新卒と既卒の違いは?採用基準が異なる理由と就職成功法をプロが解説!

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    この記事では、既卒と新卒の違いをはじめ、どういう場合が既卒に分類されるのか解説しています。

    また、既卒は新卒と比較して就職が不利になる理由や、就職率をUPさせるための方法なども一緒にお伝えしていきます。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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新卒と既卒の違い

新卒と既卒の大きな違いは、「すでに学校を卒業しているか、していないか」です。

実は新卒と既卒は明確に定義されておらず、企業や就職エージェントによって曖昧だったりします。

そこで「すべらない転職」では、新卒・既卒を以下の条件に定義しています。

新卒の定義

  • 年度中に4年制大学・短期大学・専門学校・高校を卒業する見込みのある学生

既卒の定義

  • 高校、専門学校、大学卒業後に就職をしなかった人
  • 高校、専門学校、大学卒業後に1度就職したけど1年未満で退職した人

ちなみに、大学院をその年に卒業する見込みがある人のことは、新卒ではなく「院卒」と言います。

既卒と第二新卒の違い

では既卒と第二新卒にはどのような違いがあるかを説明します。

既卒は上で説明した通り卒業後に就職していない、もしくは学校を卒業後就職したものの1年以内で退職して現在就職していない人のことを指します。

対して第二新卒は学校を卒業後就職したものの1~3年で離職中、または転職を志す人のことを指します。

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定義は曖昧な部分もあるので、卒業後一度就職して辞めた人は第二新卒、一度も就職していない人が既卒と覚えてもらっても大丈夫です。

ここまでの説明でも自分は既卒なのかどうかわからない!という人は、【ケース別】私は既卒に分類される?にて詳しく説明しているので読んでみて下さい。

既卒とフリーターとの違い

次に既卒とフリーターの違いについても説明します。「すべらない転職」でのフリーターの定義は卒業後に就職せず、アルバイトやパートで給料をもらって過ごしている人のことを指します。

つまり、既卒でアルバイトやパートとして働いている人は既卒であり、フリーターでもあるということです。既卒とフリーターは両立する概念であるということを覚えておいてください。

卒業後一度就職し一年以内に退職してしまった人で、今アルバイトやパートで働いている人も既卒であり、フリーターであるということですね。

既卒は新卒と比べて就職が不利になる

既卒の場合、新卒と比べて就職が不利になる傾向が強くあります。ここでは、なぜ既卒の就職が新卒に比べて不利になってしまうのかを説明します。

人間性を疑われている

面接官は既卒者に対して、なぜ新卒の期間で就職できなかったのかという疑問を抱いています。

なので面接官は、面接が始まる前から既卒者に対して「就活期間中にどこにも受からなかったということは、その人自身の人間性に何か決定的な問題があるのではないか」という懸念を抱いています。

マイナスな印象から面接が始まってしまう時点で、新卒よりも内定をもらうのが難しく、不利になってしまいます。

働く意欲がないと思われている

新卒の期間で就職をしなかったという事実は、面接官からすると、そもそも働く意欲がそこまでないのではないか?という懸念に繋がってしまいます。

また、新卒の時に就活を最後まで頑張れなかったのだと見なされています。

この先仮に入社したとしても、しんどいことが起きると途中で投げ出してしまう、嫌なことがあったら最後までやりきらず退社してしまうというようなことになるのではないかと不安に思われています。

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これも先ほどと同じようにそもそもマイナスなイメージからスタートしてしまっているという難しさがあります。


このイメージを払拭できない限り、確実に面接は不利な状況に陥ります。

なぜ就職しなかったのかを徹底的に問われる

面接官も、既卒者の採用を前向きに検討したいので、上記で述べた二つのイメージを払拭するための質問として「なぜ新卒の時に就職しなかったのか、あるいはできなかったのか」を徹底的に質問してきます。

最初は答えることができても、徹底的な深掘りをされることでどんどんうまく返答できなくなり、面接官を納得させることできなかったというケースがよく見受けられます。

面接官を納得させられる理由で就職しない選択をとっている既卒者は非常に少ないので、多くの既卒者はこの面接での深掘りで苦しんでしまいます。

意欲やポテンシャルのみを問われる新卒に比べて、変えられない過去に対しての質問をうまく返せないと不合格という点が既卒者は非常に不利であると言えます。

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以上の3つの理由をまとめると、既卒が不利になる理由は面接の難易度が新卒に比べて非常に高いからということがよくわかりますね。

既卒の不利さは対策すれば大丈夫

ここまでで既卒の面接が非常に難しいことは十分に理解できたと思います。

ですが逆に言えば面接をしっかり対策することさえできていれば既卒でもしっかりと内定を獲得することが可能ですよ。

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既卒の面接対策で最も重要なのは「自分がなぜ既卒になったのか?」をしっかり考えて、きちんと答えられるようにすることです。


なぜなら、面接で「なぜ皆と同じタイミングで就職しなかったの?」と質問された際に面接官が納得できない回答だと「そんな理由なの?」と悪印象を持たれて落とされる可能性があるからです。

とはいえ、面接官を納得させられる理由を一人で考えるのはなかなか難しいです。

それに、大切な面接でリハーサルなしにその理由をぶつけにいくのは非常にリスクのあることですよね。

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こういった面接対策を1人で進めることに不安に感じる人は、プロの就職エージェントに相談しながら一緒に進めていくのがおすすめです。


既卒と第二新卒に特化した就職エージェントなので、既卒、第二新卒に対するサポートには圧倒的な実績があります。


既卒、第二新卒の就職を成功に導いてくれますよ。

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既卒になった理由によってはそこまで不利にならないことも

既卒といってもどのような事情で既卒になったのか、その理由によって有利なのか不利なのか変わってきます。

例えば「大学時代に起業して、卒業後に就職の道を選んだ人」は面接官から評価してもらいやすいです。どのレベルでおこなっていたのかにもよりますが、主体的に行動できること、そして仕事について理解しているので、面接官がポジティブに捉えてくれる可能性があります。

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ちなみに、これは稀かもしれませんが、「海外の大学を卒業して、日本での就職を選んだ人」もいると思います。正直これはグレーゾーンで、既卒と言えば既卒なんですが、新卒と同じ扱いになるんです。

欧米などは9月に卒業をして10月に入社するというのが一般的なのですが、日本は3月に卒業をして4月に入社するのが一般的になっていますよね。そもそもこのスタンスに違いがあります。

つまり、海外の大学を9月に卒業して10月以降に日本へ帰ってきて、来年の4月を目指して就活をすることになります。このような物理的な問題が生じるため、この場合は新卒扱いとなります。

企業によって既卒の採用基準が異なる

結論からいうと既卒を積極的に採用している企業は既卒に優しいのではなく、単純に人手不足で人員がほしいという理由で募集している可能性があります。

このような意図で募集された企業に入ってしまうと、成長できない環境やブラックな労働環境である可能性があります。

例えば、以下のような求人が挙げられます。

新卒求人

学歴:短大卒・四大卒以上

資格:TOEIC 最低600点以上、英語、その他外国語が日常会話程度話せること、留学経験があること、自動車免許(AT限定不可)

既卒求人

学歴:専門学校卒・短大卒以上

資格:自動車免許(AT限定不可)

上記のような場合、「既卒=すぐに人が欲しい」と企業が考えている可能性は高いので必ず検討しましょう。

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見極めるための方法として、その会社の公式HPにある社長メッセージをチェックする手があります。


ポジティブな内容なら大丈夫だと判断して安心できますし、ちょっと言い方がきついとかマイナス要素を感じるのなら応募するのを見送るというのが良いでしょう。

既卒でも新卒扱いでエントリーできる

先ほど述べたような、とりあえず人が欲しいという理由で既卒のエントリーのハードルを下げるのではなく、新卒とあまり差が出ないようにという観点で既卒を積極的に採用しようとしている企業が増えています。

理由として、厚生労働省の「青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)について」にもあるように、国全体の取り組みとして、若者の雇用促進を推進させているからです。

なので、卒業3年以内なら新卒扱いとしてエントリーできる企業が増えつつあります。当然これらの企業は誰でも良いからという理由で既卒を採用しようとしているわけではないので安心してください。

もちろん自分より若く、将来性のある新卒と競うことも難易度は高いですが、キャリアを積んできた転職者と競うよりは確実に難易度は低いと言えるでしょう。

先に述べた「誰でも良いスタンス」で採用をしていない企業で新卒扱いでエントリーできる企業を是非探してみましょう。

既卒が内定を獲得するためのポイント

ここでは既卒が内定を獲得するために就職活動の中で意識するべきポイントを紹介します。

ここができていないと内定を獲得できる確率が一気に落ちてしまうくらい重要なポイントになっているので、しっかりと覚えて実際に就職活動の中で実践してくださいね。

スピード感を持って就活する

既卒の就職活動は、就業していない期間が長ければ長いほど、 面接でも「その期間何をして過ごしていたのか?」という質問に対してうまく答えられず、カバーできなくなり不利になっていきます。

しっかりと就職するために行動しているということを伝えやすくするためにも、何もしていない期間をなるべく早く終わらせスピード感を持って就職活動に励みましょう。

とはいえスピード感を持って行動しよう!と思っても何をしたら良いかわからない人は就職エージェントにまずは登録して相談してみましょう。何に取り組むべきかもエージェントが教えてくれます。

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多めに求人エントリーする

どれだけしっかりと就職活動を行なっていても、新卒に比べて就職の難易度がそれなりに高いのは事実です。面接力をあげるため、そして何より内定を獲得するためにも企業へのエントリー数は増やしましょう。

就職に対する行動量ですが、マイナビの「2020年度マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」によると、2020年度の現役学生のエントリー数が平均で24.2社だったのに対し、既卒者のエントリー数は19.7社でした。

新卒 既卒 エントリー数

具体的な数字を見ていくと4.5社も違いがあり、既卒者は就職に対する行動量が現役学生よりも、不利であるのにも関わらず少ないことがわかります。

これはすなわち、それだけのチャンスを逃してしまっていることに他なりません。就職を成功させたいのなら、行動量を増やすことが大切です。

1社でも多く応募し、内定獲得のチャンスを引き上げる努力をしましょう。とはいえ、自分の求める条件を軸に優先順位をつけながらエントリーしましょう。

自信を持ってアピールする

面接では、既卒だということに負い目を感じず、堂々と自信を持って話しましょう。

企業はただでさえ既卒に対して、しんどいことがあったら辞めるのではないかというような懸念を抱いています。

いくら面接官の質問を対策して的確に答えられるようになっていたとしても、自信のない表情や態度、話し方をしているとそこに不安感を抱かれ落とされてしまいます。

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しっかりと自分の表情や、振る舞いもしっかりと確認して面接に臨みましょう。


また、本番で予想していない質問が来たり、痛いところを突かれるような質問が来ても、前向きなスタンスで回答し、強い就業意欲を示しましょう。

既卒の就職を成功させるために

既卒が就職活動を成功させるためにはもう一つ大きな危険が潜んでいます。

それは自分が本当に行きたい企業なのか判断しづらいまま就職してしまうという危険です。

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既卒としての時間を過ごしていると、どうしても就職することがとにかくゴールのように考えてしまいがちです。


ですが、その焦りから勢いで就職し、仕事を始めてみると「思っていた企業と違った」と後悔するケースは少なくありません。


なのでしっかりと自分が心から働きたいと思える企業を見つけて就職する必要があります。

とはいえ、企業の社風や内部状況がどのようなものなのかというのは、就職活動を一人で行い面接を受けているだけではなかなか掴めないものです。

そういった点でも就職エージェントは企業の雰囲気や、リアルな情報をしっかりと伝えてくれるので、入社後に後悔するといったリスクをなくすことができます。

なので、まずは相談だけでも良いので就職エージェントを頼ってみましょう。

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【ケース別】私は既卒に分類される?

自分が現在、既卒なのかどうかなのかわからず悩んでしまっている人も多いと思います。

そこで、筆者へのよくある相談の中から5つほどのケースをピックアップしてみました。もしかしたら、「自分と似てる!」という項目があるかもしれないので、参考にしてみてくださいね。

Aさん:卒業後にワーホリに行った場合

人物 Aさん

高校を卒業してからすぐに留学やワーホリへ行ったんですけど、それから就活する場合って既卒扱いになるんですかね?

転職エージェント末永 末永

その場合は、既卒扱いになりますね。その理由としては、すでに高校を卒業しているからなんです。


ちなみに、既卒の場合はその後に何をしたのか関係ありません。

Bさん:卒業しないで留年した場合

人物 Bさん

就活をしたけど内定がもらえなかったとか、内定を辞退して卒業もしないで留年した場合は、既卒扱いになるんですか?それとも新卒扱いになるんですか?

転職エージェント末永 末永

留年した場合は、就活浪人になるので既卒にはなりません。既卒ではなく新卒扱いされますね。


実は、既卒の就職はとても不利になるため、あえて留年する人も結構いるんですよ。

Cさん:働きたい会社が新卒採用じゃない場合

人物 Cさん

今私が働きたいと思っている会社があるんですけど、新卒採用をおこなっていないんです。求人には正社員と記載されていて、第二新卒歓迎・既卒者可・学歴不問って条件があります。


この会社で働きたいんですが、これって卒業して既卒者になってから正社員として応募すれば良いんですか?

転職エージェント末永 末永

中途採用や経験者採用であれば、既卒のほうが良いと思いますが、まずは深く考えずに連絡をしてみましょう。


ただ、企業側は新卒対応をしないので、ある程度の覚悟があるかどうかをアピールすると良いですよ!

Dさん:1度就職して短期離職している場合

人物 Dさん

1度は就職をしたんですが、1年未満で短期離職してしまいました…。自分は既卒だと思うんですが、既卒の場合は、新卒採用にエントリーできますか?

転職エージェント末永 末永

結論から言うと、新卒採用にエントリーはできません。1度就職をして1年未満で退職されているということは、おっしゃるとおり既卒という扱いになるからです。


とはいえ、現在は新卒扱いで既卒がエントリーできる企業も増えているので、心配ならそのような企業を見定めてエントリーすると良いでしょう。

Eさん:大学受験して落ち、浪人しない場合

人物 Eさん

去年の3月に高校を卒業したんですけど、大学受験に落ちてしまいました…。でも浪人は嫌でそのまま卒業したんです。


同期は4月に入社しているのに、私はまだ就職できていない状態です。私は新卒・既卒・中途のどれに該当するんですか?


卒業して3年以内なら新卒と言われることもあるみたいですけど、高卒の場合でも同じですか?その場合って、次の年の新卒募集の企業にエントリーができるってことですか?

転職エージェント末永 末永

Eさんがおっしゃるように卒業して3年までは新卒扱いされることがあり、それは高卒でも同じことが言えます。ですが、正確に言えば去年に高校を卒業してまだ就職されていない状態なので、基本的には「既卒」になるんですよね。


新卒と既卒の定義が曖昧だからこそ、Eさんが次年度の新卒扱いでエントリーができるかどうかは、正直その企業によって変わってきます。


ご自身のエントリーが可能かどうか、企業の採用ページに記載されている募集資格欄・応募対象者欄を確認してみましょう。

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