
薬剤師の復職はブランク10年でも可能|復帰しやすい職場と勉強法
薬剤師はブランクがあっても復職できます。
2年や10年などブランク期間別の復職のしやすさ、調剤薬局やドラッグストアなどおすすめの職場、知識の学び直し方法を解説します。
子育てと両立するコツや復職を成功させるポイントまで紹介するので、復職に不安がある薬剤師は参考にしてください。
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薬剤師はブランクがあっても復職できる
薬剤師は、ブランクがあっても復職しやすい仕事です。医薬品を扱えるのは薬剤師だけで、人手が足りない職場が多いからです。
出産・育児・介護でいったん薬剤師の仕事を離れても、戻れる職場はたくさんあります。
厚生労働省の令和6年医師・歯科医師・薬剤師統計によると、薬剤師の62.0%が女性です。出産や育児でいったん離れ、また戻る人が多いため、ブランクに理解のある職場が多いです。
薬剤師の復職が難しいと言われる理由
薬剤師は薬の知識やルールが変わりやすいため、「ブランクは2年まで」とよく言われます。ただし長いブランクがあっても復職はできます。まず、2年までと言われる理由から見ていきましょう。
調剤報酬や薬価が2年ごとに改定されるから
薬剤師のブランクが心配される1つ目の理由は、調剤報酬と薬価が2年に1度改定されるからです。
調剤報酬は薬局が受け取る報酬のルール、薬価は薬の公定価格です。2年ごとに点数や金額が変わるため、現場を離れていると新しいルールに追いつきにくくなります。
ブランクが2年までなら、間にはさむ改定は1回分です。だから「2年まで」が1つの目安とされています。
新薬が毎年登場するから
2つ目の理由は、毎年多くの新薬が登場するからです。薬剤師は、新しく出た薬の効果や飲み合わせを覚え続ける必要があります。
ブランクが長いほど、知らない薬は増えていきます。10年離れれば、その間に承認された新薬をまとめて学び直すことになります。
10年以上のブランクでも復職はできる
結論から言うと、長いブランクでも復職は不可能ではありません。10年や20年離れていても、大変ではありますが復職している薬剤師はいます。
大手の薬局やドラッグストアには、ブランク明けの薬剤師向けの研修制度があります。最初はパートから始めて、慣れてから勤務時間を増やすのもおすすめです。
長いブランクでも、研修制度のある職場を選べば薬剤師の仕事に戻れます。
ブランクの長さが不安なら、薬剤師専門のエージェントに相談すると、自分でも受かりそうな求人を紹介してもらえますよ。
ブランクのある薬剤師が復職しやすいおすすめの職場
ブランクが2年程度でも、職場によって復職のしやすさは変わります。なかでも調剤薬局やドラッグストアは求人が多く、ブランクがあっても復職しやすい職場です。
調剤薬局
調剤の経験があるなら、調剤薬局への復職がおすすめです。
調剤薬局の仕事は、処方箋を見て薬を用意する調剤が中心です。1日中ずっと調剤に取り組むので、ブランクで鈍った薬の知識や調剤の手順を思い出しやすいです。
忙しさは薬局によって大きく違います。家庭と両立したいなら、処方箋の枚数が少なく落ち着いた薬局を選ぶといいです。
薬剤師として復職する際、病院と薬局のどちらにするか迷う人は、以下の記事で違いを確認してみてください。
ドラッグストア
ドラッグストアは求人数が多く、条件に合う職場を見つけやすいです。
大手チェーンは研修制度が整っているので、ブランクがあっても学び直しながら働けます。福利厚生や休暇制度も整っている職場が多いです。
ただし、調剤だけでなく品出しやレジなど小売の仕事もあります。営業時間が長く、土日や夜のシフトに入ることもある点は確認しておきましょう。
ドラッグストアへの復職を考える人は、以下の記事も参考になります。
病院
病院は、種類によって復職のしやすさが分かれます。慢性期病院や回復期病院、専門病院はブランクがあっても復職しやすい一方、大学病院や急性期病院は即戦力を求めるため難しめです。
病院は研修や復帰支援が手厚い傾向があり、ブランク明けの学び直しに向いています。ただし残業や勉強会への参加が必要なこともあります。
病院薬剤師の仕事をもっと知りたい人は、以下の記事も参考になります。
ブランクから復職する薬剤師が抱える不安
薬剤師は女性が多く、理解のある職場が多い仕事です。それでも復職前は不安を感じる人が少なくありません。よくある4つの不安と、その解消法を紹介します。
知識や法改正に対応できるか
知識への不安は、ブランクのある薬剤師の多くが感じます。厚生労働省の薬剤師確保のための調査・検討事業報告書でも、薬局と病院で働く薬剤師の半数以上が、復職前に知識不足の不安を感じたと答えています。
ただし、先輩薬剤師がそばで教えてくれる職場や、復職者向けの研修がある職場を選べば、わからない薬や手順をその場で確認しながら働けます。多くの人が、最初の数ヶ月で現場の勘を取り戻しています。
家庭と両立できるか
家庭と仕事を両立できるかは、正社員で戻る人ほど感じやすい不安です。フルタイムだと、家事や子どもの送り迎えの時間を作りにくくなります。
両立したいなら、時短制度やパート、派遣という働き方を選ぶ方法があります。厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、パートタイム薬剤師の平均時給は2,845円で、派遣はさらに高めの傾向です。
週3日8時間の勤務でも、まとまった収入になります。
職場に馴染めるか
職場に馴染めるかも、復職時に多い不安です。薬剤師は少人数で同じメンバーが働く職場が多く、人間関係に入っていけるか心配になりやすいです。
面接や見学のときに、スタッフの人数や年齢層、産休や育休から戻った人がいるかを聞いてみましょう。長く働いている人が多い職場は、人間関係が落ち着いている目安になります。
サポート体制があるか
ブランクがある状態では、職場のサポート体制も気になります。とくに出産や子育て後は、育児への配慮や休みの取りやすさが大切になります。
子どもの急な発熱で休めるか、時短勤務を続けられるか、託児所や保育手当があるかを確認しましょう。求人票に書かれていなければ、面接で直接聞いて問題ありません。
不安は1人で考えこむほど大きくなります。
転職エージェントに相談すれば、ブランクならではの悩みにもプロの視点で答えてもらえますよ。
ブランクのある薬剤師が復職前にやるべき勉強法
知識不足を不安に感じる薬剤師は多いです。調剤報酬の改定内容や新しい薬を復職前に押さえておくと、現場に戻ったあともスムーズです。おすすめの勉強法を3つ紹介します。
本やインターネットで学び直す
1つ目は、本やインターネットで独学する方法です。自分のペースで進められるのが利点です。
ただし、ネットの情報は正しいものを選ぶ必要があります。信頼できるサイトと本を以下にまとめました。
| サイト・本 | 学べる内容 |
|---|---|
| 日本薬剤師会 | 薬剤師向けの制度や研修の情報 |
| 日本薬剤師研修センター | 研修認定や講習の案内 |
| 日経メディカル | 医療や薬の最新ニュース |
| くすりのしおり | 患者向けの薬の説明 |
| デキる薬剤師をつくる現場の教科書 | 現場の知識を学べる書籍 |
上の4つは薬剤師向けの情報サイト、最後の1つはおすすめの本です。日本薬剤師研修センターでは、講師と学べる研修も申し込めます。
薬剤師会の研修会に参加する
2つ目は、各県の薬剤師会が開く研修会に参加する方法です。
内容は県によって違いますが、調剤業務や服薬指導のロールプレイングなど、実践に近い研修を受けられます。無料で受けられることが多いので、不安な人は参加してみるのがおすすめです。
詳しくは、住んでいる地域の薬剤師会に問い合わせてみてください。
研修制度のある職場を選ぶ
3つ目は、研修制度のある職場を選んで、働きながら学ぶ方法です。職場の研修は業務に沿った内容なので、仕事に慣れるのが早いです。
ただし、手厚い研修があるのは大手が多めです。研修の有無は求人票に載らないこともあり、自分で探すのは手間がかかります。
研修のある職場を見つけたいなら、薬剤師専門のエージェントに相談すると効率よく探せます。
ブランクのある薬剤師が復職を成功させるコツ
復職を成功させるには、希望条件の決め方から面接での伝え方まで、押さえどころがあります。子育てと両立しながら復職した人が実践しているコツを5つ紹介します。
希望条件の優先順位を決める
まず、求人に求める条件の優先順位を決めましょう。子育てから戻る人は、勤務時間や勤務地など条件が増えがちです。
優先順位をつけると、自分の希望に合う求人に出会いやすくなります。働き方ごとに、重視する条件を書き出してみてください。
| フルタイムで働きたい人の例 | 1.残業が少ない 2.研修制度が整う 3.有給が取りやすい |
|---|---|
| 家庭と両立したい人の例 | 1.時短勤務ができる 2.土日休み 3.立地条件 |
求人情報を確認する
応募前に、求人情報をよく確認しましょう。確認を怠ると、こんなはずではなかったと後悔しがちです。
とくに休日は勘違いしやすい項目です。毎週2日休みの「完全週休2日制」と、月1回以上週2日休みがある「週休2日制」は意味が違います。
求人情報で確認する項目
雇用期間
転勤の有無
給与・年収
勤務地
勤務時間
休日
社会保険・福利厚生
復職の理由を前向きに伝える
ブランクと復職の理由は、前向きに伝えられるようにしておきましょう。出産・育児・介護が理由なら、そのまま伝えて問題ありません。
気をつけたいのは、人間関係や待遇への不満で辞めた場合です。不満をそのまま言うと印象が下がるので、これから何をしたいかに言い換えます。
| 伝え方 | 言い方の例 |
|---|---|
| NG | 残業が多く、上司とも合わなかったから |
| OK | 患者さんとじっくり向き合える職場で長く働きたいから |
薬剤師の転職理由をもっと知りたい人は、以下の記事も参考になります。
余裕があれば研修認定薬剤師を取る
時間に余裕があれば、研修認定薬剤師の取得もおすすめです。
研修認定薬剤師は、学び続けてきた証として日本薬剤師研修センターが認定する資格です。取得していれば、ブランク中も薬剤師としての知識を保ち、学び直してきたことを職場に示せます。
転職エージェントに相談する
復職を成功させたいなら、転職エージェントへの相談がおすすめです。求人選び、書類の添削、面接対策、条件交渉まで支えてもらえるので、子育て中でも転職活動を進めやすいです。
エージェントは複数登録して、サポートを比べるのがおすすめです。選び方や併用のコツは、以下の記事を参考にしてください。
ブランクから復職した薬剤師の体験談
子育てしながら復職した薬剤師に、仕事と家庭のやりくりについて話を聞きました。
復職して良かったことで多かったのは、人や社会とのつながりを感じられることでした。
家事や育児だけの毎日では、人と関わる機会が減りがちです。働きに出て人と話す時間が増え、生活に張り合いが出たと感じる人が多くいました。
30代・薬剤師
復職してもう1度自分が好きな薬剤師という仕事をできることにやりがいを感じます。中学生からの憧れだったので薬剤師として働き続けることが幸せです。
20代・薬剤師
子供ができてから家にいる時間が長くなり人と会う機会がなかなかありませんでした。だけど、復職することで職場の人と話す機会が増えて仕事をするのが楽しいです。
一方で、大変だったこととして多かったのは、時間のやりくりと知識の遅れです。
家事や育児に仕事が加わるので、うまく時間を使わないと一日があっという間に過ぎてしまいます。
ブランク中に変わった制度や薬についていけるか、不安を感じる声も多くありました。勉強から離れていた人ほど、大変に感じやすいです。
30代・薬剤師
復職したものの、やっぱり子育てと仕事の両立は大変です。朝早く起きて子供を保育園に見送り、そこから仕事をして帰ってきたら夕飯を作ってと、同じ生活の繰り返しですね。
40代・薬剤師
休暇をとっている間に薬機法が大きく改定されて、その分のインプットが難しかったです。現役だと仕事をしながら覚えることができたけど、休んでいると座学で勉強しなきゃいけないので…。一夜漬けでは厳しいのでコツコツ勉強することをおすすめします。
大変さを減らすためにも、復職前にできる準備を進めておくと安心です。
ブランクのある薬剤師の復職におすすめの転職エージェント
ブランクのある薬剤師ほど、転職エージェントを使うと復職が成功しやすいです。薬剤師の事情に詳しい専門のエージェントを選びましょう。
ブランクがあると、薬剤師の転職市場の変化に追いつけていないことがあります。専門のエージェントなら、ブランク明けの職場復帰を最初から最後まで支えてくれます。
中でも、求人とサポートのバランスが良いマイナビ薬剤師、パートや派遣の求人に強いファルマスタッフが復職におすすめです。
薬剤師におすすめの転職エージェント
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ファルマスタッフ
東証プライム上場の日本調剤グループが運営!20年以上の実績と信頼
薬剤師向けのエージェントやサイトをもっと比べたい人は、以下の記事も参考になります。
薬剤師の復職に関するよくある質問
ブランクのある薬剤師の復職について、よくある質問に答えます。
薬剤師はブランクが何年まで復職できますか?
何年でも復職は可能です。
ただし2年以内のブランクが復職しやすいと言われます。
調剤報酬が2年ごとに改定されるためです。
ブランクが長い場合は、学び直しを前提に職場を選びましょう。
10年のブランクがあっても薬剤師に復職できますか?
できます。
研修制度のある職場を選ぶのがポイントです。
最初はパートから始め、慣れてから勤務時間を増やす方法もあります。
ブランクのある薬剤師が復職しやすい職場はどこですか?
調剤薬局とドラッグストアです。
どちらも薬剤師の求人が多く、復職支援や研修制度のある職場を見つけやすいです。
慢性期や回復期の病院も復職しやすい部類です。
薬剤師が復職するときの時給はどれくらいですか?
パートタイム薬剤師の平均時給は2,845円です。
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査による数字です。
派遣はさらに高めの傾向があります。
復職前に何を勉強すればいいですか?
調剤報酬の改定内容と、新しく出た薬を押さえておきましょう。
本やインターネットでの独学のほか、薬剤師会が開く研修会も使えます。
ブランクがあっても薬剤師として復職しよう
薬剤師はブランクがあっても復職できます。10年や20年のブランクでも、学び直せる環境とブランクに理解のある職場を選べば復帰は可能です。
復職しやすいのは調剤薬局やドラッグストアです。復職前に調剤報酬の改定や新しい薬を押さえ、希望条件の優先順位を決めておくと、復職がスムーズになります。
1人での職場探しが不安なら、薬剤師専門の転職エージェントに相談するところから始めてみてください。ブランクの悩みを相談しながら、自分に合う職場を探せます。
薬剤師におすすめの転職エージェント
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薬剤師は資格職なので、ブランクがあっても時給が下がりにくいのが強みです。
戻れる職場は十分あるので、焦らず情報を集めるところから始めるといいですよ。