作業療法士の職務経歴書の書き方を採用担当者が見るポイントから解説!
この記事では、作業療法士の職務経歴書で採用担当者が注目するポイントや書き方の具体例を紹介します。
また、応募先の施設ごとにアピールすると良い経験やスキル、書類提出前に確認しておきたいチェック項目なども解説しているので、作業療法士としての転職を検討している人は参考にしてみてください。
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作業療法士の経歴書で採用担当者が見るポイント
作業療法士(OT)は、怪我や病気で通常の日常生活を送るのが難しい人に対して、日常生活を取り戻すサポートをする仕事です。
そんなOTの職務経歴書で採用担当者が見るポイントは、患者さんの「生活をどう変えたか」「社会参加をどう支援したか」です。
ここでは、採用担当者が見るポイントについてより詳しく解説します。
担当領域・対象疾患
作業療法士の職務経歴書で採用担当者が見るポイントの1つ目は、担当領域や対象疾患です。
担当領域や、対象疾患によって「どんな患者を担当してきたのか?」がわかるため、経験値として求める人材の条件にマッチするかを見ています。
具体的には、脳血管障害、高次脳機能障害、整形外科、精神科など、どんな病状や障害を持った患者のサポートをしてきたのかがわかるように記載しましょう。
ADL・IADLの改善実績
作業療法士の職務経歴書で採用担当者が見るポイントの2つ目は、ADL(食事、入浴、排泄、更衣など、日常生活を送る上で最低限必要な動作)やIADL(買い物、調理、掃除、服薬管理、金銭管理、電話の利用など、日常生活を円滑に送るために必要なより複雑な動作)の改善実績です。
患者のADLやIDALの改善は、作業療法士のメインの役割なので、作業療法士としてどれだけ患者の日常生活を改善してきたのかは1番の評価ポイントになります。
また、精神科や就労支援をおこなう施設なら「復職・社会参加の支援実績」もポイントです。
実績を記載する際は、「更衣動作が自立してできるようになった」「在宅復帰率85%」のように、成果を具体的な数字や変化で表現するようにしましょう。
環境整備・福祉用具選定の経験
作業療法士の職務経歴書で採用担当者が見るポイントの3つ目は、患者の生活環境の整備や福祉用具の選定に関わった経験があるかです。
作業療法士は、患者のリハビリをサポートするだけではなく、スムーズに日常生活を送れるような住宅環境の整備や福祉用具の選定も業務の範囲内です。
リハビリ以外の時間や退院後も日常生活を送りやすくする工夫がどれだけできたかも、採用担当者が見るポイントになります。
福祉用具選定、自助具の提案、住宅改修に関わった経験について、「スロープや手すりの設置を提案し自宅復帰を実現した」などのエピソードを記載すると伝わりやすいです。
家族や他職種との連携力
作業療法士の職務経歴書で採用担当者が見るポイントの4つ目は、患者の家族や他職種の担当者との連携力です。
患者の生活環境を整えたり、リハビリの効果を高めたりする上で、患者本人だけではなく、家族や、治療やリハビリに関わるケアマネや訪問リハ職員の協力は非常に重要です。
それらの関係者を巻き込んで患者のケアができる人物かどうかは採用担当者が注目するポイントになります。
家族への動作指導や退院前カンファレンスでの調整経験の有無、ケアマネ・訪問リハスタッフとどう連携を取っていたかを具体的に記載するようにしましょう。
勤務環境への適応力
作業療法士の職務経歴書で採用担当者が見るポイントの5つ目は、勤務環境への適応力です。
採用担当者はこれまでの職場環境や人間的な強み・弱みからうちの施設に合う人物なのかを見ています。
急性期、回復期、老健、訪問、精神科などの経験領域はもちろんのこと、その環境でどんな苦労があったかやその苦労をどう乗り越えたかというエピソードも加えると、マッチする人材かイメージしやすくなります。
作業療法士の職務経歴書フォーマット
職務経歴書は「職務要約」「職務経歴」「活かせる経験・知識・技術」「資格」「自己PR」の5つの要素で成り立っています。
ここでは簡単に作業療法士向けに項目別の書き方のポイントと例文を紹介するので参考にしてみてくださいね。
職務要約
「職務要約」は新卒〜現在までの職務経歴を5〜6行で要約します。
職務要約では面接官に質問してほしい、自分のアピールポイントを記載しておくのがポイントです。
職務要約の例文
作業療法士として回復期リハビリテーション病院に4年間勤務。脳血管障害や高次脳機能障害を持つ患者を中心に、ADL・IADLの改善支援をおこない、在宅復帰率を〇〇%向上させた。福祉用具の選定や住宅改修にも積極的に取り組み、患者と家族の生活の質を改善するサポートをおこなった。
職務経歴
「職務経歴」には、新卒〜現在までの職務経歴を直近の経歴から時系列で記載します。
具体的には、勤めた施設ごとに「対象疾患」「支援内容」「成果」を記載し、成果は客観的な数字で表せるものはできるだけ入れるようにします。
職務経歴の例文
2020年4月~2024年3月 〇〇回復期リハビリテーション病院
【対象疾患】
脳血管障害(脳梗塞・脳出血)、高次脳機能障害、整形外科疾患(大腿骨頸部骨折など)
【支援内容】
・ADL訓練(食事・更衣・入浴・排泄動作の指導)
・IADL訓練(調理・金銭管理・買い物などの生活支援)
・福祉用具・自助具の選定、住宅改修の提案
・退院前訪問指導、家族指導、カンファレンスでの情報共有
【成果】
・在宅復帰率:85%
・更衣動作の自立達成:患者の70%
・高次脳機能障害を持つ患者3名の就労復帰を支援
・家族への介助方法の指導により、介護負担の軽減を実現
活かせる経験・知識・技術
「活かせる経験・知識・技術」は、これまでの職務を通じて得てきた経験、知識、スキルを簡単にまとめて書きます。
ここには応募先で求められるものに沿った内容を記載するようにしましょう。
活かせる経験・知識・技術の例文
・ADL・IADL訓練
・自宅訪問での環境評価(段差、照明、家具配置)
・家族やケアマネージャーへのアドバイス
資格
「資格」は自身が保有している業務上必要な資格を記載します。
資格は保有資格をすべて記載する必要はなく、応募先の業務に関係する資格を記載します。
例えば、作業療法士の職務経歴書に英検1級などの資格の記載があっても、応募先の施設で外国人の対応がない限り、あまり関係がないので不要です。
資格の例文
作業療法士(国家資格・2019年取得)
自己PR
「自己PR」はそれぞれ3〜5行で3つほど自分のアピールポイントを記載します。
内容としては、自分の強みを発揮したエピソードを「結論」→「課題」→「課題に対しての取り組み内容とその背景」→「結果」の流れで書くとまとまりやすいです。
また、自分のアピールポイントから、応募先の施設で求められそうなスキルと一致するものを選んで書くことを意識しましょう。
自己PRの例文
患者一人ひとりの生活背景に合わせた支援を強みとしています。生活環境の制約や身体機能の低下がある患者に対して、福祉用具や住宅改修の提案をおこない、家族や他の職種と連携してADL・IADLの改善をサポートしました。その結果、在宅復帰率85%、更衣動作自立率を70%改善、高次脳機能障害患者3名の就労復帰を実現しました。
【施設別】作業療法士のアピールポイント
応募先の施設ごとに、作業療法士が職務経歴書でアピールすべきポイントは異なります。
自分の志望先に合わせて、施設の特性を捉えた内容だと書類の通過率も格段に上がります。
ここでは簡単に施設ごとにアピールすると良い内容と、なぜそのアピールポイントが重要なのかの理由を表にまとめたので、参考にしてみてくださいね。
施設 | PRポイント | 理由 |
---|---|---|
急性期病院 | -ADL早期介入の経験
-他職種との連携・カンファレンス参加 |
患者の状態が不安定で短期間で成果を出すのに、臨床判断力やチームでの協働力が必要なため |
回復期リハ病院 | -ADL・IADL改善の具体的な成果
-在宅復帰支援経験 |
長期入院患者の生活動作改善・在宅復帰が中心のため |
介護老人保健施設 | -生活期リハ・維持期支援の経験
-認知症・高齢者対応 |
高齢者の身体機能維持・生活支援が中心のため |
訪問リハビリ | -自宅環境評価・福祉用具選定の経験
-家族指導・生活支援 |
生活環境に合わせた個別支援能力が求められるため |
精神科病院 | -高次脳機能障害・精神疾患リハの経験
-社会参加・就労支援経験 |
精神面や認知面に配慮したリハビリが必要なため |
施設ごとの特性を理解すると、アピールすべきポイントもわかりやすいです。
とはいえ、身の回りに実際に興味のある施設形態で働いている人がいないと、なかなか施設の特徴を捉えるのは難しいこともあります。
周りに聞ける人がいない場合は、リハビリ職に特化した転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントは施設の採用背景を把握しているので、施設の方針やマッチする人物像も求職者により正確に伝えてくれます。
そのため、自分に合う施設形態がわからないという人もエージェントに相談してみると良いですよ。
下記から無料で登録できて、施設の選び方から職務経歴書の書き方までサポートしてくれるので一度相談してみましょう。
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職務経歴書を上手に作成するための事前準備
作業療法士が職務経歴書を上手に作成するための事前準備として重要なのは、自己分析と応募先に関する情報収集です。
自己分析では転職先を選ぶ際の軸を明確にし、応募先の情報収集では自分の軸とマッチするポイントを探します。
それぞれの工程について、具体的な取り組み方やポイントを解説するので、ミスマッチな転職にならないようしっかりと抑えておきましょう。
自己分析
自己分析では、これまでのキャリアの棚卸しと意思決定の軸、今回の転職で叶えたいことを言語化します。
これまでどんな経験をしてきたのかを振り返る中で、自分が難なくできたことと苦手に感じること・環境を書き出しましょう。
また、自分が今までどういう基準で物事を選択してきて、その結果今どう感じているかを書き出します。
「できること・できないこと」、「やりたいこと・やりたくないこと」と自分の意思決定の癖とその結果を整理すると、次の転職先に求めるものが明確になります。
例えば、「高度な臨床スキルを身につけたいと思って急性期を選んだものの、常に患者さんの状態が変化したり、短期間で結果を出さないといけないプレッシャーに耐えられなかった。」といった形で、理想と現状のギャップを言語化すると、次の選択肢の軸が明確になります。
自己分析は自分を客観視することが大事ですが、うまく自分の意思決定の軸や自分の強み・弱みを言語化できない人もいると思います。
そういう時は、転職のプロである転職エージェントに相談するのがおすすめです。
作業療法士の職場環境を理解したアドバイザーが、ヒアリングを通してあなたに合った環境を言語化してくれますよ。
転職エージェントのサポートは全て無料なので、自己分析がうまく進められない人はぜひ一度相談してみてくださいね。
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作業療法士向けの転職サービスについて詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。
応募先の情報収集
自己分析で自分が転職先に求めるものや強み・弱みが明確になったら、応募先がそれらにマッチするかについて情報収集しましょう。
応募先のHPや求人票、口コミサイトなどから、施設の方針や対象の患者層、求められるスキルや人物像などを想定できるように情報収集します。
情報収集しながら応募先の求める人物像や方針が、自己分析で整理した自分の軸とマッチするかを見極めましょう。
また、自分の軸と一致する部分は何かを整理しておくと、職務経歴書でアピールしたいポイントが明確になって書きやすくなります。
職務経歴書を作成する上での注意点
作業療法士が職務経歴書を作成する上での注意点をお伝えします。
書類の通過率を上げるための重要なポイントなので、提出前に必ずチェックするようにしましょう。
成果や実績が具体的に書かれているか
成果や実績が具体的で、誰が見ても同じ評価になるような記載になっているか確認しましょう。
採用担当者は、応募者が「何をしてきたか」だけではなく、「何ができ、どのように貢献できるか」を知りたいと考えています。
曖昧な表現だと、あなたのスキルレベルや具体的な実績を判断することが難しくなってしまいます。
例えば、下記の例のように定量的に自身の成果を記載できると良いですね。
NG例
リハビリ業務に尽力しました。
OK例
脳血管疾患・運動器疾患の患者様を年間約80名担当し、FIM(機能的自立度評価法)やBI(バーセルインデックス)などの評価バッテリーを用いてADL能力を詳細に評価しました。1日平均18単位のリハビリテーションを実施し、ADL評価点平均5点向上に貢献しました。
応募先の求める人物像とズレていないか
応募先の求める人物像とマッチしていることが伝わる内容になっているかは非常に重要です。
一方的に自分の強みをたくさん並べても、施設が欲しい人材の要件とマッチしていなければ、採用担当者に「この人はうちの施設のことを理解していない」と思われてしまいます。
重要なのは、施設側が求めるものと自分が持っているもののマッチしている部分をアピールすることです。
そうすることで、採用担当者に「この候補者は自分の施設のことをわかってくれている」と思ってもらえるようにしましょう。
ネガティブな表現になっていないか
転職理由や志望動機を記載する際に、ネガティブな表現になっていないかもチェックしましょう。
基本的にネガティブな理由で退職することがほとんどなので、ついつい他責な表現をしてしまいがちです。
ネガティブな表現をすると、「この人は辛いことがあったらすぐ周りのせいにして逃げてしまうかもしれない」と思わせてしまいます。
そのため、相手にとってポジティブな印象を受ける表現を意識しましょう。
より詳しい志望動機の書き方を知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。
誤字脱字がないか、書式は統一になっているか
細かいことですが、誤字脱字がないか、書式が統一されているかはかなり重要です。
採用担当者は何百、何千という職務経歴書を見てきているので、書式一つで細かいところに気がつけないといった印象を持たれてしまいます。
採用担当からすると、細部まで気を配っている職務経歴書の方が読んでいて気持ちがいいものです。
職務経歴書の書き方一つでも相手に伝わる印象が変わるので、細部にまで気を配って提出するようにしましょう。
ここまで職務経歴書の書き方やポイントをお伝えしてきましたが、ポイントを抑えた職務経歴書になっているかを自分で評価するのは難しいですよね。
そんな時は作業療法士の働き方にも、リハビリ施設のことにも詳しい、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントなら施設側と、あなたのことをどちらも理解した上で書類添削してくれるので、書類の通過率を上げることができます。
一人で転職活動を進めていたけど、なかなか書類が通らない人や自分に合った転職先が見つからない人は一度相談してみましょう。
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職務経歴書は採用担当者が面接をする価値のある人材なのかを見極める重要な書類です。
単に業務内容を記載するだけではなく、業務をおこなう上で「何を考えどう行動し、その結果どんな成果を生み出したのか」や、「どんな価値観を持っているのか」などが、採用担当者に伝わる内容になっているかが重要です。
採用担当者に伝わる内容にするために、OTの職務経歴書で採用担当者が見るポイントを抑えておきましょう。