
リスキリングは退職してからでも大丈夫?学び直して転職したい人必見!
政府が推奨するリスキリングは退職後でもできるのか現役エージェントが徹底解説します!支援内容や受けられる講座の種類も紹介!
新しいスキル・知識を身につけて、転職先企業の選択肢を増やしたいと考えている人必見です。
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退職後だとリスキリングの制度は使えない
経済産業省が推進する「スキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は転職を目指している人が対象となります。そのため、退職後だとキャリアアップ支援事業の支援は受けられないので注意が必要です。
サービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方が対象となります。
スキリングを通じたキャリアアップ支援事業
つまり、利用時に転職を目指していることを前提としているので、退職後では条件を満たしていないのです。ただ、サービスを利用したからといって必ず転職する必要はありません。
また、対象者は正社員だけではなく、サービス利用開始時に企業と雇用契約があり、転職を目指しているのなら契約社員・派遣社員・パート・アルバイトも含まれます。
リスキリングとは
リスキリングは学び直しとも呼ばれ「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する・させること」とリクルートワークス研究所が2021年に発表した研究報告書で定義されています。
つまり、リスキリングとは個人が労働市場で継続的に雇用される可能性の維持または向上させることです。
これを受け、経済産業省では、リスキリングと労働移動の円滑化を一体的に進めるために、労働者がキャリアの相談ができ、相談内容を踏まえたリスキリング講座の受講、その後の転職支援までを一体的に実施する体制を整備しました。
退職後でもリスキリングできる3つの代替制度
経産省のリスキリング事業は退職後だと使えませんが、退職後の人が利用できる学び直しの制度は別にあります。
雇用保険を財源とする教育訓練給付金と、2025年4月から始まった失業手当の特例を組み合わせれば、退職後でも生活費を確保しながらスキルを身につけることが可能です。
一般教育訓練給付金(受講費の20%・上限10万円)
退職後でも比較的使いやすいのが「一般教育訓練給付金」です。雇用保険の加入期間が通算1年以上あれば、退職後でも離職翌日から1年以内であれば申請できます。
支給額は受講費用の20%、上限10万円です。対象となるのは下記のような、比較的短期で取得できる講座が中心となります。
- 簿記・宅建・MOSなどのビジネス系資格
- TOEICなどの語学スキル
- Webデザイン・プログラミングなどのIT系講座
上記の対象講座は厚生労働大臣の指定を受けたもので、ハローワークインターネットサービスから検索できます。
受講前後の手続きが比較的シンプルで、初めて教育訓練給付制度を使う人にもハードルが低いのが特徴です。
制度の詳細や最新の指定講座は厚生労働省「教育訓練給付制度」を参照してください。
特定一般教育訓練給付金(受講費の40〜50%・上限20〜25万円)
「速やかな再就職や早期のキャリア形成に役立つ講座」が対象になるのが特定一般教育訓練給付金です。具体的には、再就職に直結しやすい下記のような資格・スキル系の講座が対象になります。
- 介護職員初任者研修
- 宅建(宅地建物取引士)
- 社労士(社会保険労務士)
- ITパスポート
補助率は受講費用の40%、上限20万円が修了時に支給されます。さらに資格を取得して1年以内に雇用保険の被保険者として再就職すれば、追加で受講費の10%(合計上限25万円)が上乗せされます。
退職者の場合、原則として離職日から1年以内に受講を開始する必要があります。受講前にハローワークでの訓練前キャリアコンサルティングが必須なので、早めに動いておきましょう。
申請手続きや対象講座の最新情報は厚生労働省「教育訓練給付制度」で確認できます。
専門実践教育訓練給付金(受講費の50〜80%・年間上限40〜64万円)
中長期的なキャリア形成に資する講座が対象の「専門実践教育訓練給付金」は、3つの中で最も補助率が高い制度です。対象となるのは下記のような中長期型の専門講座です。
- 看護師・保育士・社会福祉士などの専門資格
- 業務独占資格(行政書士・司法書士など)
- 第四次産業革命スキル習得講座(AI・データサイエンスなど)
基本給付は受講中に受講費用の50%、年間上限40万円が支給されます。
さらに資格を取得して1年以内に雇用保険の被保険者として就職すれば追加20%(年間上限56万円)、就職後に賃金が5%以上上昇すれば追加10%(年間上限64万円)が上乗せされる手厚い設計です。
退職者の場合、離職日から1年以内に受講開始という条件があります。受講期間が1年以上の講座が多いため、退職前後でしっかり計画を立てることが重要です。
給付率や対象講座の詳細は厚生労働省「教育訓練給付制度」でも確認できます。
失業手当の給付制限が解除される「リスキリング特例」
2025年4月の雇用保険法改正で、自己都合退職者の状況が大きく変わりました。
まず、原則の給付制限期間が2ヶ月から1ヶ月に短縮されています。
さらに「リスキリング特例」として、離職日前1年以内または離職期間中に教育訓練給付金の対象となる教育訓練を受講していれば、給付制限自体が解除され、待機期間後すぐに失業手当を受給できるようになりました。
対象となる教育訓練は、上記3つの教育訓練給付金の対象講座、公共職業訓練、ハローワークが指定する短期訓練などです。重責解雇された場合は対象外となります。
給付制限期間満了後の失業認定日までに申し出をする必要があるので、ハローワークの初回手続き時に必ずリスキリング特例の制度詳細を確認して相談しておきましょう。
退職後の生活費という最大の不安を、教育訓練の受講で同時に解消できる仕組みです。
ここまで紹介した代替制度は退職後でも使える強力な選択肢ですが、補助率や転職支援の充実度を考えると、経産省のリスキリング事業(最大56万円・キャリア相談無料)を退職前に活用するほうが圧倒的に有利です。
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リスキリングを考えているのなら退職前にする
経済産業省が推進する「スキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は転職を目指すことを前提としているため、受講費用の軽減を受けたい場合は退職前にしたほうが良いです。
退職後では対象者条件から外れてしまい、受講費用の軽減措置は受けられません。
「転職を目指す」ことを前提としていますが、転職を強制するわけではないです。多少なり転職を視野に入れている場合は、キャリア相談だけでも試してみると良いです。
ちなみにキャリア相談や転職支援は無料で受けられるので、お金がかかる心配はありません。
リスキリングから転職までの流れ
経済産業省が推進するリスキリング事業は、経済産業省がサービスを提供しているわけではなく、事業に参画する事業者へ自分で申し込みをすることで利用できます。
事業者への利用申し込み後は下記の流れで進んでいきます。
リスキリング事業の流れ
- キャリア相談
- リスキリング
- 転職支援
キャリア相談とは民間の専門家にキャリアの相談をしていきます。これまでのキャリアの棚卸し、目指すキャリアの設定、スキルの棚卸しをおこない、最適なリスキリング講座の提案などを無料でサポートしてもらえます。
自分の興味のある講座や提案してもらったリスキリング講座を受講していきます。受講費用はかかりますが、負担は軽減されます。
転職支援ではキャリア相談やリスキリング講座の受講を踏まえ、最適な職業の支援・内定を獲得するまでを無料でサポートをしてもらえます。
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リスキリング事業の支援内容・受けられる講座の種類
経済産業省が推進するリスキリング事業では、転職が実現し継続して就業できれば最大56万円が補助される制度です。
労働者に対して直接補助されるわけではなく、事業者経由で受講費用の負担が軽減される仕組みです。具体的には事業者に対して下記の金額が補助され、受講する労働者はそれ以上の負担が軽減された価格で講座を受講できるようになっています。
リスキリング講座の受講を修了した場合: 講座の受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円) リスキリング講座の受講を経て実際に転職し、
その後1年間継続的に転職先に就業していることを確認できる場合: 追加的に講座の受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円) リスキリング事業
リスキリング事業を利用すれば最大56万円が支払われるわけではないので注意が必要です。
これらを踏まえ、実際に受けられる講座や講座を提供する事業者を紹介していきます。
受けられる講座
リスキリング事業で受けられる講座は多種多様です。プログラミングやWebアプリ開発、ディープラーニングなどのデジタル分野、医療や介護・福祉などのヘルスケアや保育に関する分野など、幅広い領域の講座が用意されています。
2023年12月時点では下記の5つの分野で講座を提供しています。
- ビジネススキル(語学含む)
- 職種に関連したスキル
- IT・デジタル分野のスキル
- 設計・製造分野のスキル
- 医療・福祉・生活分野のスキル
幅広い分野のリスキリング講座が用意されていますが、経済産業省ではとくに人手不足の懸念や発展を推進したい領域を推しています。
未経験からWebエンジニア
エンジニア転職特化型のプログラミングスクールで、実際の開発現場に近い実践的なカリキュラムが用意されています。受講後は未経験からWebエンジニアへ転職できるように丁寧な転職サポートをおこないます。
未経験から介護職
高齢化社会の日本では介護職者の人手不足が懸念されています。介護職専門のコンサルタントがサポートをおこない、資格取得から転職まで支援します。
未経験から技術者
製造産業は日本の基幹産業です。製造を支える技術者を増やすため、CAD、BIMオペレーター、BIM技術者に必要なスキルが取得できる講座が用意されています。他にもアーク・ガス溶接や通信設備技術など、製造業にまつわる幅広いコースもあります。
ベンチャー企業への転職
ベンチャー企業に興味のある20代後半〜40代向けに、キャリア相談やワークショップを実施しています。資格の取得はありませんが、ベンチャー企業で週1回程度、実務経験を積めるプログラムが用意されています。
講座を提供する事業者
2026年5月時点では、一次〜六次公募までで累計約200社が補助事業者として採択されています(事業期間は2027年3月末まで延長済)。
受講費用が発生するため、リスキリング講座を提供する事業者は経済産業省の公式サイトから探すのが安心です。
検索すると講座の特徴や主な支援対象者、主な転職先の業界・業種、注力しているリスキリング分野が表示されます。とくに職種に関連したスキルは幅広く、営業や会計・経理・財務、総務・事務、マーケティング・商品企画などがあります。
まずは公式サイトでリスキリング事業者を検索し、興味のある分野で講座があるかを確認してみると良いです。
2023年12月時点でリスキリング講座を提供している事業者をいくつかピックアップしてみました。参考にしてみてください。
| 分野 | 事業者 |
|---|---|
| ビジネススキル | アデコ株式会社 株式会社バリュー・スタッフ 株式会社ワークポート 株式会社キャリアプラス |
| 職種関連 | マイキャリア株式会社 株式会社コトラ 株式会社キャリアステーション 株式会社エンファクトリー |
| IT・デジタル | 株式会社ポテパン 株式会社D4cアカデミー キラメックス株式会社 ピーシーアシスト株式会社 |
| 設計・製造 | 株式会社ワークポート 株式会社VUILD management マイキャリア株式会社 |
| 医療・福祉・生活 | キャリアバンク株式会社 株式会社エヌ・エフ・ユー デジタルハリウッド株式会社 |
リスキリングと他のスキルアップの違い
リスキリングの他にも似た言葉があります。似た言葉なので混同しやすいため、ここではそれぞれの違いについて紹介していきます。
リスキリングとキャリアアップの違い
リスキリングとキャリアアップの大きな違いは、その過程にあります。リスキリングは他のキャリアも視野に学び直しをおこなうのに対し、キャリアアップは現在の業界・職種で成長するために必要なスキルを身につけることです。
他の職種への転職や新しい分野への進出がリスキリングで、キャリアアップは現職での昇進や年収を増やすためにおこなわれるものです。
リスキリングと職業訓練の違い
リスキリングと職業訓練はキャリア開発とスキル獲得は同じですが、目的とアプローチ方法が異なります。
目まぐるしく変わる労働市場の変化に対応するため、新なスキルを身につけて雇用を維持するのがリスキリングです。対して職業訓練は特定の職業に必要なスキル・知識を身につけることを目的としています。
リスキリングと自己啓発の違い
リスキリングと自己啓発はどちらも個人の成長とスキル開発に関連する言葉ですが、目的はそれぞれ異なります。
リスキリングは需要の減少により仕事を失うのを避けるために、新しい職種に適応するためのスキルを身につけます。自己啓発は個人の内面的な成長や生活の質の向上を目指しておこなわれます。
リスキリングとリカレント教育の違い
リスキリングとリカレント教育は両方とも新な分野に役立つスキルを身につける点は同じですが、学ぶ過程が異なります。
リスキリングは働き続けながら新しいスキル・知識を身につけていきます。一方でリカレント教育は「働く→学ぶ→働く」のサイクルで新しいことを学びます。学ぶ際には一時的に仕事を離れることを前提としているのです。
リスキリングと退職に関するよくある質問
リスキリングと退職をめぐっては、制度の詳細やケース別の取り扱いについて細かい疑問が多く寄せられます。ここでは特に質問の多い4つに、転職エージェントの視点から回答していきます。
リスキリング受講中に退職することになったら、補助金の返納は必要ですか?
経産省のリスキリング事業の場合、講座修了前に退職してしまうと在職者という条件を満たさなくなるため、補助金は支給されません。
すでに支払われた補助金がある場合は、返納を求められるケースもあります。
ただし、ハラスメント・健康上の問題など、やむを得ない事情で退職せざるを得ない場合は、補助事業者や経産省の事務局に早めに相談しましょう。個別の事情に応じて対応してもらえる可能性があります。
教育訓練給付金の場合は、受講中の退職そのものは補助の取り消し事由にはなりません。ただし給付対象となる修了要件を満たせるかどうかは個別の判断になります。
50代でもリスキリング事業や教育訓練給付金は使えますか?
年齢制限はありません。経産省のリスキリング事業は在職者で転職を目指している人が対象で、年齢の上限はありません。教育訓練給付金も雇用保険の加入期間さえ満たしていれば、50代・60代でも申請できます。
ただし、専門実践教育訓練給付金の対象となる講座は1年以上の長期コースが多いため、年齢を踏まえてキャリアプランと講座を選ぶことが重要です。
50代であれば、短期で取れる資格(特定一般教育訓練給付金の対象講座)から検討するのが現実的な選択肢です。
退職後でも失業手当をもらいながらリスキリングはできますか?
2025年4月のリスキリング特例によって、自己都合退職でも教育訓練を受講していれば給付制限なしで失業手当を受給できるようになりました。
退職→ハローワークで失業手当の手続き→教育訓練給付金対象の講座を受講→失業手当を受給しながら学習、という流れが現実的に可能です。
教育訓練給付金で受講費の補助も受けられるため、生活費と学習費の両面で支援を受けながらリスキリングできる仕組みです。
経済産業省のリスキリング事業と教育訓練給付金は併用できますか?
同一の講座での併用はできません。経産省事業の対象講座と教育訓練給付金の対象講座は重複しないように区分されています。
ただし時系列での使い分けは可能です。例えば在職中に経産省事業を活用し、転職後に別の分野で教育訓練給付金を使う、といった組み合わせは制度上問題ありません。
自分のキャリアプランに合わせて、どのフェーズでどの制度を使うかが大切です。
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