ブロックチェーンエンジニアになるには?必要なスキルや将来性について解説
本記事では、ブロックチェーンエンジニアになりたいと考えている方へ向けてブロックチェーンエンジニアの「仕事内容」「平均年収」「需要と将来性」「求められる知識」「キャリアパス」などについて紹介しています。
また「ブロックチェーン開発で用いられる代表的なプログラミング言語・フレームワーク」や「未経験からブロックチェーンエンジニアに転職する方法」についても紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
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そもそもブロックチェーンとは
仮想通貨や暗号資産などが出てきたことによりブロックチェーン技術はフィンテック分野において注目される技術の一つとなっていますが、最近ではデジタルデータに権利をつけることができる「NFT」が注目されていることによって、以前にも増してブロックチェーンエンジニアの需要が高まっています。
ブロックチェーンはデータベースにおける分散型台帳技術の一部で「取引データを適切に記録するための技術」であり、従来のデータベースよりもデータの保全性が高く改竄もしにくいことから様々な業界で注目されている技術です。
というのも、ブロックチェーンは従来のデータベースとは異なり、P2Pネットワークによって別々の個体として存在していたデータベースの情報を同期して、一つのブロックの共通データとしてデータの分散管理をしていくことが可能になりました。
そのため、仮想通貨・暗号資産のような電子取引における改竄に強いだけではなく、データを喪失してしまった際にも他のデータベースを参照することで復元ができるためデータの保全性も高いというのがブロックチェーンの最大の特徴となっています。
また、ブロックチェーンには「パブリック」「プライベート」「コンソーシアム」の種類があり、個人・チーム・プロジェクトでのデータ管理など様々な用途で活用できることからブロックチェーン技術を用いた開発をする企業も増えてきました。
そして、ブロックチェーン技術はIT業界や金融業界以外にも様々な業界で用いられていて、ブロックチェーン技術を用いたサービスも増えてきていることから、今後も重要な技術として様々な場面で活用されていくことが予想されています。
【用語解説】
- P2P
-別々のコンピューター端末がサーバーを介さずにデータやファイルを共有することができる技術。 - パブリックブロックチェーン
-誰もが平等に利用・閲覧することができるブロックチェーン。管理者がおらず利用者全員が監視者となりデータをチェックできるため、透明性の高いのが特徴。 - プライベートブロックチェーン
-特定の人物や企業のみが管理権限を付与できるブロックチェーン。データを閲覧する権限は特定の人物に絞ることができるため、秘匿性の高い情報を取り扱う際に活用されることが多い。 - コンソーシアムブロックチェーン
-同じ目的を持った団体やチームまで管理権限を付与できるブロックチェーン。管理者・利用者を任意に絞れるため複数の会社やチームが参画するプロジェクトなどで用いられることが多い。
ブロックチェーンエンジニアの仕事内容
ブロックチェーンはIT業界や金融業界をはじめとした様々な業界で活用がされていますが、ブロックチェーンサービスを開発するブロックチェーンエンジニアは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?
本項では、ブロックチェーン技術を用いてサービス開発を行っているブロックチェーンエンジニアが具体的にどのような開発に携わっているのかについて詳しく紹介していきます。
ペイメントサービスの開発
ブロックチェーンエンジニアの代表的な仕事の一つとして挙げられるのが「電子上での金銭の支払いを行うためのペイメントサービスの開発」です。
ペイメントサービスは、電子マネーによる支払いやECサイト上での決済を行う際にも必要になるもので、キャッシュレスが浸透している現代において非常に重要なサービスとなっています。
また、電子マネーが普及してPayPayやLINE Payなどの利用者が増えたことやECサイトの需要が高まったことで電子決済を行うユーザーが増加して、マイクロペイメント(数百円単位の決済)の数も増えてきたことによりブロックチェーン技術の重要性も増してきました。
電子取引は現金取引よりも改竄がしやすいため、ブロックチェーン技術の特性を活かして改竄を防ぐとともに透明性と信頼性をもって安心してサービスを利用してもらえるようなペイメントサービスの開発が必要とされているのです。
DAppsなどのアプリケーションの開発
ブロックチェーンエンジニアの仕事の中にはブロックチェーン上でのスマートコントラクト(契約行為)を応用して開発される分散型のアプリケーションであるDAppsなどの開発もあります。
ブロックチェーンエンジニアが開発するアプリには「ペイメントサービス」「金融取引サービス」「シェアリングサービス」などブロックチェーン技術を用いることでサービスの質が向上するものが多く、様々なサービスで需要が増加している状況です。
また、DAppsなどのアプリケーションにはWebアプリケーション・デスクトップアプリ・スマホアプリなどの種類がありますが、開発で利用されるプログラミング言語やツールは企業が提供しているサービスのターゲットや特徴によって変わってきます。
そのため、ブロックチェーンエンジニアとして働く場合でも、習得するプログラミング言語によって得意分野も変わってくるので、プログラミングスキルを習得する場合にはどのようなサービスを開発したいかで選んでいくことが大切です。
独自のブロックチェーンの開発
ブロックチェーンエンジニアとして働いていく場合にはブロックチェーン技術を活用した新しいサービスの開発をしたり、既存のサービスに独自のブロックチェーン技術を導入して最適化するための開発に携わっていくこともあります。
独自のブロックチェーン開発は企業が自社サービスの開発をするために行うことが多いですが、自社内にブロックチェーン開発に詳しい人材がいない会社であれば受託会社に開発を依頼したりフリーランスに業務委託で参画してもらうことも多いです。
また、独自のブロックチェーン開発を行う場合、既存開発では「機能追加」「保守・運用」をメインで対応して、新規開発では「要件定義」「基本/詳細設計」「実装」「テスト」「保守・運用」まで行うため様々業務に対応できるように開発に関する一通りの知識や経験が必要になります。
いずれにしても、独自のブロックチェーンを開発するためには「ブロックチェーン技術に関する深い理解」と「機能を実装できるだけの技術力」が求められるため、ブロックチェーンエンジニアとして実績を積んでいきたい・スキルを磨いていきたいという方にはやりがいのある仕事となるでしょう。
ブロックチェーン技術に関する研究開発
ブロックチェーンはサービス開発において非常に有用な技術のため様々なサービスに導入されていますが、ブロックチェーン技術には「膨大なデータ処理による処理速度の遅さ」「セキュリティ面における51%問題やなりすまし」といった課題もあります。
そのため、研究機関や大手企業などではブロックチェーン技術をより最適なものへと進化させていくために、データの処理速度向上やセキュリティ性向上のための新たなアルゴリズムや技術などの開発研究が進められている状況です。
ブロックチェーンの技術開発に携わるためには専門家としての知識や技術が必要なため、ブロックチェーンエンジニアとして働いている方が転職するケースも多く、研究職はブロックチェーンエンジニアのキャリアパスの一つとして考えられています。
技術研究はブロックチェーン開発専門の研究施設などで進められているため企業で働いている方が携わる機会は少ないですが、よりブロックチェーン技術を発展させたいと考えている方は将来のキャリアの選択肢として入れてみるのも良いでしょう。
ブロックチェーンエンジニアの平均年収
ブロックチェーンエンジニアはAIエンジニアと同様に非常に需要が高いエンジニアの職種であり、平均年収.jpによると平均年収は928万円とシステムエンジニアの平均年収である550万円と比較してもかなり高い水準にあることがわかります。
ブロックチェーンエンジニアやシステムエンジニアの年齢別平均年収は以下の通りですが、正社員の場合には年齢を重ねていくことで年収の水準も上がっていき、最終的にブロックチェーンエンジニアの年収は960万円まで上がっていることがわかります。
年代 | ブロックチェーンエンジニア | システムエンジニア |
---|---|---|
20歳〜24歳 | 456万円 | 314万円 |
25歳〜29歳 | 518万円〜568万円 | 391万円 |
30歳〜34歳 | 524万円〜624万円 | 429万円 |
35歳〜39歳 | 608万円〜712万円 | 490万円 |
40歳〜44歳 | 679万円〜800万円 | 550万円 |
45歳〜49歳 | 774万円〜896万円 | 616万円 |
50歳〜54歳 | 850万円〜960万円 | 660万円 |
55歳〜59歳 | 842万円〜952万円 | 655万円 |
正社員でブロックチェーンエンジニアとして働いていく場合には上記のような年収となっていますが、キャリアの選択肢の中にはフリーランスとして独立するという方法もあります。
フリーランスとして働く場合の案件の平均単価は73.1万円で案件の多くは月収60万円以上となっており、フリーランスのブロックチェーンエンジニアの平均年収は945万円で、30代や40代でも年収1,000万円を目指していくことも可能です。
もちろん、フリーランスとして独立するにはブロックチェーンエンジニアとしてのスキルや実績があることが前提になりますが、フリーランスとして独立して年収アップを実現している方も多いので、キャリアの選択肢として入れておくのも良いでしょう。
ブロックチェーンエンジニアの需要と将来性
ブロックチェーン技術には、トレーサービリティ・認証・NFTといった分野があり、金融業界をはじめとした様々な業界でブロックチェーン技術を用いたサービスが提供されるようになってきました。
ブロックチェーン技術は情報の改竄を防止できることが強みなので、仮想通貨・暗号資産・NFTなどの安全性や信頼性が重視されている分野では非常に需要が高く、ペーパーレスやマイナンバーの普及などにより、今後も需要は拡大していくことが予想されています。
ブロックチェーンエンジニアの平均年収は928万円と非常に高い水準にありますが、その背景としては需要に対して供給が追いつかずに人材不足の状態にあることが挙げられるため、ブロックチェーンエンジニアの需要は非常に高いといえるでしょう。
そして、AIやIoTといった最新技術と同じように今後のサービス開発においてブロックチェーン技術の必要性は増していくため、ブロックチェーンエンジニアの将来性はエンジニア職の中でも非常に高いと考えられています。
【用語解説】
- トレーサービリティ
-製品がいつ・どこで・誰によって作られたのかを明らかにして追跡可能な状態にすることで、安全性が重要な食品や医薬品などを中心に様々な業界で活用されている。 - 認証
-セキュリティ性向上のための本人認証や証明書の電子化に伴い需要が増してきた分野で、マイナンバーやデジタルIDに紐づけたサービスなどの信頼性と安全性を担保する必要がある場面で活用されている。 - NFT
-デジタルデータに権利を付与することで製作者や権利所有者を明確にすることができ、不正を防ぐとともに製作者や権利者の保護ができることから注目度が高まっている。
末永
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ブロックチェーンエンジニアに求められる知識
ブロックチェーンエンジニアはブロックチェーン技術を用いた開発を行うのが仕事ですが、働いていくためにはどのような知識が求められるのでしょうか?
本項では、ブロックチェーンエンジニアに求められる代表的な知識について紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
暗号技術に関する知識
ブロックチェーンエンジニアとして働いていくためには、ブロックチェーン技術の核となる暗号技術に関する知識と理解が求められてきます。
暗号技術はデータの内容を第三者にわからない形式に変換して情報の秘匿性を高めるためにも重要なものであり「ハッシュ関数」「公開鍵暗号方式」「電子署名」をはじめとした様々な技術が存在します。
そして、ブロックチェーンエンジニアは暗号技術の種類や特性を把握した上で開発を進めていく必要があるため、暗号化の仕組みや暗号技術を活用したサービス開発のアルゴリズムに関する知識も求められてくるでしょう。
ブロックチェーンに関する知識
ブロックチェーンエンジニアに求められる知識の中には「P2Pネットワーク」「コンセンサスアルゴリズム」「スマートコントラクト」などのブロックチェーンに関連する知識も挙げられます。
ブロックチェーンが「どのような仕組みで成り立っているのか」「アルゴリズムやトランザクションがどうなっているのか」といった基礎的な構造だけではなく、ブロックチェーン開発をしていくためにはどのような技術が用いられているのかといった知識も必要となってくるでしょう。
また、ブロックチェーン開発において構築のための手順や一般的なシステム開発と利用するプログラミング言語や開発ツールにはどのような違いがあるのかといった技術的な部分に関する知識も求められてきます。
システム・アプリケーション開発に関する知識
ブロックチェーンエンジニアはブロックチェーン技術を用いた開発のスペシャリストであるため、ブロックチェーン技術に関する知識だけではなくシステム開発やアプリケーション開発に関する知識や技術も必要とされています。
具体的にはブロックチェーン技術を用いた開発を進めていく場合の「要件定義」「基本/詳細設計」「構築」「テスト」「保守・運用」に関する知識やサーバー・データベース・ネットワーク・セキュリティなどの開発知識全般が挙げられます。
また、ブロックチェーン技術を用いた開発は一般的な開発の流れと同じですが、開発目的やサービスの特徴によってどのようなプログラミング言語やツールを用いるのかも変わるため、開発分野ごとで必要になるプログラミング言語やツールなどの知識もしっかりと把握しておくことが大切です。
ブロックチェーン開発で用いられる代表的なプログラミング言語
ブロックチェーン技術を用いた開発では、開発目的やどのような機能を持つシステム・サービスを開発するかによって用いるプログラミング言語やツールは変わってきます。
以下のプログラミング言語はブロックチェーン開発において用いられる代表的なものとなりますが、本記事ではそれぞれのプログラミング言語の特徴やどのような開発ができるのか紹介していくので参考にしてみてください。
C言語(C++)
ブロックチェーンに注目が集まったきっかけともいえるビットコインですが、ビットコインはC言語(C++)で開発されていることから、C言語(C++)はブロックチェーンの中でも仮想通貨関連の開発における代表的なプログラミング言語となっています。
C++は組み込みシステムや制御基盤システムを開発する際に用いられるC言語の機能を拡張した言語のためC言語と互換性がありますが、オブジェクト指向が追加されたことで汎用性が高くC言語よりも効率的な開発をすることができるのが特徴です。
C++では「大規模業務システム」「AI」「ロボットの制御プログラム」「IoTシステム」「ゲーム」など様々な開発ができますが、ブロックチェーン領域では仮想通貨取引に関連するサービス開発で用いられることが多いです。
C++はC言語だけではなくオブジェクト指向の理解も必要になるため習得難易度は比較的高めと言われていますが、技術を身につけることで様々なサービスを開発していくことができるためおすすめのプログラミング言語といえるでしょう。
C#
仮想通貨システムの開発ではC++が活用されることが多いですが、Microsoft関連の仮想通貨アプリケーションの開発を行う際にはC#言語が用いられることもあります。
C#はC言語・C++・Javaの良い部分を取り入れた派生言語で、Webサービス開発・アプリケーション開発・ゲーム開発など様々な場面で活用されており、Microsoft製品やWindowsアプリとの相性が良いのが特徴です。
また、C#はC言語やC++と混同されがちですがC#にはC言語やC++との互換性はなく独自のプログラミング言語となっており、C言語・C++・Javaを参考にしているためC言語・C++・Javaの経験があったり、オブジェクト指向を理解していれば比較的習得しやすい言語となっています。
C++と同様にC#は様々な開発で用いられるプログラミング言語であり、汎用性も高く需要も安定していているため、ブロックチェーン開発の中でもMicrosoftやWindowsアプリの開発をメインに考えている方はC#を習得していくのが良いでしょう。
JavaScript
JavaScriptはシステム開発やアプリケーション開発において必要不可欠なプログラミング言語の一つであり、クロスプラットフォームに対応しているため開発環境を選ばない点やできることの幅も広いことから人気のプログラミング言語となっています。
JavaScriptでは、JQueryライブラリやVue.js・React.jsといったフレームワークを用いたフロントエンド開発だけではなく、Node.jsのフレームワークを用いることでサーバーサイド開発ができるというのも需要が高い要因の一つといえるでしょう。
ブロックチェーンサービスはWebアプリやデスクトップアプリで提供されることが多く、JavaScriptはWebアプリの開発などで必要不可欠な言語であるためブロックチェーン開発においても非常に需要の高い言語となっています。
また、JavaScriptの基礎知識やスキルは比較的身につけやすいため未経験からチャレンジしやすく、経験を積んで様々なフレームワークを用いた開発ができるようになれば高年収を狙うことができるため、興味がある方は習得を目指すのも良いでしょう。
Solidity
SolidityはEthereum上でスマートコントラクトを開発するために用いられるプログラミング言語であり、DApps(分散型アプリケーション)の開発において必要不可欠なものとなっています。
Solidityはコントラクト指向のプログラミング言語であるためブロックチェーン開発との相性がよく、どのようなプログラムでも記述できるチューリング完全言語であるため、ブロックチェーンのような複雑な処理が必要となるサービスにも対応できるというのが最大の特徴です。
また、Solidityの文法はJavaScriptに似た文法でシンプルな記述で開発ができるため、プログラミング経験者であれば比較的理解しやすいのも特徴の一つとして挙げられます。
Solidityを使いこなすためにはライブラリなどの理解や関連するツールなどの知識も必要になりますが、ブロックチェーンエンジニアとして働いていくのであれば、覚えておいて損はないので興味があれば勉強してみるのも良いでしょう。
Go言語
Go言語(Golang)はGoogleが開発したプログラミング言語であり、シンプルなコード記述が可能なことや並行・並列処理に優れていて高速で動作することから複雑なシステムの構築に向いているプログラミング言語として注目されています。
Go言語ではWebサービスやスマートフォンアプリの開発だけではなく、並行処理に優れていることからIoTの開発でも活用されており、その他にもCLI(コマンドを実行する画面で動作するツール)やAPIサーバーの開発も可能です。
Go言語はEthereumが提供する「Go Ethereum」を利用するために必要な言語で、Go Ethereumを利用することによって、Go言語でEthereum上の操作や機能追加ができるため、ブロックチェーン開発においてもGo言語は需要の高い言語と考えられています。
また、Go言語はプログラミング言語の中でも需要が伸びている言語の一つであり、ブロックチェーンやIoTなどの開発でも活用されることから将来性も高いため、最先端技術に関わっていきたいという方はGo言語の取得を検討してみるのもおすすめです。
ブロックチェーン開発で用いられるフレームワーク
ブロックチェーンの開発を行う際には様々な言語が用いられますが、システムを構築していく際には効率的に開発を進めていくためにフレームワークが活用されることも多いです。
フレームワークはプログラミング言語で構築できる機能をあらかじめ用意して使いやすくしたものであり、ブロックチェーン開発をする際に用いられるフレームワークも多く存在します。
本項では、ブロックチェーン開発を行う際によく活用される代表的なフレームワークを5つ紹介していくので参考にしてみてください。
Enterprise Ethereum
Public Ethereumはチューリング完全なスマートコントラクトのプラットフォームとして認知されていますが、まだ使いこなせる技術者が少ないことから企業での活用に課題があると言われています。
ですが「Enterprise Ethereum」は「Public Ethereum」をベースとして企業のニーズに応えられるように設計されており、Public Ethereumと同様の機能を備えつつもプライベート/コンソーシアム向けの開発にも対応しやすいように設計されているのが特徴です。
Enterprise EthereuはPublic Ethereumをベースに設計されたものでトークン発行やDAaps開発も可能なフレームワークとなっていますが、具体的には以下のような点に違いがあります。
- 機密情報の保持が可能
- 法令遵守を意識したシステム構築ができる
- Permissioned型のネットワーク構築が可能
- 従来型のシステムとの統合もできる
- 秒間数千件の処理に耐える処理性能がある
- ファイナリティ(決済完了)の担保ができる
- ガス代が不要で低コストでの利用が可能
また、Enterprise Ethereumは特定のプロジェクトやブロックチェーンを指すものではなく、エンタープライズに向けてアレンジされたEthereumの総称のことを指しますが、ブロックチェーン開発において重要なものなので覚えておくと良いでしょう。
【用語解説】
- Permissioned型(許可型)
-身元が明らかで管理者に許可されたノードのみが参加可能な形態
Hyperledger Fabric
Hyperledger Fabricはエンタープライズ向けのブロックチェーンフレームワークの中でも活用されることが多く、Permissioned型のフレームワークであるためプライベート・コンソーシアムのブロックチェーンの構築に向いています。
Hyperledger Fabricには「許可型のネットワークため秘匿性が高い」「共有したいデータだけの開示が可能」「プラグインアーキテクチャで機能拡張が容易」「既存言語でスマートコントラクトの実装が可能」といった特徴がありブロックチェーン開発においては非常に有用なものとなっています。
ブロックチェーン開発において活用されるケースが多いフレームワークであるため、ブロックチェーンエンジニアとして働く場合には優先的に勉強をして理解を深めていくようにしましょう。
Quorum(GoQuorum)
Quorum(GoQuorum)はEthereumをベースとしたブロックチェーンであり、Permission型(許可型)のプライベートネットワークで処理されたトランザクション情報の一部を非公開にできるなど情報の秘匿性に強みがあります。
また、Quorum(GoQuorum)には「Clique POA」「Raft-based Consensus」「Istanbul BFT(IBFT)」といったコンセンサスアルゴリズムがあり、利用者によって最適なアルゴリズムが変わりますが、いずれもファイナリティ(決済完了)を担保できるという強みがあります。
Quorum(GoQuorum)も活用していくためには活用事例や利用パターンを理解する必要がありますが、プライベートブロックチェーンネットワークやコンソーシアムブロックチェーンを開発する場合には選択肢の一つとなるので覚えておくと良いでしょう。
Corda
CordaはPermissioned型(許可型)の分散型台帳基盤を構築する際に活用されるブロックチェーンフレームワークで「プライバシーの担保ができる」「他のCorDappとの相互運用ができる」「処理能力が高い分散型台帳基盤の構築が可能」というメリットが挙げられます。
Cordaは金融機関で活用することを目的として作られており「秘匿性の高さ」「膨大な取引データの処理ができる」「利害関係者や当事者しかトランザクションの確認ができないようにできる」といった特徴があるフレームワークです。
また、Cordaを運営するR3コンソーシアムにはメガバンクが利用していることから注目度も高く、今後も様々なブロックチェーン開発において活用されるフレームワークの一つと考えられています。
Ripple
Rippleは銀行間取引に特化したブロックチェーンの構築ができるフレームワークで「XRP」という暗号通貨を活用して銀行間での取引を高速かつ低コストで実現できるという強みを持っています。
また、Rippleは世界各国の通過にも対応しているため国際送金での利用も多く、ブロックチェーン技術を用いることで透明性や信頼性を担保した取引ができることから注目度も高まっています。
銀行間取引で活用されることが多いため他のフレームワークに比べて習得の優先度は下がりますが、金融系企業や銀行での開発に携わる可能性がある方にとっては必要な知識の一つなので覚えておくと良いでしょう。
未経験からブロックチェーンエンジニアへ転職する方法
ブロックチェーンエンジニアに転職を考えている方の中には、エンジニアとしての経験が全くない状態から未経験でブロックチェーンエンジニアを目指そうと考えている方もいると思います。
ですが、ブロックチェーンエンジニアになるためにはブロックチェーンに関する知識だけではなく、システム開発やアプリ開発のためのプログラミングスキルも必要になため未経験からブロックチェーンエンジニアになるハードルは高いのが実情です。
それでも、未経験からブロックチェーンエンジニアになる方法はあって、実際に未経験からブロックチェーンエンジニアになって活躍している方もいるため、ハードルが高いからといって諦める必要はありません。
ブロックチェーンエンジニアは専門性を求められることが多いですが、人材が不足していることから体制が整っていれば育成人材として採用する企業もあるため、本気でブロックチェーンエンジニアになりたいと考えているのであれば、挑戦してみても良いでしょう。
本項では、未経験からブロックチェーンエンジニアを目指す方へ向けて、ブロックチェーンエンジニアになるための勉強方法や未経験から転職する方法について紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
独学でブロックチェーンについて学んで転職する
未経験からブロックチェーンエンジニアになるためには、まずブロックチェーン技術やシステム開発に関する知識と開発のためのプログラミングスキルの習得が必要になります。
ブロックチェーンに関する知識や開発スキルを身につける方法としては、独学で勉強をするかプログラミングスクールを活用する方法がありますが、独学で勉強をしていく場合には主に以下のような流れで学習から転職活動まで進めていくことが多いです。
- ブロックチェーン技術に関する勉強をする
-専門書籍を読み込んで理解を深める
-開発に用いる言語やFWを把握しておく - システム開発やプログラミングの勉強をする
-システム開発の基礎について書籍を読み込む - 実際に技術やツールに触れて理解を深める
-プログラミング学習サービスでスキルを習得 - 転職サービスを活用して求人を探す
-転職エージェントに登録する
-エージェントに相談しながら求人を探す
独学でブロックチェーンについて勉強をしていく場合には、ブロックチェーン技術や開発言語・FW(フレームワーク)に関する知識を把握していくために専門書籍を読むことから始めていきましょう。
ブロックチェーン技術に関する書籍は以下のようなものがおすすめですが、他にもブロックチェーン技術に関連する書籍はたくさんあるので、まずは何冊か書籍を読んでブロックチェーンの基礎を理解していくことが大切です。
おすすめの専門書籍
- 仮想通貨の教科書
- 暗号技術入門 – 秘密の国のアリス –
- ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術
また、ブロックチェーンエンジニアの仕事にはブロックチェーン技術を用いたシステム開発やアプリケーション開発も含まれるため、開発に関する基礎的な知識やブロックチェーン開発で用いられるプログラミング言語に関する書籍もしっかりと読んでおいてください。
そして、ブロックチェーンに関する知識や理解を深めるためには実際にツールやサービスを触ってみるのが良いため「PoL(ポル)」「CryptoZombies」といったブロックチェーンのプログラミング学習サービスを活用して学習していくのもおすすめです。
ブロックチェーンやシステム開発に関する勉強が終わったら転職活動を進めていくことになりますが、転職活動をする際には転職エージェントに登録して、未経験からでも応募が可能な求人を探していくと良いでしょう。
プログラミングスクールを活用して転職する
未経験からブロックチェーンエンジニアへ転職するもう一つの方法として挙げられるのが、プログラミングスクールを活用して転職をする方法です。
プログラミングスクールでは未経験からでもエンジニアになるために必要な知識やスキルの習得ができるようにプロのエンジニアが学習をサポートしてくれるため、独学よりも効率的にプログラミング学習を進めていくことができます。
プログラミングスクールでは安くはない受講費用がかかってしまいますが、プログラミングスクールによっては「専門実践教育訓練給付金制度」の対象となるコースおあり、受講料の最大70%のキャッシュバックを受けることができる可能性もあります。
また、プログラミングスクールによっては転職保証コースを用意しているスクールもあり、未経験からエンジニアになるための学習だけではなく転職活動の支援までしてくれるため、未経験からエンジニアに転職したい方にもおすすめです。
独学でブロックチェーン技術やプログラミングについて勉強しているとわからないことは自分で解決しなければいけないため、もし独学が難しいと感じた場合にはプログラミングスクールを活用していくと良いでしょう。
末永
エンジニアとして転職活動をする場合には転職エージェントの活用が有効ですが、プログラミングスキルを習得した上で転職活動を進めていきたいのであればプログラミングスクールがおすすめです。
プログラミングスクールでは受講費用はかかってしまいますが、効率的にプログラミングスキルを習得できるため、未経験からチャレンジしたい方は積極的に活用していくと良いでしょう。
おすすめのプログラミングスクール
ブロックチェーンエンジニアのキャリアパス
ブロックチェーンエンジニアは需要が高く将来性のある職種の一つとなっていますが、実際に働いてキャリアを形成していく場合にはどのようなキャリアパスがあるのでしょうか?
エンジニアのキャリアパスは大きく分けると「スペシャリスト」「ジェネラリスト」「マネジメント」の選択肢がありますが、ブロックチェーンエンジニアもそれぞれ以下のようなキャリアパスが考えられます。
ブロックチェーンエンジニアのキャリアパス
- スペシャリスト
-特定のブロックチェーン開発言語のスキルを磨いて専門性を高める
-複数のブロックチェーン開発言語のスキルを磨いて仕事の幅を広げる - ジェネラリスト
-ブロックチェーン以外の開発に対応にも対応できるようにスキルを磨く
-別のプログラミング言語を習得してキャリアチェンジする - マネジメント
-開発ディレクターへキャリアチェンジする
-PLとしてチームのマネジメントを行う
-PMとしてブロックチェーン開発プロジェクトの運営を行う
ブロックチェーンのスペシャリストとしてキャリアを築いていく場合には「特定のブロックチェーン開発言語のスキルを磨いていき専門性を高める」「複数のブロックチェーン開発言語のスキルを磨いて対応できる仕事の幅を広げていく」という選択肢があります。
また、ジェネラリストとしてのキャリアを築いていく場合にはブロックチェーン分野以外のサービス開発に携わっていったり、ブロックチェーン開発で用いる言語とは異なる言語を習得してキャリアチェンジしていくのも良いでしょう。
そして、ブロックチェーンエンジニアとしての経験や実績があってキャリアアップを目指す場合には、マネジメント職の「開発ディレクター」「PL」「PM」といった職種へのキャリアアップを目指すという選択もあります。
ブロックチェーン開発で用いるプログラミング言語はブロックチェーン分野以外の開発でも用いられるため、開発経験があれば他の分野のエンジニアへキャリアチェンジすることも可能です。
ですが、ブロックチェーンエンジニアは年収の水準が高く将来性もあるため、年収アップやキャリアアップを考えている場合には、スペシャリストやマネジメントのキャリアを選択していく方が良いでしょう。
ブロックチェーンエンジニアへ転職したいなら転職エージェントの活用がおすすめ
ブロックチェーンエンジニアへ転職したいと考えている方であれば、転職エージェントを活用して転職活動を進めていくのがおすすめです。
転職エージェントでは、希望条件に合わせて求人を紹介してくれたり、転職がうまくいくように職務経歴書の添削や面接対策のアドバイスなども行ってくれるため、効率的に転職活動を進めていくことができるでしょう。
また、転職エージェントを利用することで未経験からブロックチェーンエンジニアになるためにどのような転職準備をすればいいのか相談に乗ってくれたり、スキル・経験・実績などを考慮した上での市場価値や転職難易度を教えてもらうこともできます。
転職活動を進めていく際には、効率的に希望の求人を探していくためにも転職目的に合ったサービスに複数登録しておくことで求人探しの幅が広がり、より希望の求人を見つけやすくなるので、3社〜5社程度には登録しておくようにしましょう。
そして、ブロックチェーンエンジニアへの転職を目指すのであれば「IT業界やエンジニアの転職に特化したエージェント」と「幅広い業界の求人を豊富に取り扱う総合型転職エージェント」を併用していくのがおすすめなので、以下の中で気になるエージェントがあればぜひチェックしてみてください。
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