
失業保険の手取りはいくら?計算方法と年収別シミュレーション
失業保険の計算方法や手取りの関係を解説します。
本記事では、失業保険がいくらもらえるか、手取り額と賃金日額の違い、年代別の給付額シミュレーションについても解説します。
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失業保険の手取りを計算する3つのステップ
失業保険の受給額は下記に挙げたような3つのステップで計算できます。
「難しそう」と感じるかもしれませんが、退職前の給与明細さえ手元にあれば、順を追って計算できますよ。
失業保険の計算する3つのステップ
賃金日額を計算する
賃金日額とは失業保険の支給額を計算するベースとなる1日あたりの給与額で「退職前6ヶ月間の給与合計÷180日」で求められます。
計算に使う給与はボーナスを除いた毎月の支給額の合計です。
| 手取り金額 | 給与所得額(額面) | 賃金日額(失業保険の支給基準額) |
|---|---|---|
| 約15万円 | 約19万円 | 約6,333円 |
| 約20万円 | 約24万円〜26万円 | 約8,000円〜8,666円 |
| 約25万円 | 約30万円〜33万円 | 約10,000円〜11,000円 |
| 約30万円 | 約35万円〜40万円 | 約11,666円〜13,333円 |
| 約35万円 | 約42万円〜46万円 | 約14,000円〜15,333円 |
| 約40万円 | 約50万円〜53万円 | 約16,666円〜17,270円(上限) |
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当について」
例えば月収(額面)25万円の場合、150万円÷180日=賃金日額は約8,333円となります。

賃金日額の計算に使う「給与」は、手取りではなく額面(総支給額)です。
給与明細の「支給合計」欄の数字を使ってください。交通費や住宅手当など非課税のものも含めてOKです。
基本手当日額を算出する
基本手当日額は賃金日額に給付率(50〜80%)をかけて算出します。賃金が低いほど給付率が高くなる設計で、低所得者ほど手厚い保障が受けられます。
受け取れる金額には上限があり、令和7年8月1日現在の基本手当日額の上限は以下の通りです。基本手当日額の下限は2,295円(令和7年8月1日現在)です。
| 年齢 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 30歳未満 | 7,255円 |
| 30歳以上45歳未満 | 8,055円 |
| 45歳以上60歳未満 | 8,870円 |
| 60歳以上65歳未満 | 7,623円 |
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の受給要件・手続きについて」

給付率は「賃金が低いほど高い率が適用される」逆進的な設計です。
月収20万円台の人なら70〜75%前後が多く、月収30万円台になると60〜65%程度に下がるイメージを持っておくと計算しやすいですよ。
受給日数を確認する
受給できる所定給付日数は、被保険者期間・退職理由・年齢の3つで決まります。自己都合退職の場合は年齢に関係なく被保険者期間のみで決まります。
自己都合退職の給付日数(年齢不問)
- 被保険者期間1年以上10年未満 → 90日
- 被保険者期間10年以上20年未満 → 120日
- 被保険者期間20年以上 → 150日
会社都合退職(特定受給資格者)の場合は、年齢と被保険者期間の組み合わせで最大330日まで受給できます。
| 被保険者期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 1年以上 5年未満 |
5年以上 10年未満 |
10年以上 20年未満 |
20年以上 | |
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
| 30歳以上 35歳未満 |
120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
| 35歳以上 45歳未満 |
150日 | 240日 | 270日 | ||
| 45歳以上 60歳未満 |
180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
| 60歳以上 65歳未満 |
150日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
ハラスメントや給与未払いが理由の場合、自己都合でも特定理由離職者として会社都合と同じ扱いになることがあります。離職理由に納得がいかない場合はハローワークに相談しましょう。

給付日数が変わると受給総額に数十万円の差が出るので、迷ったら窓口で確認してください。
【月収・退職理由別】失業保険の手取りシミュレーション
計算方法がわかったところで、実際にいくら受け取れるのかをシミュレーションで確認しましょう。
ここでは、月収別の受給額目安と自己都合・会社都合での受給総額の違いを比較します。
月収別の受給額目安と退職理由での受給総額の違い
月収別の基本手当・月受給額の目安
厚生労働省が公表しているデータをもとに、月収(額面)別の受給額の目安をまとめました。
| 月収(手取り) | 月収(額面)の目安 | 賃金日額の目安 | 月受給額の目安 |
|---|---|---|---|
| 約15万円 | 約19万円 | 約6,333円 | 約11.2万円 |
| 約20万円 | 約24〜26万円 | 約8,000〜8,666円 | 約13.9万円 |
| 約30万円 | 約35〜40万円 | 約11,666〜13,333円 | 約17.3万円 |
出典:厚生労働省「Q&A〜労働者の方へ〜」
月受給額は「基本手当日額×30日」で概算できますが、実際の認定対象期間によって若干変わります。あくまで目安として参考にしてください。

月収20万円の人が受け取る月13.9万円は、前の給与のおよそ70%に相当します。
受給中の生活費の支出と照らし合わせ、何ヶ月生活できるかを事前にシミュレーションしておくと安心です。
退職理由で受給総額が大きく変わる
退職理由によって給付日数が大きく異なるため、受給総額にも相当な差が生じます。「月収20万円・勤続7年・35歳」を例に比較すると、以下のようになります。
| 退職理由 | 基本手当日額 | 給付日数 | 受給総額 |
|---|---|---|---|
| 自己都合退職 (一般の離職者) |
4,633円 | 90日 | 約41.7万円 |
| 会社都合退職 (特定受給資格者) |
4,633円 | 150日 | 約69.5万円 |
同じ人でも退職理由の違いだけで約28万円の差が出ます。
さらに自己都合では給付制限期間(原則1ヶ月、過去5年に2回を超える場合は3ヶ月)があり、実質的な収入空白はさらに長くなります。

退職前に「会社都合になる余地がないか」を確認しましょう。
ハラスメントや給与未払いが理由の場合、特定受給資格者として扱われることがあります。
失業保険を受け取るための3つの条件
失業保険を申請しても、一定の条件を満たしていなければ受給できません。
「当然もらえると思っていたのに対象外だった」というトラブルを防ぐために、3つの条件を事前に確認しておきましょう。
失業保険を受け取るための3つの条件
雇用保険の加入期間が一定以上あること
失業保険を受け取るには、離職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あることが必要です。
会社都合退職・特定理由離職者の場合は、離職前1年間に6ヶ月以上あれば受給資格を得られます。
アルバイト・パートとして加入していた期間も合算できるので、複数の職場を経験している場合は、各職場の被保険者期間を合算して確認しましょう。

「雇用保険に加入しているかどうか自信がない」という場合は、退職前に会社の担当部署か年金事務所に確認するのが確実です。
週20時間以上・31日以上の雇用見込みがあれば加入義務があります。
失業の状態にあること
失業保険は「今すぐ働ける状態であること」「積極的に仕事を探していること」の両方が必要です。
病気・ケガ・妊娠・育児・介護で当面働けない場合は受給対象外ですが「受給期間の延長申請」をおこなうことで最大4年間、受給開始を先延ばしにできますよ。

すぐに転職活動を始められない事情がある場合は、受給期間延長の手続きを早めに取ることが大切です。
延長申請は離職後30日を過ぎた翌日から受付されます。手続きを忘れると受給期間が自動的に消化されてしまうので注意してください。
ハローワークへ求職申込みを済ませていること
失業保険はハローワークに求職申込みをした上で、初めて受給手続きが始まります。
離職票が手元に届いたら、できるだけ早めにハローワークへ行き、求職申込みと受給資格の認定を受けましょう。
申請が遅れると、その分だけ受給開始も後ろ倒しになります。離職票は退職後10日前後に自宅へ届くことが多いですが、届かない場合は会社の担当者に催促しましょう。

ハローワークへの届け出は「受給できる期間(通常離職日翌日から1年)の起算点」でもあります。
申請が1ヶ月遅れればその分だけ受給できる期間も短くなるので、離職票が届いたら早めに動くことが損をしないコツですね。
失業保険の申請手続きと受給開始までの流れ
申請手続きは複雑に見えますが、流れを把握しておけばスムーズに進められます。
ここでは、離職から最初の振り込みまでのステップと、申請に必要な書類を整理します。
申請手続きと受給開始までの流れ
申請に必要な書類と手続きの流れ
ハローワークへ持参する書類は以下のとおりです。
ハローワークへの持ち物リスト
- 離職票-1・2(退職後に会社から郵送されてくる)
- 雇用保険被保険者証(退職時に会社から受け取る。紛失した場合はハローワークで再発行可能)
- マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証などの身分証明書)
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
- 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 印鑑
書類がそろったらハローワークで求職申込みをおこない、「受給資格の決定」を受けます。その後、7日間の「待機期間」が設けられます。

離職票が届く前でも、マイナポータルを使ってオンラインで仮登録できる場合があります。
窓口に並ぶ手間を省けますし、事前登録しておくと初回の手続きがスムーズになるので活用してみてください。
待機期間と給付制限期間の違い
全ての離職者に7日間の待機期間がありますが、自己都合退職の場合はさらに給付制限期間が加わり、この期間は給付を受け取れません。
手続き完了から最初の振り込みまでの流れは以下のとおりです。
申請〜初回振り込みまでの流れ(自己都合の場合)
- ハローワークで手続き → 7日間の待機期間
- 待機期間終了 → 2ヶ月の給付制限期間(受給なし)
- 給付制限終了 → 最初の認定日(求職活動実績を報告)
- 認定から約1週間後 → 初回振り込み
手続きから最初の振り込みまで約2ヶ月半かかります。
退職前に生活費の余裕をどれだけ確保できるかが、焦らず転職活動を進められるかどうかの分かれ目になります。

自己都合退職の場合、給付が始まるまでの期間を見越して少なくとも2〜3ヶ月分の生活費を手元に確保してから、退職するのがおすすめです。
認定日のスケジュールと求職活動実績の作り方
「認定日」とはハローワークで受給資格の継続確認をおこなう日のことで、通常4週間に1度設定されます。
認定日までに2回以上の求職活動実績を作ることが、受給継続の条件です。
求職活動実績として認められる主な行動は以下のとおりです。
求職活動実績として認められる主な行動
- ハローワークへの求人応募・職業相談
- 民間の転職エージェントへの登録・相談面談
- 転職フェア・就職セミナーへの参加
- 求人サイトからの応募

転職エージェントに登録して面談を受けるだけで1回分の実績になります。
ハローワークに毎回出向く手間を省けますし、次の仕事探しも並行して進められるので一石二鳥です。
動画視聴で求職実績作りもできるので、急ぎで求職活動の実績を作りたい場合は活用してみてくださいね。
| エージェント▼ | ポイント▼ | 公式サイト▼ |
|---|---|---|
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失業保険と転職活動を両立するポイント
失業保険の受給期間は「次の仕事を探すための時間」でもあります。
給付制限期間中も含め、早めに転職活動を始めることで、受給が終わるころには内定が出ている状態を目指しましょう。
転職エージェントへの相談が求職活動実績になる
転職エージェントへの登録・相談面談は求職活動実績として認定されます。
転職先のイメージが固まっていない段階からでも相談でき、失業保険の受給中に活用するのに最適です。

ハローワークには出てこない好条件の求人も多く、非公開求人を含む幅広い選択肢を提示してもらえるので、早めに登録しておきましょう。
早期再就職で受け取れる再就職手当
受給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている状態で再就職が決まると「再就職手当」を一括で受け取ることができます。
| 残日数の条件 | 計算式 |
|---|---|
| 所定給付日数の2/3以上残っている場合 | 基本手当日額 × 残日数 × 70% |
| 所定給付日数の1/3以上残っている場合 | 基本手当日額 × 残日数 × 60% |
例えば基本手当日額4,633円・残日数60日(2/3以上)の場合、4,633円×60日×70%=約19.5万円を一括で受け取れます。早く再就職するほど多く受け取れる設計です。

失業保険を全部もらってから転職しようと考える人は多いですが、再就職手当を含めるとトータルの受取額が多くなるケースも珍しくありません。
給付制限期間中から転職活動を始めておくべき理由
自己都合退職の場合、待機期間(7日)+給付制限期間(1ヶ月)の間は失業給付を受け取れません。この期間こそ転職活動を本格化させる絶好のタイミングです。
給付制限期間中にエージェントへの登録・面談や求人応募を進めておくと、給付が始まるころには面接の手応えも出てくる段階に入れます。

給付制限期間中は実績提出の義務はありませんが、この時期に動き出しておくと認定日に向けて焦らずに済みますよ。
失業保険に関するよくある質問
失業保険の仕組みについて、受給中によく寄せられる疑問をまとめました。
アルバイトをすると失業保険が減額・停止になる?
受給中にアルバイトをした場合、収入の額によって基本手当が減額または支給停止になることがあります。
1日4時間以上または週20時間以上働いた場合は「就職した」とみなされ、その日分の基本手当が支給されません。
アルバイトをした場合は必ず認定日にハローワークへ申告が必要です。申告漏れは不正受給とみなされるので注意しましょう。
受給中に扶養に入れる?
失業保険の基本手当日額が3,612円以上(60歳以上65歳未満は5,000円以上)の場合、配偶者の健康保険の被扶養者になることができません。
受給が終わった後に扶養に入ることは可能です。手続きのタイミングは、加入している健康保険組合に確認するのが確実です。
受給期間が終わっても転職先が決まらない場合は?
受給期間(通常は離職日の翌日から1年間)を過ぎると、残日数が残っていても給付は終了します。
その後は国民健康保険・国民年金に自費で加入して転職活動を続けることになります。
長引きそうだと感じたら転職エージェントに戦略の見直しを相談するのが、最短で次の職場に辿り着く近道です。
まとめ
失業保険の手取り額は、賃金日額に給付率をかけた「基本手当日額」を求め、それに受給日数をかけて計算します。
厚生労働省のデータをもとにした目安では、月収20万円(額面)なら月約13.9万円、月収30万円(額面)なら月約17.3万円が目安です。
受給中はただ待つのではなく、転職エージェントへの相談で求職活動実績を積みながら次の仕事探しを並行して進めましょう。











