理学療法士が医療機器メーカーに転職する方法|企業の選び方や求められるスキルを解説

理学療法士が医療機器メーカーに転職する方法|企業の選び方や求められるスキルを解説

    理学療法士が医療機器メーカーに転職するメリットや、企業の選び方を解説します。

    転職時に求められるスキルや、医療機器メーカーへの転職を成功させる方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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理学療法士が医療機器メーカーに転職するメリット

医療機器メーカーは、理学療法士のスキルと臨床経験を活かしやすい転職先です。

専門知識を持つ理学療法士は医療機器メーカーから高い評価を受けやすく、転職によって年収アップやキャリアアップが可能になります。

理学療法士が医療機器メーカーに転職するメリットは、主に4つあります。

身体的な負担が減る

臨床現場では長時間の立位姿勢、患者の移乗介助、歩行介助など身体的負荷が高い作業が日常的に発生しますが、医療機器メーカーでは臨床現場のような重労働がありません

医療機器メーカーの業務は、製品の紹介や資料作成などが中心なので、腰や膝への負担が大幅に減ります。

営業や学術職で医療機関を訪問する際も、車や公共交通機関の移動がメインであり、機材もカートや専用ケースで運搬するため、腰痛や関節障害のリスクを抑えられます。

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体力的な負担が少ないため定年まで働きやすく、長期的な視点でキャリアアップを実現できますよ。

給与アップを望める

医療機器メーカーでは、基本給に加えて成果連動型のインセンティブが支給されることが一般的であり、転職すれば給与アップが可能になります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の平均年収は420万〜430万円で推移しています。

一方で、医療機器製造業の平均年収は500〜600万円台で推移しており、理学療法士の平均年収よりも100万〜200万円ほど高めです。

特に営業職は売上目標達成率に応じた歩合が上乗せされるケースが多く、さらに高収入を実現できます。

また年俸制が採用されている外資系メーカーなら、成果次第で早期の昇給・昇格を狙えます。

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学術職やマーケティング職でも、プロジェクトへの貢献に対する手当や海外学会出張手当が充実しています。


売上達成や臨床試験の成功など数字で成果を示せば、早期の昇給が可能ですよ。

キャリアアップがしやすい

医療機器メーカーは評価指標や昇進基準が明確であり、実績次第で昇進・昇格しやすい環境です。

年功序列に左右されにくいため、成果を出せば早期にキャリアップが実現します。

また医療機器メーカーでは定期的な配置転換がおこなわれており、学術担当からマーケティング、開発、営業マネジメントへとキャリア拡大が可能です。

理学療法士として臨床経験を積んでいれば、早期にチームリーダーやプロジェクトマネージャーを任されるケースも少なくありません。

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営業・学術・マーケティングなど多職種のルートがあり、成果次第でマネージャー職や海外駐在ポストも狙えますよ。

ビジネススキルを得られる

医療機器メーカーでは、市場分析や製品企画、財務管理、プレゼンテーションといった臨床現場では触れる機会が少ないビジネススキルを日常的に学べます

たとえば新製品を開発する際には、市場規模とターゲット顧客を調査し、価格戦略と販促計画を立案するマーケティングプロセスを経験できます。

さらに薬機法やISO(国際標準化機構)などの法規制知識も身につくため、将来的にコンサルタントや独立系スタートアップに転身する際の強力な武器となります。

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ビジネススクールの費用補助や社内研修制度が充実している企業も多いので、会社の支援を受けながら成長できますよ。

理学療法士の資格を活かせる職やおすすめのセカンドキャリアを知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。

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理学療法士が医療機器メーカーの転職に必要なスキル

医療機器メーカーに共通して求められるスキルは、臨床知識をわかりやすく伝えるコミュニケーションスキルです。

ほかにも職種により、求められるスキルが異なるため、ここで確認しておきましょう。

全職種共通|コミュニケーションスキル

医療機器メーカーでは、医師や看護師、エンジニアや営業などの多職種が関わるため、コミュニケーションスキルが不可欠です。

プレゼン資料の作成や議論、交渉などの機会も多く、製品導入時の院内説明や社内連携では、専門用語を噛み砕いて伝える能力が求められます。

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単に事実やデータを伝えるだけでなく、体験談やエピソードを交えながら印象に残るように伝えると、採用面接でも高評価を得られます。

また最近はオンライン会議が主流となっている企業も多く、チャットでのやり取りも必要です。

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日頃からオンラインでのやり取りに慣れておくと、業務を円滑にこなせますよ。

研究開発職|臨床工学技士の資格

研究開発職では、医療用電気機器の回路構造や安全規格などに関する知識が不可欠です。

機器安全試験や医療電気規格を理解するうえで、臨床工学技士資格があると有利です。

理学療法士が臨床工学技士の資格を併せ持つことで、数少ない人材として高く評価され、キャリアの選択肢が一気に広がります。

また電気生理機器や人工呼吸器などに関する深い専門知識を証明でき、医師やエンジニアと技術的な打ち合わせをする際に役立ちます。

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さらにISOやGCP(治験のルール:厚生労働省令)、薬機法申請の基礎知識を習得しておくと、治験計画などで即戦力として重宝されますよ。

営業職|普通自動車免許

営業職は病院・クリニックへのルート営業が中心であり、地方を含む広いエリアを車で移動するケースが大半です。

普通自動車免許は必須条件であることが多いので、ペーパードライバーの場合は転職前に短期教習で運転に慣れておくと安心です。

また顧客管理システムへの入力やタブレットで製品デモを行う機会が増えているため、情報技術に関する知識や技術、自己管理能力も同時に求められます。

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売上目標を達成するための計画立案や時間管理術を習得しておくと、営業職で早期に成果を出しやすいですよ。

外資系|ビジネスで使える英語力

外資系メーカーは、海外本社とのオンライン会議やメール報告が日常業務であり、ビジネス英語が欠かせません。

製品マニュアル・臨床データ・社内ポリシーなども英語で提供されるため、医療機器関連の専門英語とビジネスメールのテンプレートを学んでおくとスムーズです。

理学療法士としての臨床知識を英語で説明できれば、入社後すぐに国際プロジェクトへ参画しやすくなります。

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語学研修費用を補助する企業が多いため、入社後も英語学習を続けながら国際舞台で活躍できますよ。

理学療法士が転職する医療機器メーカーの選び方

理学療法士が医療機器メーカーへ転職する際は、自分に合う企業の見極めが必要です。

企業を選ぶ際に重視すべきポイントは、主に3つあります。

社風・研究開発体制を比較する

医療機器メーカーには、トップダウンで効率を重視する企業と、現場の声を吸い上げるボトムアップ型の企業があり、会社によって社風が大きく異なります

トップダウン文化だと提案が通りにくく、逆にボトムアップ型は挑戦する機会が多いなど、社風は働きやすさと製品開発に直結します。

そのため企業説明会やOB・OG訪問で、現場の声が反映されやすいか、部署間の連携がしやすいかを調査し、自分の価値観と合う会社を見極めることが重要です。

また研究開発体制は製品の市場競争力を左右する要素であり、将来的な製品力や開発の継続性を判断する指標になります。

研究開発の投資比率や新規製品数、特許出願数などの公開データを確認し、製品改良や新技術開発にどれだけ注力しているかを把握しましょう。

将来性のある分野・製品を扱うメーカーを選ぶ

医療機器メーカーを選ぶ際は、将来性のある分野・製品を扱っているか、その分野で自分の経験やスキルを活かせるかを考えることが大切です。

医療機器業界ではリハビリロボット、デジタルヘルス、IoTセンサーなど成長が期待される分野があります。

成長市場は長期的に安定しており、研究開発投資が継続するため、IR資料や業界レポートを見て、売上成長率や将来の市場規模予測を確認しましょう。

今後の成長性が見込める事業を持つメーカーを選べば、転職後のキャリアの停滞や降格リスクを最小限に抑えられます。

加えて、自身の臨床分野と関連性の高いものを持つメーカーを選ぶことで、知識と経験を最大限に活かせます。

末永雄大 末永

医療機器業界の3大トレンドは「高齢化」「デジタルヘルス」「低侵襲(身体への負担が少ない)治療」です。


トレンドと自分の臨床経験が活かせる分野を意識して選ぶと、入社後のミスマッチが少なくなります。

教育研修・キャリアパス制度の有無を確認する

臨床から医療機器メーカーに転職する理学療法士にとって、入社後の研修やキャリアパス制度が充実しているかどうかは重要なポイントです。

製品知識や法規制を学べる研修がないと、業務に馴染めず、早期に離職するリスクが高まります。

入社後の研修プログラムに加え、海外研修や学会参加支援など、長期的に成長できる環境があれば安心です。

さらに社内公募制度やジョブローテーション制度が整備されている企業であれば、横断的なキャリア構築が可能になります。

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面接では「入社1年目の研修カリキュラム」と「3〜5年後のキャリアモデル」を具体的に質問して、必要なスキルを取得しやすい環境かどうかを見極めましょう。

理学療法士が医療機器メーカーの転職を成功させるコツ

理学療法士が医療機器メーカーへの転職を成功させるには、事前準備と情報収集が鍵となります。

具体的には以下3つのポイントを押さえておくと、転職活動を円滑に進められます。

自己分析をして転職する目的を明確にする

転職活動を始める際に最初に取り組むべきことは、自己分析です。

自己分析では、転職で何を実現したいのか、転職のゴールをどこに定めるかを具体化します。

「デジタルリハビリ分野で製品開発に携わりたい」「年収やワークライフバランスを改善したい」など、転職の目的やゴールを明確にすれば、応募先を選定しやすいです。

加えて、臨床で培ったリハビリ技術やコミュニケーション能力など、自身の強みを整理して言語化すると、ライバルと差別化できます。

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さらに目標を設定して必要なスキルや知識のリストを作成し、転職までの学習計画を立てると効果的です。

理学療法士として今後のキャリアに迷いがある人は、下記の記事を参考にしてみてください。

理学療法士に特化した転職サイトで求人を探す

理学療法士が医療機器メーカーの求人を探す際は、医療専門の転職サイトを利用するのが効果的です。

一般的な転職サイトは多くの業界の求人を扱っているため、医療機器メーカーの求人が埋もれがちです。

医療職専門の転職サイトを利用すれば、「臨床経験歓迎」「学術担当」「臨床評価」「リハビリ機器担当」など、理学療法士の経験を活かせる求人を効率よく探せます

またスカウト機能をオンにすることで、企業側から直接オファーを受けるチャンスも生まれます。

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複数サイトに登録すれば選択肢の幅が広くなり、希望条件に合う企業を見つけやすいですよ。

転職エージェントで書類添削・面接対策のサポートを得る

理学療法士が医療機器メーカーから内定をもらうには、転職エージェントによるサポートが役立ちます。

転職エージェントには、医療機器業界の選考方法やメーカーが求める人物像を熟知した担当者がおり、職務経歴書の添削から面接対策まで手厚くサポートしてくれます。

理学療法士としての臨床成果を数値や事例で示す方法や、面接で聞かれやすい質問など、具体的なアドバイスを得られるため、転職が初めてで不安な人も安心です。

さらに年収交渉や入社時期の調整まで代行してくれるので、在職中でも効率よく転職活動を進められます。

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複数エージェントに登録して担当者との相性やサポートの質を比較すると、より高精度なマッチングが実現します。

理学療法士におすすめの転職サイト・エージェントを知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

理学療法士の医療機器メーカーへの転職によくある質問

理学療法士の医療機器メーカーへの転職によくある質問と回答をまとめました。

理学療法士から異業種へ転職するのは難しい?

医療機器分野への転職であれば、リハビリ現場で培った専門知識が製品開発や臨床評価に直結するため、全く異なる業界よりも転職難易度は低いです。

特に医療機器メーカーは臨床に近い業界のため、理学療法士の経験は大きなアドバンテージになります。

面接では過去の治療成績を数値化するなど、臨床経験を具体的にアピールすることで、即戦力として評価されやすくなります。

理学療法士は大手企業に転職できる?

大手国内・外資メーカーは臨床経験者を積極的に採用しており、理学療法士が学術職や営業職で活躍する事例は増えています。

ただし競争倍率が高いため、薬機法やISOに関する基礎知識、英語でのメール・プレゼン能力、統計解析スキルなどで差別化が必要です。

大手企業への転職を成功させるには、転職エージェントから非公開求人を紹介してもらい、選考フローや想定質問を事前に把握して対策を練ることが重要です。

医療機器メーカーの転職に向いている人は?

医療機器メーカーの転職に向いているのは、数字目標に抵抗がなく、臨床現場で培った専門知識をわかりやすく伝えられる人です。

営業職では行動力と計画性、学術職では論文読解力とデータ解析力が重視されます。

転職エージェントのサポートを受ければ、自身の強みに合う企業を紹介してもらうことができ、入社後のミスマッチを防げます。

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