看護師のリアルな年収事情!給料高すぎの要因を追求

看護師 年収高すぎ

    世間一般では「看護師は高給」というイメージが強いですが、本当でしょうか?実際の内訳を見ながら、具体的な数字と共に、その詳細に迫ります。

    その情報をもとに、自分の環境の良し悪しを判断する一つの目安として使ってみてください。

    また、夜勤なし看護師の平均月収や、年収800万円〜1000万円を稼ぐ方法についても必見です。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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看護師のリアルな年収・月収

厚生労働省が2022年に調査した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は508万円との発表がありました。(平均年齢40.7歳)

  • 平均年収:508万円
  • 平均月収:35万円
  • 平均賞与:86万円

※上記は厚生労働省のデータから引用

ちなみに、賞与とはボーナスのことです。また、この金額は、賃金構造基本統計調査に掲載されている月給×12ヶ月と年間賞与などを足した額になります。

看護師の手取り年収は平均すると約375万~410万円です。(賞与・各種手当なども含む)手取りとは、年収から所得税や住民税といった税金や社会保険料などが引いて出した金額のことです。

看護師のリアルな年収・月収内訳

看護師の年収内訳は大きく以下の4つです。

看護師の基本給

看護師の平均的な初任給は、2022年に公益社団法人日本看護協会がおこなった「調査研究報告」によると約27万円です。

看護師の夜勤手当

ここからは夜勤手当の支払方法と夜勤手当額について解説していきます。

夜勤手当の支払方法

夜勤手当の支払いには以下の2通りがあります。

  1. 深夜割増賃金と別に定額の夜勤手当を支払う方法
  2. 深夜割増賃金を含めて定額の夜勤手当を支払う方法

それぞれ採用している施設の割合は42.3%、46.1%です。

深夜割増賃金と別に定額の夜勤手当を支払っている施設の割合は、「99床以下」27.8%、「500床以上」75.3%であるなど大規模施設ほど高く、設置主体別では、医療法人・個人病院は16.7%と低いことが分かっています。

夜勤手当額

2011年の一般病棟の夜勤手当額(深夜割増分を除く定額のみ)は、三交代制準夜勤4,399円、三交代制深夜勤5,490円、二交代制夜勤11,276円です。

2006年、2008年と比べて、2011年の手当額は増加しており、5年前の水準から三交代制準夜勤11.8%増、三交代制深夜勤11.7%増、二交代制夜勤9.3%増となっています。

夜勤手当額の増額は人件費への圧迫が少なく、夜勤の負担に報いる賃金処遇の方策として、採用する施設が多いと推測されているようです。

公益社団法人日本看護協会から引用

看護師の残業代

厚生労働省が令和5年5月に公開した、毎月勤労統計調査によると医療・福祉に携わる一般労働者の平均現金給与総額338,964円のうち、所定外給与額は平均19,122円でした。

また、1ヶ月あたりの残業時間は平均6.6時間と分かりました。

厚生労働省(毎月勤労統計調査)から引用

看護師の賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、看護師の年間賞与額は86万2,100円と分かります。

上記の賞与額は夏のボーナスと冬のボーナスを合わせた年間賞与額です。単純計算で半分に換算すると半期の賞与は約43.1万円と仮説が立てられます。

以下に、年齢別の平均賞与額をまとめた表を記載しているので、ぜひ参考にして、ご自身のキャリアプランを立てる際の参考にして下さい。

         
男性 女性
20歳〜24歳 42万円 47万円
25歳〜29歳 89万円 75万円
30歳〜34歳 88万円 76万円
35歳〜39歳 97万円 90万円
40歳〜44歳 111万円 94万円
45歳〜49歳 98万円 104万円
50歳〜54歳 107万円 106万円
55歳〜59歳 90万円 110万円
60歳〜64歳 64万円 71万円
65歳~69歳 103万円 44万円
2023年12月時点の情報

【学歴別】看護師のリアルな年収事情

ここからは、大卒・院卒・専門卒に分けて看護師のリアルな年収を見ていきます。

大学卒看護師の年収

2021年3月に日本看護協会が公開した2020年病院看護実態調査によると、大卒看護師の1年目推定年収は374万円となっています。

大学院卒看護師の年収

同じく日本看護協会の情報によると、大学院卒看護師の1年目推定年収は383万円となっています。

月収(初任給)で見ると5,000円大卒看護師より高いことがわかります。

専門学校卒看護師の年収

同じく日本看護協会の情報によると、専門学校卒看護師の1年目推定年収は364万円となっています。

大卒・院卒・専門卒看護師の年収比較

ここからは、大卒・院卒・専門卒看護師の基本給・月収・年収を比較します。

                          
基本給 月 収 想定年収
大 卒 208,918円 270,292円 3,740,504円
大学院卒 213,653円 277,472円 3,826,664円
専門卒 202,289円 262,277円 3,644,324円
2023年12月時点の情報

月収は、夜勤手当や通勤手当など諸手当を含む総額(額面)になります。

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実際に支払われる手取り給料は、総額から税金や社会保険料が引かれた8割程度の金額になります。


病院によっては住宅手当などが出ないところもあるかもしれないので、あくまでも参考としてください。

実際に支払われる手取り給料は、総額から税金や社会保険料が引かれた8割程度の金額になります。

【年代別】看護師のリアルな年収事情

20代、30代、40代それぞれについて看護師のリアルな年収事情を解説します。

20代看護師の年収

ここでは20代看護師の平均年収を20代前半と20代後半に分けて紹介します。

         
20代前半 20代後半
看護師 約390万円 約481万円
他職種 約327万円 約404万円
2023年12月時点の情報

上記の表から、20代看護師の給料は他の全職種平均よりもかなり高いことが分かります。

※看護師データ引用:厚生労働省令和4年賃金構造基本統計調査

※他職種データ引用:国税庁令和3年分民間給与実態統計調査

30代看護師の年収

ここでは30代看護師の平均年収を20代前半と20代後半に分けて紹介します。

         
30代前半 30代後半
看護師 約495万円 約520万円
他職種 約413万円 約437万円
2023年12月時点の情報

30代も同様、上記の表から看護師の年収は他の全職種平均よりもかなり高いことが分かります。

※看護師データ引用:厚生労働省令和4年賃金構造基本統計調査

※他職種データ引用:国税庁令和3年分民間給与実態統計調査

40代看護師の平均年収

ここでは40代看護師の平均年収を20代前半と20代後半に分けて紹介します。

         
40代前半 40代後半
看護師 約548万円 約572万円
他職種 約480万円 約504万円
2023年12月時点の情報

40代も同様、上記の表から看護師の年収は他の全職種平均よりもかなり高いことが分かります。

※看護師データ引用:厚生労働省令和4年賃金構造基本統計調査

※他職種データ引用:国税庁令和3年分民間給与実態統計調査

年齢別平均年収一覧

このパートの終わりは、年齢別平均年収を一覧表にしてお届けします。

男性 女性
20歳〜24歳 376万円 403万円
25歳〜29歳 485万円 476万円
30歳〜34歳 520万円 470万円
35歳〜39歳 539万円 501万円
40歳〜44歳 573万円 522万円
45歳〜49歳 580万円 564万円
50歳〜54歳 600万円 564万円
55歳〜59歳 528万円 582万円
60歳〜64歳 461万円 484万円
65歳~69歳 422万円 394万円
65歳~69歳 422万円 394万円
70歳〜 316万円 401万円
2023年12月時点の情報

【夜勤なし】看護師のリアルな年収事情

夜勤なし看護師のリアルな平均年収は、約426万円から456万円です。

引用:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)

         
夜勤なし 夜勤あり
平均月収 約29~約31万円 約35万円
手取り収入 約22万~約24万円 約28万円
平均年収 約426万~約456万円 約506万円
2023年12月時点の情報

日勤のみの看護師の給料は、夜勤手当のある看護師より低いのが現状でしょう。夜勤と比べると給与で約4〜6万円、年収で約50〜80万円の差が出ています。

日勤のみの求人で高給求人を探す際は、手当や福利厚生を確認することをおすすめします。

看護師の男女別・都道府県別平均年収

看護師の月収や年収を男女別で分けると以下のようになっていました。

男性 女性
月給 約34万円 約33万円
年間賞与
特別給与額
約83万円 約81万円
年収 約491万円 約477万円

また都道府県ごとに、看護師の平均年収が高いのは以下の5県になります。

岐阜 約562万円
神奈川 約536万円
千葉 約534万円
滋賀 約530万円
和歌山 約526万円

看護師の年収は、勤続年数が長ければ長いほど上がる傾向があります。上記の年収についても、勤続年数の長い看護師が多い県ほど平均年収が高くなりやすいです。

そのことからまだ若い年齢層の人だと、上記いずれか県の病院に転職しても、年収が上がるとは限りません。あくまでも参考としてご確認ください。

看護師の施設形態別平均年収

看護師の平均年収はどの施設に勤務していると高いのかを2020年7月時点の求人サイト「看護師ワーカー」のデータを元に、以下から紹介していきます。

  1. 訪問介護・・・約572万円
  2. 病院・・・約547万円
  3. 企業・・・約533万円
  4. 介護施設・・・約501万円
  5. クリニック・・・約496万円
  6. 障害者施設などその他・・・約491万円

それぞれなぜ上記のように年収に差があるのか、施設ごとの特徴について解説していきます。

訪問看護・介護施設

1番年収レートが高いとされている訪問看護は、高齢化社会が進む現代において需要がもっとも高まっています。そのことから、給与を高く設定することで、人材を集めやすくしているのかと思われます。

また、高齢化社会に伴い介護施設の看護師も需要はあります。ただ介護施設は業務内容が利用者の健康管理というような、病院と比べたら負担の少ない仕事のため、給料は少なめです。

また、勤務形態に関しても基本的にシフト制の施設が多く、残業や夜勤がないところがほとんどなので、各種手当も少ないです。

病院・クリニック

看護師の職場としてイメージされやすいのが、病院とクリニックかと思いますが、平均年収を見てみると、病院のほうが高いですね。これは、病院は夜勤や残業が多く、その分手当があることが関係しています。

それに比べてクリニックは、基本的に日勤で働くことが多いです。残業も少なく病院と比べたら手当がほとんどないので、基本給のみで給料が支払われることが多いです。

その分、病院よりもプライベートの時間をとりやすいので、子育てをしている層から人気があります。

企業

近年では社内に医務室を設置する企業が増えていることから、企業単位でも看護師を募集していることがあります。

一応、上記の年収一覧でも3番目に給料が高いとなっていますが、実際には所属する企業の規模により、収入はかなり変わります。

平均としては、医務室を設置している大手企業が水準をあげてしまうので、いちがいにどの企業でも年収が高いとは言えません。

看護師の勤務形態別平均年収

勤務形態別の平均年収を同じく2020年7月時点の求人サイト「看護師ワーカー」のデータを元にして、以下から紹介していきます。

常勤(夜勤あり) 約535万円
常勤(日勤のみ) 約507万円
常勤(夜勤のみ) 約673万円

上記の一覧を見てみたらわかる通り、看護師の給与は夜勤が多ければ多いほど高くなります。

基本的に、看護師の基本給自体はそこまで高く設定されていないことが多いです。看護師の年収が高いと言われているのは、夜勤や残業などの各種手当が充実しているのが大きく関係しています。

とはいえ、給料ばかりを求めてしまうとどうしても夜勤が増え、激務になったり、生活リズムが乱れがちになります。ライフワークバランスを求めるのか、高年収を求めるのかは自分自身が何を重要としているのかで決めるべきです。

看護師の手取り年収

手取り額は総支給から税金などが引かれた金額になります。今回は東京で働く独身の女性看護師のケースで見てみましょう。

平均年収 約508万円
年間の手取り額 約396万円
毎月の手取り額 約33万円

総支給から所得税や住民税などが引かれた東京の場合の手取り額目安になります。

都道府県により税金の金額は変わるので、手取り額がいくらになるかはいちがいに言えません。あくまでも参考としてご確認いただけたらと思います。

看護師の生涯年収

看護師の生涯年収は2億2125万円です。

厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」を参考に、22歳から64歳まで働き続けた場合の想定年収となっています。

他の職種の女性平均を試算したところ、1億7106万円との結果が出ており、看護師の生涯年収は他の職種と比較しても高いことが分かります。

あとは、ハードワークで体調を崩さないように気をつけてくださいね。

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看護師の転職ノウハウや、看護師におすすめの転職エージェント・サイトは以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてチェックしてみてくださいね。

看護師が年収1000万円を狙う方法

看護師が年収1000万円を狙うなら、以下の行動をするのがおすすめです。

  • 勤続する
  • 助産師・保健師資格などを取り開業する
  • 最低でも副院長クラスの役職に就く

日本看護協会がおこなった「調査研究報告」によると、看護師の給与の決定基準は「勤続年数の長さ」「業務の遂行能力のレベル」「職務または役割」の3つで給与を決定していることが多いようです。

そのことから、上記で紹介した3点のいずれかを持っていると年収は上がりやすくなります。

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また、転職して年収をあげることを考えているなら規模が大きい病院に行くことを強くおすすめします。


2019年に厚生労働省がおこなった「賃金構造基本統計調査」を見る限り、規模が大きい病院ほど年収は高い傾向があるからです。

転職で年収を上げるなら、今よりも大きい病院を狙って転職活動するのが良いでしょう。

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