきます。
キャリアアドバイザーの相談現場でも「営業はやりたくないが下流工程から離れたい」というタイプの落としどころとして人気です。
エンジニアから営業転職を成功させる5ステップ
エンジニアから営業への転職を成功させるには、勢いではなく順序立てた準備が必要です。
キャリアアドバイザーの相談現場で、実際に転職を成功させた人が踏んでいる5ステップを紹介します。
Step1: 自分の市場価値と「会社内価値」を棚卸す
最初にやるべきは、自分のスキルと経験を「市場価値」と「会社内価値」に分けて棚卸すことです。
キャリア支援の現場では、市場価値は「他社でも通用するスキル」、会社内価値は「その会社でしか通用しないスキル」と定義しています。
担当案件の規模、使用技術、上流工程の経験、マネジメント実績、業界知識のそれぞれを書き出し、転職市場で評価される要素はどれかを整理します。
ここを言語化できていないまま転職活動を始めると、面接で「何ができる人か分からない」と評価されてしまいます。
Step2: キャリアの軸(BEING)を言語化する
次に、自分が10年後にどんな状態でいたいか(BEING)を言語化します。
「年収を上げたい」「営業に行きたい」だけでは判断軸として弱く、ミスマッチにつながりやすいです。
誰のためにどんな価値を提供したいか、どんな働き方を実現したいか、どこまでの責任を背負いたいかを具体的に描いてみてください。
BEINGが定まれば、応募すべき企業の条件と避けるべき条件が明確になり、求人の取捨選択が一気に楽になります。
エンジニア向けのキャリア相談の進め方については、以下の関連記事も参考にしてみてください。
Step3: 営業職の選択肢を5つの軸で比較する
営業職を選ぶときは、5つの軸で比較することをおすすめします。
有形商材か無形商材か、法人向けか個人向けか、新規開拓か既存深耕か、商材の単価帯、業界の成長性の5軸です。
エンジニア経験が活きやすいのは、無形商材×法人×新規開拓×中〜高単価×成長業界の組み合わせです。
具体的にはSaaS営業、IT営業、無形商材法人営業(リクルート系・広告代理店)が該当します。
この5軸で2〜3社をピックアップしてから比較すると、自分の志向性に合う企業が見えやすくなります。
Step4: 業界知識のあるエージェントを活用する
転職市場の出来レース構造を考えると、業界知識のある転職エージェントの活用が成功率を大きく左右します。
エンジニア出身者の営業転職を支援してきた実績があるエージェントなら、非公開求人や企業内部の情報にもアクセスできます。
エージェント選びの基準は、IT領域とビジネスサイドの両方に強い担当者がいるか、エンジニア出身者の支援実績があるか、求人を機械的に紹介するのではなく軸から逆算してくれるかの3点です。
複数のエージェントに登録して比較することも有効ですが、軸の言語化を一緒にやってくれるパートナーを1社見つけることが結果的に近道です。
Step5: 志望動機を「エンジニア経験との接続」で語る
最後のステップは、面接で語る志望動機の設計です。
エンジニアから営業の場合は「なぜ営業なのか」「なぜエンジニアを辞めるのか」「営業でどう貢献するか」を一貫したストーリーで語る必要があります。
ありがちな失敗は「人と話す仕事がしたかった」「成長したかった」という抽象論で終わってしまうことです。
これでは熱量が伝わらず、書類選考で落ちやすくなります。
逆に強い志望動機は「エンジニア時代に顧客課題の解像度が低いまま開発が進む現場を見てきたので上流の課題定義に関わりたい」というように、エンジニア時代の経験と営業を一本のストーリーで接続するパターンです。
ビジネス成果を意識した語り方ができると、書類通過率と面接評価が一段上がります。
営業職の志望動機の書き方については、以下の関連記事も具体例豊富なので参考にしてみてください。
入社後半年以内の退職率1.5%以下という実績が示す通り、キャリアの軸から逆算した転職はミスマッチが起きにくくなります。
自分の軸を言語化するところからプロと一緒に進めれば、後悔の少ない選択にたどり着きやすいですよ。
エンジニアから営業転職に関するよくある質問
最後に、エンジニアから営業転職を考える人から特に多く寄せられる質問にまとめて答えていきます。
意思決定で迷いやすいポイントを短くまとめているので、自分の状況に近い項目を参考にしてみてください。
30代でもエンジニアから営業に転職できるか
30代でも可能ですが、20代より選択肢は絞られます。
特に30代前半までであれば、ITコンサル・SaaS営業・プリセールスといった経験が活きる職種への転身は十分現実的です。
30代後半以降は完全未経験での営業転職は難しくなるため、プリセールスやアカウントエグゼクティブなど技術知識が必須のポジションを狙う方が成功率が高くなります。
エンジニアから営業に転職する人は何割くらいいるか
キャリア支援の現場感覚では、SE全体のうち2〜3割程度が30代前半までに何らかの形でビジネスサイドに移っている印象です。
営業以外にもITコンサル、PM、社内SEへの転身を含めると、純粋なエンジニア継続組は半数程度というのが体感値です。
それだけ、エンジニア出身者がビジネスサイドで活躍する道筋は一般的になっています。
営業未経験で受かりやすい業界はあるか
SaaS、IT営業、無形商材の法人営業(リクルート系・広告代理店)は、エンジニア未経験営業の受け入れ実績が豊富です。
特にSaaS企業はエンジニア出身営業を積極採用しており、20代後半までであれば書類選考の通過率も高めです。
個人向け営業(住宅・保険)は受かりやすい一方、ベース給与が低めなので、年収目線では慎重に判断することをおすすめします。
エンジニアから営業の志望動機はどう書けばいい
「エンジニア時代の経験と営業への興味を一本のストーリーで接続する」のが鉄則です。
抽象的な「人と話したい」ではなく「顧客課題の解像度が低いまま開発が進む現場を見てきたので上流の課題定義から関わりたい」というように、エンジニア時代の具体的な気づきを起点に語ると説得力が出ます。
営業でどう貢献するかまで一貫した話に仕上げると、書類通過率が上がります。
エンジニアから営業に転職して後悔する人の特徴は
後悔するパターンは大きく3つで「数字のプレッシャーが想像以上にきつかった」「ベース給与の下落を受け入れられなかった」「個人向け営業に流れてキャリアの汎用性が下がった」というケースです。
逆に成功する人は、向き不向きを事前に見極めて、無形商材法人営業やSaaS営業のように中長期で年収が伸びる職種を選んでいる傾向があります。
営業をやって合わなかったらエンジニアに戻れるか
20代後半までであれば、エンジニアに戻ることは十分可能です。
3年程度の営業経験を経てもエンジニアスキルは陳腐化しにくく、特にプリセールスやセールスエンジニアなど中間ポジションを経由していれば技術力も維持できます。
「合わなかったら戻れる」という安全網がある選択肢を選んでおくと、心理的な負担が軽くなります。
まとめ|エンジニア経験は営業でも武器になる
エンジニアから営業への転職は、20代であれば十分現実的で、市場価値の伸びしろも大きいキャリアチェンジです。
技術翻訳力、論理的思考、ITリテラシー、開発との折衝経験、プロダクト理解という5つの強みは、IT営業・SaaS営業・プリセールスといった営業職で大きな武器になります。
一方、評価軸の変化や数字のプレッシャー、短期的な年収ダウンといったデメリットもあるため、向き不向きを見極めることが大切です。
営業職だけでなく、ITコンサル・PM・社内SEといった選択肢も含めて比較することで、自分のキャリアの軸に合う最適解にたどり着きやすくなります。
ここまで解説してきたとおり、下流工程の閉塞感を「市場価値の高い経験」に転換できるのが、エンジニアから営業へのキャリアチェンジの本質です。
迷っている段階から相談できるので、自分の軸の言語化から一歩を踏み出してみてください。
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転職市場では「年齢相応の経験」が常に問われます。
20代のうちにエンジニア×営業の掛け合わせを作っておくと、30代以降のキャリアの幅が一気に広がりますよ。