失業保険は一度もらうと再受給できない?条件や注意点を解説
失業保険は、一度もらっても、雇用保険に一定期間加入していれば再受給が可能です。
ただし、自己都合退職や会社都合退職ごとに条件や注意点があります。
本記事では、上記とあわせて、「再受給するメリット」「再受給の流れ」などについても詳しく解説します。
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【結論】失業保険の2回目の受給は可能
過去に失業保険を受け取っていても、再び就職し定められた条件をクリアしていれば、受給が可能です。
失業保険については、無料相談できる窓口が複数あります。
詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
失業保険の再受給を受けるための条件
失業保険を再び受け取るためには、いくつかの条件があります。
前回の受給からの経過や、就職後の勤務期間・退職理由などが影響するため、自分の状況が該当するかをしっかり確認することが大切です。
主な3つの条件について、ひとつずつ解説します。
就職する意思と能力がある
失業保険を受給するには、大前提として「就職したい」という積極的な意思をもっている必要があります。
失業保険は「再就職を支援するための給付金」で、すぐにでも働ける健康状態や環境が整っていることが求められるためです。
したがって、しばらく求職活動を休みたいと考えている人は受給できません。
病気やけがですぐに働けない場合も、原則として受給対象外です。
ただし、所定の手続きをおこなえば、受給期間を最長3年まで延長できます。
健康状態が回復した後に改めて申請すれば、残りの給付日数を受け取れます。
受給期間を延長するための条件については、以下の記事を参考にしてみてください。
雇用保険に一定期間加入している
失業保険の受給には、雇用保険への加入期間が大きく関わってきます。
原則として、離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上必要なためです。
ただし、会社の倒産や解雇といった会社都合で離職した場合や、正当な理由のある自己都合退職の場合は、条件が緩和されます。
この場合、離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば、受給資格を得られます。
失業保険を受給したい場合は、自分の雇用保険の加入期間を確認しましょう。
認定日までに最低2回の求職活動実績がある
失業保険を受給するには、ハローワークが定める「失業の認定日」までに、原則として2回以上の求職活動実績を示さなくてはなりません。
求職活動と認められる活動には、「求人への応募」「ハローワークが実施する職業相談やセミナーへの参加」などが該当します。
また、転職エージェントが主催するセミナーへの参加も、求職活動実績として認められます。
オンラインでも受けられ、自宅や好きな場所で、スキマ時間に視聴できるのでおすすめです。
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失業保険の再受給に必要な期間
失業保険を再受給するためには、前回の受給後に一定期間、雇用保険に加入している必要があります。
期間は、自己都合で退職した場合と、会社都合で退職した場合で異なります。
以下より解説するため、自分の状況と照らしあわせてみましょう。
自己都合退職の場合
自己都合で会社を辞めた場合、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上必要です。
たとえば、前回の失業保険の受給後に就職し、1年以上勤務して雇用保険に加入していれば、退職後に再び受給資格を得られます。
勤務期間が1年未満でも、再就職後の複数の職場での被保険者期間を合算して12ヶ月以上あれば、受給可能です。
ただし、前回の受給に使った期間はカウントされないため、新たに12ヶ月以上の加入が必要です。
なお、会社都合退職に比べて、自己都合退職のほうが必要な加入期間が長くなるため注意してください。
会社都合退職の場合
会社の倒産や事業所の廃止、解雇といった理由での会社都合退職の場合、受給条件は緩和されます。
離職日以前の1年間に、雇用保険の被保険者期間が通算で6ヶ月以上あれば、失業保険の再受給が可能です。
会社都合退職の場合は、自己都合退職に比べて、半分の期間で受給資格を得られます。
予期せぬ理由で離職した求職者を、手厚く保護するための措置といえます。
失業保険を再受給する際の注意点
失業保険の再受給は可能ですが、いくつかの注意点があります。
事前に知っておかなければ、思ったとおりの受給ができなかったり、思わぬ制限を受けたりする場合があるため注意が必要です。
ここでは、とくに気をつけるべき4つの注意点を解説します。
失業保険を再受給する際の注意
給付制限が1回目より延びるおそれがある
自己都合で退職した場合、3回目以降の失業保険の受給では、給付制限期間が伸びるおそれがあります。
給付制限自体は1回目からあり、自己都合退職の場合は2ヶ月です。
5年間のうちに3回以上、自己都合退職により受給していると、給付制限期間が2ヶ月から3ヶ月に延長されます。
つまり、退職してから実際に給付金が振り込まれるまで、3ヶ月間ほど収入がない状態になるおそれがあります。
なお、会社都合で退職した場合は、給付制限がなく、7日間の待機期間後すぐに受給が可能です。
給付日数が少ないおそれがある
失業保険を再受給する場合は、給付日数が少ないおそれがあります。
失業保険が支給される日数は、「年齢」「雇用保険の被保険者であった期間」「離職理由」によって決まるためです。
短期間で転職と離職を繰り返している場合、雇用保険の加入期間が短くなるため、給付日数が少なくなる可能性があります。
給付日数の一例
自己都合退職
- 年齢問わず「被保険者期間が10年未満」:90日
- 年齢問わず「10年以上かつ20年未満」:120日
会社都合退職
「10年以上かつ20年未満」の場合
- 30歳未満:180日
- 30歳以上35歳未満:210日
- 35歳以上45歳未満:240日
- 45歳以上60歳未満:270日
- 60歳以上65歳未満:210日
十分な給付を受けながら落ち着いて転職活動をおこなうためには、ある程度長い期間、雇用保険に加入していることが望ましいといえます。
再就職手当が支給されないおそれがある
失業保険の受給資格がある人が、給付日数を一定以上残して早期に再就職を決めた場合は、「再就職手当」が支給されます。
しかし再就職手当は、過去3年以内に「再就職手当」や「常用就職支度手当」を支給されていると、受け取れません。
そのため、前回の離職時に再就職手当をもらっていると、今回の転職では対象外になります。
再就職手当を検討している場合は、自分の受給歴をハローワークで確認しましょう。
給付期間中のアルバイト・パートに制限がある
受給期間中のアルバイト自体は禁止されていませんが、働き方によっては給付金が減額されたり、支給が先送りされたりするおそれがあります。
週の労働時間が20時間を超え、31日以上の雇用見込みがあると「就職」とみなされ、失業保険の給付が止まるためです。
収入を得るためのアルバイトが、かえって給付を妨げる結果にならないよう、事前にハローワークへ相談しルールを確認しておきましょう。
失業保険を受給しながらバイトをしたい場合は、以下の記事も参考にしてみてください。
失業保険を再受給するメリット
失業保険を受給する大きなメリットは、経済的な安定を得られる点です。
離職後の収入がない期間でも、一定の給付金を受け取れるため、生活費の心配を軽減できます。
経済的な安心感は、精神的な余裕にもつながり、じっくりと自分に合った企業を探す時間を確保できます。
自己分析を深めたり、興味のある業界の研究をしたりと、丁寧な転職活動が可能です。
なお、失業保険の受給中に転職活動をおこなうなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントなら、求人紹介に加え、キャリアプランの提案や応募企業との条件交渉もおこなってくれます。
短期間での転職を繰り返すと、次に失業しても受給できない可能性もあります。
失業保険の受給を無駄にしないためにも、転職エージェントに相談し転職活動を進めましょう。
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転職エージェントを利用する流れについて知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
失業保険を再受給する流れ
失業保険を再受給するための手続きは、基本的に初回の受給と同じ流れで進みます。
しかし、久しぶりの手続きだと、どうすれば良いか戸惑うこともあるでしょう。
ここでは、失業保険の申請から受給開始までの流れを、改めて確認します。
必要書類を用意しハローワークに行く
退職した会社から、「雇用保険被保険者離職票」「雇用保険被保険者証」を受け取りましょう。
加えて「マイナンバーカード(または、通知カード + 運転免許証)」「証明写真(縦3cm × 横2.5cm)」「本人名義の預金通帳」の用意も必要です。
すべての書類がそろったら、自分の居住地を管轄するハローワークへ行き、求職の申し込みをおこないます。
窓口で書類を提出したら、失業保険の受給資格が決定される日を待ちましょう。
「雇用保険受給者初回説明会」に参加する
受給が決定すると、後日開催される「雇用保険受給者初回説明会」への参加が指示されます。
失業保険制度の仕組みや、受給に関する重要事項を理解するためのもので、原則として参加が必要です。
説明会で配布される書類や案内は、受給手続きに不可欠なため、大切に保管しておきましょう。
求職活動をおこなう
失業保険を受給するためには、前回の認定日から次の認定日の前日までに、2回以上の求職活動実績が必要です。
求職活動には、求人への応募や面接はもちろん、ハローワークや転職エージェントでの職業相談なども含まれます。
効率的に実績を作り、かつ質の高い転職を目指すなら、転職エージェントの活用がおすすめです。
キャリア相談や求人紹介を受けることが求職活動として認められるうえ、非公開求人等のハローワークにはない選択肢も得られます。
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各種転職エージェントの評判が気になる場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
ハローワークで失業認定を受ける
指定された「失業認定日」にハローワークへ行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入して提出しましょう。
申告書をもとにハローワークの職員が、失業状態にあることを確認し、認定するかを判断します。
失業の認定がおりると、通常5営業日ほどで、指定した金融機関の口座に失業保険が振り込まれます。
その後は、所定給付日数が終了するまで、「求職活動」と「失業認定」の繰り返しです。
なお、看護師や薬剤師の場合は、求職活動実績の方法がやや異なります。
一般的な失業保険の受給までの流れと、看護師・薬剤師の求職活動実績の作り方については、以下の記事をご一読ください。
失業保険の再受給中にこそ転職エージェントを活用すべき
再就職を成功させるためには、「自分が本当に働きたいと思える企業」に出会うことが何より重要です。
失業保険は、あくまで一時的な支えとして活用しつつ、常にアンテナを張り、積極的に転職活動を進める姿勢が理想的です。
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失業保険の再受給に関するよくある質問
失業保険の再受給は、手続き方法や条件面が複雑で、疑問に感じることも多いかと思います。
ここでは、失業保険の再受給に関して、多くの人が疑問に思う点や不安に感じる点を解説します。
障害がある場合でも失業保険を受け取れる?
障害があっても、働く意思と能力がある場合は、「就職困難者」として、一般の離職者よりも手厚い給付を受けられる場合があります。
具体的には、所定給付日数が長くなるような措置です。
たとえば、雇用保険の被保険者期間が1年未満の場合は、離職時の年齢にかかわらず、150日の給付日数で失業保険を受け取れます。
まずは失業保険を受給できないか、ハローワークの専門援助部門に相談してみるのがおすすめです。
失業保険の受給期間は延長できる?
失業保険の受給期間の延長は可能ですが、「やむを得ない理由で30日以上働けない状態にある」という条件があります。
やむを得ない理由とは、病気やけが、親族の介護などです。
延長制度は、一時的に求職活動ができない人に向けたものであるため、「就職先が見つからない」のような理由では認められません。
失業保険の延長については、以下の記事で詳しく解説しています。
失業保険の相談先はハローワークのみ?
失業保険の申請手続きに関する公的な相談窓口はハローワークですが、再就職に向けたキャリア相談や求人探しについては、転職エージェントも非常に頼りになります。
転職エージェントを利用すると、応募書類の添削や面接対策といったサポートも受けられるため、1人で転職活動を進めるよりも転職成功率が高まります。
失業保険と転職エージェントそれぞれの役割を理解し、うまく使い分けるのがおすすめです。
ハローワーク以外で、失業保険について相談できる場所については、以下の記事も参考にしてみてください。
求職活動のふりでも失業保険を受給できる?
求職活動のふりをして受給することは、絶対にやってはいけません。
事実と異なる申告をして失業保険を受け取ることは、不正受給にあたるためです。
不正受給をした場合、支給停止や返還命令、年率5%の延滞金などのペナルティを受けます。
リスクが大きいため、求職活動のふりをして受給するのはやめましょう。
求職活動のふりをして失業保険を受給するリスクについては、以下の記事でも解説しています。
失業保険は何回までもらえる?
失業保険の受給回数に上限はありません。
退職と就職を繰り返していても、その都度受給要件を満たしていれば、何度でも受給が可能です。
ただ、失業保険を受給すると、雇用保険の加入期間がリセットされます。
再就職し1年以上(会社都合退職の場合は6ヶ月以上)経過してから退職しないと、受給資格は発生しません。
失業保険をもらうデメリットは?
転職活動が長引いてしまう可能性があるのが、失業保険を受給するデメリットです。
満額受給しないと損だと感じてしまい、良い条件の求人が見つかっても、応募をためらってしまう人もいるためです。
結果として、経歴に空白期間が生まれ、かえって再就職で不利になるおそれがあります。
また、早期に再就職を決めると支給される「再就職手当」を受け取る機会を失う点もデメリットです。
そのため、失業保険で経済的な安定を得られるメリットを活かしつつ、キャリアを停滞させない計画的な活動が求められます。
失業手当を一度もらうと次は何年後?
失業手当を一度受給したあと、次の受給までに明確な年数の決まりはありません。
再受給の可否は、経過した年数ではなく、新たに雇用保険へ加入した期間によって判断されます。
自己都合で退職した場合、離職する前の2年間に、通算12ヶ月以上の被保険者期間が必要です。
つまり、前回の受給後に就職し、1年以上勤務していれば、再び受給資格を得られます。
失業保険を一度もらうと年金はどうなる?
失業保険と年金は、受け取る年金の種類によっては同時に満額受給できない場合があります。
なかでも、60歳から65歳までの間に受け取る「特別支給の老齢厚生年金」は、ハローワークで失業保険の求職申し込みをすると、失業保険の受給期間中の支給が停止されます。
これは、失業保険と年金がどちらも生活保障を目的とするため、二重に給付されるのを防ぐための調整です。
一方で、65歳以降に支給される「老齢基礎年金」や「老齢厚生年金」は、原則として失業保険と併用可能です。
自分がどの年金の対象かを確認し、失業保険と比較して有利なほうを選びましょう。
失業保険は満額もらったほうが得?
失業保険は、必ずしも満額もらいきったほうがお得とは限りません。
給付期間の満了を待たずに早期に再就職を決めるほうが、「再就職手当」の支給により、総収入で上回るケースがあるためです。
たとえば、給付日数を3分の2以上残して再就職が決まると、残った日数の70%が手当として一括で支給されます。
キャリアの空白期間を短くできるメリットも考慮し、長期的な視点で判断することが大切です。
自己都合で何度も退職すると、再受給時にペナルティはある?
自己都合による退職を短期間で繰り返すと、失業保険を再受給する際に給付制限期間が延長されることがあります。
仮に直近5年間のうちに、自己都合退職を理由とする給付制限を2回受けている人が、3回目の自己都合退職をしたとしましょう。
その場合、失業保険の給付制限期間が、通常の2ヶ月から3ヶ月へと延長されます。
失業保険の受け取り開始がさらに遅れてしまい、経済面で大きな影響を及ぼすおそれがあります。
失業保険は有益な制度ですが、安易に受給できるものではないと、認識しておきましょう。
退職後の生活を支える失業保険は、再就職を目指す人にとって心強い味方です。
制度を正しく理解し、自分の状況が条件に合致するかを確認しましょう。