
失業手当はいつもらえる?ハローワーク手続きと受給額の計算方法
失業手当の申請の流れや必要書類がわからず、後回しにしてしまう人も少なくありません。この記事では受給条件の確認から申請の全ステップ、受給金額の計算方法まで解説します。
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受給できる条件を先に確認する
手続きを始める前に、まず自分が失業手当を受け取れる状態かを確認しておきましょう。
条件を満たしていないと手続きをしても給付が認められないケースがあります。離職理由と雇用保険への加入期間の2点がポイントです。
被保険者期間で受給可否が変わる
受給できるかどうかの最初の分岐点は、雇用保険に加入していた期間です。
ハローワークの「基本手当について」を確認すると、自己都合退職の場合は離職前2年間に12ヶ月以上、会社都合退職や特定受給資格者の場合は離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間が必要になります。
アルバイトや派遣など複数の職場を経験している場合でも、各社の被保険者期間を通算できます。ただし、雇用保険未加入の職場での期間は通算に含まれません。
特定理由離職者は自己都合でも条件が緩和される
自己都合退職でも「特定理由離職者」に該当すれば、離職前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があれば受給でき、給付制限も適用されません。
ハローワークの「特定受給資格者・特定理由離職者の範囲」によると、体力・疾病・妊娠・出産・育児・介護・配偶者の転勤に伴う退職などが主な該当ケースとなっています。
「自己都合だから不利」と思い込まず、育児や介護が理由で辞めた人はまずハローワークで確認してみましょう。
必要書類チェックリスト
申請当日に書類が1点でも揃っていないと、その日の手続きは進められません。
書類の準備は1〜2日かかるものもあるため、離職票が届いたタイミングで同時に動き始めるのがおすすめです。
必要書類の確認内容
申請に必要な5点セット
ハローワークへの初回申請に必要な書類は次の5点です。
申請に必要な5点
- 離職票1・離職票2(2種類セット)
- マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカード、または通知カード+本人確認書類)
- 写真2枚(縦3cm×横2.5cm、正面・上半身・脱帽)
- 本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード
- 印鑑
マイナンバーカードを持っていれば、1枚で本人確認とマイナンバーの確認を兼ねられます。通帳は振込先の確認に使うため、必ず申請者本人名義のものを用意してください。
写真は事前に準備しておくのが無難です。リストを印刷して家を出る前に照合するだけで、二度手間を防げますよ。
離職票が届かない場合の対処
離職票は退職後10日〜2週間が目安ですが、2週間経っても届かない場合はまず前の職場に確認しましょう。
それでも発行されない場合はハローワークに相談すると、会社への指導や仮受付の対応をしてもらえます。先延ばしにすると給付期間が削られるので、早めに動くことが重要です。
会社が倒産している場合やハラスメントで連絡できない場合も、ハローワークに相談すれば対応してもらえます。
離職票がなくてもまず窓口に行ってみましょう。
申請から振込までの5ステップ
失業手当は申請したその日には振り込まれません。
ハローワークへの来所が複数回必要で、初回振込までに最短でも3〜4週間かかります。全体の流れを先に把握しておくと、スケジュールが立てやすくなります。
申請から振込までの流れ
STEP1:離職票が届いたらすぐ申請する
申請期限は離職翌日から1年間ですが、遅れるほど受給できる日数が減ります。
所定給付日数90日の人は3ヶ月遅らせるとほぼ受給できなくなるため、離職票が届いたその週に動くのが原則です。
窓口は火〜木の午前中が比較的スムーズで、初回の所要時間は1〜3時間程度です。
先延ばしにした分だけ受け取れる金額が減ってしまうので「期限は1年あるから焦らなくていい」と思わず、早めに申請しましょう。
失業保険の90日が終わったらどうすれば良いのか、下記の記事で解説しています。
STEP2:ハローワークで受給資格決定
初回来所では求職申込書の記入と受給資格の審査を受け、認められると「雇用保険受給資格者証」が発行されます。
この日から7日間は待期期間として給付が行われず、自己都合退職の場合はさらに給付制限期間が加算されます。
厚生労働省の「給付制限期間の短縮について」によると、2025年4月以降の離職は原則1ヶ月となっています。
給付制限期間は2025年4月に1ヶ月に短縮されました。
しかし、過去5年間に2回以上自己都合退職がある場合は3ヶ月のままなので、確認しておきましょう。
STEP3:雇用保険説明会への参加
受給資格決定後、ハローワークから指定された日時に「雇用保険受給者初回説明会」への参加が求められます。欠席すると受給開始が遅れるので、指定日は必ず出席してください。
説明会では失業認定の仕組みや求職活動実績の作り方、失業認定申告書の書き方などが説明されます。所要時間は1〜2時間程度で、ここで初回の失業認定日も通知されます。
オンライン開催に対応しているハローワークも増えているため、事前に確認しておくと移動の手間が省けます。
配布資料はその後の認定申告に直結するので、しっかり保管しておきましょう。
STEP4:求職活動実績と失業認定日
失業認定を受けるには、認定日までの28日間に求職活動実績が必要です。通常の認定では2回以上の実績が求められます(1回目は初回説明会の参加でカウント)。
活動実績としてカウントされる活動の例
- 求人への応募(書類選考含む)
- ハローワークや転職エージェントでの職業相談・面談
- 転職エージェントや就職支援機関主催のセミナー参加
- ハローワークでの窓口相談
求人情報の閲覧だけでは実績とみなされません。2回のうち少なくとも1回は「相談」か「応募」の実績を作るようにしましょう。
求職活動実績を作る手段として、転職エージェントへの登録と担当者との面談は手軽でおすすめです。
1回の面談で実績になるうえ、転職活動の準備にも直結します。認定日前日にハローワークで窓口相談を入れるのも効率的ですよ。
STEP5:認定後1週間で初回振込
失業認定日にハローワークへ来所して失業認定申告書を提出すると、認定が完了します。認定日から約4〜7営業日で、登録した口座に基本手当が振り込まれます。
その後は28日ごとに認定日が設定され、毎回認定申告書を提出することで継続して受給できます。認定日を無断欠席すると、その期間の手当が不支給になるので、スケジュール管理を徹底しましょう。
認定日は原則変更できませんが、都合がつかない場合は事前にハローワークに相談すると振替が認められることもあります。
スマホのカレンダーに登録しておくとうっかり欠席を防げますよ。
失業保険を受給する流れについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
受給金額の計算方法
失業手当の金額は一律ではなく、在職中の給与をもとに計算されます。
計算の仕組みを理解しておくと、自分がおおよそいくら受け取れるかの見通しが立てやすくなりますよ。
受給金額の計算の仕組み
賃金日額と給付率の計算式と早見表
ハローワークの「基本手当について」を見てみると、基本手当の日額は「賃金日額 × 給付率」で算出できます。
賃金日額は離職前6ヶ月間の賃金合計を180で割った金額となっており、給付率は賃金日額が高いほど低くなる仕組みで、45〜80%の範囲で設定されています。
基本手当の日額の計算方法
| 月収の目安 | 賃金日額の目安 | 給付率の目安 | 基本手当日額の目安 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約6,667円 | 約60% | 約4,000円 |
| 25万円 | 約8,333円 | 約55% | 約4,580円 |
| 30万円 | 約10,000円 | 約52% | 約5,200円 |
| 35万円 | 約11,667円 | 約50% | 約5,830円 |
出典:厚生労働省「基本手当日額の計算方法」をもとに作成(2025年8月時点)
なお、基本手当日額には年齢ごとに上限額が設定されています(2025年8月1日時点。毎年8月に改定)。
基本手当日額の上限について
| 年齢 | 基本手当日額の上限 |
|---|---|
| 29歳以下 | 7,255円 |
| 30〜44歳 | 8,055円 |
| 45〜59歳 | 8,870円 |
| 60〜64歳 | 7,623円 |
出典:厚生労働省(令和7年8月1日適用)
月収が高くても給付率が下がるので「月収が増えた分だけ手当も増える」わけではありません。
また、賞与や残業代は計算に含まれないため、残業が多かった人ほど実際の手当は想定より低くなることがあります。
給付日数は年齢と離職理由で変わる
ハローワークの「所定給付日数」を確認すると、受給できる日数の上限は、年齢・被保険者期間・離職理由の3要素で決まることがわかります。
自己都合退職は最大150日、会社都合退職や特定受給資格者は最大330日まで設定されています。
| 区分 | 被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|---|
| 自己都合退職(全年齢) | 10年未満 | 90日 |
| 自己都合退職(全年齢) | 10〜20年 | 120日 |
| 自己都合退職(全年齢) | 20年以上 | 150日 |
| 会社都合退職(30〜34歳) | 1〜5年未満 | 120日 |
| 会社都合退職(30〜34歳) | 5〜10年未満 | 180日 |
| 会社都合退職(30〜34歳) | 10〜20年未満 | 210日 |
| 会社都合退職(30〜34歳) | 20年以上 | 240日 |
出典:ハローワーク「所定給付日数について」をもとに抜粋・作成
自己都合と会社都合では、給付日数に最大2〜3倍の開きがあります。
特定理由離職者に認定されると会社都合と同じ日数が適用されるケースもあるので、離職前に窓口で確認しましょう。
受給中に知っておくべきルール
失業手当を受け取る期間中は守るべきルールがあります。
知らずに違反してしまうと、手当の不支給や返還を求められる場合があるので、受給前に主なルールを把握しておきましょう。
アルバイトは1日4時間以上で失業認定が外れる
受給中のアルバイトは申告すれば原則認められますが、1日4時間以上の労働は「就労した日」とみなされその日の手当は支給されません。
週20時間以上の継続就労は受給資格を失う可能性があるため、アルバイトをした日は必ず失業認定申告書に記載してください。
申告すれば減額で済みますが、無申告で発覚した場合は不正受給として扱われてしまいます。
社会保険や確定申告のデータから発覚するケースがあると、必ず正直に申告しましょう。
早期就職なら再就職手当で最大70%を受け取れる
所定給付日数を残して就職した場合、残日数に応じて「再就職手当」を一括で受け取れます。
厚生労働省の「再就職手当について」によると、残日数が1/2以上なら60%、2/3以上なら70%が支給されます。
例えば、基本手当日額5,000円・残60日(2/3以上)の場合は21万円を一括受給できます。受給を引き延ばすより早期就職のほうが総受取額が多くなるケースもありますよ。
再就職手当は就職後1ヶ月後に申請します。
給付制限期間中でもハローワークや許可のある転職エージェント経由の就職なら対象になるので、忘れずに申請しましょう。
不正受給は3倍返還のペナルティがある
就労の隠蔽や不正申請が発覚した場合、受給額の3倍返還と悪質な場合は刑事罰の対象になります。
申告漏れに気づいた場合は自主申告すれば処分が軽減されるケースがあるため、疑問があればすぐにハローワークに相談しましょう。
不正受給の主な原因は「ルールを知らなかった」というケースなので、受給前に説明会に参加してルールを正確に把握しておくことをおすすめします。
失業手当を受けながら転職活動を進める方法
失業手当の受給期間は、次のキャリアを考える時間としても活用できます。
求職活動実績を効率よく作りながら転職活動を進める方法を知っておくことで、受給期間を無駄にせずに済みますよ。
効率よく活動実績を作るコツ
転職エージェントのセミナーは活動実績にカウントされる
求職活動実績は転職エージェントへの登録・面談やセミナー参加でも作れます。
登録時に実績として認められるか確認して「求人紹介確認書」や「面談記録」の発行に対応しているエージェントを選ぶと申告書への記載もスムーズですよ。
転職エージェントへの登録は無料で、実績作りと求人紹介を同時に進められます。
転職時期が決まっていない人ほど、早めに登録して情報収集だけでも始めておくのがおすすめです。
状況別に転職サービスを選ぶ
転職サービスはたくさんありますが、状況によって向いているサービスは異なります。まず自分のニーズに近いカテゴリから選んでみましょう。
| 状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 幅広い求人から探したい | 求人数が豊富な大手総合エージェントが向いています。業界・職種を問わず選択肢が広がります。 |
| 担当者に相談しながら進めたい | サポートが手厚いエージェントを選びましょう。初回面談での相性を確認してから継続するか判断するのがおすすめです。 |
| 自分のペースで求人を探したい | 転職サイトを使うと、エージェントとのやりとりなしで求人に直接応募できます。 |
| 年収500万円以上のハイクラス求人を狙いたい | ハイクラス向けエージェントのほうが対象求人の質が上がります。 |
転職サービスは複数登録することで紹介される求人の幅が広がります。1〜2社に絞らず、まず2〜3社に登録して比較してみましょう。
受給期間中はじっくり転職先を比較できる貴重な時間です。
そのため、焦って妥協せずにキャリアの方向性も含めて考え直す機会にしましょう。
ハローワークでよくある失業手当に関する質問
最後に、失業手当(失業保険)に関するよくある質問について紹介していきます。
離職票が届かないときはどうすればいい?
退職後2週間を過ぎても届かない場合は、前職に連絡して発行状況を確認してください。
それでも発行されない場合はハローワークに相談すれば会社への指導など対応してもらえますよ。
給付制限期間はいつまで?
2025年4月以降の離職は原則1ヶ月です。
ただし、過去5年間に2回以上自己都合退職している場合は3ヶ月になります(出典:厚生労働省)。
自分の状況を把握したいときは、ハローワークで確認してください。
失業手当をもらいながら扶養に入れる?
基本手当の日額が3,612円未満であれば、受給中も健康保険の扶養に入れる場合があります。
3,612円以上の場合は受給期間中は扶養を外れる必要があります。加入先の健保組合に確認してください。
給付期間内に就職できなかった場合は?
ハローワークが指定する職業訓練を受講中であれば、受講期間中は「訓練延長給付」として受給期間が延長されることがあります。
詳細はハローワークの窓口で相談してください。










在職中に雇用保険への加入を確認していない人は意外と多いです。
加入履歴はハローワークの窓口または手元の「雇用保険被保険者証」で確認でき、離職前に確認しておくと手続きがスムーズですよ。