既卒から公務員を目指すには?試験の流れやポイントを徹底解説!

既卒から公務員を目指すには?試験の流れやポイントを徹底解説!

    既卒から公務員を目指す人向けに、転職のプロがお答えします。

    その他、メリット・デメリット、不利なのかどうか、試験や面接について、国家公務員と地方公務員の違いについても紹介しています。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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既卒でも公務員は目指せる!

すでに学校を卒業している既卒者でも、公務員を目指すことは可能です。

ただし、公務員はほとんどが30歳までと年齢制限があるので、20代であれば公務員になるチャンスがあります。

公務員の年齢制限については各自治体によって違うので、公務員を目指す際は事前に情報を調べておくようにしましょう。

公務員を目指す人は非常に多く、マイナビが発表した「マイナビ2022年卒公務員イメージ調査」によると、公務員が人気な理由として以下のようなものが挙げられます。

公務員が人気な理由

  • 安定している
  • 休日や福利厚生が充実している
  • 社会的貢献度が高い
  • 給与・待遇が良い
  • 地域に密着した仕事ができる

上記の中でも「社会的貢献度が高い」「地域に密着した仕事ができる」という項目に関しては、新型コロナウイルスの影響を受けて、理由として挙げた人が多かったようです。

既卒が公務員を目指すのは不利なのか

人物 相談者

既卒で公務員を目指していますが、やはり「既卒」というだけで不利になってしまうのでしょうか?

転職エージェント末永 末永

「既卒」という肩書きだけで不利になることはありません。

しかし、既卒は新卒とは違い、面接で「これまでなぜ就職しなかったのか」「空白期間は何をやっていたのか」を聞かれます。

質問にしっかり答えられないと、採用すべきかどうかの判断材料がなく、お見送りになってしまう可能性が高いです。

例として厚生労働省の採用情報を一部抜粋しますが、既卒が不利なのかどうかについて以下のようなことが書かれていました。

「既卒は不利なのか」についての厚生労働省の回答

既卒は不利ではありません。
厚生労働省へ採用面接をうける方の多くは新卒です。しかし、採用される方の多くが新卒とは限りません。
実際、昨年採用された方のうち、3分の1が既卒です。優秀な人材を採用したら、偶然こうなりました。
よって、既卒は不利でも有利でもありません。したがって、新卒だからといって有利だと誤解されないようお願いいたします。

転職エージェント末永 末永

既卒だと「新卒の人が有利」だと思いがちで、公務員試験を受ける自信がないという人もいるかと思います。

しかし、上記の文章を見る限り、採用担当者は既卒も新卒もフラットな目で見ていることがわかりますね。

既卒が公務員を目指すメリット・デメリット

既卒が公務員を目指すメリット・デメリットは以下の通りです。

既卒が公務員を目指すメリット

  • 勉強時間を作りやすい

既卒が公務員を目指すデメリット

  • 社会人枠だと面接でアピールしづらい

既卒の人が公務員を目指すメリットとして、勉強時間を作りやすいことが挙げられます。

既卒であれば、高校や大学に行く必要がないので、公務員予備校に通いやすく、勉強時間を作りやすいです。

一方で、社会人枠だと面接でアピールしづらいというデメリットがあります。

なぜなら、既卒は1度社会人を経験している人に比べると経験や実績がなく、他の社会人枠で選考を受けている人と差が生まれやすいからです。

そのため、面接では就職を目的とせず公務員になって何を実現させたいのかを明確にし「なぜそこまでして公務員になりたいのか?」をしっかり話せることが重要です。

例えば、公務員になるために予備校に通っていた人であれば、予備校に通っていた理由をスムーズに説明できるようにしておきましょう。

転職エージェント末永 末永

「ラクだから」と公務員を志望する人が一部いますが、仕事内容がとてもハードな部署もあります。

「思っていた仕事と違うから辞めたい」というミスマッチにならないように、公務員の情報はしっかり調べておきましょう。

就職が目的なら民間企業という選択肢もアリ

「どうしても公務員になりたい!」という強い意志がない限りは、民間企業へ就職するのも1つの手です。

民間企業は、20代の既卒を積極的に採用している会社が多く、大手企業への就職は難しくても、優良企業や自分の興味がある分野・総合職などに就職できるからです。

「公務員を目指すか、民間企業で働くか悩んでいる」という人でも、以下の転職エージェントであれば無料で相談に乗ってくれるので、ぜひ試してみてください。

正社員経験が少ない人におすすめエージェント

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既卒が公務員になるためのポイント

既卒が公務員になるためのポイントとして、公務員になりたい理由がしっかり定まっていることが重要になります。

「周りが公務員を目指しているから自分も公務員になりたい」「公務員は安定しているからなりたい」だけでは、公務員になりたい理由がしっかりと定まっていないので、お見送りが続いて社会に出るのが遅くなるなどのリスクが発生します。

公務員を目指す人で多いのが「勉強は得意だけど面接が苦手」という人です。

公務員になる理由がしっかり定まっていないので、面接で採用担当者を納得させられずお見送りになってしまうケースが多いのです。

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公務員を目指している人は非常に多く、倍率が高いです。

たくさんいるライバルの中から合格を勝ち取るためには「民間企業ではなく、公務員として働きたい理由」をきちんと説明する必要があります

面接が苦手な人は、以下の記事を参考にして、面接対策に役立ててください。

公務員になるまでの流れ

公務員の採用枠には、一般枠と社会人枠があります。

一般枠は、公務員試験を受け、資格を収得してから就職を目指します。

社会人枠は社会人としての経験を活かし、特定の分野における知識やスキルが重視され、社会人経験が必要な枠です。

公務員試験を受験するときの一般的な流れは以下のようになっています。

  1. 出願
  2. 一次試験(筆記)
  3. 二次試験(面接)
  4. 最終合格(候補者名簿記載)
  5. 採用試験
  6. 採用

一次試験では「一般教養」「専門分野」「教養記述、小論文」の3つが実施されることが多いです。

一般教養と専門分野では、マークシートや択一式でおこなわれ、自治体によっては専門分野の試験のみ、記述式試験の場合もあります。

二次試験の面接では、主に「人柄」と「適正」を見られます。

しっかり仕事をしてくれるか、真面目で誠実に対応できる人かなど、人間性が重要になってきます。

ただ、国家総合職や国家一般職では「官庁訪問」という独特の面接採用システムがあったり、警察や消防の場合は身体検査、体力検査もあります。

公務員といっても、目指している職種によって試験内容が異なりますので、自分がなりたい職種の試験内容が不安な人は事前にしっかりと確認しておきましょう。

公務員試験合格は狭き門

2021年度国家公務員採用試験実施状況によると、大卒で国家公務員試験に合格している人は以下のようになっています。

【2021年度国家公務員採用試験実施状況】

※総合職試験は「教養」区分を除く

申込者数 最終
合格者数
合格率
総合職試験
(大卒程度試験)
12,799名 1,220名 約10%
一般職試験
(大卒程度試験)
27,317名 7,553名 約36%

地方公務員については令和2年度 東京都の職員採用試験(選考)実施状況からⅠ類B採用試験(一般方式)の合格数を紹介します。

【令和2年度職員採用試験(選考)実施状況】

受験者数 合格者数 合格率
Ⅰ類B採用試験
(一般方式)
2,506名 689名 約36%

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国家公務員・地方公務員共に、受験者数はかなり多いですが合格できる人数が少なく、狭き門だと言えます。

そのため、なんとなくで試験対策をしているとお見送りになってしまうケースが多いです。

国家公務員と地方公務員の違い

公務員には、大きく分けて「国家公務員」と「地方公務員」の2つがあります。

以下で「国家公務員」と「地方公務員」の違いについて解説していきます。

国家公務員と地方公務員の違い

国家公務員

国家公務員は、国の行事や国民全員に関わる仕事をします。

国家公務員には、特別職と一般職があります。

特別職は以下の通りです。

国家公務員の特別職

  • 内閣総理大臣
  • 国務大臣
  • 国会職員
  • 自衛官(防衛省の職員)
  • 大学教授(独立行政法人の職員)
  • 裁判官
  • 裁判所職員

国家公務員の特別職は、選挙で選ばれたり、政治的な使命を帯びた役職に就きます。

ちなみに国家公務員の一般職は、上記に該当しないものが一般職となります。

地方公務員

地方公務員は、治安・教育・交通など、地域の生活にかかわる様々な職務に携わっています。

地域住民との距離が近く、採用された自治体でまちづくりや教育・福祉・産業について、様々な分野の仕事をします。

地方公務員は、特別職と一般職と技術職があります。

特別職、一般職、技術職は以下の通りです。

地方公務員の特別職

  • 都道府県知事
  • 地方議員

地方公務員の一般職

  • 役所での受付・接客など
  • 学校事務など
  • 図書館での受付・接客など

地方公務員の技術職

  • 土木職
  • 建築職
  • 機械職

一般職の場合、都道府県庁や公共機関などで働きますが、数年ごとに異動があります。

地方ごとの採用なので遠方への転居はありませんが、部署が変わることは頻繁で、色々な仕事を経験することになります。

また、技術職に勘違いされがちな消防士や警察官などは「公安職」となります。

既卒で公務員を目指している人へ

既卒から公務員を目指すのであれば、どうしても公務員になりたいという強い意志がない限り、民間企業への就職がおすすめです。

既卒者のほとんどは就活が初めてだと思いますが、初めての就活は分からないことが多く、とりあえず色んな会社に応募してしまったり、しっかりした面接対策ができなかったりして、お見送りされてしまう可能性が高いです。

初めての就活なら、就職エージェントを利用するのがおすすめです。

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