リスキリングと自己啓発の違いって?特徴やそれぞれのやり方を解説
リスキリングと自己啓発の違いについて、現役転職エージェントが徹底解説します。
DX化の推進によりスキルアップが脚光を浴びていますが、言葉の定義があやふやな人もいます。そこで本記事では特徴ややり方についても紹介していきます。
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リスキリングと自己啓発の違い
リスキリングと自己啓発はどちらもスキルや知識を習得したり、向上させるためにおこなわれますが、目的や学ぶ領域、費用に大きな違いがあります。
4つの項目からリスキリングと自己啓発の違いを比較してみました。
リスキリング | 自己啓発 | |
---|---|---|
目的 | スキル習得による職種・業務の転換 | 自らの知識や能力を向上させるための自発的な行動 |
学ぶ領域 | 主にデジタル領域 | 自由 |
期間 | 短期間 | 自由 |
費用 | 1万円以上〜 | 1万円未満 |
主な支援 | 国や企業 | 企業や個人 |
リスキリングは現代社会に適応し、雇用の維持もしくは雇用される可能性を継続するためにスキル・知識を習得していくことです。主にDX化の推進により人材不足の不足が懸念されるデジタル領域のスキルを学んでいきます。
費用は学ぶ領域で用意されている講座によって異なります。エンジニアなどの専門性の高い講座ほど料金は高くなります。ただ、経済産業省がリスキリングを推進しており、補助金を受ければ80万円ほどでエンジニアとして必要なスキル・知識が学べます。
一方で自己啓発は自分の知識や能力を向上させるための自発的な行動です。学ぶ領域はビジネスから私生活に関わるものまで幅広いです。費用は書籍やセミナーの参加などで、そこまでお金はかからないです。
これらを踏まえ、リスキリングの特徴と自己啓発の特徴を紹介していきます。
リスキリングの特徴
リスキリングは学び直しとも呼ばれ、現在の仕事に在籍しながらスキル・知識の学習をおこないます。
リクルートワークス研究所が2021年に経済産業省の検討会で提出した資料では「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する・させること」と定義しています。
リスキリングは世界的なトレンドになっており、日本でもスキル取得の機会を広げるために「個人のリスキリングを支援するため5年で1兆円を投じる」と岸田首相が発言しています。
経済産業省ではこれを受け、リスキリングと労働移動の円滑化を一体的に進めるために、労働者がキャリアの相談ができ、相談内容を踏まえたリスキリング講座の受講、その後の転職支援までを一体的に実施する体制を整備しています。
自己啓発の特徴
自己啓発は自発的に自らの能力やスキルを向上させるための動きのことです。仕事に関するスキルだけではなく、精神的な成長・向上も目的としています。
リスキリングのように特定の領域は決まっておらず、個人の意思によって伸ばしたい能力やスキルは異なります。
本人の意思によって決まるため、基本的には自由です。自由ではありますが、大切なのは自らの意思で行動を起こし、自分なりのやり方で成長していくことです。単に学ぶのではなく、その学びを実際にやってみて成果を出すサイクルが自己啓発では重要です。
リスキリングのやり方
企業と経済産業省のリスキリングではやり方が異なりますが、ここでは経済産業省が提供するサービスを活用するコツについて紹介していきます。
経済産業省が推進するリスキリング事業は、経済産業省がサービスを提供しているわけではなく、事業に参画する事業者へ自分で申し込みをすることで利用できます。
事業者への利用申し込み後は下記の流れで進んでいきます。
- キャリア相談
- リスキリング
- 転職支援
経済産業省のリスキリング事業は転職を目指す人向けのサービスです。そのため、利用申し込みをするとキャリア相談からスタートします。キャリア相談では、これまでのキャリアの棚卸しや目指すキャリアの設定、スキルの棚卸しがおこなわれます。これを経て、最適なリスキリング講座の提案などがなされます。
キャリア相談後は自分の興味のある講座や提案してもらった講座を受講していきます。受講費用は講座によって異なり、比較的料金の安いものから高いものまでさまざまです。
エンジニアやデザイナーに必要なスキルが学べる講座は費用が高く、Excelの操作方法やオンライン営業のやり方などは比較的安く設定されています。
利用する事業者によって設定金額は異なり、受講後に転職すれば補助金によって支払う金額の負担は軽減されます。
講座の受講後も事業者が責任を持って転職を成功させられるように、最適な職業の提案から内定獲得までを無料でサポートしてくれます。
リスキリングは退職後に開始したほうが良いのかは下記の記事で詳しく解説しています。
自己啓発のやり方
自己啓発を始めるにあたり、まずは何のために自己啓発をしたいのかを明確にさせる必要があります。
なんとなくで始めてしまうと目的意識をもてず、途中でやめてしまう可能性が高いです。また、自己啓発をしたい理由が明確でなければ、どのように自己啓発を進めていけば良いのかがわからなくなります。
やりたいと思った理由は壮大なものでなくても問題ありません。残業時間を減らしたり、マネジメント能力を高めたいなど、仕事関連のことでも大丈夫です。プライベートであれば、人との約束に遅刻をしないでも立派な理由になります。
自己啓発をやりたい理由を明確にしたら、下記に紹介する6つの方法の中から課題を解決するために必要なことを学んでいきます。
- 専門書やビジネス書などの書籍を読む
- CDやオーディオブックなどを聞く
- 専門ブログや動画をみて知識をつける
- スクールや通信講座で勉強する
- 講演やセミナーに参加する
- メンタリングやコーチングを受ける
前半の書籍やオーディオブック、動画などから学ぶ方法は時間を作れば、比較的すぐにできる方法です。後半の3つは通信講座やセミナー、コーチングの利用申し込みをしなければならず、やや敷居が高い方法だと言えます。
まずは簡単に挑戦できる書籍や動画などで始めてみると良いでしょう。
自己啓発のやり方については下記の記事で詳しく紹介しています。上記で紹介した6つの詳しいやり方も解説しているので、ぜひチェックしてみてください。