勤務先別に薬剤師の退職金を解説!支給額の計算方法も紹介!

勤務先別に薬剤師の退職金を解説!支給額の計算方法も紹介!

    薬剤師の退職金は、勤務先によって大きく変わります。また、勤続年数や退職理由によっても変動します。

    本記事では、具体的にどんな要因で退職金が変わるのか解説します!

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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退職金は勤続年数と勤務先で大きく変わる

退職金が受け取れるかどうかは、「勤務先の退職金制度」「勤続年数」「退職理由が自己都合であるか会社都合であるか」によって大きく変わります。

そもそも退職金は、会社が「退職一時金制度」「確定給付企業年金制度」「中小企業退職金共済」「企業型確定拠出年金制度」などの制度を採用していなければ受け取ることはできません。

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、退職給付制度のある企業は全企業のうち80.5%、産業別では医療・福祉は87.3%となっています。

またこの調査では、企業の規模が大きいほど退職金を受け取れる割合が高くなることがわかっています。

具体的な会社の規模と退職金の関係は以下の通りです。

企業規模(社員数) 退職給付制度がある割合
30〜99人 77.6%
100〜299人 84.9%
300〜999人 91.8%
1000人以上 92.3%

ただし、退職給付制度を取り入れている会社に勤務していても、退職金を受け取るには企業の定めた最低勤続年数などの条件を満たす必要があります。

東京都産業労働局の中小企業の賃金・退職金事情(平成30年度版)によると、全企業のうち48.8%が退職金を受け取るための最低勤続年数を3年(自己都合退職の場合)と定めています。

勤続年数が1年や2年以下であっても退職金を受け取れる企業はあるものの、1年未満で0.7%、1年以上2年未満で17.3%、2年以上3年未満で11.9%と割合が低くなっているため、注意が必要です。

また、基本的に退職金は勤続年数が長くなるにつれてもらえる金額が増え、自己都合退職よりも会社都合退職のほうがもらえる金額が多くなっています。

さらに学歴によっても金額が左右され、高校卒よりも大学卒のほうが退職金の額が多くなっています。

【勤務先別】薬剤師の退職金の平均・相場

独立行政法人勤労者退職金共済機構によると、大学を卒業した人の一般的な退職金相場(自己都合退職)は以下の通りです。

勤続年数 企業規模
10〜49人 50〜99人 100〜299人
5年 430,000円 375,000円 564,000円
10年 1,111,000円 993,000円 1,777,000円
15年 2,123,000円 1,945,000円 3,225,000円
20年 3,367,000円 3,306,000円 5,225,000円
25年 4,966,000円 5,037,000円 8,202,000円
30年 6,787,000円 7,113,000円 11,389,000円

一方で、薬剤師は平均年収が高めなので、退職金も高くなる傾向にあります。

ここから先は、以下の勤務先別に、およそどれくらいの退職金が貰えるのかを解説していきます。

ドラッグストアの退職金

ドラッグストアの退職金は、大手ドラッグストアか地方の中小ドラッグストアかで変わります。

全国に事業を展開する大手ドラッグストアであれば、退職金制度が整っていることが多いです。理由は薬剤師だけではなく、販売員など他にたくさんの従業員を雇っているためです。

ライトハウスに掲載された数百以上の口コミから独自に調査した結果によると、ドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は557万円のため、退職金(勤続年数10年)の相場は360万円前後と推測することができます。

基本給に応じた算出方式が適用される場合

退職金=1ヶ月分の基本給(薬剤師手当3〜5万、残業・通勤手当5〜7万とした場合)✖勤続年数(10年)

注意していただきたいのは、本来の基本給に応じた算出方式は上の計算方法に加えて、退職金理由別支給率を追加する必要があります。しかし、会社によってその比率は変わるので、上で算出した退職金額も変わります。

支給率に関しては会社の就業規則や退職金規定から確認できますので、自分の退職金がいくらになるのか参考に計算してみましょう。

企業ごとに採用している制度はもちろん、福利厚生の充実度なども関係しているので、退職金の額は企業によって大きく異なります。

だからこそ、自分の退職金がどのくらいになるのかを計算するためには、会社の規定や雇用条件などを確認することが重要になります。

調剤薬局の退職金

調剤薬局の退職金は、一概にいくらとは言えません。なぜなら、調剤薬局には大手企業から中小企業、さらに個人経営など、様々な規模の薬局が存在しているためです。

しかし、ライトハウスに掲載された数百以上の口コミから独自に調査した結果によると、調剤薬局で働く薬剤師の平均年収は481万円のため、退職金(勤続年数10年)の相場は300万円前後と推測することができます。

病院の退職金

病院の退職金は、国公立病院か民間病院かで相場が大きく変わります。

国公立病院では公務員に準じた給与制度が用いられているため、退職金も同等のものが支払われ、勤続年数が長くなればなるほど金額が上がります。

実際、内閣官房の「国家公務員退職手当実態調査(平成30年度)」によると、国家公務員の退職金は定年退職の場合で平均2068万円です。

一方で民間病院の場合は、会社の規模によって退職金が左右される場合があります。

ライトハウスに掲載された数百以上の口コミから独自に調査した結果によると、病院で働く薬剤師の平均年収は416万円のため、退職金(勤続年数10年)の相場は245万円前後と推測することができます。

ただし、国公立病院と違い、退職金制度がないところもあるので注意が必要です。

製薬企業の退職金

製薬企業の退職金相場は、大手企業か中小企業かによって大きく変わるものの、平均して他の業態よりも高いです。

ライトハウスに掲載された数百以上の口コミから独自に調査した結果によると、製薬企業で働く薬剤師の平均年収は958万円のため、退職金(勤続年数10年)の相場は700万円前後と推測することができます。

製薬企業は他の一般企業と比べると給与水準が高く、それに伴い退職金も高くなる傾向があります。とくに大手では積立退職金制度や早期退職優遇制度など福利厚生を充実させている傾向にあります。

退職金を交渉する時は会社規定を確認することが大事

退職金の交渉に入る前に、まずは会社の規定を確認するようにしましょう。「雇用契約書」「退職金規定」「就業規則」などの書類に、退職金に関わる情報があります。

ここでは、企業がよく採用している退職金制度について紹介します。

  1. 基本給に応じた算出方式
  2. 定額方式
  3. 別テーブル方式

基本給に応じた算出方式は、1ヶ月分の基本給と勤続年数、さらに退職理由別に定めた給付率をかけて算出する方法です。具体的な計算式は「基本給×勤続年数×退職金理由別支給率=退職金」であり、給付率は各会社によって異なります。

定額方式は、勤続年数ごとに定められた退職金額によって決定する方式です。基本給や給付率は定められておらず、退職金規定に記載されている勤続年数ごとの金額が支給されます。

別テーブル方式は、役職や職務等級によって定められた基準額に、勤続年数と退職理由別に定めた給付率をかけて算出する方法です。

このように、企業によって採用している退職金制度が違うので、その制度によりもらえる額が変わってきます。なので、勤務年数が長くても退職金は少ない可能性がありますし、または勤務年数は短いのに退職金は多いという場合があります。

退職金制度に関する会社の規定には以下のようなものもあります。

  • 入社後一定期間を経た者のみ対象(3年以上)
  • 自己都合または会社都合での退職か

退職金に関する条件を確認しておくことでスムーズな交渉ができます。納得のいく交渉をするために自分が所属する会社の規定を確認しましょう。

退職後のキャリア相談は転職エージェント

結論から言うと、薬剤師を退職した後のキャリアについては転職エージェントに相談することをおすすめします。

転職エージェントではあなたのスキルや経験を活かせる求人を紹介してくれますし、キャリアアドバイザーによる選考対策も受けることができるからです。

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