理学療法士(PT)の給料が安いのはなぜ?転職のプロが理由と収入アップ方法を解説
理学療法士の給料が安いのは本当かどうか、なぜ安いと言われるのかを、転職のプロが理由とともに徹底解説します!給料を上げる方法やすぐに実践できる行動、理学療法士として働ける給料の高い職場についても合わせて紹介します。
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理学療法士(PT)は給料が安いのか?
理学療法士(PT)の給料は比較的安いと言えます。ただ、20代では理学療法士の年収は社会全体平均を上回るので、若いうちから安定した給与を得やすい専門職でもあるのです。以下で、詳しく解説していきましょう。
令和5年の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収は約434万円で、給与所得者全体の平均年収は464万円です。そのため理学療法士を含めた3職種の平均年収は、全体の平均より30万円ほど下回っています。
つぎに年齢を階級に分けて平均年収を見ていきましょう。
理学療法士 (OT/STを含む) |
給与所得者平均 | |
---|---|---|
20~24歳 | 342.2万円 | 304.4万円 |
25~29歳 | 389.1万円 | 377.2万円 |
30~34歳 | 421.4万円 | 433.2万円 |
35~39歳 | 455.5万円 | 481.0万円 |
40~44歳 | 497.6万円 | 513.8万円 |
45~49歳 | 518.0万円 | 536.9万円 |
50~54歳 | 515.0万円 | 557.9万円 |
55~59歳 | 570.2万円 | 561.6万円 |
60~64歳 | 462.8万円 | 447.8万円 |
※平均年収=「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で算出
20代では理学療法士を含めたリハビリ職の年収が全体の平均を上回っています。しかし、30代から50代前半にかけては、全体の平均年収の方が高くなり、50代後半になると、再びリハビリ職の年収が平均を上回ります。
ただし、理学療法士の平均年収が全体平均より低いのは、必ずしも「理学療法士という仕事の給料が安い」だけが理由ではありません。
下のグラフでは、理学療法士を含めたリハビリ3職種の労働者数と全体労働者数を年齢階級別で比較してみました。

リハビリ職は、全体平均に比べて構成員の年齢が若く、厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査によると、平均年齢は38.3歳です。給料がまだ上がりきっていない20〜30代の割合が多く、給料がピークに達する50代の割合が少なくなっているのです。
一方で、給与所得者全体を見ると、あらゆる世代が満遍なく含まれており、平均年齢は43.9歳となっています。とくに人数の多い40〜50代の高い給与層が全体の平均年収を引き上げていることがわかります。
理学療法士の平均年収が全体平均より低いのは、平均年齢が若いために、集団全体の統計的な平均値が低く出ているという構造的な要因も影響しているのです。
理学療法士の給料に関してより正確に表現するなら、「キャリアの早い段階で安定するが、30代以降の伸びは社会全体に比べて穏やか」ということになります。
統計データでは、30代以降の多くの年代で理学療法士の平均年収が社会全体の平均を下回るので、この数字だけを見ると「給料が安い」と感じる人は多いと思います。
他の医療系職種との比較
他の医療系職種と比べても、理学療法士(PT)の給料は低い部類にあると言えます。
他職種の平均年収と平均年齢を見ていきましょう。
職種 | 平均年収 | 平均年齢 |
---|---|---|
医師 | 1,436.5万円 | 46.1歳 |
歯科医師 | 832.0万円 | 41.5歳 |
薬剤師 | 577.9万円 | 41.4歳 |
助産師 | 570.0万円 | 39.5歳 |
診療放射線技師 | 536.5万円 | 41.6歳 |
臨床検査技師 | 504.3万円 | 40.5歳 |
看護師 | 501.9万円 | 41.0歳 |
保健師 | 475.2万円 | 41.2歳 |
理学療法士 | 433.7万円 | 38.3歳 |
歯科技工士 | 431.1万円 | 42.1歳 |
准看護師 | 407.1万円 | 51.5歳 |
歯科衛生士 | 402.5万円 | 36.6歳 |
栄養士 | 392.2万円 | 38.1歳 |
看護助手 | 315.6万円 | 48.0歳 |
※理学療法士は作業療法士・言語聴覚士も含めた値
※平均年収=「決まって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与その他特別給与額」で算出
厚労省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均年収は約501万円、薬剤師は約577万円、助産師は約560万円と、理学療法士の平均年収を大きく上回っています。
あくまで平均年収での比較ですが、同じ国家資格の中でも薬剤師の平均年収は理学療法士に比べて100万円以上も高いです。
理学療法士で給料が安いことに悩んでいる人は、まずはリハビリ職や医療技術職の転職支援に特化した転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
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理学療法士(PT)の給料が安い理由
理学療法士(PT)の給料が安い理由は大きく分けて2つあり、理学療法士の数が増加してきていることと診療報酬に限界があることが挙げられます。
それぞれの理由の詳細について以下で紹介していきます。
理学療法士(PT)の数が増加してきている
理学療法士(PT)の給料が安い理由の1つとして、近年理学療法士の数が増加してきていることが挙げられます。
日本理学療法士協会の公式HPによると、令和5年度時点の理学療法士の資格取得者数は213,735人にも上っていて、これは10年前の平成25年度時点の数のおよそ2倍になります。
また、厚生労働省が発表した「理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について」によると、2040年までに理学療法士・作業療法士の供給数は需要数の約1.5倍になると予想されています。
供給数が需要数を上回っていると飽和状態になるので、全体として給料が上がりづらくなります。
また、理学療法士として働く人が増えると役職に就くことができる人も減るので、昇級しづらいという状況が発生します。
診療報酬に限界がある
診療報酬に限界があることも理学療法士(PT)の給料が安い理由の1つに挙げられます。
診療報酬とは、医療機関の行なった医療行為に対して支払われる対価のことを指します。
理学療法士は1単位20分で診療報酬を得ていますが、単位数には1日24単位、1週間108単位という上限があります。
どんなに頑張っても上限があるので限界があり、また時間に対して診療報酬が支払われるので、経験や技術で報酬に差が出ないのも給料が安いことに繋がっています。
理学療法士(PT)が給料を上げる方法
ここでは、実際に理学療法士(PT)が給料を上げる方法について解説していきます。
ここまで、理学療法士の給料が安い理由について話してきましたが、これはあくまでも平均の話であり、個人のキャリアパスは全くの別物です。
自身の努力とキャリア選択しだいで、平均を大きく超える収入を得ることは十分に可能なので、給料が安いことに悩んでいる理学療法士の人はぜひ参考にしてみてください。
管理職に昇進する
理学療法士(PT)が給料を上げる方法として、管理職に昇進することが考えられます。
管理職に昇進することは容易ではありませんが、管理職に昇進すれば職場を変えることなく昇給を狙えるので、給料を上げるための最も確実な方法です。
管理職に就くと責任が伴う分、手当が付くので給料がアップします。
管理職の業務は主にスタッフの配置や業務の采配を行うので、様々なスキルが求められますが特にマネジメントスキルが求められます。
これから管理職を目指す理学療法士の人は、もし自分が管理職ならという視点を持ちながら業務に取り組むことをおすすめします。
そうすることでマネジメントスキルが鍛えられますよ。
スキルアップする
理学療法士(PT)が給料を上げる方法として、資格を取得したり、勉強会に参加したりしてスキルアップをすることが挙げられます。
以下が理学療法士のスキルアップに繋がる資格一覧になります。
- 認定理学療法士
- 専門理学療法士
- 心臓リハビリテーション指導士
- 呼吸療法認定士
- 認知症ケア専門士
- 義肢装具士
- 健康運動指導士
職場によっては、資格を取得すると資格手当を受け取ることができ、給料アップに繋がることがあります。
また、資格取得のために勉強をしたり、勉強会に参加していると学び続ける姿勢を買われて昇級する可能性もあります。
給料が安いと悩んでいる理学療法士の人は、他の理学療法士との差別化を図るという意味でもスキルアップをすることをおすすめします。
給料が高い職場に転職する
理学療法士が給料を上げるためには、給料が高い職場に転職するというのも1つの手段です。
記事内の[理学療法士(PT)として働ける比較的給料の高い職場]でも紹介していますが、理学療法士として働くことができる場所は様々で、場所によっては給料が高い職場もあります。
「給料だけが理由で転職するのは…」と思う人もいると思いますが、転職することで年収が大幅に変わる可能性もあるので、転職することを視野に入れておくと良いでしょう。
副業をする
理学療法士が給料を上げるためには、副業を始めることも1つの方法であると考えられます。
前提として、副業ができるかどうかは勤務先によって変わるので、副業を始める場合は必ず勤務先に確認を取った上で行なってください。
理学療法士が始めることができる副業としては、以下のものが挙げられます。
- スポーツトレーナー
- セミナー講師
- 非常勤勤務
- ライター
- アルバイト
この中でも、とくにスポーツトレーナー・セミナー講師に関しては理学療法士の経験や知識が活きるのでおすすめです。
理学療法士の年収の上げ方は以下の記事でも詳しく解説しているので、給料を上げるのに興味がある人は、ぜひ読んでみてください。
理学療法士(PT)が給料を上げるためにすぐできる行動
理学療法士(PT)が給料を上げるための方法について紹介しましたが、ここでは給料を上げるために今すぐできる行動について紹介していきます。
資格の勉強を始める
理学療法士が給料を上げるために今すぐできる行動として、資格の勉強を始めることが挙げられます。
先程[理学療法士が給料を上げる方法]で紹介したスキルアップに繋がるものですが、資格の参考書さえあれば今すぐ始めることができます。
空き時間を使って始めることができるのでハードルは低いですが、資格を取得しても手当が付かない職場もあるので、事前に職場側に確認をしてから勉強を始めましょう。
転職活動を始める
理学療法士が給料を上げるために今すぐできる行動のもう一つは、転職活動を始めることです。
転職活動は今すぐに始めることができて、今の職場よりも給料が高い職場に出会える可能性があります。
転職活動を行う際は、一人で行うよりも転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントを使えば、今よりも待遇の良い求人や自分にあった求人を紹介してくれて選考対策をサポートしてくれるので、効率よく転職を進めることができます。
以下のリハビリ職の転職支援に特化した転職エージェントを使えば、理学療法士の転職市場に精通しているので、安心して転職を進めることができますよ。
リハビリ職におすすめの転職サイト
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理学療法士におすすめの転職サイト・エージェントについては以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
理学療法士(PT)として働ける比較的給料の高い職場
ここでは理学療法士(PT)として働ける比較的給料の高い職場を紹介していきます。
給料が安いことに悩んでいて転職を考えている理学療法士の人は転職先の参考にしてみてください。
訪問リハビリステーション
理学療法士として働ける比較的給料の高い職場として、訪問リハビリステーションが挙げられます。
訪問リハビリステーションでの業務は、実際に利用者の自宅や施設を訪問して、リハビリテーションを提供することです。
訪問件数が増えるとその分収入も増えるので、頑張り次第では高収入を目指せます。また、基本的には日勤のみで柔軟な働き方ができるのでおすすめの職場です。
一般企業
理学療法士として働ける比較的給料の高い職場として、一般企業が考えられます。
一般企業と一口に言っても色んな企業がありますが、理学療法士の資格が活きるのはリハビリ系のコンサルタント会社や福祉住の環境を提供している会社などが挙げられます。
医療機関よりも一般企業のほうが昇給がしやすい傾向にあるので、理学療法士の経験を活かしつつ、給料の高い職場で働きたい人は一般企業で働くのがおすすめです。
プロのスポーツチーム
理学療法士の資格を活かして働くことができる比較的給料の高い職場として、プロのスポーツチームも挙げられます。
理学療法士は怪我をした選手の機能回復をしたり、復帰のサポートをしたりするスポーツトレーナーの素質を持っています。
もちろんスポーツ医学の知識を取り入れる必要があり、また個人で契約するにはそれ相応の実力が必要なので難易度はかなり高いです。
ですが、もしプロのスポーツチームと契約することができれば高収入を実現することが可能です。
実際にプロのアスリートの身体管理に関われるので、貢献度はかなり高いです。
スポーツ好きな人ならなおさら目指す価値がありますね。
給料が安い理学療法士(PT)はこれからどうすれば良いのか
ここでは、給料が安いことに悩んでいる理学療法士(PT)がこれからどうしていけば良いのかを「今の職場で働き続けたい人」と「今の職場にこだわりはない人」に分けて紹介していきます。
今の職場で働き続けたい人
今の職場に思い入れがあって働き続けたいけど、給料が安いことに悩んでいるという人は、スキルアップに繋がる行動を起こしましょう。
今の職場の中で昇給、昇格ができれば、転職せずとも給料の悩みを無くすことができます。
そのためには、自分が管理職だったらという視点で業務に取り組んだり、資格の勉強を始めるなどの一歩を踏み出すことが大切です。
自分の理想状態の実現のために、まずは行動を起こしましょう。
今の職場にこだわりはない人
給料が安い理学療法士の中で特に今の職場にこだわりはない人は、転職エージェントを活用して転職活動を始めることをおすすめします。
転職に対して漠然とした不安がある人もいると思いますが、転職をすることで今よりも条件が良くなったり、昇給しやすい職場で働ける可能性があります。
今の職場に対して「ここで働き続けたい!」のようなこだわりがない人は積極的に転職をしてみましょう。
そうはいっても、求人探しや選考対策などを仕事をしながら一人でやるのは、かなりしんどく、効率も悪いです。
そこでリハビリ職や医療技術職の転職支援に特化した転職エージェントを利用すれば、求人探しから選考対策まで一貫してサポートしてくれます。
まずは2〜3社登録してみて、自分に合うエージェントを絞り込んで転職を進めましょう。
リハビリ職におすすめの転職サイト
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マイナビが運営するリハビリ職や医療技術職の転職支援に特化した転職エージェント
リハビリ職は年齢による昇給が少なく、「給料が安い」と言われる要因のひとつになっていますね。