【薬剤師パートにおすすめの職場完全版】扶養内・外の働き方と時給相場

パート薬剤師の働き方とは？正社員・派遣・単発の違い

薬剤師としての働き方は、正社員だけではありません。

ライフスタイルや希望条件に応じて、パート・派遣・単発と多様な選択肢があります。

特にパートでの薬剤師勤務は、家庭や育児との両立を重視する人には重要な働き方です。

パート薬剤師の働き方の基本から、他の雇用形態との違いを解説しますね。

パート・アルバイト・単発勤務の違い

パートとアルバイトは、法律上明確な区別がありません。

パートは週数日・短時間の継続的な勤務形態を指すことが多く、社会保険の加入や定期的なシフト制で働くケースが主流になります。

アルバイトはより柔軟で短期的な勤務を指すことが多く、単発勤務は、1日〜数日のスポット勤務とされることが多いです。

パートは、柔軟な働き方が可能なため、家庭や育児との両立を重視する人の雇用方法として、実際に多くの職場で採用されています。

薬剤師のパートであれば、スキルを活かしながら自分のペースで働ける点も大きな魅力です。

薬剤師の単発勤務について、もっと詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。

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薬剤師の単発派遣の働き方とは？高時給？単発バイトとの違いも解説

正社員・派遣との違い

パート薬剤師と正社員・派遣の違いをまとめてみました。

パート薬剤師として働く場合、勤務時間・収入の安定性・柔軟性に注意をすると、納得のいく転職が出来そうですね。

派遣については以下の記事でも詳しく解説しているので、興味のある人は参考にしてみてください。

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パート薬剤師として働くメリットとデメリット

パート薬剤師として働く場合にも、メリットとデメリットがあります。

子育てや介護の忙しさの中で「薬剤師として安定して働き続けたい」人にとって、時間の融通が利くパート薬剤師は適しています。

一方で、正社員との収入差や、やりがいに欠けると感じることも少なくありません。

ただし、上記のメリット・デメリットは、職場によって異なる場合がありますから、実際に働く場所を選ぶ際の判断材料として、参考にしてください。

パート薬剤師の時給相場は？地域・職場別の比較

パート薬剤師として働く上で、気になるのが「時給相場」です。

厚生労働省の統計をもとに、地域別・職場別にパート薬剤師の時給相場を比較してみました。

地域別｜都道府県別の平均時給

パート薬剤師の時給は、都市部と地方で大きく異なります。

以下は、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」から、短時間勤務の女性労働者（「医療・福祉」分野）における、都道府県別の平均時給をまとめたものです。

上記のデータは、「医療・福祉」業界全体における女性の平均時給であり、薬剤師のみに限定したものではありませんが、地域ごとの傾向を把握するうえで参考になります。

都市部で時給が高くなる背景には、物価水準の高さが影響していると考えられます。

そのため、都市部と地方での時給差も、生活水準を考えればそれほど大きな違いには感じられないかもしれませんね。

職場別｜調剤薬局・ドラッグストア・病院の平均時給

職場別パート薬剤師の平均時給の調査結果は以下のとおりです。

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の産業別月給額をもとに、時給換算したものです。

なお、上記はあくまで産業全体の賃金データにもとづくもので、薬剤師のみを対象とした結果ではありませんので、参考数値となります。

一方で、厚生労働省による令和５年賃金構造基本統計調査では、短時間勤務の女性薬剤師の平均時給は2,846円となっています。

パート薬剤師の実際の時給は、上記の産業別平均よりもやや高めの水準である傾向がうかがえます。

扶養内で働く？外れる？収入に合った働き方

パート薬剤師として働くときに必ずと言っていいほど話題に上るのが、「扶養の壁」です。

扶養内に収めるのか、あえて外れてフルパートで働くのかは、ライフスタイルや希望収入によって変わってきます。

扶養の壁とは？103万・106万・130万・150万・201万円の違い

「扶養」とは、税制や社会保険の制度において、一定の条件を満たす配偶者や家族を「扶養家族」として扱うことで、税金や社会保険料の負担が軽減される仕組みです。

扶養にはいくつかの「壁(年収の基準)」があり、それぞれが税金や社会保険の負担に関わる重要なラインとなります。

2024年10月からは、従業員数が51名以上の事業所は条件により、短時間労働者でも社会保険の加入が義務付けられるなどの基準の見直しがあるため、定期的に確認が必要です。

週何日働く？パート薬剤師の収入シミュレーション

ここでは、代表的な勤務パターン別に、年収の目安をシミュレーションしてみました。

想定時給は2,000円で計算しています。

自分の条項や配偶者の勤務先の制度、仕事を探す勤務先の状況に応じて社会保険の加入は変わります。表内のものは目安と考え、必ず個別で確認しておきましょう。

パート薬剤師におすすめの職場はどこ？職場ごとの特徴

薬剤師の資格を活かせる職場は、調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業などさまざまです。

それぞれの職場には特徴があり、パートとして働くうえでも向き不向きがあります。

調剤薬局の特徴

調剤薬局は、パート薬剤師がもっとも多く活躍している職場です。

処方箋にもとづいた調剤・服薬指導・薬歴管理などが主な業務で、患者さんとじっくり関わる仕事になります。

1日あたりの処方箋枚数によって忙しさに差があり、50枚未満の小規模薬局では落ち着いて働けることもあります。

処方元の病院が休みの日は調剤業務がなくなるため、土日休み・連休ありの店舗も多めです。

地域密着型の場合、常連の高齢者が多くコミュニケーション力も大切になります。

落ち着いた環境で働きたい人や、調剤スキルを活かしたい人に向いています。

ドラッグストアの特徴

ドラッグストアは、OTC(一般用医薬品)と調剤の両方に対応している店舗が多く、調剤薬局よりも幅広い知識や接客対応力が求められます。

調剤部門では処方箋枚数が多く、特に忙しい時間帯には対応スピードも重視されます。

OTC販売では、薬剤師のみに許可された第1類医薬品(例：ロキソニン、ガスター10など)の相談・販売も重要な役割です。

また、営業時間が長く、夜間や土日も開局しているため、夕方の短時間勤務や週末のスポット勤務など、柔軟なシフトが組みやすいのも特徴です。

病院の特徴

病院で働く薬剤師は、入院患者への調剤業務や病棟での服薬指導、医師・看護師との連携など、チーム医療の一員としての役割を担います。

調剤だけでなく、注射薬の混注や医薬品管理、医療安全への関与など、専門性の高い業務が多いのが特徴です。

その分、パート勤務であっても一定の経験や専門知識が求められ、採用の際には実務経験や勤務条件が重視されやすい傾向にあります。

また、病院薬剤師の時給は、他職場と比較するとやや低めに設定されるケースが多いです。

これは、福利厚生の充実や公的医療機関での安定性、教育体制の整備などが反映されているためと考えられます。

夜勤や休日勤務のない日中帯のパート募集も多く、勤務時間が安定しているため、子育てや家庭との両立を重視する人に適した働き方といえます。

企業の特徴

製薬会社やCRO(医薬品開発業務受託機関)などの企業では、調剤や販売といった現場業務ではなく、医薬品の研究開発・品質管理・安全性情報管理(DI)・治験関連業務などを担います。

薬剤師としての知識に加え、資料作成・データ処理・英語力・パソコンスキルなども必要とされるため、専門性が高く、キャリア志向の人に選ばれやすい職場です。

勤務時間は基本的に日勤で土日祝休みの企業が多く、安定した働き方が可能です。

産休・育休制度や福利厚生が整っているため、長期的なキャリア形成を視野に入れる人にも向いています。

ただし、パート・時短勤務の求人は比較的少なく、正社員や契約社員としての採用が中心です。

パート薬剤師の求人選びで失敗しないためのチェックポイント

「時給が良さそうだから」「家から近いから」といった理由だけで応募して、入職後に後悔してしまうケースは少なくありません。

薬剤師のパート勤務は、限られた時間のなかで気持ちよく働ける環境が大切です。

処方箋の枚数と業務量

調剤薬局やドラッグストアで働く場合、1日あたりの処方箋枚数は業務の負担に直結します。

処方箋枚数が40～50枚以下であれば、比較的落ち着いて働ける環境といえます。

一方、100枚以上の多忙な店舗では、休憩時間が削られたり残業が発生するケースもあります。

薬剤師数と人間関係

1店舗に在籍する薬剤師数が少ない職場では、ひとりにかかる負担が大きくなる可能性があります。

また、人間関係がギスギスしていると、限られた時間でもストレスを感じやすいものです。

休みの取りやすさ

家庭の都合や子どもの行事など、シフトが入っていたとしても休みが必要になることもあります。

そのため、希望休が取りやすい体制があるかどうかを確認しておくことは重要です。

福利厚生やその他制度

薬剤師のパート勤務でも、職場の取り決めによっては充実した福利厚生が受けられる可能性があります。

福利厚生は有給休暇制度や健康診断の他、インフルエンザの予防接種の補助や、育児や介護との両立支援制度など企業によってさまざまなものがあります。

薬剤師専門の転職サイトを活用してみる

「ブランクがあるけれど、もう一度薬剤師として働きたい」「家庭と両立しながら、自分に合った職場を見つけたい」そんな人にこそ、薬剤師専門の転職サイトは心強い味方です。

パート薬剤師に強い求人サイト

薬剤師専門の転職サイトのなかには、パート・アルバイトの求人に力を入れているサイトもあります。

以下にランキング形式で薬剤師に強い転職サービスをご紹介します。

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薬剤師に強い転職サイトについて、もっと詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。

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薬剤師におすすめの転職サイトランキング13選！2025年最新版をプロが徹底比較

転職サイトの活用メリット

パート就業を希望する薬剤師が転職サイトを使うことには、以下のようなメリットがあります。

とくに子育て中の人は、時間に追われることが多く、気持ちに余裕をもって転職活動をすることが難しい場合が多いです。

初めてのパート転職やブランクがある人にとって、転職サイトは安心して利用できる選択肢になります。

応募から面接までの基本的な流れ

薬剤師が転職サイトを利用してパート勤務に転職をする際、応募から面接までの流れは以下のとおりです。

入職日や条件交渉も担当者がフォローしてくれるので、安心してスムーズに転職を進められます。

限られた時間で就職活動を進めたい人にとって、求人探しから応募・面接までのやりとりは、思っている以上に負担がかかるものです。

パート薬剤師によくある疑問Ｑ＆Ａ

パート薬剤師として働く事に不安がある人のために、よくある質問をＱ＆Ａ形式でまとめました。

働き方に迷ったときのヒントにしてくださいね。

ブランクがあっても働ける職場はある？

もちろんあります。

近年では、ブランクOKの求人や、研修制度がしっかりしている職場も増えてきました。

マニュアルが整っていてサポート体制のある大手調剤薬局や、ゆったりした処方箋枚数のクリニック門前などは、復帰に向いています。

社会保険や福利厚生はパートでも使える？

一定の条件を満たせば、パートでも社会保険に加入できます。

2024年10月からは、従業員51人以上の企業でもパート勤務者に社会保険加入が適用されるようになりました(週20時間以上、月収8.8万円以上などの条件あり)。

福利厚生についても、基本的に有給休暇や健康診断などの制度がパートに適用されます。

単発パートの求人はどこで見つける？

派遣会社や単発専門の求人サイトを活用するのが近道です。

「年末年始だけ」「イベント時だけ」などのスポット勤務は、一般的な求人サイトではなかなか見つけにくいため、派遣薬剤師の登録サイト(例：ファルマスタッフ派遣など)や、単発・スポット案件を扱う医療系求人アプリを利用するのがおすすめです。

ファルマスタッフの派遣サービスについて詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。

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面接でよく聞かれることは何がある？

以下のような質問がよくあるので、準備しておくと安心ですね。

・「勤務できる曜日や時間帯は？」

・「ブランク期間中は何をされていましたか？」

・「今後どのくらいの期間、勤務を希望されていますか？」

・「一緒に働くスタッフと、どんな関係性を築きたいですか？」

パート面接はスキルだけでなく人柄や柔軟性も見られる傾向があります。

「急な休みにも協力できるか」「育児と両立できる環境か」といった点も判断材料になるため、自分の希望を伝えつつ、協調性や前向きな姿勢を見せることが大切です。