
介護職に年齢制限はない!何歳まで働けるか無資格の実態も解説
介護職に年齢制限はありません。
何歳まで働けるのか、無資格・未経験でも転職できる理由、資格による給料の違い、50代〜60代のシニアが転職を成功させるコツまで、令和6年の最新データをもとに現役のキャリアアドバイザーが解説します。
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介護職の転職に年齢制限はない

介護職はきついと聞くし、年齢制限があるのか気になる人も多いかと思います。
結論からお伝えすると、介護職に就くのに年齢制限はありません。体が元気なら50代でも60代でも転職できます。
年齢制限がない1番の理由は深刻な人材不足です。介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査によると、従業員が不足していると答えた事業所は65.2%で、前年の64.7%から増えています。
事業所側は年齢を問わず人手を求めているのが実情です。資格がいらない仕事も多く、未経験からでも入りやすい職種になっています。
だからこそ「もう年だから」とあきらめる必要はありません。まずは自分がどんな働き方をしたいのかを整理するところから始めてみましょう。
介護職は何歳まで働ける?定年とシニアの現状
介護職は定年後も働き続けやすい職種です。法律の後押しと現場の人手不足が重なり、60代以降も現役で活躍している人がたくさんいます。ここでは制度と実態の両面から見ていきます。
定年と再雇用のしくみ
介護職に限らず、企業は原則65歳まで働ける仕組みを用意する義務があります。高年齢者雇用安定法の改正により、2025年4月からは経過措置が終わり、65歳までの雇用確保が完全に義務化されました。
やり方は、定年を65歳以上に引き上げる、定年をなくす、希望者全員を継続雇用する、のいずれかです。さらに70歳までの就業機会の確保も、努力義務として企業に求められています。
介護業界は人手不足が続いているため、定年を高めに設定したり再雇用に積極的だったりする事業所が目立ちます。実際の求人でも、定年後の再雇用を前提にシニアを歓迎するところは少なくありません。

「何歳まで働けるか」を求人票だけで判断するのは難しいところがあります。
定年や再雇用の上限は事業所ごとに違うので、気になる求人は応募前に確認しておくと安心ですよ。
実際に働いているシニアの割合
介護の現場は、働き手の中心が40代から50代です。介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査を見ても、50代以上が大きな割合を占めており、60代以上で現役の人も一定数います。
体力面の不安から敬遠されそうに思えますが、実際には長く働き続けている人が多い職種です。健康で無理なく働けるのであれば、年齢が理由で辞めさせられることはほとんどありません。
つまり「何歳まで働けるか」という問いに厳密な上限はなく、自分の心身の状態が続く限り働けると考えて差し支えありません。
介護職に肉体的な年齢制限(体力の壁)はあるか
介護は肉体労働のイメージが強く、体力的にきつくて続けられないのではと不安に感じる人も多いかと思います。ここでは実際の業務内容から、体力面が年齢の壁になるのかを見ていきます。

結論として、介護職は肉体的にものすごくきついわけではなく、体力面が実質的な年齢制限になることはほとんどありません。
介護職の仕事は、大きく次の3つに分かれます。
生活援助
- 掃除
- 買い物
- ベッドメイキング
- 料理
身体介助
- 食事介助
- 排泄介助
- 移動介助
- 入浴介助
事務関連
- 備品の発注
- 電話対応
- 来客対応
このうち体に触れる身体介助は資格が必要で、無資格の人はまず生活援助が中心になります。掃除や買い物、食事の準備が主なので体力的にとてもきついわけではありません。
離職理由を見てもそれは裏付けられます。介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査では、前の職場を辞めた理由の上位は職場の人間関係が24.7%で、体力や健康を理由にした人はごくわずかでした。

介護を辞める理由は、肉体的な負担よりも人間関係や収入への不満が多いのが実際のところです。
ただ身体介助にはきつい場面もあります。自分の体力と相談しながら働き方を選びましょう。
介護職の雇用形態と年齢の関係(正社員・パート)
正社員として安定して働きたい人もいれば、パートで自分のペースを大事にしたい人もいるかと思います。介護職は雇用形態の選択肢が広く、年齢に応じた働き方を選びやすい職種です。
施設で働く介護職員は正社員(常勤)が中心で、安定した収入を得やすい形態です。一方、訪問介護は登録ヘルパーとして働く非常勤の人が多いです。
介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査では、登録ヘルパーの月の平均労働時間は34.2時間と短めでした。短時間で働きたいシニアにも向いています。
ただし定年後は、再雇用制度を使ったパートや契約社員での勤務が多くなります。65歳を超えると正社員のままとは限らない点は覚えておきましょう。

正社員は給料が高く安定する一方、責任も重くなります。非正規は労働時間を抑えやすく、体への負担も軽めです。
まずは自分が週に何時間働きたいかを決めるとよいですよ。
正社員を目指す場合、年齢が上がるほど選考のハードルは上がります。同じ条件なら若い人が選ばれやすいのが現実なので、志望動機や自分の強みをしっかり伝える準備が欠かせません。
資格の有無は年齢制限に関わる?無資格でも転職できる
介護職に転職したいけれど、無資格で年齢も重ねていると不安な人もいるかと思います。結論として、介護職は無資格・未経験でも転職でき、年齢が高くても始められます。
無資格・未経験でも転職できる理由
介護職が無資格・未経験でも転職できる理由は、資格なしでできる仕事が多いことと、深刻な人材不足の2つです。
生活援助や事務の仕事は資格がなくても行え、掃除や買い物が中心の生活援助は未経験でも問題なくこなせます。加えて事業所の65.2%が人手不足を感じており、無資格でも人材を求めているのが実情です。

1点だけ補足すると、2024年4月から認知症介護基礎研修が義務になりました。
1日で修了でき入職後に受けても構いませんが、事前に済ませておくと意欲が伝わり好印象ですよ。
資格・経験がなくてもできる仕事が多い
介護職は、資格や経験がなくてもできる仕事が多い職種です。要介護者の体に直接触れる身体介助は資格が必要ですが、それ以外は無資格でも担当できます。
つまり生活援助と事務は資格なしで行えます。生活援助は家事の延長に近い内容が多く、家庭や別の仕事で培った経験がそのまま役立ちます。施設なら、資格を持つ人の指導のもとで身体介助を経験できる場合もあります。
人材不足
無資格・未経験でも働ける2つ目の理由は、業界全体の人材不足です。介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査によると、人手が不足していると感じる事業所は65.2%にのぼります。
人手が足りない事業所ほど、資格や経験よりも「まず来てくれる人」を求めます。だからこそ未経験やシニアにもチャンスが広がっているのです。
資格があると変わること
資格がなくても働ける介護職ですが、資格を取ると3つの点が変わります。おこなえる仕事が増え、給料が上がり、より良い条件の求人に通りやすくなります。
おこなえる業務が増える
資格を取ると、任される仕事の幅が広がります。代表例が身体介助です。
入浴介助や排泄介助のように体に直接触れる業務は資格が必要で、介護職員初任者研修を取れば施設で1人で身体介助をおこなえるようになります。できる仕事が増えれば、シフトや配置の面でも頼りにされやすくなります。
給料が増える
介護は資格を取ると給料が上がりやすい職種です。厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、月給・常勤の平均給与額は保有資格の有無で次のように差があります。
| 保有資格 | 平均給与額(月給・常勤) |
|---|---|
| 介護福祉士 | 350,050円 |
| 社会福祉士 | 397,620円 |
| 実務者研修 | 327,260円 |
| 介護職員初任者研修 | 324,830円 |
| 保有資格なし | 290,620円 |
1番取りやすい介護職員初任者研修でも、無資格より月におよそ34,000円高くなります。介護福祉士まで取れば無資格との差は月におよそ59,000円、年間で約71万円にのぼります。

資格がなくても転職はできますが、取れば給料に返ってきます。
初任者研修は働きながらでも取りやすいので、収入を上げたい人は入職後の取得を目指すとよいですよ。
条件のいい求人に受かりやすくなる
資格があると、条件の良い求人に通りやすくなります。無資格でも働けるとはいえ、資格がないとできない仕事がある以上、資格保持者のほうが重宝されるためです。
事業所側も、資格を持つ人をより良い待遇で採用することは珍しくありません。特に年齢が高い場合、資格は即戦力として使えることを示す分かりやすい材料になります。
シニアでも取れる資格
50代・60代のシニアでも介護資格は取得できます。社会福祉士のような難易度の高い資格は簡単ではありませんが、短期間で取れる資格はいくつもあります。

シニアでも取りやすい資格はしっかりありますので、資格の面で年齢を心配しすぎる必要はありませんよ。
代表的なのは次の3つです。
シニアでも取りやすい資格
- 介護職員初任者研修
- レクリエーション介護士
- 介護予防運動指導員
取得の目安は初任者研修が約130時間、レクリエーション介護士が約12時間、介護予防運動指導員が約31.5時間です。初任者研修は時間がかかりますが、給料が上がりやすく稼ぎたい人向けです。
まずは働きながら初任者研修を目指し、慣れてきたら上位資格を検討する流れが現実的です。
介護職に転職する前に知っておくべき注意点
介護職は未経験でも始めやすい一方、良い面ばかりではありません。転職してから後悔しないために、事前に押さえておきたい注意点が3つあります。
賃金は全産業平均より低め
まず知っておきたいのが、介護職の賃金は全産業の平均より低めだという点です。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、介護職員(月給・常勤)の平均給与額は月338,200円でした。
一方、国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査による給与所得者全体の平均給与は478万円で、単純に比べると介護職は低い水準です。
ただし処遇改善加算などの影響で、介護職の給与は近年上がり続けています。低いと決めつけず、加算をしっかり出している事業所を選ぶことで収入面はある程度カバーできます。
精神的なストレスが多い
2つ目の注意点は、介護職は精神的なストレスを感じやすいことです。肉体的なきつさよりも、心の負担のほうが大きい職種だと言えます。
介護労働安定センターの令和6年度介護労働実態調査でも、前の職場を辞めた理由の1位は職場の人間関係で24.7%でした。利用者や同僚と毎日密に関わるため、関係がうまくいかないと働きづらさにつながります。

介護は人と関わる時間が長く、人間関係の合う合わないが働きやすさを大きく左右します。
見学や面接で職場の雰囲気やスタッフの表情を見ておくと、入職後のギャップを減らせますよ。
キャリアアップが難しい
3つ目は、介護職はキャリアアップの道筋が見えにくいことです。管理職の枠が限られ、資格が求められる場合もあります。
ただ、打つ手がないわけではありません。介護福祉士やケアマネジャーの資格を取れば、サービス提供責任者や管理者への道が開けます。現場以外の相談員や本部職への異動という選択肢もあります。

キャリアアップを考えていない人は問題ありませんが、目指す人は早めに資格取得の計画を立てておくと有利です。
どの資格がどの役職につながるのか、転職の段階でプロに整理してもらうのも1つの手ですよ。
シニア(50〜60代)が介護職転職を成功させるコツ
シニアの転職は、若い世代に比べて難易度が上がります。同じ条件なら若い人が選ばれやすいのが現実だからこそ、押さえるべきコツがあります。ここでは3つ紹介します。
これまでの経験を言語化してアピールする
シニアの転職で1番大事なのは、これまで培ってきた経験をどの職場でも通用する力として言葉にすることです。若い人にはない強みこそが、年齢のハンデを埋める武器になります。
例えば次のように、過去の仕事を介護現場での価値に翻訳してみましょう。
経験の言語化の例
- 管理職経験は後輩スタッフへの指導やチームのまとめ役に活きる
- 接客や営業の経験は利用者や家族との丁寧なやり取りに活きる
- 事務経験は記録作成やシフト管理などの正確な事務処理に活きる
こうした強みは、特定の会社でしか通じない社内スキルではなく、業界をまたいで持ち運べる力です。志望動機に「この経験を介護でこう活かせる」と具体的に書けると、採用担当者の印象は大きく変わります。
労働条件を具体的に確認する
2つ目のコツは、応募前に労働条件を具体的に確認することです。体力に不安が出やすいシニアほど、条件の確認が働きやすさを左右します。
最低でも次の3点はチェックしておきましょう。
確認しておきたい労働条件
- 週の勤務時間と夜勤の有無
- 通勤距離と施設内の階段や坂の多さ
- 有給休暇の取りやすさ
求人票に書かれていない部分は、面接や見学の場で遠慮せず質問して構いません。ここを確認しておくだけで、入職後の「思っていたのと違う」を大きく減らせます。
無理をしない働き方を設計する
3つ目は、無理をしない働き方をあらかじめ設計しておくことです。働くうちに体が思うように動かなくなることもあり、そのときに相談できる余地を残しておくと安心です。
例えば「まずは週3日から始めて、慣れたら日数を増やす」といった始め方や、体調に合わせて日勤のみに絞る働き方もあります。今のまま続けるのが難しいと感じたら、上司に勤務時間の調整を相談しましょう。
無理をして体調を崩すと、自分だけでなく職場や利用者にも影響します。長く働き続けるためにも、自分の体を最優先にする姿勢が大切です。
介護職への転職方法(サービスの選び方)
介護職に転職する方法は、大きくハローワークと転職サービスの2つです。それぞれ向き不向きがあるので、自分に合ったほうを選びましょう。
ハローワーク
1つ目はハローワークです。正式名称を公共職業安定所といい、厚生労働省が運営する公的な就職支援機関です。地元の求人が多く、自分のペースで探したい人に向いています。

ただハローワークの求人が、すべて優良とは限りません。
実際の労働条件と求人票の内容が食い違うこともあるので、気になる点は応募前に必ず確認しておきましょう。
転職サイト・転職エージェント
2つ目は転職サイトや転職エージェントです。転職サイトは自分で求人を探して応募する形式で、エージェントは担当者が求人紹介から選考対策まで手伝ってくれます。
シニアや未経験の人には、マイナビ介護職のような介護に特化したエージェントの活用がおすすめです。
年齢が上がるほど選考のハードルは上がりますが、エージェントは多くの転職を支えた経験から、強みの言語化や志望動機づくりを一緒に進めてくれます。

エージェントは求人紹介だけでなく、条件交渉や面接の日程調整まで代わりに動いてくれます。
1人での転職に不安があるなら、相談だけでも試す価値がありますよ。
年齢を理由に書類で落とされ続けると、転職活動そのものがつらくなってしまいます。介護に強いエージェントに登録しておくと、自分に合う求人の紹介と選考対策を一度に受けられて、遠回りを減らせます。
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介護向けのエージェントは、それぞれの特徴やサポート内容を比較して選ぶと失敗しにくくなります。各社の違いは次の記事で詳しく解説しています。
介護職以外で年齢を問わず働ける職種
介護職は始めやすい職種ですが、ストレスの多さもあり、すべての人に向くわけではありません。もし介護がしっくりこないなら、年齢を問わず働ける別の職種も選択肢になります。

前提として、転職は年齢が上がるほど難易度が高くなります。
条件にこだわりすぎると決まりにくくなるので、優先順位を決めて臨みましょう。
接客・サービス
1つ目は接客・サービスです。飲食店のフロアスタッフやホテルのフロント、コンビニのレジなどが当てはまります。慢性的な人手不足で、年齢や経験を問わず募集していることが多く、シニアの転職先にも向いています。
警備員・清掃員
2つ目は警備員や清掃員です。人気は高くありませんが、その分人手不足で需要が高く、シニアでも採用されやすいです。体力的に無理のない仕事も多く、自信がない人でも働きやすい傾向があります。
軽作業・倉庫・工場
3つ目は軽作業・倉庫作業・工場作業です。作業内容が決まっていて労働環境が安定した職場が多く、長く続けやすい点がシニアに向いています。
工場への転職の難易度や選び方は次の記事で解説しています。
看護補助
4つ目は看護補助です。看護も介護と同じく、資格がなくてもできる仕事があります。人材不足の職場も多く、適性があれば採用されやすい傾向です。ただ他と比べると覚えることが多く、難易度はやや高めです。
シニア向けの転職サイトやエージェントは、次の記事で年代別に詳しくまとめています。あわせて読んでみてください。
介護職の年齢制限についてのまとめ
介護職に年齢制限はなく、深刻な人手不足を背景に、50代・60代のシニアや無資格・未経験の人でも転職しやすい職種です。
高年齢者雇用安定法の改正で65歳までの雇用確保が完全義務化され、定年後も働き続けやすい環境が整っています。
一方で、賃金が全産業平均より低めなことや、人間関係のストレス、キャリアアップの難しさといった注意点もあります。資格を取れば給料や仕事の幅が広がるので、無理のない範囲で初任者研修から目指しましょう。
シニアの転職は年齢が上がるほど難しくなるからこそ、これまでの経験を持ち運べる力として言語化することが鍵になります。
1人での転職に不安があるなら、介護に強い転職エージェントに相談し、強みの整理と求人選びを一緒に進めてみましょう。
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