薬剤師が薬局以外で働けるおすすめ転職先!人気の職場や仕事を紹介
薬局以外で働きたい薬剤師におすすめの転職先や、薬局以外で経験を活かせる職種・キャリアを紹介します。さらに薬局以外で働くメリット・デメリットや、薬局以外への転職を成功させるコツも解説します。
すべらない転職が紹介するサービスの一部には広告を含んでおり、当サイトを経由してサービスへの申込みがあった場合には、各企業から支払いを受け取ることがあります。ただし、ユーザーの利益を第一に考え客観的な視点でサービスを評価しており、当サイト内のランキングや商品の評価に関して影響を及ぼすことはございません。
薬局以外で働きたい薬剤師におすすめの転職先5選
薬剤師が活躍できる場所は、薬局だけではありません。
近年は病院やドラッグストア、製薬企業、行政機関など、薬局以外のさまざまな現場で薬学のプロフェッショナルの活躍が期待されています。
実際に、厚生労働省が公表した「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」では、薬局以外で働いている薬剤師の数が全体の4割を超えています。
施設・業務の種別にみた薬剤師数
- 薬局:58.9%
- 病院:17.5%
- 医薬品関係企業:11.5%
- 衛生行政機関・保健衛生施設:2.1%
- 診療所:1.8%
- 大学:1.5%
特に医療やヘルスケアの業界では、薬剤師が持つ薬物療法や患者対応のスキルを高く評価する傾向があります。
ここからは、薬局以外の環境で新たなキャリアを築きたいと考える薬剤師に向けて、おすすめの転職先を5つ紹介します。
病院
薬剤師が薬局以外で働く場合の選択肢として、最も有力なのは病院です。
病院では、医師や看護師などの医療スタッフと連携しながら患者の治療方針に深く関わり、 薬物療法を最適化する役割が求められます。
入院患者への服薬指導や副作用モニタリング、チーム医療の一員としての専門的な助言など、患者の健康状態と直接向き合えます。
外来での薬剤管理指導や救急現場での緊急対応など、多彩なシーンで幅広い知識を深められるため、キャリアアップを目指す人におすすめの職場です。
仕事内容 | ・患者ごとの服薬設計・投与量の提案 ・持参薬鑑別・重複投与のチェック ・抗がん剤ミキシングや無菌調製 ・退院指導・服薬指導書の作成 |
---|---|
メリット | ・幅広い症例で臨床力が磨ける ・多職種との連携スキルが身につく ・キャリアアップを目指せる |
デメリット | ・夜勤、当直で生活が不規則になる ・人員が少ない職場は多忙になりやすい ・年収は民間企業より低め |
向いている人 | ・患者に直接的に貢献したい人 ・コミュニケーションを取るのが得意な人 ・臨床知識を深めたい人 |
病院薬剤師の仕事内容や年収について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
調剤薬局
薬局以外で調剤スキルを活かしたい薬剤師には、調剤薬局が向いています。
調剤薬局は薬局と同様のスキルを活かしやすく、地域密着型で働きたい薬剤師にぴったりです。
近年は病院付属の調剤や在宅医療に力を入れる調剤薬局が増えており、薬局とは違う新鮮なやりがいを感じられます。
病院よりも勤務形態が比較的安定しているので、ワークライフバランスを保ちやすいですよ。
仕事内容 | ・処方監査、調剤、投薬 ・お薬手帳・在宅訪問での服薬管理 ・OTC販売・地域ケア会議参加 |
---|---|
メリット | ・勤務地、勤務形態の選択肢が豊富 ・在宅や健康サポートなど活躍の幅が広がる ・地域住民との信頼関係を築ける |
デメリット | ・ルーティン業務が中心になりがち ・処方内容が単一だとスキルが停滞する ・調剤報酬改定の影響を受けやすい |
向いている人 | ・ワークライフバランスを重視する人 ・地域密着で長期的に患者を支えたい人 ・接客、カウンセリングが好きな人 |
調剤薬局は転職サイトの中でも求人数が多いファルマスタッフがおすすめですよ。
調剤薬局で働く薬剤師の仕事内容を詳しく知りたい人には、下記の記事がおすすめです。
ドラッグストア
調剤以外の幅広い業務に関わりたい薬剤師には、調剤とOTC販売の両面で活躍できるドラッグストアがおすすめです。
ドラッグストアは処方せん調剤を兼ねた店舗が増えており、売り場作りやスタッフのマネジメントを通じて、接客力や販促スキルを磨けます。
さらに店長や管理薬剤師としてキャリアアップする機会も多く、一般の顧客からの健康相談に乗りながら経営面にも携わるなど、多面的にスキルを伸ばせます。
接客力を磨きたい人、経営や店舗運営の視点を身につけたい人にとって、ドラッグストアでのキャリアは魅力的ですよ。
仕事内容 | ・OTC、健康食品、化粧品カウンセリング販売 ・調剤室での処方せん対応(併設店の場合) ・スタッフ教育、売り場管理、発注業務 |
---|---|
メリット | ・年収レンジが高め(店長、ブロック長で700万円超も) ・幅広い商品知識が身につく ・接客スキルと店舗運営ノウハウが得られる |
デメリット | ・土日祝、遅番勤務が基本 ・売上目標による評価ストレス ・品出しなど非薬学業務も多い |
向いている人 | ・人と話すのが好きな人 ・販売にも興味がある人 ・収入アップを目指したい人 |
ドラッグストア薬剤師の仕事内容や転職難易度を知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
製薬会社
薬局以外で薬学知識を深めたい薬剤師には、製薬会社への転職がおすすめです。
製薬会社では、研究開発や学術、臨床開発、薬事申請、品質管理など、さまざまな部門で薬剤師の専門知識を活かせます。
新薬開発を支える研究職としての道だけでなく、MRとして医療機関へ医薬品情報を提供する役割を担うケースもあります。
このように、自分の得意分野や興味に合わせて職種を選べるのが魅力です。
グローバルに展開する企業が多く、新薬の開発や安全性情報の管理など、社会貢献性が高い業務に携われるのも魅力の1つです。
開発や情報提供など、薬学知識を深めながらビジネススキルも身につけられますよ。
仕事内容 | ・臨床開発部門で治験プロトコル立案 ・安全性情報の収集、リスク管理計画策定 ・学術部門で製品資料作成、社内教育 |
---|---|
メリット | ・平均年収600〜800万円と高水準 ・グローバル基準で最先端の知見を得られる ・部門異動で多職種キャリアが描ける |
デメリット | ・海外文献や学会対応で英語力が必須 ・プロジェクト優先で残業が増える ・大企業ゆえの組織階層、調整の複雑さ |
向いている人 | ・研究開発やデータ解析に興味がある人 ・高収入とグローバル環境を求める人 ・チームで長期プロジェクトを推進できる人 |
公務員
薬局以外で安定した雇用形態や福利厚生を求める薬剤師には、公務員としての働き方がおすすめです。
公務員薬剤師として働く場所は、厚生労働省や地方自治体の保健所、検疫所、麻薬取締局など、多岐にわたります。
行政機関などで医薬品や保健衛生の監視・指導に関わって社会貢献ができるだけでなく、民間企業では経験しづらい政策立案や監視業務などに携わるチャンスもあります。
企業勤めとは異なり、公務員は給与体系や福利厚生が安定しているため、プライベートの時間をしっかり確保できますよ。
仕事内容 | ・医薬品、医療機器の製造販売業許可審査 ・麻薬取締や薬局、病院の立入検査 ・行政法規に基づく指導、広報 |
---|---|
メリット | ・景気に左右されない ・土日祝日休みでワークライフバランスをとりやすい ・地域保健、公衆衛生に広く貢献できる |
デメリット | ・年収は民間より低め(30代前半で500万円程度) ・異動サイクルで専門領域を深掘りしにくい ・試験合格まで勉強コストが大きい |
向いている人 | ・安定性を最優先したい人 ・法令順守、文書作成が得意な人 ・公衆衛生の課題解決に興味がある人 |
公務員薬剤師の仕事内容や平均年収を知りたい人には、下記の記事がおすすめです。
薬剤師が薬局以外で経験を活かせる職種6選
薬剤師が薬局以外で経験やスキルを活かせる職種は複数あります。
近年では、治験や臨床開発、企業の学術部門、研究職、さらには医療系メディアの制作など、薬学の専門性を必要とする幅広いフィールドが存在します。
ここでは、薬局の経験を活かせる職種を6つ紹介します。
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーター(CRC)は、治験がおこなわれる医療現場で、被験者や医師、製薬企業との間を調整し、臨床試験をスムーズに進める仕事です。
具体的には被験者のスケジュール管理や検査のアレンジ、試験データの収集といった業務が中心です。
薬の効果や副作用を正確に把握するための知識はもちろん、被験者の不安を軽減するコミュニケーション力や被験者フォローが求められます。
人との対話を大切にする姿勢があれば、スムーズな治験運営に貢献できるため、やりがいのあるポジションですよ。
仕事内容 | ・同意取得の説明、来院スケジュール調整 ・症例報告書(CRF)入力のサポート ・治験薬、検体の管理 |
---|---|
メリット | ・患者対応と研究支援を両立できる ・土日休みが取りやすい(施設による) ・GCP知識が身につきキャリアの汎用性が高まる |
デメリット | ・調整業務が多くマルチタスク必須 ・治験スケジュール次第で残業発生 ・医師からの突発依頼がある |
向いている人 | ・コミュニケーションと調整が得意な人 ・開発業務に興味がある人 ・事務処理とデータ品質管理が好きな人 |
治験コーディネーターは医薬品の知識とコミュニケーション能力を最大限に活かせるためやりがいのある仕事です。
マイナビ薬剤師は治験コーディネーターの求人数が多く、親身に転職サポートをしてくれるため、相談するにはおすすめですよ。
治験コーディネーターについてもっと知りたい人は以下の記事も参考にしてみてください。
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニター(CRA)は、製薬企業やCRO(開発業務受託機関)に所属し、治験を実施する医療機関を訪問してデータの正確性や進捗状況を管理する仕事です。
各種書類のチェックや試験手順の遵守状況を確認するとともに、問題点があれば改善策を提案するなど、臨床試験全体の品質を担保する役割を果たします。
薬剤師としての臨床や薬学知識は、医師やコーディネーターとスムーズに意思疎通を図る上で大きな強みになります。
海外に展開している企業も多く、英語力があればグローバルプロジェクトへ参画できるチャンスが広がりますよ。
仕事内容 | ・施設選定、治験契約締結の支援 ・訪問モニタリング、SDV(原資料照合) ・進捗レポート、症例報告書の点検 |
---|---|
メリット | ・平均年収600〜900万円と高めの水準 ・出張で各地の医療機関と関われる ・プロジェクト管理スキルが身につく |
デメリット | ・移動、ホテル生活による体力的な負担 ・進捗遅延時のプレッシャーが強い ・英語プロトコル読解が必須 |
向いている人 | ・フィールドワークが苦にならない人 ・タスク管理・リスク管理が得意な人 ・外資流のスピード感を楽しめる人 |
医薬情報担当者(MR)
医薬情報担当者(MR)は、製薬会社の営業・マーケティング部門に属し、医師や薬剤師に自社製品の情報を正しく提供する役割を担います。
通常の営業職と異なり、医薬品の作用機序や臨床データなどの専門的な知識が必要になるため、薬剤師としての経験を大きく活かせます。
医薬品の適正使用を促すなど、患者の健康に直接寄与できる点もやりがいの1つです。
学術資料の読み解きやプレゼンテーション技術など、多様なスキルを身につけられるため、人とコミュニケーションを取るのが得意な人に向いています。
仕事内容 | ・医師、薬剤師への製品説明、勉強会の開催 ・アドバイザリーボード、講演会の企画 ・市販後安全性情報の収集、報告 |
---|---|
メリット | ・インセンティブで年収1000万円超あり ・専門知識と営業スキルが身につく ・社用車、在宅勤務など福利厚生が充実 |
デメリット | ・厳格な売上KPIによる評価 ・早朝、夜間訪問や休日学会対応あり ・最新情報のアップデートが大変 |
向いている人 | ・営業成績で報酬アップを狙いたい人 ・プレゼン、交渉が得意な人 ・自社製品に誇りを持って提案できる人 |
薬事情報担当者(DI)
薬事情報担当者(DI)は、医薬品に関する情報を収集・評価し、医療従事者や消費者に提供する専門職です。
製薬会社や医療機関のDI室などで働く場合が多く、副作用報告や安全性情報の収集、問い合わせ対応などをおこないます。
最新データを基に副作用や相互作用などを解析するため、薬学の専門性を活かせるだけでなく、文献検索やデータ解析のスキルも身につきます。
デスクワークが中心なので、薬局以外でハードワークのない仕事を探している薬剤師におすすめです。体力に自信がない人も安心して働けますよ。
仕事内容 | ・FAQ作成、問い合わせ対応 ・文献、ガイドラインの検索と要約 ・添付文書、インタビューフォーム改訂支援 |
---|---|
メリット | ・デスクワーク主体で残業が少ない ・最新論文を読んで知識を更新できる ・医療者から感謝される場面が多い |
デメリット | ・ルーチン対応が中心で評価指標が曖昧 ・電話、メールでの対応に神経を使う ・臨床現場感覚が薄れやすい |
向いている人 | ・文献検索と情報整理が好きな人 ・論理的な説明が得意な人 ・安定したデスクワークを望む人 |
研究職
研究職は、製薬企業や大学の研究機関などで新薬や新規治療法の開発に携わる仕事です。
常に最新の科学情報を習得しながら実験やデータ解析を進めるため、薬学はもちろん、生化学や分子生物学、免疫学など多岐にわたる知識が求められます。
学会発表や論文執筆を通じて、国内外の研究者と交流するチャンスも少なくありません。
薬学的知識の深堀りが可能なので、科学的探究心が旺盛な薬剤師にぴったりです。
自らの研究成果が将来の患者さんの治療選択肢を広げる可能性があり、やりがいのある仕事です。
一方で、成果が出るまで時間がかかりやすく、粘り強さも求められます。
仕事内容 | ・実験デザイン、データ解析、論文執筆 ・共同研究、学会発表 ・研究費申請、特許出願 |
---|---|
メリット | ・好奇心を最前線で形にできる ・英語論文、国際学会でグローバルに活躍できる ・成果が薬や社会技術として結実する |
デメリット | ・競争的資金に左右されて雇用が不安定 ・成果まで時間がかかり評価が見えにくい ・実験失敗による精神的ストレス |
向いている人 | ・探究心があり粘り強い人 ・データドリブンで論理思考が得意な人 ・将来的に博士号取得や海外ポスドクを目指す人 |
メディカルライター
自宅でリモートワークをしたい薬剤師には、メディカルライターがおすすめです。
メディカルライターは、医療や薬学に関する専門的な情報を文章化する仕事です。
論文や学会資料、製薬会社のプロモーション素材など活躍領域が広く、近年ではウェブコンテンツやSNSでの情報発信も活発化しています。
フリーランスとして自宅で執筆活動ができるので、柔軟な働き方を求める人にとって魅力的な選択肢です。
難解な薬学や医学のトピックを読み手にわかりやすく解説する能力が求められるため、知識だけでなく文章表現力や情報整理力も鍛えられますよ。
仕事内容 | ・研究論文、CSR(治験総括報告書)作成 ・一般向け医療コラムの執筆 ・学会ポスター、スライドの制作 |
---|---|
メリット | ・在宅フルリモート案件が多い ・執筆実績が増えるほど単価が上がる ・医師との共同執筆で専門ネットワークを拡大できる |
デメリット | ・原稿チェック、修正でPC作業が長時間になりやすい ・フリーランスは収入変動が大きい ・最新エビデンス追跡と文章力維持の継続学習が必須 |
向いている人 | ・文章を書くのが好きな人 ・専門情報をわかりやすく伝えるのが得意な人 ・フレキシブルな働き方を重視する人 |
薬局以外の職種に転職するなら、薬剤師の転職に特化した転職サイト・エージェントの利用がおすすめです。
薬剤師におすすめの転職エージェント
-
薬キャリ AGENT
薬剤師の登録者数No.1*!医療業界専門のエムスリーグループが運営 *エムスリーキャリア調べ -
マイナビ薬剤師
人材業界大手のマイナビが運営。手厚いフォローに定評アリ! -
レバウェル薬剤師
取引医療機関数14,000!医療業界人材紹介実績14年超のベテラン!(2023年3月時点情報) -
ファルマスタッフ
東証プライム上場の日本調剤グループが運営!20年以上の実績と信頼
薬剤師が薬局以外で働くメリット・デメリット
薬剤師が薬局以外の転職を考えるときは、メリットとデメリットの両面を把握しておくことが大切です。
メリットだけを見て転職すると、実際に働き始めてから「働き方がライフスタイルに合わない」「新しく学ぶことが多くて業務についていけない」と後悔しやすくなります。
新しいフィールドでは、これまでとは異なる働き方や業務形態に順応しなければならない場面が多いです。
後悔のない転職ができるように、メリットとデメリットの両面を整理しておくことが重要です。
ここでは、薬局以外に転職する際のメリットとデメリットを解説します。
薬剤師が薬局以外で働くメリット
薬剤師が薬局以外で働く最大のメリットは、自分の専門性を新たな方向へ伸ばしながら多彩なキャリアを築ける点です。
薬剤師が薬局以外で働くメリット
- キャリアの幅が広がる
- 業務の専門性が高まる
- 収入や待遇が向上する可能性がある
- 対人業務が少ない仕事を選べる
- 英語力やITスキルを活かせる場がある
薬局以外の職場では、研究・開発、情報提供、公務などの多様な業務に挑戦でき、専門知識を新たな形で活かせます。
たとえば、製薬会社で研究開発に携われば、最先端のテクノロジーや学術領域に接する機会が増え、グローバルな活動が可能になります。
また、行政機関や病院での勤務では、より社会性の高い仕事を実践でき、医療制度や公衆衛生の仕組みに深く関与できます。
転職先によっては土日休みや高年収など条件面で優遇されるケースもあるので、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できますよ。
薬剤師が薬局以外で働くデメリット・注意点
薬剤師が薬局以外の職場に転職すると、新たな業務に必要な専門知識やスキルを1から学ばなければならず、業務内容に戸惑うことがあります。
タイトル
- 専門用語や業界知識の習得が必要
- 調剤経験を活かしにくい
- 勤務地の選択肢が限られることがある
- 転職後の業務内容がイメージと異なる場合がある
未経験分野への転職は、専門知識だけでなく営業力やコミュニケーション力を求められるケースが多く、業務環境に適応できるかどうかが課題となります。
場合によっては、長年の働き方やマインドセットを切り替えなければならず、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
また業務の性質が大きく異なる職場だと、調剤や服薬指導の実務経験を活かせないこともあります。
薬局以外に転職する場合は、給与だけでなく、業務内容や企業文化なども事前に確認したうえで、自分に合う職場かどうかを見極めることが重要です。
薬剤師から異業種へ転職する方法を詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
薬剤師が薬局以外への転職を成功させるコツ
薬剤師が薬局以外のフィールドへチャレンジするには、新たな環境に適応する力やマーケットのニーズを的確に把握することが大切です。
特に病院や製薬会社などは募集要件を細かく設定している場合が多く、事前の準備やリサーチ次第で選考の通過率が大きく左右されます。
自分のキャリアプランをしっかり描いておけば、面接時に熱意や適性をアピールしやすく、企業側に「この人と一緒に働きたい」と好印象を与えられますよ。
以下のポイントを押さえて、スムーズな転職活動を進めてください。
将来のキャリアプランを明確にしておく
薬剤師が薬局以外へ転職する際は、なぜその道を選ぶのか、将来的にどのような専門性を高めていきたいのかを具体化することが重要です。
自分の志向や価値観、将来の目標や働き方を明確化しておけば、応募企業のミスマッチも減り、あとから「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクを下げられます。
将来の方向性が明確になれば、具体的な職種や企業を絞りやすくなるため、転職活動を効率化するうえでも有効です。
病院であればチーム医療に深くかかわりたい、製薬企業なら新薬開発に携わりたい、行政機関で公衆衛生を支えたいなど、目指すゴールを明確に示すことで、説得力ある自己PRが可能になります。
キャリアビジョンを明確にするほど、面接でも説得力が増して採用されやすいですよ。
調剤スキルを身につけてから転職する
薬剤師が薬局以外の環境で働きたい場合、あらかじめ調剤スキルを身につけておくと、応募時に有利に働きます。
「薬局以外の仕事は調剤スキルが必要ないのでは?」と思うかもしれませんが、現場経験や処方箋の読み方、薬物相互作用への理解などは、あらゆる分野で強みになります。
特に病院や製薬企業などは、実際の患者対応の知見が評価されやすく、実際の調剤経験がある人が重宝されやすいです。
研究職であっても、臨床現場の声を理解しているかどうかで、研究の方向性や実用性を判断できる力が違ってきます。
調剤経験が評価される場面は多いので、基礎力を培ってから転職に踏み切ると採用率が上がりますよ。
市場調査と企業研究を入念におこなう
薬剤師が薬局以外の転職の成功率を高めるためには、求人動向や企業情報のリサーチが欠かせません。
同じ会社でも、研究・開発・学術などの職種や部門によって求められるスキルや経験が大きく異なるため、応募先との相性の把握が重要です。
まずは会社ホームページや求人内容をしっかり精査し、自分の強みを活かせる領域なのか、将来的に発展性があるかなどの検討が必要です。
公式サイトや求人情報だけでなく、SNSや口コミサイトなどで現場の声を収集すると、企業の雰囲気や業務内容がよりイメージしやすいですよ。
企業研究だけでなく市場調査を行い、業界の将来性を見極めることも大切です。
転職サイト・エージェントを活用する
薬剤師が薬局以外の転職先を見つけたいなら、転職サイトやエージェントサービスが役立ちます。
転職サイト・エージェントを活用するメリット
- 好条件の非公開求人にアクセスできる
- 希望条件にマッチする求人を提案してもらえる
- 書類添削・面接対策などのサポートを受けられる
- プロのノウハウを吸収して選考通過率が高まる
薬局以外の領域を狙う場合は、業界情報や企業の内情に詳しい専門家の存在が欠かせません。
薬剤師向けの転職サイトやエージェントサービスを利用すれば、業界に精通した専門家のサポートを得ることができ、仕事をしながら効率よく転職先を探せます。
非公開求人を紹介してもらえるだけでなく、希望条件にマッチする求人を提案してもらえるので、時間と手間の削減につながります。
ただし、担当の専門家との相性が大切なので、複数のサイト・エージェントに登録して比較検討するのが良いですよ。
薬剤師におすすめの転職サイト・エージェントを知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
薬局以外に転職したい薬剤師におすすめの転職サイト・エージェント
薬剤師が薬局以外に転職するなら、薬剤師向けの転職サイト・エージェントの利用がおすすめです。
病院から行政機関まで、医療関連の幅広い求人を扱う転職サイトやエージェントを活用すれば、自分の理想に近い働き方を効率よく見つけられます。
業界情報や非公開求人にアクセスできるサービスを利用すれば、一般には出回りにくい好条件の職場も簡単に探し出せますよ。
ここでは、薬局以外で働きたい薬剤師におすすめの大手サイト・エージェントを4社紹介します。
おすすめ ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
---|---|---|---|---|
利用者満足度 |
4.5点 |
4.4点 |
4.3点 |
4.1点 |
特徴 | 薬剤師登録者数が業界No.1 利用者のサポート満足度95% ハイキャリア転職におすすめ |
薬剤師専任アドバイザーが多数在籍 全体の35%以上が非公開求人 転職準備から転職後まで手厚い支援あり |
医療業界人材紹介実績14年以上 取引先医療機関数14,000 職場の内部情報を提供 |
20代30代向け転職サイトNo.1 ハイクラス転職に強いサイトNo.1 転職支援・相談満足度97.3% |
求人数 | ◎ 34,230件 |
◎ 51,140件 |
△ 4,790件 |
◎ 52,440件 |
公式サイト | ||||
2025年6時点の求人数 |
薬キャリエージェント

薬キャリエージェントは、薬剤師専門の転職支援サービスとして長年の実績があり、病院から企業まで幅広い職種の求人を紹介してもらえます。
個別面談や履歴書添削など、専任のキャリアアドバイザーが個別にサポートしてくれるため、転職活動が初めての人も安心です。
非公開求人も豊富で、高年収やキャリアアップが期待できるポジションに出会える可能性があります。
調剤経験を活かせる求人だけでなく、研究職や学術、臨床開発などの分野もカバーしているため、薬局以外でのキャリアを目指す人におすすめですよ。
サービス名 | 薬キャリエージェント |
---|---|
公式サイト | https://agent.m3career.com/ |
運営会社 | エムスリーキャリア株式会社 |
登録免許 |
【有料職業紹介事業許可番号】 ・13-ユ-304437 【労働者派遣事業許可番号】 ・派13-305171 【特定募集情報等提供事業許可番号】 ・51-募-000113 |
求人数 |
派遣求人:2,043件 正社員:27,511件 パート:5,810件 |
拠点 | 東京オフィス・大阪オフィス |
対象エリア | 全国 |
2025年6月時点の求人数 |
こんな人におすすめ
- 転職活動に時間をかけられない
- 調剤薬局・病院の求人を探している
- スピード感を重視した転職をしたい
薬キャリエージェントの口コミ・評判を知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師は、大手人材会社のマイナビが運営する薬剤師向けの転職サイトで、全国規模で幅広い求人案件を扱っています。
調剤薬局やドラッグストアをはじめ、病院や企業、公務員求人など幅広い選択肢があり、地方の求人も豊富です。
面接日時の調整や給与交渉などはキャリアアドバイザーにすべて任せられるため、毎日忙しい現職も転職活動を両立しやすいです。
転職活動に役立つイベントやセミナーも頻繁に開催されており、大手ならではの手厚いサポートを受けられますよ。
サービス名 | マイナビ薬剤師 |
---|---|
公式サイト | https://pharma.mynavi.jp/ |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
登録免許 | 【有料職業紹介事業許可番号】 ・13-ユ-080554 【特定募集情報等提供事業許可番号】 ・51-募-000092 |
求人数 | 全体:49,220件 正社員:39,411件 契約社員:1,434件 パート:13,801件 |
拠点 | 東京会場・さいたま会場・千葉会場・横浜会場・札幌会場・仙台会場・名古屋会場・大阪会場・京都会場・神戸会場・岡山会場・広島会場・福岡会場・鹿児島会場 |
対象エリア | 全国 |
2025年6月時点の求人数 |
こんな人におすすめ
- 求人や支援実績が豊富な大手エージェントを利用したい
- 調剤薬局や製薬会社に転職したい
- 正社員の求人に応募したい
- 大手の質が高いサポートを受けたい
マイナビ薬剤師の特徴や評判を詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
レバウェル薬剤師

レバウェル薬剤師は、調剤薬局から企業求人まで、多様な働き方を提案してくれる薬剤師専門の転職サイトです。
大手や中小企業を問わずさまざまな求人があり、幅広い選択肢を比較・検討できます。
派遣やパート求人もあるので、短期的に働きたい人もライフステージに合わせた柔軟な働き方を目指せます。
また、即日内定や高時給求人などタイムリーな情報提供に強みがあり、アドバイザーが個別の希望をヒアリングして最適な求人を紹介してくれます。
キャリアアドバイザーは薬剤師業界に詳しいため、応募者一人ひとりの希望条件に合った提案やアドバイスをもらえますよ。
サービス名 | レバウェル薬剤師 |
---|---|
公式サイト | https://levwell.jp/ |
運営会社 | レバウェル株式会社 |
登録免許 | 【有料職業紹介事業許可番号】 ・13-ユ-309623 【労働者派遣事業許可番号】 ・派13-310987 |
求人数 | 全体:3.642件 正社員:2,188件 契約社員:9件 パート・アルバイト:1,481件 |
拠点 | 札幌・仙台・水戸・船橋・さいたま・立川・横浜・静岡・名古屋・京都・大阪・広島・福岡 |
対象エリア | 全国 |
2025年6月時点の求人数 |
こんな人におすすめ
- 職場の雰囲気を事前に把握したい
- スカウトで転職したい
- 医療・ヘルスケア領域専任アドバイザーにサポートしてもらいたい
ファルマスタッフ

ファルマスタッフは、日本調剤グループが運営する薬剤師専門の人材サービスです。
調剤薬局求人に強みを持っており、派遣や紹介予定派遣など、短期契約から長期的なキャリア構築まで幅広く対応しています。
また病院や企業の求人も豊富に取り揃えており、転職前から転職後まで手厚いサポートを受けられます。
大手グループのネットワークを活かした転職後の研修やフォロー体制が充実しているため、実務にブランクがある人や新たな分野に挑戦したい人におすすめですよ。
サービス名 | ファルマスタッフ |
---|---|
公式サイト | https://www.38-8931.com/ |
運営会社 | 株式会社メディカルリソース |
登録免許 | 【有料職業紹介事業許可番号】 ・13-ユ-010743 【労働者派遣事業許可番号】 ・派13-010770 |
求人数 | 派遣求人:2,337件 紹介予定派遣:60件 短期・スポット:57件 正社員:33,452件 パート:17,981件 |
拠点 | 札幌支店・東北支店・大宮支店・船橋支店・東京支店・横浜支店・名古屋支店・京都支店・大阪支店・神戸支店・広島支店・九州支店 |
対象エリア | 全国 |
2025年6月時点の求人数 |
こんな人におすすめ
- 日本調剤グループ運営のサービスを利用したい
- 調剤薬局に転職したい
- 派遣やフリーランスの働き方も検討中
- 日本薬局学会主催のファーマシーセミナーを受講したい
ファルマスタッフの口コミや評判を知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
転職サイト・エージェントは、それぞれ異なる特徴・強みがあるため、複数登録して併用するのがおすすめです。
薬剤師におすすめの転職エージェント
-
薬キャリ AGENT
薬剤師の登録者数No.1*!医療業界専門のエムスリーグループが運営 *エムスリーキャリア調べ -
マイナビ薬剤師
人材業界大手のマイナビが運営。手厚いフォローに定評アリ! -
レバウェル薬剤師
取引医療機関数14,000!医療業界人材紹介実績14年超のベテラン!(2023年3月時点情報) -
ファルマスタッフ
東証プライム上場の日本調剤グループが運営!20年以上の実績と信頼
薬局以外に転職したい薬剤師によくある質問
薬剤師が薬局以外に転職したいと思っても、「転職後も調剤業務は続けられるのか」「薬剤師免許を活かせる仕事の範囲はどこまでなのか」など、疑問や不安を抱えがちです。
転職活動をスムーズに進めていくために、ここでは薬局以外に転職を希望する薬剤師によくある質問と回答を紹介します。
薬剤師は薬局以外で調剤できる?
調剤行為は薬局や病院の調剤室などの調剤許可のある施設に限定されるため、他の施設では調剤できないケースが多いです。
ただし、企業内健康管理室など一部例外も存在します。
薬剤師が企業などで薬剤管理をおこなうことは可能なので、患者への服薬指導や在宅訪問など、一定の条件を満たせば関連業務を担うこともあります。
調剤業務を続けたい場合は、病院の調剤部門や公的機関の薬局など、免許が認可された施設で働くことをおすすめします。
薬剤師免許がないとできない業務は何?
薬剤師免許の業務範囲(調剤、薬学的管理など)は薬剤師法で定められており、無資格者が行うと違法行為となります。
薬剤師免許がないとできない業務は、以下のとおりです。
- 医薬品の調剤
- 薬学的管理
- 薬歴管理
- 処方監査
上記のように、直接患者の健康に影響を与える行為は、薬剤師免許を持っている人しかできません。
免許の独占業務とそうでない領域を把握しておくと、キャリア選択の幅が広がります。
薬剤師は薬局以外で起業できる?
薬剤師は薬局を開業する以外にも、以下のように多様な起業形態があります。
- オンライン服薬指導
- ヘルスケア関連のコンサルティング事業
- 健康食品やサプリメント開発
医療系ベンチャーやヘルステック領域では、専門知識を活かした事業チャンスが増加しており、薬剤師ならではの信用力や知見を差別化要素として活かせます。
ただし、医薬品の取り扱いや調剤行為には法規制が伴うため、起業形態やビジネスモデルによっては行政の許認可が必要になるケースもあります。
入院患者のフォローアップや薬剤師外来など、薬局とは異なるやりがいが得られます。
一方、当直や緊急対応などで勤務時間が不規則になりやすい点は注意が必要です。