看護師の勤務形態!2交替制と3交替制の違いやシフト例を紹介

看護師 勤務形態

    看護師の勤務形態には、日勤、2交替、3交替と大きく3つがあります。

    それぞれ年収や夜勤の回数など一長一短があるため、どの勤務形態が自分に合うか悩む人へ向けて、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

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末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は1,800万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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看護師の勤務形態・体制・時間

看護師の勤務体系には大きく分けて日勤のみと交替勤務の2種類があります。

交代勤務はさらに2交替制と3交替制の2種類に分けられます。

2交替制
日勤 8時間勤務形態 (8:00~17:00/休憩1時間)
夜勤 16時間勤務体系(16:00~9:30/休憩2~3時間)
3交替制
日動 8時間勤務形態(8:00〜16:30/休憩45分以上)
長日動 12時間勤務形態(8:00〜21:00/休憩2〜3時間)
準夜勤 8時間勤務形態(16:30〜24:30/休憩45分以上)
深夜勤 8時間勤務形態(24:00〜8:30/休憩45分以上)

厚生労働省の「労働基準法第34条」より引用。

看護師の勤務形態|2交替制と3交替制

日本医療労働組合連合会の「2022年看護職員の労働実態調査」によると、看護師全体で日勤のみが21.3%、2交替で勤務35.7%、3交替で29.6%となっています。

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このことから、3交替よりも2交替で働く看護師のほうが多いことがわかりますね。

また、日本看護協会の「2022年病院看護・助産実態調査」にもあるように、2交替より3交替のほうが月の夜勤回数が多くなります。

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つまり、3交替は勤務時間が短くなるものの、シフトが回る回数、夜勤の回数が増えて連休が取りづらくなります。


人手不足などの理由もあり、現在2交替制を採用している医療機関のほうが多くなっています。

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看護師の勤務形態について、さらに詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。

「2交替制」看護師の勤務時間とスケジュール

2交替制は、勤務を日勤と夜勤に分けた勤務形態です。

ここからは2交替制の日勤と夜勤のシフト例をご紹介します。2交替制は勤務時間が長く勤務回数が少ないです。

2交替の勤務パターン・シフト例

2交替はシフトが長く、その分、勤務日数が数日に限られることが多いです。休息日が少なくなる反面、1日の勤務時間が長くなるので、日々の体への負担が大きい勤務形態になります。

月曜日 9:00〜17:00(日勤)
火曜日 16:00〜9:30(夜勤)
水曜日 休日(夜勤明け)
木曜日 16:30〜9:30(夜勤)
金曜日 休日(夜勤明け)
土曜日 休日
日曜日 9:00〜17:00(日勤)
  • 日勤:一般的に朝から夕方までをカバーします。
    例えば、午前7時から午後7時までの12時間勤務が一般的です。
  • 夜勤:夜間勤務をカバーします。
    日勤と重ならない時間帯に設定され、例えると、午後7時から翌朝7時までの12時間勤務が一般的です。

2交替のメリットとデメリット

2交替のメリット

  • まとまった休暇も取りやすい
  • 生活リズムが取りやすい
  • 年収も高め

2交替のデメリット

  • 1日の労働時間が長い
  • 体力的にキツくなる

2交替は1日の労働時間が長くなり、夜勤は16時間勤務になるなど、体力的にもキツくなるデメリットがありますが、まとまった休日が取りやすいメリットがあります。

また、深夜手当もあり年収も高めで、生活リズムは比較的取りやすいです。

夜勤の回数は病院によって異なる

ご紹介したシフトはあくまで1例で、夜勤に入る回数は病院によって異なります。

日本看護協会の「2021年病院看護実態調査」によると夜勤の回数は、3交替の病院では月間7回以上9回未満が全体の60.1%を占めており、平均回数は7.6回です。

一方で2交替の場合、夜勤の回数は4回以上6回未満が全体の62.6%を占めており、平均回数は4.7回です。

2交替のほうが夜勤の回数のみを見ると少ないものの勤務時間は長くなり、3交替は夜勤回数が多くても1日の勤務時間が短いです。そのため、どちらが良いというわけではありません。

また、連続で夜勤をする連直があることもあり、いずれの勤務形態でも昼夜の切り替えが難しくなるので、注意するようにしてください。

「3交替制」看護師の勤務時間とスケジュール

3交替制は「日勤」「準夜勤」「深夜勤」3つの時間帯を交替する勤務になります。

3交替は勤務時間が短く勤務回数が多いです。

それでは、実際のシフト例を紹介していきます。

3交替の勤務パターン・シフト例

3交替はシフトが短く、週の勤務日数多く分散して勤務していくのが一般的です。

シフトが短く日々の体の負担は少ない傾向にありますが、勤務日数が増えプライベートを充実しにくく、生活リズムも崩れる傾向にあります。

月曜日 8:00〜16:30(日勤)
火曜日 8:00〜21:00(長日勤)
水曜日 16:30〜24:30(準夜勤)
木曜日 休日
金曜日 8:00〜16:30(日勤)
土曜日 24:00〜8:30(深夜勤)
日曜日 休日
  • 早番: 早朝から正午前後までをカバーします。
    例えば、午前7時から午後3時までの8時間勤務が一般的です。
  • 遅番: 正午から夕方または初夜までをカバーします。
    例えば、午後3時から午後11時までの8時間勤務が一般的です。
  • 夜勤: 夜間勤務をカバーします。
    例えば、午後11時から翌朝7時までの8時間勤務が一般的です。

3交替のメリットとデメリット

3交替のメリット

  • 1日の勤務時間が短い
  • 給与は日勤のみよりは良い

3交替のデメリット

  • 生活リズムが崩れやすい
  • まとまった休みが取りずらい
  • ON・OFFの切り替えが難かしい

3交替は1日の勤務時間が短く、深夜手当もつき年収も悪くありませんが、勤務時間帯がバラバラで生活リズムが取りにくいデメリットがあります。

また、週の勤務日数が6日と多くなるためまとまった休みも取りづらく、ON・OFFの切り替えが難しくなるデメリットもあります。

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3交替はシフトを組む大変さ、まとまった休みを取りにくいため、今3交替制から2交替へ変更している医療機関が多くなっています。

日勤のメリット・デメリット

日勤のメリット

  • 生活リズムが整いやすい
  • プライベートの時間を確保しやすい

日勤のデメリット

  • 深夜手当がないので給与は低め
  • バリバリ仕事したい人は物足りない

日勤のメリットは日中8時間の勤務体制であるケースが多く、一般企業などと同じリズムになるので、生活リズムも取りやすく、家族や友人とのプライベートの時間が確保しやすいメリットがあります。

ただし、深夜手当などがないため他の勤務形態に比べて給与は低めのデメリットがあります。また、日勤は比較的和やかな雰囲気の場所が多く、先端医療に触れることや専門的な知識を学ぶ機会が少なくなり、人によってはデメリットに感じやすいです。

基本的にどの勤務形態が良いということはなく、それぞれが一長一短であるため、自分に適した勤務形態を見極めることが大切です。

看護師の勤務形態別の労働環境

看護師の勤務形態別の労働環境についてそれぞれ比較して解説していきます。

夜勤時の拘束時間

3交替と2交替で夜勤体制がそれぞれ異なります。

医労連の「2022年の看護職員の労働実態調査」のデータを見てみると、夜勤勤務の平均日数で、3交替が7.2日、2交替が4.3日と平均値でも3日ほどの違いがあります。

もう少し具体的な数値にすると、3交替の1ヶ月の夜勤勤務日数の割合は7~8日以下で60.1%、9~10日が39.8%と、おおよそ平均値の夜勤日数をこなしている看護師が多いことがわかりました。

夜勤の人員体制で言うと、3交替は平均で「日勤」8.3人、「準夜勤務」3.2人、「深夜勤務」3.1人、2交替では、「日勤」8.8人、「夜勤」3.3人と言う体制で勤務をしていることが明らかとなりました。

休憩時間

看護師の休憩時間の3交替と2交替で違いがあります。

休憩時間がきちんと取れている看護師は、「日勤」24.1%、「準夜勤」21.8%、「深夜勤」28.0%、「2交替夜勤」26.8%となっており、7割以上が休憩時間をきちんと取れていない実情が浮き彫りとなりました。

とくに、「準夜勤」の休憩が不足しており、「全く取れていない」6.8%と「あまり取れていない」28.7%を合わせると35.5%にも及ぶことがわかります。

また、「2交替夜勤」でも仮眠時間が「きちんと取れている」のは26.6%で、「全く取れていない」2.3%と「あまり取れていない」14.5%を合わせると16.8%と2割弱が仮眠時間などの休憩をしっかりと取れていません。

仕事な多忙な看護師の実態が休憩時間にも及んでいることが想像できます。

残業時間

看護師の残業時間を、3交替(日勤・準日勤・夜勤)と2交替で比較してみました。

就業前(分) 終業後(分)
日勤 22.1 46.3
準夜勤 22.3 23.3
夜勤 18.5 25.7
2交替 23.9 29.3

看護師の残業は3交替でも日勤勤務の人が多く担っています。

3交替は2交替に比べて勤務時間が短い傾向にありますが、残業が多くなってしまうことで、そのメリットが感じられない看護師もいるようです。

身体的な負担

看護師は雇用形態に関わらず、身体的な負担はかかると思ったほうが良いです。

例えば、3交替であれば勤務時間が短くなるものの、週の勤務時間は多くなります。また、2交替は週の勤務時間は多くないですが1日の勤務時間が長くなります。

いずれの場合でも、夜勤は入るため生活リズムが崩れやすくなり、身体的な負担もかかると考えてください。

看護師の勤務形態による給料の違い

勤務形態による看護師の給料について、厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」日本看護協会による「2022年病院看護実態調査」をもとにして解説します。

看護師全体の平均年収は508万1,300円、ボーナス額は平均86万2,100円でした。

勤務形態 年収
常勤(夜勤あり) 約506万円
常勤(日勤のみ) 約426万~約456万円
常勤(夜勤のみ) 約500万円以上

看護師の仕事上、日勤のみの勤務よりも夜勤を担った方が平均年収は高くなります。

これは夜勤の深夜手当が影響しており、3交替と2交替では労働時間も変わるので、当然深夜手当も変わります。

勤務形態 深夜手当
3交替(準夜) 4,154円
3交替(深夜) 5,122円
2交替 11,286円

労基法施行規則第20条

労基法施行規則第20条によると、深夜時間帯22時〜5時の勤務に対して25%以上の割増賃金を支払う必要があるとしています。深夜手当は法令で決められているのです。

労基法施行規則第20条で深夜手当がつく時間帯も決まっていることから、準夜勤の深夜手当は1番少なく、夜勤に多く深夜手当がついています。もちろん、2交代は労働時間が長いので、その分、深夜手当が多くついています。

深夜手当は法令でも定められており、看護師も適正な額を支給されていることがわかりましたが、施設や病床数で違いはあるのでしょうか。

それぞれの深夜手当について表にまとめて詳しく解説していきます。

設置主体別の夜勤手当

3交替
(準夜)
3交替
(深夜)
2交替
3,321円 4,121円 8,311円
公立等 3,425円 4,030円 8,017円
公的医療機関 3,528円 4,352円 8,393円
社会保険関係団体 3,526円 3,933円 8,653円
公益法人 4,669円 5,887円 11,312円
医療法人・個人 5,110円 6,394円 12,516円
その他 4,408円 5,739円 10,564円

公的機関に比べ、民間の法人や個人の施設の方が深夜残業手当が全体的に手厚いことがわかります。

実際に給与も民間の看護師のほうが高水準となっているため、それが深夜手当にも反映されていることがわかる結果となりました。

公的機関の看護師の年収が悪いわけではなく、生涯年収の概念で言うと、公的機関の看護師のほうが高い傾向にあることも覚えておいてください。

病床規模別の夜勤手当

3交替
(準夜)
3交替
(深夜)
2交替
99床未満 4,467円 5,553円 11,909円
100〜199床 4,442円 5,580円 11,810円
200〜299床 4,279円 5,341円 11,086円
300〜399床 3,868円 4,557円 10,476円
400〜499床 3,570円 4,373円 9,624円
500床以上 3,525円 4,188円 8,879円

病床数が多いほうが深夜手当が安く、病床数が少ない施設のほうが深夜手当が高いことがわかりました。

病床数の多い医療機関では、患者数も多くそれぞれ業務が細分化される傾向にありますが、病床数の少ない医療機関では1人の看護師にかかる仕事領域や量が多くなる傾向にあります。

看護師1人にかかる仕事量や仕事領域などを加味された金額になっていることが予想されます。

看護師が勤務形態に悩んだらこれを試して

看護師は、日勤・3交替・2交替で働き方が大きく変わります。もちろん、どの勤務体制が良い悪いはありませんが、自分のキャリア、状況などに応じてマッチする勤務体制を選ぶのが大切です。

もし、今の状況が合わずに他の勤務形態で働きたいと考えたら、転職という選択肢も視野に入れてみてください。

施設や病院によって勤務体制や深夜手当に違いがあり、新しい環境に切り替えたほうがいい場合もあります。

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