派遣薬剤師 デメリット

派遣薬剤師のデメリット5つ|メリットと年収のリアルも解説

    派遣薬剤師のデメリットを、本当に注意すべき点と誤解されやすい点に分けて解説します。高時給のリアルな年収やメリット、向いている人、後悔しないための対策まで、派遣を検討中の薬剤師が判断できる情報をまとめました。

末永雄大 この記事を書いた人

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現インディードリクルートパートナーズ)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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派遣薬剤師とは|正社員・パートとの違い

派遣薬剤師は、派遣会社と雇用契約を結び、紹介された調剤薬局や病院などで働く薬剤師です。給与の支払いや勤務先の紹介はすべて派遣会社がおこない、実際に働く職場とは雇用関係を結びません。

同じ職場で働ける期間は最長3年までと法律で決められている点も、正社員との大きな違いです。正社員やパートとの違いを整理すると、次の通りです。

派遣社員 正社員 パート
雇用主 派遣会社 勤務先企業 勤務先企業
雇用期間 最長3年まで 無期限 契約による
勤務時間 1週間40時間以内 フルタイム 1週間40時間以内
福利厚生 派遣会社に準ずる 勤務先に準ずる 勤務先に準ずる
昇給・昇進 昇給の可能性あり あり 会社規定による

派遣には、1ヶ月から3ヶ月ごとに契約を更新する通常の派遣と、一定期間働いて直接雇用へ切り替える紹介予定派遣の2種類があります。

どちらを選ぶかで安定性が変わるため、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。

派遣薬剤師の主なデメリット5つ

派遣薬剤師には、働き方の自由度と引き換えに避けにくいデメリットがあります。後悔しないために、まずは現実的なマイナス面をしっかり押さえておきましょう。

同じ職場で働けるのは最長3年まで

派遣薬剤師は、同じ職場で働き続けられる期間が最長3年までと労働者派遣法で決められています。気に入った職場に出会えても、ずっとそこで働き続けることはできません。

契約は1ヶ月から3ヶ月ごとの更新が一般的で、更新のたびに派遣会社と就業先の双方で手続きをおこないます。

職場が変わるたびに新しい人間関係を築き、その薬局独自のルールや棚の配置を覚え直す必要があります。

腰を据えて長く働きたい人にとっては、この入れ替わりがストレスになりやすい部分です。一方で、人間関係をリセットできる点を気楽だと感じる人もいます。

管理職などへのキャリアアップが難しい

派遣薬剤師は、管理薬剤師や薬局長といった役職を目指すのが難しい働き方です。任される仕事が契約で決められた範囲にとどまり、責任ある業務を担う機会が少ないからです。

正社員であれば、調剤や服薬指導に加えて在庫管理や後輩の指導、店舗運営などを経験しながら専門性を広げていけます。

派遣はルーティン業務が中心になりやすく、チームを動かす立場の経験を積みにくいのが実情です。

薬剤師としての肩書きや実務スキルそのものは身につきますが、組織の中で役職を上げるキャリアとは方向性が異なると考えておくと、入ってからのギャップを避けられます。

契約が更新されず次の職場まで空白が出ることがある

派遣は有期契約のため、派遣先の都合で契約が更新されないことがあります。薬局の経営方針が変わったり人員体制が見直されたりすると、次回は更新なしと告げられるケースもあります。

このとき見落としがちなのが、次の職場が決まるまでの空白期間です。希望条件が細かいと紹介までに時間がかかり、その間は収入が途切れてしまいます。

薬剤師は人手不足の職種で求人自体は豊富ですが、収入の波がある働き方だという前提で、ある程度の生活費を確保しておくと安心して働けます。

即戦力を求められ未経験では採用されにくい

派遣薬剤師は、最初から即戦力として動けることを前提に採用されます。派遣先は人手が足りない忙しい職場が多く、ゼロから育てる余裕がないためです。

正社員のような丁寧な研修やフォロー期間は期待しにくく、初日から通常業務をこなす場面も珍しくありません。そのため、調剤経験が浅い人やブランクが長い人は紹介を受けにくい傾向があります。

未経験から派遣で働きたい場合は、まずパートやアルバイトで基礎的な調剤経験を積んでから挑戦するのが現実的なルートです。

未経験から派遣薬剤師を目指す方法は、こちらの記事で職場別の難易度とあわせて詳しく解説しています。

派遣社員への風当たりが強い職場がある

職場によっては、正社員より派遣薬剤師への扱いがそっけない場合があります。雇用元が違ううえに任せる仕事も限定的なため、距離を置かれてしまうケースです。

長く働く正社員を中心に職場が回っていると、短期間で入れ替わる派遣に情報共有が後回しにされたり、相談しづらい空気ができることもあります。ただし、これは職場ごとの体質によるところが大きい部分です。

派遣の受け入れに慣れた職場では、こうした壁を感じにくくなります。事前に派遣会社へ派遣スタッフの定着率を確認しておくと、合わない職場を避けやすくなります。

実は誤解されがちな派遣薬剤師のデメリット3つ

派遣薬剤師に不安を感じる理由として語られがちな点のうち、実際には誤解であるものがいくつかあります。事実を知っておくと、必要以上に派遣を怖がらずに判断できます。

福利厚生や社会保険がない

派遣には福利厚生がないというのは誤解です。社会保険や福利厚生は派遣会社が用意するため、条件を満たせば正社員と同じように受けられます。

健康保険や厚生年金、雇用保険といった社会保険は、週の労働時間などの加入条件を満たせば派遣でも適用されます。

大手の派遣会社になると、提携施設の割引や健康診断、資格取得のサポートなど独自の制度を整えているところもあります。

福利厚生の手厚さは派遣会社によって差が出るため、登録前に内容を比べておくと、待遇面で損をせずに働けます。

有給休暇が取れない

派遣薬剤師も有給休暇を取得できます。有給は法律で定められた労働者の権利で、雇用形態によって有無が変わるものではありません。

同じ派遣会社で6ヶ月以上働き続け、所定の出勤日数を満たせば、派遣でも有給休暇が付与されます。派遣先が変わっても、雇用元である派遣会社が同じであれば勤続期間は引き継がれます。

派遣だから休めないと諦める必要はなく、取得の手続きは派遣会社の担当者に相談すれば進められます。

残業が多くて休めない

派遣薬剤師は、むしろ残業が少ない働き方です。勤務時間が契約であらかじめ決められているため、派遣先も時間外の労働を頼みにくい事情があります。

派遣の時給は正社員より高めに設定されることが多く、派遣先からすると残業を増やすほどコストがかさみます。そのため定時で上がりやすく、プライベートの予定を立てやすいのが派遣の特徴です。

仮に残業が発生した場合も、正社員と同じく36協定の範囲内で管理され、時間外手当も支払われます。きついほどの残業を避けたい人にとっては、派遣はむしろ働きやすい選択肢です。

ちなみに36協定とは、労働基準法36条に基づく労使協定のことです。法定労働時間(1日8時間・1週間で40時間)を超えた労働を命じる場合、企業は届け出が必要となります。届け出をせずに残業をさせた場合は労働基準法違反となります。

派遣薬剤師のメリット

デメリットを押さえたうえで、派遣薬剤師ならではの魅力も確認しておきましょう。働き方の自由度を求める人にとっては、正社員にはない利点が多くあります。

時給が高く効率よく稼げる

派遣薬剤師の大きな魅力は、時給の高さです。正社員やパートと比べて1時間あたりの単価が高く、短い勤務時間でも効率よく収入を得られます。

派遣の場合、薬剤師としての専門性を即戦力として提供する対価が時給に反映されます。フルタイムにこだわらず週3日や時短で働いても、まとまった収入を確保しやすいのが特徴です。

ただし、時給が高いからといって年収まで正社員を上回るとは限りません。この点は次の章で詳しく掘り下げます。

派遣薬剤師の時給相場や高収入を得るコツは、こちらの記事で職場別にまとめています。

勤務条件の融通が利きやすい

派遣薬剤師は、勤務日数や勤務時間を自分の希望に合わせやすい働き方です。契約で業務範囲と勤務時間が決まっているため、想定外の長時間労働に巻き込まれにくくなります。

たとえば週4日だけ、子どもの送り迎えに合わせて夕方までといった条件でも、希望に近い求人を探せます。残業のない職場や、特定の期間だけ働ける短期の求人も見つかります。

育児や介護と両立したい人、プライベートの時間を確保したい人にとって、自分の生活に仕事を合わせられるのは大きな利点です。

人間関係を長く抱え込まずに済む

派遣薬剤師は、職場の人間関係を長く引きずらずに済む働き方です。契約期間が区切られているため、合わない環境にいても期限が来れば次へ移れます。

正社員の場合、職場の雰囲気が合わないと感じても、すぐに辞めて転職するのは心理的にも手続き的にも大変です。派遣なら更新のタイミングで別の職場に変えられ、人間関係の悩みを一人で抱え込みにくくなります。

担当のキャリアアドバイザーに相談しながら職場を選べる点も、精神的な負担を軽くしてくれます。

高時給はうのみにできない|派遣薬剤師の年収のリアル

派遣薬剤師を検討するうえで、いちばん冷静に見ておきたいのが年収です。時給だけを見ると派遣はかなり魅力的に映りますが、年収ベースで比べると印象が変わってきます。

派遣薬剤師の時給は、調剤薬局チェーンの求人例でも2,500円から3,500円程度が中心です。

一方、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、薬剤師全体の平均年収は566.8万円で、時給に換算すると2,828円です(令和7年賃金構造基本統計調査)。

こうして並べると、派遣の時給は正社員の時給換算と同等か、やや高い水準だとわかります。ところが、年収となると話は別です。

派遣にはボーナスや退職金がなく、年収はほぼ時給と勤務時間の掛け算で決まります。

仮に時給3,000円で1日8時間、月20日働いても月収は48万円で、賞与のある正社員と年収ベースでは差が縮まります。

さらに、契約が更新されない時期に空白が生まれれば、その月の収入はまるごと減ってしまいます。年間の休日数が多い求人ほど、想定していた年収との差も開きます。

時給3,000円超という数字は確かに魅力的ですが、それがそのまま高年収につながるとは限りません。

安定した年収を最優先するなら正社員、働く時間を抑えつつ効率を上げたいなら派遣と、目的に合わせて選ぶことが後悔しない判断につながります。

末永雄大
すべらないキャリアエージェント代表 末永雄大

時給の高さだけで派遣を選ぶと、思ったより年収が伸びずに後悔しがちです。

時間あたりの効率1年で残る金額は別物です。自分がどちらを重視するかを先に決めておきましょう。

派遣薬剤師に向いている人・向いていない人

ここまでのデメリットとメリットを踏まえて、派遣薬剤師に向いている人と向いていない人を整理します。自分がどちらに近いかを確認してみてください。

派遣薬剤師に向いている人

  • プライベートや家庭との両立を優先したい人

  • 留学費用や独立資金など、期間を区切って集中的に稼ぎたい人

  • 派遣で経験を積んだあとのキャリアプランが明確な人

プライベートを重視したい人や、目的のために短期間で効率よく稼ぎたい人は、派遣の自由度を活かしやすい働き方です。

派遣をキャリアの中の一区切りと位置づけ、その先の進路まで描けている人ほど、デメリットに振り回されずに派遣を使いこなせます。

派遣薬剤師に向いていない人

  • 管理薬剤師など役職を目指してキャリアアップしたい人

  • 長期的に安定した収入と雇用を求める人

一方、薬剤師として役職に就きたい人や、腰を据えて長く同じ職場で働きたい人には、派遣は向いていません。

キャリアアップや雇用の安定を求めるなら、正社員として働くほうが目的に合っています。今は派遣で働きつつ将来は正社員を目指したい場合は、紹介予定派遣という選択肢もあります。

デメリットを抑えて派遣で働く3つのコツ

派遣のデメリットは、働き方や派遣会社の選び方を工夫することである程度抑えられます。後悔しないために、登録前に次の3つを意識しておきましょう。

紹介予定派遣でお試し就業する

雇用の不安定さが気になる人は、紹介予定派遣を選ぶとデメリットを抑えられます。

一定期間派遣として働いたあと、本人と職場の双方が合意すれば直接雇用に切り替えられる仕組みです。

いきなり正社員として入社するのではなく、実際に働いてからこの職場で続けたいかを判断できるため、入社後のミスマッチを防げます。

職場の雰囲気や仕事内容を体験したうえで正社員を目指せるので、長期の安定を求めつつ慎重に進めたい人に向いています。

派遣の自由さと正社員の安定の、いいとこ取りを狙える選択肢です。

ただ、勤め先によっては直接雇用=契約社員・パートの場合もあります。正社員を目指している人は、派遣の担当者に前もって確認しておくようにしましょう。

複数の派遣会社に登録して比較する

派遣会社は1社に絞らず、複数に登録して比較するのがおすすめです。会社によって扱う求人も福利厚生もサポート体制も異なるため、1社だけでは選択肢が狭まってしまいます。

調剤薬局に強い会社、高時給の求人が多い会社、短期や単発に強い会社と、得意分野は様々です。

複数登録しておくと、希望条件に合う求人に出会う確率が上がり、担当者の対応を見比べて信頼できる会社を選べます。

次の職場が見つからない空白期間のリスクも、紹介ルートを増やすことで減らせます。薬剤師におすすめの派遣会社は、こちらの記事で各社のサービスを比較しています。

職場見学でミスマッチを防ぐ

派遣先を決める前に、可能な限り職場見学をおこないましょう。多くの派遣会社は、就業前に実際の職場を訪問する機会を用意してくれます。

働く場所の雰囲気やスタッフの様子、処方箋の枚数や設備を自分の目で確かめておくと、入ってから「思っていたのと違う」と感じるリスクを減らせます。

派遣スタッフの定着率残業の実態など、気になる点を担当者に遠慮なく質問しておくことが大切です。

デメリットになりそうな情報こそ事前に集めておくと、納得して働き始められます。

派遣で後悔しないコツは、自分の希望条件を整理して複数の選択肢を比べることです。どの派遣会社が自分に合うか迷う場合は、無料で相談しながら求人を比較してみるのがおすすめです。

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派遣薬剤師についてよくある質問

派遣薬剤師として次の職場が見つからないことはありますか?

可能性はありますが、まれです。薬剤師は人手不足の職種で求人は豊富にあります。ただし希望条件を細かく絞りすぎると紹介までに時間がかかるため、複数の派遣会社に登録して選択肢を広げておくと安心です。

派遣薬剤師は勤務先を自分で選べますか?

選べます。派遣会社が条件に合う求人を紹介してくれ、その中から自分で就業先を決める流れです。勝手に勤務先が決められることはなく、職場見学で確認してから判断できます。

派遣薬剤師にボーナスはありますか?

基本的にボーナスはありません。その分が時給に上乗せされている形です。年収で考えるときは、賞与がない前提で時給と勤務時間から計算しておくと、実際の収入とのずれを防げます。

調剤未経験でも派遣薬剤師として働けますか?

未経験での派遣は難しいのが実情です。派遣先は即戦力を求めるため、基礎的な調剤経験がほぼ必須です。まずはパートやアルバイトで経験を積んでから派遣に挑戦するのが現実的です。

派遣薬剤師におすすめの転職・派遣サイト

最後に、派遣薬剤師として働きたい人におすすめの転職・派遣サイトを紹介します。

今回紹介するのは、派遣スタッフへのサポートが手厚く、調剤薬局からドラッグストアまで幅広い求人を扱うサービスです。

求人数が多いサービスを選べば、希望に合う条件の職場と出会いやすくなります。複数のサービスを比べながら、自分に合った求人と担当者を見つけてみてください。

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派遣で迷ったら、まずは気になるサービスに登録して求人を見てみるのがおすすめです。


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