2019.10.23

営業職の離職率は高い?転職のプロが解説する業界別ランキング!

この記事を書いた人

アクシス株式会社 代表取締役

末永雄大

Suenaga Yuta

Profile 新卒でリクルートキャリア入社。その後、サイバーエージェントにて集客支援を行う。
2012年転職エージェントとしてアクシス株式会社を設立。
Yahoo!ニュース(個人)・オールアバウトガイドなどのメディアに転職のプロとして記事を寄稿している

一般的に営業職の離職率は高いと言われています。離職率が高いということは、キツくて大変っていうこと?とか、やっぱり営業ってブラックなのかな…?と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

ブラックの可能性があるなら、営業職への転職はやめようかな…と悩んでいる方も中にはいると思います。

そこで今回は、営業職の離職率がどうなっているのかということをはじめ、離職率が高い業界・低い業界、営業職を選ぶときのポイントまで、ご紹介していきます。

営業職の離職率の高さは業界による

営業職の離職率の高さは、業界によります。

不動産・生命保険業界は離職率が高くなっていますが、営業職の中でも退職者が多いのは新規営業です。

新しい顧客を得るためにテレアポを1日に何百件もおこない、ノルマも高く設定されているケースが多いです。離職理由の中でも1番多いのは、毎月のノルマが厳しくなかなか達成できないというものです。

一方、メーカー系業界の営業職の離職率は低い傾向にあります。なぜなら、メーカー系は深耕営業やルート営業がメインだからです。

すでに取引先が固定されているので、業務の負担も新規に比べて低くなっています。

次で詳しく説明しますね。

営業職の離職率が高い理由

営業職の中でもっとも離職率が高いのは、新規営業です。新規営業は、新しく開拓していく必要があるため、それだけテレアポをおこなわなければなりません。また、信頼ゼロでスタートするため、難易度が高いです。

毎月のノルマが厳しく、個人営業の場合は土日休みが取りにくいことに加え、対人関係によるストレスが大きいことが理由で、営業職を辞めてしまう方が多いんです。

ちなみに、営業職は上記の新規営業以外に「深耕営業」と「ルート営業」があります。

「深耕営業」は、すでにある顧客に対して、ニーズを汲み取って、さらなる提案をしていくのが仕事です。顧客とのコミュニケーションをとりながら、どれくらい引き出せるのかを戦略的に考える必要があります。

「ルート営業」は、すでに取引をおこなっている顧客の現状やニーズをヒアリングし、その上で商品や戦略の提案をしていくのが仕事です。営業職の中でも比較、業務の負担が少ないですね。

離職率が高い業界ランキング

営業職の中でも離職率が高い業界がどこなのか、やはり気になるところですよね。

離職率が高い業界・企業は、「厳しいノルマ設定や目標管理がある」「激務の割に給与が低い」「長時間の残業が常態化している」という3パターンのどれかに該当していることが多いです。

では、離職率の高い業界がどこなのか、ランキングにして見ていきましょう。

【1位】不動産業界

1位は不動産業界です。離職率が高い理由は、営業がキツイからです。「住宅販売」「投資用マンション販売」の場合、1日200件以上のテレアポをおこなうこともあります。

不動産は消費者にとって非常に大きな買い物になるため、1件の契約を取るのに半年以上かかることが多いです。休日返上で営業をかける必要もあるので、それだけ過酷だと言えますね。

ただ、不動産業界の中でも「賃貸・仲介」の場合は、離職率が低い傾向にあります。賃貸は来店したお客様に対し賃貸物件の提案をするので、テレアポもほとんどありません。ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働けるのが魅力的ですね。

【2位】卸売・小売業界

2位は卸売・小売業界です。卸売・小売業界は、コンビニやデパート、スーパーなど様々な企業が含まれます。

卸売・小売業界の営業離職率が高い理由は、今後おこなう業務が大きく変わらないため、キャリアアップが見込めないからです。また、労働時間が長く給料が安いことも挙げられます。

特に小売の現場に配属された営業の場合、激務になる傾向が見られるので、離職率も高くなります。

【3位】生命保険業界

3位は生命保険業界です。BtoCという個人向け営業のため、なかなか契約につながらないストレスだけでなく、プレッシャーに耐えられず辞めてしまう方が多いので、離職率が高めです。

ノルマ達成のために、家族や親戚、友人に加入を勧めたり、顧客の取り合いになったりするケースもあります。また、同じ業務の繰り返しになるため、スキルアップが見込めないという理由で辞める方も多く見られますね。

他にも、2年目までは固定給だったけれど3年目からは完全歩合制になり、収入が不安定になって退職するという方も多いです。

【4位以下】金融業界など

4位以下は金融業界や医療業界です。金融業界の中でも、証券会社業界は営業が厳しい業界として知られています。

個人向け営業のアプローチ方法が「飛び込みやテレアポ中心」になるため、当たって砕けろという精神を持っていないとキツイでしょう。

対象となる顧客は多方面からすでに多くの提案をされているので、契約になかなか至りません。また、叱責が多くなりがちな業界でもあるため離職者が高いです。

医療業界の中でも離職率が高いのは「医療機器営業」です。特に外資系医療機器営業の場合は、非常にハードルが高いノルマが課せられる場合があります。

もちろん、すべての外資系医療機器営業が同じというわけではありませんので、その点は安心して大丈夫ですよ。

離職率が低い2つの業界

一方、営業の離職率が低い業界がどこなのか、それも気になりますよね。

離職率が低い業界・企業では、離職率を低くするために、様々な取り組みや工夫をしている傾向が見られます。もちろん、営業の種類から低いという場合もあります。

では、離職率が低い業界もランキングでご紹介します。

【1位】メーカー系

1位はメーカー系です。具体的には、食品メーカーや化学メーカー、機械・部品メーカー、自動車メーカー業界などですね。

メーカー系の営業で離職率が低いのは、深耕営業やルート営業が多く、穏やかな働き方になることが多いからです。カルチャーの面で昭和気質の人が多く、人材の流動性が高くないことも理由の1つですね。

年功序列の給与体系が文化として残っているので、離職率が低くなる傾向にあります。

【2位】電力・ガス業界

2位は電力・ガス業界です。電力と都市ガスの小売自由化の影響はありますが、福利厚生が充実しており、労働時間も削減している傾向にあるため、離職率も低めです。

業界全体の安定感が影響していることもありますし、近年ではオール電化も増えていますので、燃料電池事業などに注力する会社も増加しています。

定年まで働き続けることができるのはもちろんのこと、業績が安定している点や競争が少ない点も離職率の低さにつながっていると考えられますね。

構造上新規参入も難しい業界なので、利益も企業により確保されているのもポイントだと言えるでしょう。

営業職を選ぶ時のポイント

離職率が高い業界だと、ブラックな傾向が見られる場合もあるので気をつけたほうが良いです。そこで、営業職を選ぶときのポイントをお教えしたいと思います。

1つ目は、「営業の求人広告を頻繁に出しているかどうか」です。慢性的な人手不足の可能性が高く、仕事もキツくなりがちです。なので、退職者も出やすく、それを補うために求人を常に掲載していると考えられます。

ただ、中には業務拡大のため、頻繁に求人を掲載しているケースもあるため、見極めが難しいかもしれません。

2つ目は「待遇面に疑問があるかどうか」です。離職率が高い企業は、福利厚生や有給休暇制度が曖昧になっている傾向があります。

きちんと明記されていないと給与や配属先の問題、待遇面での問題といったトラブルのもとになるため、入社しても再び離職する可能性もあります。解決策としては、ネットで評判や口コミを調べてみることをおすすめします。

3つ目は女性の場合、「子育てや産休制度をチェックする」ことです。女性は妊娠や出産といったライフイベントがありますので、産休・育休制度があるかどうかのチェックが必要です。

中には、産休・育休制度が導入されていても、取得率が低い場合もあります。実際に、妊娠していることを上司に相談したところ、風当たりがきつくなったという女性もいました。

制度が導入されていても、実際には妊娠や結婚をしたら退職が当たり前、となっているケースもあるようなので、評判や口コミは確認しておいたほうが良いですね。

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