作業療法士が企業で働くには?病院との違いと求められるスキル
作業療法士が一般企業で働くためのポイントを、病院勤務との違いや転職先の大手企業の傾向まで解説します。
メリット・デメリット、求められるスキルや向いている人の特徴も紹介しますので、参考にしてくださいね。
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作業療法士(OT)は企業で働ける
作業療法士は病院や介護施設に加えて、企業でも働くことができます。
近年は高齢化や多様な働き方の広がりに伴い、医療・福祉の知識を持った人材を企業が求めるケースが増えています。
企業が作業療法士を必要とする理由
企業が作業療法士を採用するのは、現場のリアルなニーズや身体の使い方に関する専門知識を持っているからです。
医療・福祉用品メーカーでは、リハビリ用具や日常生活補助具を作る際に、使用者の視点で改良点を提案できます。
また、従業員の健康管理や復職支援をおこなう産業保健の分野でも、ケガや病気からの職場復帰に向けた環境調整やアドバイスが可能です。
企業で働く作業療法士求人の傾向
作業療法士の企業求人は、医療機関に比べて数はまだ多くありませんが、ここ数年で着実に増加しています。
求人は都市部に集中する傾向がありますが、リモート勤務や出張を組み合わせた全国対応の仕事も少しずつ広がっています。
病院とは違い、即戦力としての実務経験やコミュニケーション能力を重視する傾向があります。
そのため、自分の経験やスキルを具体的にアピールできる準備が大切ですね。
作業療法士(OT)が企業で活躍できる業界
作業療法士の人の生活を支える専門知識は、病院や施設だけでなく企業のさまざまな分野で求められています。
特に、人の動きや生活環境に直結する業界では、製品やサービスの質を高めるうえで作業療法士の視点が欠かせません。
医療・福祉用品メーカー
リハビリ器具、車いす、義肢装具、日常生活補助用品などを開発するメーカーでは、作業療法士の経験が大きな武器になります。
製品の試作品を実際に使い、利用者の目線から改良点を提案できるのは医療現場経験者ならではの強みです。
高齢化や在宅医療の広がりにより、この分野の需要は着実に増えています。
行政・自治体・保険業界
行政・自治体・保険業界における介護予防や高齢者支援への取り組みは、年々重要性を増しています。
介護保険制度や地域包括ケアシステムの運営、障害者支援、地域住民の健康づくりといった分野で、作業療法士が専門知識を活かして制度設計や事業の改善提案をおこなうことがあります。
医療と利用者をつなぎ、必要な制度やサービスにスムーズにアクセスできるよう支える存在です。
福祉ベンチャー・スタートアップ系
新しい介護・福祉サービスを提供するベンチャー企業やスタートアップでは、柔軟な発想と現場経験を併せ持つ作業療法士が歓迎されます。
大企業に比べて業務の幅は広く、企画から実行まで携わることが多いのも特徴です。
従来の製品では対応できなかった利用者の動きを改善する新機能の提案など、現場で感じた課題を新しい形で解決できるやりがいもあります。
作業療法士が企業に転職することについて、さらに詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
作業療法士(OT)の企業での職種と働き方
作業療法士の活躍の場は病院や施設だけでなく、一般企業にも広がっています。
企業では、医療現場とは違う形で専門知識を生かし、多方面の職種での活躍が期待されます。
企業内での作業療法士の職種
企業での作業療法士の職種は、業界や事業内容によってさまざまですが、以下のような例があります。
職種 | 内容 |
---|---|
商品開発・企画職 | 医療・福祉機器や生活支援用品の設計・改良に関わり、使いやすさや安全性を高める役割。 |
営業・コンサルタント職 | 製品やサービスの導入先に対し、使い方や活用方法を指導する。 現場の課題に即した提案をおこなう。 |
研修・教育担当 | 社員や顧客に向けて、介護予防や身体の使い方に関する研修をおこなう。 |
健康経営・産業保健領域 | 社員の健康管理や職場環境の改善に取り組み、企業全体のパフォーマンス向上を支える。 |
このように、企業では直接リハビリをおこなうだけでなく、企画・教育・コンサルティングなど幅広い働き方があります。
病院勤務との業務内容の違い
病院勤務と企業勤務では、求められる役割や1日の過ごし方が大きく異なります。
時間帯 | 病院勤務OT | 企業勤務OT |
---|---|---|
9:00~ | 病棟回診・患者の状態確認 | 朝礼・チームミーティング |
10:00~ | 個別リハビリ | 企画会議・プロジェクト打ち合わせ |
12:00~ | 昼休憩 | 昼休憩 |
13:00~ | 個別リハビリ・集団活動 | 資料作成・データ分析 |
15:00~ | カンファレンス・記録作成 | 社外との打ち合わせ・提案準備 |
17:00~ | 翌日の準備・記録整理 | メール対応・翌日の調整 |
病院では患者さんと直接関わる時間が中心ですが、企業では打ち合わせや企画立案、データ分析などの業務が多くなります。
どちらも作業療法士としての視点は活かせますが、関わり方やアウトプットの形が違うため、働くイメージを明確にすることが大切ですね。
「こんな働き方もあるんだ」と思ったら、まずは気になる業界や求人を確認してみてください。
小さな一歩が新しい可能性につながるので、まずは実際の求人情報をチェックしてみるといいですよ。
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企業で求められる作業療法士(OT)のスキル
企業で働く作業療法士には、医療現場で培った専門性に加えて、ビジネスの現場で通用するスキルも必要です。
観察・傾聴・環境調整力
作業療法士はもともと、人の動作や生活環境を細かく観察し、以下のような改善点を見つける力に長けています。
改善点を見つける力
- 観察力
相手の行動や使い方を丁寧に見て、課題や改善点を把握する
- 傾聴力
顧客や利用者の意見を丁寧に聞き取り、本当のニーズを引き出す
- 環境調整力
利用者や社員が快適に作業できる環境を提案・整備する力は、企業でも高く評価される
企業ではこれを活かし、製品やサービスの使いやすさの検証、顧客の潜在的な課題の発見などに役立てられます。
報告・調整能力
企業では、観察や分析だけでなく、それを的確に共有する力が必要です。
的確に共有する力
- 報告力
現場での情報や分析結果を、誰が見ても分かる形にまとめる
- 調整力
開発部門、営業部門、クライアントなど複数の関係者の意見をまとめ、最適な形に落とし込む
このようなスキルは、医療現場でのカンファレンスや多職種連携で培った経験が土台になります。
作業療法士の強みとして活かせる部分といえます。
作業療法士(OT)が企業で働くメリットとデメリット
企業で働く作業療法士には、医療現場とは異なるやりがいや課題があります。
働き方や求められる役割が変わるため、転職を考える際は両面を理解しておくことが大切です。
作業療法士が企業で働くメリット
作業療法士が企業で働く場合、以下のようなメリットが挙げられます。
作業療法士が企業で働くメリット
- 多様なキャリアの広がり
- 成果が形として残りやすい
- ワークライフバランスの改善
- 収入や待遇の変化
医療や介護現場では得られない知識や経験を積むことができ、マーケティング・商品開発・人材育成など新たな分野に関われます。
また、病院勤務と違い、新商品の完成やサービス改善など、自分の関わった仕事が目に見える形で社会に広がる達成感があります。
企業によっては夜勤や休日出勤がなく、規則的な生活が送りやすいといえます。
ワークライフバランスを優先したい人は、家庭やプライベートとの両立もしやすくなりますね。
業種や職種によっては、病院勤務よりも高い給与水準や福利厚生が整っているケースもありますよ。
作業療法士が企業で働くデメリット
一方、企業で働く作業療法士は、以下のようなデメリットを感じるかもしれません。
作業療法士が企業で働くデメリット
- 医療資格の活かし方が限定される
- 成果や評価基準が異なる
- ビジネススキルが必須
- 社内文化に適応しにくい
企業では臨床業務がないため、直接的なリハビリ技術を使う場面は少なくなります。
医療では患者の回復や生活の質の向上が評価軸ですが、企業では売上や業務効率など数字で評価されることが多いです。
医療専門職としての視点だけでなく、マーケティングや経営感覚、プレゼン能力などが求められるため、学び直しが必要な場合があります。
企業には医療現場とは異なる社内ルールやコミュニケーションの取り方に慣れることも求められます。
企業で働く作業療法士は、新しい可能性と同時に新しい壁にも出会うことになります。
どちらも理解した上で、自分の価値観やライフスタイルに合う選択をすることが大切ですね。
転職に迷ったら情報収集から始めるのがおすすめです。
実際に働いている人の声や体験談を読むと、「自分ならどうだろう?」とイメージしやすくなりますよ。
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企業で働くのに向いている作業療法士の特徴
企業での仕事は、医療現場とは求められるスキルや姿勢が異なるため、向き不向きが出やすいといえます。
ここでは、企業で活躍しやすい作業療法士の特徴を整理しました。
企業で働くのに向いている作業療法士
企業で活躍しやすい作業療法士には、いくつかの共通点があります。
企業で働くのに向いている作業療法士
- 変化や新しいことを楽しめる人
- 相手の立場に合わせた発信ができる人
- 数字や結果を意識できる人
- チームワークと自律のバランスが取れる人
企業では、業務内容や関わる部署が変わることもあるため、状況に合わせて柔軟に動ける作業療法士が活躍しやすいといえます。
専門用語を分かりやすく伝えたり、部署ごとの優先順位に合わせて業務を調整できると、社内外でスムーズに話が進みます。
また、売上などの指標を意識し、行動できる視点も大切ですね。
上司や同僚と連携しながらも、自分の役割を自分で見つけて動ける自律性があると、プロジェクトを前に進めやすくなります。
企業で働くのに向いていない作業療法士
企業での仕事が合わない可能性がある作業療法士にも、いくつかの共通点があります。
企業で働くのに向いていない作業療法士
- 変化よりも安定を強く求める人
- 臨床スキルを常に活用したい人
- 数字で評価されることに抵抗がある人
- 決められたやり方から外れるのが苦手な人
仕事内容や方針の変化が頻繁にある企業では、変化よりも安定を強く求める人はストレスを感じやすい傾向があります。
企業勤務では毎日リハビリ実務をおこなうわけではなく、利益や効率化など数字を基準にした評価が多いので物足りなさがあったり、不満がたまりやすいです。
医療現場ほどマニュアルやルールが明確でないケースも多いので、決められたやり方から外れるのが苦手な人は適応が難しくなることがあります。
作業療法士(OT)が企業で働く際によくある不安
企業への転職を考えるとき、多くの作業療法士が共通して抱く不安をまとめました。
資格を活用できないのでは?
作業療法士免許は臨床向けの資格ですが、企業でも活かせる場面は多くあります。
福祉機器メーカーでの商品設計や、企業の健康経営プロジェクトでの職場環境改善は、作業療法士ならではの専門性が活かせます。
現場経験が無駄になる?
臨床で培った観察力や評価力、相手に寄り添う姿勢は企業でも重視されます。
製品の使いやすさの評価や、顧客・社員への研修などにそのまま応用できます。
現場経験は形を変えて企業での仕事に直結するので安心してくださいね。
異業種で自分の力は通用する?
企業は医療と違う視点を期待して作業療法士を採用します。
知識やスキルは入社後に身につけられるため、不安は強みに変わりますよ。
作業療法士が異業種へ転職することについて、さらに詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
作業療法士が企業で働くための準備
企業への転職を成功させるには、事前の準備が重要です。
自分に合った環境や働き方を見つけるために、押さえておきたいポイントがあります。
企業と求人情報の収集をおこなう
まずは、自分が関心のある企業や職種の情報を幅広く集めることから始めます。
求人情報は、仕事内容や応募条件、勤務地、勤務形態、給与などを細かく確認し、条件に優先順位をつけて整理します。
情報源は、医療職向け転職サイトだけでなく、一般的な求人媒体、企業の公式採用ページ、業界団体のサイトなど複数を活用すると効果的ですね。
SNSでの企業アカウントもチェックすると、公式サイトではわからない雰囲気や最新情報も得られます。
スキルの棚卸しと強みを理解する
企業での仕事は、臨床でのスキルをそのまま使うだけではなく、形を変えて活かすことが多いです。
これまで経験した業務や培った能力を一度整理し、自分の強みを言語化しておくことが大切です。
観察力・傾聴力・環境調整力、これらを「企業の課題解決にどう役立つか」という視点でまとめると、自己PRで説得力が増しますよ。
キャリアの専門家に相談する
医療職から企業への転職は、業界構造や採用基準の違いから、自己判断だけでは見落としが出やすいです。
転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談することで、業界動向や非公開求人の情報を得られます。
また、職務経歴書や面接対策についても、第三者の視点でフィードバックをもらうことで完成度が高まりやすくなります。
企業で働く作業療法士は、現場経験や人との関わり方を強みに、さまざまな分野で活躍できます。
「自分の資格や経験をもっと広く活かしたい」そう感じたら、今が動くタイミングです。
まずは気になる業界や求人をチェックして、新しいキャリアへの一歩を踏み出してみてくださいね。
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医療現場で得た「人の生活を全体的に見る視点」は、製品やサービスを人にやさしいものへと進化させる力になります。
この視点は、作業療法士ならではの強みといえますね。