ITエンジニアに特化した転職支援サービス、ウィルオブテックに取材しました。
お話を伺ったのは、株式会社ウィルオブ・ワークのテックキャリア事業部長の松浦さんと、株式会社ハイヤールー代表の葛岡さんです。
ハイヤールーは企業のエンジニア採用で使われるコーディング試験を提供しており、同社は2026年7月からウィルオブテックが提供している、エンジニアのAI活用スキルを客観的に測る「AI開発スキル診断」の開発をおこなっています。
ハイヤールーが提供するAIを活用したコーディング試験を中途転職支援サービスへ導入する取り組みとしては初(*1)となります。
受験リンク:https://willof.jp/techcareer/lp/hireroo2-1
*1)2026年7月時点、ハイヤールー調べ
今回の取材では、ウィルオブテックが転職支援で何を大事にしているのかに加えて、AIの普及でエンジニアの採用基準がどう変わったのか、これから市場価値が上がるのはどんな人かまで踏み込んでいます。
転職を検討しているITエンジニアの方は、ぜひ参考にしてみてください。

松浦正和さん(※役職は2026年9月9日取材時)
株式会社ウィルオブ・ワーク テックキャリア事業部長
人材業界に20年以上携わる。現在は株式会社ウィルオブ・ワークで、ITエンジニア向け転職支援サービス「ウィルオブテックキャリア」の事業部長を務める。

葛岡宏祐さん
株式会社ハイヤールー 代表取締役
DeNAでAIエンジニア、メルカリでテックリードを務めたのち、2020年に株式会社ハイヤールーを創業。企業のエンジニア採用で使われるコーディング試験「HireRoo」を開発している。
ウィルオブテックの評判や口コミは、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひあわせて参考にしてみてくださいね。
ウィルオブテックはどんなサービス?4つの特徴・こだわりを解説
本日はどうぞよろしくお願いいたします!
はじめに、ウィルオブテックにはどういった特徴があるのか教えていただけますか?
ウィルオブテックは、ITエンジニアに特化した転職支援サービスです。
私たちの一番の特徴は、1回きりの転職を支援して終わりではなく、エンジニアとしての長期的なキャリアから逆算して転職を支援していることです。転職を「点」ではなく「線」で捉える、と私たちは呼んでいます。
具体的なこだわりは4つあるので、それぞれ順にお話しさせてください。
「本当に転職すべきか」から一緒に考えるキャリア支援
では1つ目から伺います。転職を「線」で捉えるというのは、面談の場では具体的に何をすることになるのでしょうか?
面接対策そのものというよりは、その前段階のキャリアアドバイスを大事にしています。
まず立ち返るのは「そもそも、本当に転職する必要があるんでしたっけ?」というところからです。
なぜ転職活動をするのか、その理由は何なのか、本当に転職をしなければならないのか、ここを一番掘り下げます。
その瞬間の話だけではなくて「過去のご経歴も含めてどんな思いで仕事をされてきたのか」を掘り下げます。それが、面接対策にもつながっていると考えています。
そこまで掘り下げるとなると「早く求人を出してほしい、面接を受けたい」という人もいらっしゃいませんか?
いらっしゃいますね。ただ、やみくもに受けてしまうと、その人の軸に沿った面接の振り返りもできませんし、企業の見極めも難しくなります。
ですので、数多く受けたいという人にも、まずはその理由を伺うようにしています。
その人のキャリアに向き合っているからこその問いかけですね。
それだけ手厚く向き合っていると、転職のサポート期間は長めになりますか?
そうですね。もちろん早く転職した方が良いケースもあるのですが、「1年前にご相談いただいた求職者の転職が決定しました」というケースは、社内でもよく耳にします。
初めて転職される人は、何もわからない状態からのスタートになります。そのため、「早ければ早いほどいいわけではない」というのが我々のポリシーです。
内定をいただくこと自体が目的ではなく、中長期的にキャリアを描いて、次の場所で活躍していただくことが我々のミッションだと思っています。
CAとRAの2人体制で、求人票に書かれていない情報を届ける
2つ目は情報提供についてですね。求職者からすると「実際に入ってみるとどうなのか」という求人票に書かれていない部分が、活躍や定着を左右すると思います。
そのあたりの情報は、どのように集めているのでしょうか?
体制として、面談を担当するキャリアアドバイザーと、企業を担当するリクルーティングアドバイザーの2つの役割で組織が構成されています。
日常的なやり取りはキャリアアドバイザーが行うのですが、求人のご紹介や面接支援においてはリクルーティングアドバイザーも一緒に対応させていただくケースが増えています。求人票だけでは伝えきれない、人事から直接得た生の情報を提供するためです。
求人票に書かれていない情報が、企業担当を通じて届くわけですね。
その中には、過去にその企業の選考を受けた人のデータも含まれるのでしょうか?
もちろんです!過去に選考を受けた方の通過理由やお見送り理由は、面接前に求職者にお伝えしています。
そのために私たちは、「なぜ通過したのか」「なぜお見送りになったのか」を曖昧なまま持ち帰らないようにしていて、場合によっては企業様と膝を突き合わせてお見送り理由を直接お伺いすることもあります。
価値観に沿った「求人の厳選提案」で高い定着率を実現
3つ目は求人のご提案についてです!
エージェントの中には、非常に多くの求人を提案するところもありますが、ウィルオブテックさんはいかがですか?
「とにかくなんでもいいから50社ご提案する」ということはしません。求職者の価値観や中長期的なキャリアパスに沿った求人を選んで、15〜20社程度に厳選してご提案しています。
その際、「なぜこの求人をご紹介したのか」という理由までお伝えしています。
紹介の理由まで示されると、求職者も納得感を持って面接に臨めそうですね。
納得感を持って選考に進まれる人が多いので、途中で選考を辞退される人はあまりいません。
入社後の定着という点でも、エンジニアはもともと定着率の高い職種ではありますが、ウィルオブテックでご支援した人のうち、早期離職に至るのは年間で片手で数えられるかどうかという水準です。
「AI開発スキル診断」で技術力を数字にして示す
4つ目は、ハイヤールーさんと始められた「AI開発スキル診断」ですね。
この診断では、ハイヤールーさんが開発した「HireRoo」というコーディング試験を使うと伺いました。葛岡さん、これはどういったものなのでしょうか?
AIを活用しながら解く、AI時代の新しいコーディング試験です。AIが組み込まれたブラウザ上で、受験者は普段の開発と同じようにAIと協働しながら課題を解いていきます。
従来のコーディング試験は、AIに解かせれば誰でも満点が取れてしまうので、もう差がつかないんです。
そこでAI開発スキル診断では、提出されたコードだけでなく、AIとの全てのやり取りを記録して、AI協働力を評価します。AIへの指示の出し方、出力の検証の仕方まで見えるので、AIに丸投げした解答はプロセスから判別できます。
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000416.000034777.html
提出したコードだけでなく、AIにどう指示を出して、返ってきたものをどう検証したかまで残るわけですね。
ウィルオブテックさんでは、この診断を求職者にどう役立ててもらっているのでしょうか?
履歴書だけでは分からない技術力を可視化して、企業とのミスマッチをなくすために使っています。
面談を重ねる中で求職者の技術レベルを把握していたものを、定量的に可視化した上でその技術レベルを求めている企業様とマッチングしていく。自分のスキルを言葉で表現するのが得意な人もいれば、そうではない人もいらっしゃいますからね。
両社の発表によると、受検した人には設計力や実装力に加えて、AIへの指示の出し方や試行錯誤の過程までをまとめたスキルレポートが渡されます。自分の強みを言葉にしづらい人でも、客観的な材料を持って選考に臨めることになります。
ウィルオブテックに相談する
ここからは、AIの普及でエンジニアの採用市場がどう変わっているのか、お二人に伺います。
AIが台頭する時代、エンジニアの採用市場はどう変わっている?
AIの実用化が進む中で、エンジニアの採用市場で今起きている最も大きな変化は何でしょうか?
採用基準は明確に上がっています。
2020年から2024年頃までは、第二新卒やジュニア層など、若手人材の投資的な採用がかなり積極的におこなわれていました。ところがここ1〜2年、30代以上の即戦力人材やマネジメント層への採用比率が高まっています。
実務経験の面でも、以前は1年〜2年程度が最低ラインだったものが、今は3年・4年以上というように実務経験を求める傾向が強まっていますね。
経験の浅い人にとっては、入口が狭まっていると感じる話ですね。
若手の採用に前向きな企業は、いまもあるのでしょうか?
もちろんいらっしゃいます。ただ「若手だから」という理由ではありません。
技術的な変化が大きいマーケットですから、自己学習ができる人や、自分から情報を取りに行ける人を対象にされている企業さんが多い印象です。
葛岡さんにも同じことを伺えればと思います。エンジニアの選考で使われるテストを提供されている立場から、企業が求める人材に変化は見えていますか?
需要が高まっているのはPdM・PM人材です。AIを活用してモノを作れるプロダクトマネージャーのような人材が、非常に求められています。
即戦力人材やマネジメント層への採用比率が高まると同時に、AIを使って形にできる人にも需要が集まっているんですね。
実際の選考の現場で、AIの影響を感じた場面はありましたか?
それでいうと、お見送り理由で「AIの活用に対してネガティブ・消極的な思考だから」という内容が共有されたことがあったんです。
「AIが全く使えない」ならまだ理解できるのですが、「使えるけれど活用に消極的、ポジティブではない」というだけで採用基準から外れてしまう。これには驚きましたね。
それだけ、新しい技術や世の中の変化に適応していける柔軟さが、今のエンジニアには求められているのだと強く感じましたね。
弊社のサービスを導入されている企業からは「AIを使えるのは大前提」という声をよく聞きます。Claude CodeやCodexといったツールをエンジニアとして使った経験がなければ、そもそも書類選考が通らないという話も伺います。
AIを使えることが前提になる流れ自体は、エンジニアも感じていると思います。
このまま、AIを使いこなせる人だけに採用が寄っていくのでしょうか?
この業界で20年以上働いていますが、揺り戻しは来るのではないかと思っています。「AIに振り切ってみたけど、一定の人数を揃えなきゃいけないよね」という変化はあるはずです。
実際に「現状の採用方針で動いているけど、将来どうなるかはまだ答えが出ていない」と悩まれている企業様は多いです。
「AIの方向へ舵を切るのかどうか」を見極めているフェーズなんだと思います。
AIが台頭する時代に市場価値が上がるエンジニアの共通点
では、AI技術との共存が当たり前になる中で「価値が下がる仕事」と「価値が上がる仕事」は、それぞれどんなものでしょうか?
簡単なコーディング業務というのは、すでにAIに代替されつつありますので、その価値は下がってしまうと思っています。
逆に価値が上がる力の1つはコミュニケーション力です。関係者や顧客とのコミュニケーションを円滑にできる、コミュニケーションを軸にしたエンジニアの価値が高まっていくと思います。
もう1つは自己学習力。自分から情報を取りに行き、新しい技術に対して学習しようとする姿勢ですね。
実際、採用要件においても、テクニカルな部分よりヒューマンスキル寄りの要件が記載されることが少しずつ多くなっています。
私は、手段にかかわらず、課題を捉えて解決できる人は価値が高まっていくと思います。何を作るべきか、この課題は解決するに値するのかを、自ら考えられる人ですね。
いつの時代でも評価されるのは、新しい技術が出てきた時に、積極的にその技術をキャッチアップして使っていく人です。今はその技術がAIになっているという話です。
新しい技術を取り入れること自体は、多くのエンジニアがすでにやっていることだと思います。
そのうえで「AIを使いこなす人」と「AIに使われてしまう人」に分かれるとすれば、違いはどこに表れるのでしょうか?
AIを使いこなす人は、AIを思考を広げる道具として使っているんです。
逆にAIに使われている人は、AIの出力をそのまま受け入れてしまって、自分で思考することができていません。
だからこそ、AI開発スキル診断ではクイズのような問題の結果だけで評価しません。その結論に至った過程をチェックしているんです。
転職を迷っているエンジニアへのメッセージ
最後に、どんな思いを抱えているエンジニアにウィルオブテックが向いているか、メッセージをお願いします。
私たちは技術に向き合うエンジニアの支援を大切にしています。
転職の瞬間だけのお付き合いではなく、求職者の長期的なキャリアに伴走したいと思っています。
「今転職すべきなのか、それとも1年後なのか、5年後なのか」そういったモヤモヤを抱えているならば、ご相談いただきたいです。
また、エンジニアとしてのAI協働力を測れるのも私たちならではの魅力なので、ぜひご自身のスキルを試しに来てください!
ウィルオブテックに相談する