【薬剤師向け】採用担当に刺さる志望動機の書き方!ポイントが分かる例文付き
薬剤師向けに採用担当者に刺さる志望動機(志望理由)の書き方を転職のプロが徹底解説します。
病院や調剤薬局、ドラッグストア、新卒・パートといった業種・ケース別に志望動機の例文、お見送りになりやすいNG例も紹介します。
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薬剤師が人事の目に留まる志望動機を考える際のポイント
薬剤師が採用担当者の目に留まる志望動機(志望理由)を考えるためには、まず採用側が志望動機を通して何を知りたいのかを把握する必要があります。
選考において志望動機がどのような役割を担っているのかを理解した上で、具体的な志望理由を考えることが大切です。しかし、多くの求職者は選考で志望動機を確認される意味を把握できない傾向にあります。
質問の意図を理解できなければ、採用担当者が知りたいことを志望動機に織り交ぜることができません。結果として、ズレた志望動機になってしまい、採用担当者の目に留まらなくなってしまうのです。
末永
薬剤師が志望動機を考える際のポイント
それぞれ具体的に志望動機(志望理由)を考える際のポイントと概要を解説していきます。
定着性:他ではなくその病院・薬局を志望する理由
薬剤師が人事に刺さる志望動機を作成するにあたり、定着性を意識してみてください。
薬剤師不足を抱えている薬局やドラッグストアでは、できるだけ長く働いてほしいと考えています。しかし、現実には転職ありきで次の職場を決める薬剤師が多いです。というのも十何年も1社に定着して働き続けるメリットが感じられず、働きやすい職場を求めて数年で離職してしまう薬剤師もいます。
志望動機に嘘はいけませんが、一定期間働き続ける意志が感じられる志望動機なら人事の目に留まりやすいです。
志望動機で定着性を伝えるためには?
- 求人先の強み・優位性・特徴などを理解する
- 求人先でのキャリア目標が明確にする
末永
「転職をすることで現状が良くなれば良い」という考えでは定着性の高さを伝えることはできません。
他ではなくその医療機関や薬局でなければならない志望理由を上記ポイントを踏まえて考えてみると良いです。
活躍性:病院・薬局側の求める人物像かどうか
薬剤師が人事に刺さる志望動機を考えていくためには、活躍性も忘れてはいけない要素です。
自分が活躍できる人材であることはなかなかアピールしづらいですが、採用後に活躍できる人材だと思ってもらうためにはしっかりアピールすることが大切です。病院・薬局側が求める人物像にマッチしているのかを志望動機では伝えられます。
志望動機で活躍性を伝えるには?
- 求める人物像にマッチするエピソードを探す
- 自分の信念や将来像が求める人物像に合うか確認する
末永
ただ、「自分は求める人物像にマッチしています」というだけでは説得力がありませんよね。
面接官に説得力のある志望理由にするためには、薬剤師としての経験やスキルが求める人物像に当てはまることを伝えると良いです。
希少性:他の候補者と差別化する
薬剤師が人事に刺さる志望動機を考える際には、希少性も伝えられるように心がけてみてください。
希少性とは、他の応募者との差別化を図ることです。人事は、常に多くの求職者の履歴書や職務経歴書を目にして、面接をおこなっています。つまり、抽象的な内容であれば「他の人と一緒」で印象に残りづらいのです。
つまり、抽象的な内容ではなく自分だからできることを志望動機を通じてアピールできれば、人事にも一目置かれる志望理由にできるのです。
志望動機で希少性を伝えるには?
- 自分のスキルや経験を棚卸しする
- 自分の強みを明確にして盛り込む
末永
自分の強みがポータブルスキル(どの職種にも活かせるスキル)であっても、自分ならではのエピソードなどがあれば、それは差別化にもつながりますよ。
末永
とはいえ、1人で志望理由を整理するには限界を感じている人もいるのではないでしょうか。そんな人には転職エージェントがおすすめです。
これまで何人もの転職支援をしてきた転職のプロがあなたの熱意が伝わる志望理由になるようにアドバイスしてくれます。
薬剤師におすすめの転職エージェント
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ただ、志望動機と自己PRが混同しないように注意してください。どちらも経験に紐づけることが大切ですが、区別して書かなければ採用側の混乱を招いてしまいます。以下の記事で、薬剤師向けの自己PRの書き方を解説しているので、合わせて参考にしてください。
人事が薬剤師の志望動機で確認していること
薬剤師が志望動機を考える上で、人事が志望動機(志望理由)で何を聞きたいかの意図を理解しておくことは大切です。
人事や面接官は志望理由を聞くことで、以下のようなことを知りたいと考えています。
採用担当が見ているポイント
- なぜ当社(当院)を選んだのか
- 長く勤務してくれる人か
- 求める人物像と合っているか
- 仕事の価値観や考え方を知りたい
- どのような人柄か知りたい
ずばり人事や面接官が知りたいのは、先ほどご紹介した「定着性」「活躍性」「希少性(個性)」です。
とくに、薬剤師の仕事は専門的で需要が高い職種であるため、採用する側は少しでも長く働き、期待する活躍をしてほしいと考えています。
そのため、志望動機を通じて人柄や仕事に対する考え、自社(自院)についてどのくらい理解しているかなどを知り、ミスマッチのない採用を目指しています。
薬剤師の基本的な志望動機
薬剤師向けの基本的な志望動機(志望理由)の書き方を解説していきます。
志望動機は以下のような文の構成で書いていくとより、人事へ刺さる志望動機を作りやすくなります。
①結論 | 志望した理由を一言でまとめる。 |
---|---|
②理由 | 結論に至った理由や根拠を端的に伝える。 結論に補足する程度の長さでOK。 |
③具体例 | 理由を裏付けるエピソードや体験を伝える。 自分の考えや価値観がわかるエピソードを入れると尚可。 |
④結論 | 入社後に実現したいことや目標を伝える。 |
相手が納得しやすい文章は「結論」「理由」「具体例」「結論」から成り立つPREP法が有効と言われており、それが志望動機にも応用することができます。
また、はじめに提示された情報が強く相手の印象に残る心理「初頭効果」も期待できるので、人事の心にも刺さる志望動機を作れます。
末永
もう1点、志望動機を書く注意点があります。それはテンプレートをそのまま丸写ししないことです。
実際にあった事例ですが、志望理由の文面が全員一緒という状況があり全員不採用になりました。志望動機もテンプレートのままだったので、他の履歴書・職務経歴書の信用も失ってしまったケースですね。
テンプレートを使うことは悪いことではありませんが、必ず自分で志望理由を整理し、オリジナルの志望動機を書くようにするのが大切です。
【ケース別例文付き】薬剤師の志望動機の書き方
それでは、実際に業種・雇用形態・属性別に薬剤師の志望動機(志望理由)の書き方と例文を紹介していきます。
志望理由が思い浮かばず、困っている薬剤師はぜひ参考にしてみてくださいね。
なお、例文の志望動機は履歴書・職務経歴書といった書面で伝える際の例を紹介しています。書面では「貴社(貴院)」、直接伝える場合では「御社(御院)」と使い分けます。
ドラッグストアの志望動機
末永
自分の考えや価値観を志望動機に落とし込んだ例文を紹介します。
ドラッグストアの魅力である、OTC医薬品の取り扱いがあり、薬学的な視点から顧客へ医薬品を積極的に提案、アドバイスなどの対応をしていけることを志望理由に盛り込んでいます。
末永
このようにドラッグストアをしっかり理解し、今後自分が目指す目標に結びつけていくことで定着性・活躍性・希少性を表すことができますね。
ドラッグストアの志望動機例文
私は、地域のセルフメディケーションの促進をしていきたいと考え貴社を志望しました。
貴社のような温かみのある店舗作り、ビューティーアドバイザーなどあらゆる人材が集まり協働し、顧客重視の体制のある貴社店舗で、より幅広い人へ健康維持への支援を実現できると考えたからです。
私はこれまで調剤薬局に勤務していましたが、毎日処方箋の対応をするだけで一杯一杯で、患者さんにも事務期的な対応しかできませんでした。そんな時に、ある患者さんから「アドバイスのおかげで早く良くなった」と感謝を伝えられ、自分の考えが変わりました。自分にとっては何気ないアドバイスでも、薬学知識のない人には助けとなることに気付かされたのです。その時から、私は患者さんのために専門性を活かした相談やアドバイスを重視していきたいと考えました。
貴社に入社したら、OTC医薬品のこともしっかり学びながら、患者さんに寄り添い、アドバイスなどをしていくことで、地域医療にも貢献していきたいです。
調剤薬局の志望動機
末永
求人先の調剤薬局でおこなっている取り組みをしっかり把握し、どの点で自分が貢献していけるかを明確に伝えているため、定着性・活躍性・希少性が高い印象を受ける志望動機です。
転勤が多いことをデメリットに捉えず、メリットに変えて志望理由に盛り込んだ点も高評価につながりやすいですね。
調剤薬局の志望動機例文
私は、地域に根付き地域住民の医療と健康を支えていきたいと考えています。
貴社は地域の学校や保育園、介護施設などと連携し、地域社会に根付いた医療サービスを提供していることに強く感銘を受け、自分の経験やスキルを活かしたいと考えました。
私は調剤薬局併設型のドラッグストアで勤務しており、県や地域に異動を通じてまざまな経験を積んで参りました。この土地が移住者が多く、医療サービスも整っていますが医師不足で地域医療が不十分であると感じました。そこで私は薬剤師の立場で、将来に渡りかかりつけ薬局としてこの地域を支えたいと考えました。
貴社で入社後も、これまでさまざまな地域医療に関わった経験を活かし、新しい視点で地域医療医に根付いたサービス提供に尽力していきたいです。
病院勤務の志望動機
末永
病院薬剤師という未経験領域に志望する際には、定着性を高めるために企業研究がしっかりできているかがポイントになります。今回は企業研究ができている志望理由の例ですね。
また活躍性と希少性は、自分のスキルや経験を客観的に評価した上で、今後努力を惜しまないことと目標を伝え、熱意をアピールすることでカバーできますよ。
病院勤務の志望動機例文
私が貴院を志望した理由は、医療現場の最前線で病院薬剤師として活躍できる領域を増やしたいと考えたからです。
貴院におかれましては、病棟薬剤師の設置、最近医療の導入など積極的に医療体制を見直し、そのなかでもチーム医療における薬剤師の役割が広くなっているとお伺いしました。
私はこれまで調剤薬局で勤務しているなかで、病院との距離の遠さに疑問を感じており、より医療現場の近い環境で患者さんに貢献していきたいと考えました。
まだ、医療現場の最前線を実際に肌で感じたことがなく、経験不足であることは承知しておりますので、今後より一層専門性を身につけ、チーム医療の一員として貢献していきたいです。そのための努力は惜しまないつもりで志望させていただきました。
製薬会社の志望動機
末永
製薬会社の求人は転職難易度が高いだけでなく競争率も高いため、志望理由を伝えるときは定着性と活躍性はもちろんのこと、希少性をアピールすることがとても大切になりますね。
研究職は「継続性」や「追求していくこと」が評価されやすいです。患者さんと根気強く向き合ってきたエピソードを盛り込むことで、人柄などもわかってもらいやすくなりますよ。
製薬会社の志望動機例文
患者さんの最善の治療選択肢を広げてるため、新薬開発に関わりたいと考えたのが志望理由です。
オンコロジーに強みを持ち、新薬開発を牽引している貴社で、病院薬剤師としての経験と薬学知識を活かしていき、新薬開発に貢献できるのではと考えました。
私はこれまで病院薬剤師としてがん患者さんに対し化学治療のサポートをして参りました。副作用や効果が期待できるかなどは個人差があるので、より患者に寄り添ったコミュニケーションと根気強く向き合っていくことを大切にしていました。患者さんのさまざまな症状や気持ちなどに向き合っていくなかで、患者さんにとってより良い薬の開発に関わりたいと考えました。
さまざまな患者さんの治療や症例に関わってきた病院薬剤師としての経験と知見を活かし、患者さんのための創薬研究に力を尽くしたいと強く考えております。
公務員薬剤師の志望動機
末永
公務員薬剤師の活躍できるフィールドには教官や麻薬取締官などの職種もありますが、いずれも社会貢献ができることが最大の魅力です。
それに対して自分がどのように貢献していき、どのような目標やビジョンを持っているかを伝えるとマッチ度の高い志望理由を作ることができます。
末永
また、2025年問題など社会問題に目を向けていることも加えられると、公務員としての意識も高く、より説得力のあるアピールができるようになりますよ。
公務員薬剤師の志望動機例文
私は地方公務員薬剤師として、地域住民の健康促進と支援に関わっていきたいと考えています。
薬剤師の立場で、保健・衛生の管理監督以外にも積極的に地域に関わっていくことで、拡大する高齢化に対し貢献していきたいと思いました。
私は、現在高齢者が多い地域の薬剤師として勤務しており、私の勤務する調剤薬局は高齢者のコミュニティーの役割も果たしています。私はよくそこで集まっているお年寄りに、季節に応じた健康指導など実施するようになりました。
その甲斐もあってか、私の地域では熱中症などの高齢者が少なく、地域住民の健康促進とサポートに貢献できたことを肌で感じました。それを薬局のある周辺地域だけにとどまらず、もっと広範囲に広げ地域住民の支援をしていくことが私の目標になりました。
私は公務員薬剤師となったら、同じように積極的に健康指導をしていくことで地域の健康向上に貢献していきたいです。
復職する場合の志望動機
末永
復職する場合には、復職するのに納得のいく正当な理由が必要です。復職の場合には、志望理由がかなり重要であり、加えて定着性をしっかりチェックされると言えますね。
また前職を辞めた理由を伝え、自分が強い決意を持っていることをアピールすると、人事や面接官にも安心してもらいやすいですね。
復職する場合の志望動機例文
私は、改めて薬剤師として患者さん第一に考えていきたいと思い復職を決意しました。
在宅支援薬局として地域貢献している貴社で、薬剤師という立場から高齢者支援をおこなっていきたいと強く願っています。
私は、新卒から調剤薬局へ勤務していましたが出産を機に退職しました。子育ては大変なことも多く、悩んだり、落ち込んだりが多かった私に声をかけてくれたのが、近隣地域のお年寄りたちでした。公園や散歩で声をかけてくれたり、色々アドバイスしてくれたことに本当に感謝しています。
子供も手がかからない年齢になったため、今度は私が薬剤師という立場で高齢者に恩返しをしていきたいと考えています。
ブランクがあるので、以前の感覚を取り戻すのに時間はかかると思いますが、それでも努力は惜しまずに積極的に勉強し、業務に関わっていきたいです。
アルバイト・パートの志望動機
末永
薬剤師のアルバイト・パートだからといって「家から近い」などの志望理由は避けるようにしてください。
ミスが許されない薬剤師の仕事は、アルバイト・パートだからといって責任が発生しないわけではありません。そのため、志望動機もしっかり書くことが求められますね。
アルバイト・パートの志望動機例文
私は、アパレルでの業務経験もあることからドラッグストアが自分にぴったりだと考えました。
以前、こちらのドラッグストアを利用した際にポップや陳列がしっかり考えられており、買い物がしやすい環境だと感じました。お店づくりに力を入れている貴店で、私の経験がフルに活かせるのではと感じたので応募させてただきました。
私はこれまでOTC販売もおこなうドラッグストアに正社員として勤務していましたが、結婚と出産を機に退職しました。子供の保育園の目処がたったので、日中はこれまでの経験を活かして働きたいと考えています。
アパレルでの勤務経験もあるので、お店づくりには自信があります。薬剤師としての業務だけでなく、さまざまな業務にも積極的にお手伝いしていきたいです。
新卒の志望動機
末永
新卒は、まだ薬剤師としての職務経験がないため、志望動機を通して熱意を伝えることが大切です。
就活でよくいうガクチカなどのエピソードがあると説得力のある志望理由にすることができますよ・
末永
コミュニケーション能力などのアピールするスキルも、求人先が求めている人物像にマッチするスキルを伝えるようにしてくださいね。
新卒の志望動機例文
私は、自分のコミュニケーション能力を活かして患者さんと密にコミュニケーションを取っていける病院薬剤師として活躍していきたいです。
私がもともと病院薬剤師を目指したのは、化学治療などを用いて生活の質(QOL)を維持していくことを支援したと考えたからです。
私が幼い頃、友人が重い病にかかりましたが化学治療を受けて復学を実現させ、また仲間と一緒に勉強に励むことができたのを目の当たりにしました。副作用などもありましたが、本人は復学を大変喜んでいたのを今でも覚えています。
その友人の経験は私が薬剤師を目指すきっかけになりました。大学時代も積極的に薬学研究にも参加しましたし、子供たちと円滑なコミュニケーションを取っていきたいと考えたため、幼児教育についても学びました。
御社で就職した際には、大学で学んだこともしっかり活かしながら、患者さんにとってベストな治療方法を提供し、1人1人に向き合いながら治療に貢献したいです。
薬剤師でお見送りになりやすい志望動機のNG例
薬剤師でお見送りになりやすい志望動機(志望理由)もあり、より一層気をつける必要があります。
ずばりお見送りになりやすい志望理由は、以下のような「条件・待遇」「自分のことだけ」「抽象的な内容」です。
このような内容のことを志望理由で話してしまうと、人事や面接官の心に刺さるどころか幻滅されてしまいます。
それでは、お見送りになりやすい志望動機(志望理由)のNG例をご紹介します。
末永
書類選考で評価が高かった人材が志望動機を聞かれた際に「家から近かったから」などと答えてしまい、お見送りとなってしまったケースもよく見かけますね。
人事や面接官は、求職者に「期待している」ことを忘れてはいけませんね。一緒に働きたいと思ってもらえるように伝えることが大切なのです。
年収が高いから
国家資格の薬剤師でも年収といった条件・待遇を志望理由にしてしまうとお見送りになりやすいです。
条件や待遇を志望動機として伝えられたら、人事や面接官は以下のように考えます。
- 年収の高い会社・施設を選ぶため定着しない
- 自社でなくても良いという考えで意欲がない
- 自己中心的な考えの持ち主
- 志望理由の意図を理解していない=コミュニケーション能力がない
人事や面接官が上記のように感じてしまう、薬剤師のNGな志望動機(志望理由)を紹介します。
年収を志望動機にしたNG例
御社の年収アップ制度が充実している点が魅力的に感じ志望しました。
私が今勤めている調剤薬局は、忙しいさに対する報酬が少なく、生活していくことができません。
これから貯金もして一軒家を購入したいと考えているので、この年収では安定していると言えず、将来に不安しかりません。そこで、薬剤師の求人のなかでも年収の良い御社を志望することにしました。
もちろん、年収が多いということは忙しい環境であることを理解しています。もちろん、年収に見合った働きができるように努力するつもりです。
定着性、活躍性、希少性からも遠く離れるので、できるだけ年収を含めた条件や待遇などは志望理由にしないようにするのがベストです。
ただし、どうしても年収を志望動機にしたい場合には、人事や面接官でも納得するような具体的な理由を加えて志望動機にするようにしてください。
例えば、上記の志望動機を以下のように言い換えると人事や面接官へ与える印象を変えることができます。
年収を志望動機にしたOK例
私は、仲間達と患者さんを大切にしていく風土のある御社で、同じ志を持って働きたいと考えました。
御社にはピアボーナスが導入され、社員同士で褒められる体制をつくり、風通しの良い雰囲気と組織の活性化につなげているとお伺いしました。
私が勤めている調剤薬局は忙しく残業も多いため、心に余裕がなく仲間を褒めるということがなかなかできる環境ではありません。また、会社で正当な評価をしてくれる環境でなく、皆ギスギスした雰囲気があり、それが患者さんにも伝わっています。私もどうにか環境を変えたくて積極的に声をかけていましたが、なかなか結果に結びつきませんでした。
私は元々ムードメーカーとしてチームを盛り上げることが得意なので、今後はチームワークを重視して働きたいと考えています。御社の取り組みを見て、人と人との繋がりを大切にし、より地域住民の健康促進や、チームでの連携を大切にしていきたいと考えています。
年収=評価制度がちゃんとしていると言い換えて志望動機にした例です。年収が高いことは何に繋がるのか考え、言い換えると年収を理由にしても印象が悪くなりにくくなります。
例えば、「年収が高い=売上が良い=患者さんが多い」と考えると、患者さん第一に取り組むことが大切になるという感じです。このように、少し考える視点を変えてみると志望理由も良くなります。
末永
もちろん、そのなかでも定着性、活躍性、希少性も忘れないようにしてくださいね。
入社後に活躍がイメージしやすいような志望理由を伝えられるようにしてください。
志望動機が自分軸だけになっている
志望動機(志望理由)が自分軸だけになっているケースも、お見送りになりやすいです。
志望動機が自分軸だけになっているとは、つまり「自分の利益だけ」を考える志望理由を指します。
自分が与えられるものだけにしか目を向けず、自分が薬局や病院でどのように貢献していけるかを無視してしまうと、志望動機としては不十分になります。
例えば、自分軸だけを優先する例としてよくあるのが以下のような志望動機です。
自分軸を優先した志望動機のNG例
私は、薬局と小売業の両方の側面を持つドラッグストアで両方を学んでいきたいと考え志望しました。
私はこれまで調整薬局で処方箋に従った調剤業務を担っていますが、新しく学ぶことも少なく将来に不安を覚えています。そこで、今拡大傾向にあり、LINEやアプリなどを導入した円滑な調剤業務を実現している御社で、新しいことをたくさん学んでいきたいと考えました。
今後高齢化が進む日本でセルフメディケーションは重要になってくると思うので、それに備えスキルを磨いて成長していきたいと思います。
新卒採用以外のほとんどの場合では、薬剤師として基本的なことができる前提での採用になります。
職場で一から学んでいくこと、成長していくことは大事なことですが、自分がどのスキルや経験を活かせるかが抜けてしまっているので、自分本位で自分軸だけの志望理由になってしまっています。
以下のように自分ができること、活かせることを整理して志望動機に入れるように心がけてください。
自分軸を優先した志望動機のOK例
私は、今後セルフメディケーションのサポートをしていきたいと考え、顧客の相談などを積極的にしている御社に貢献してきたいと思い志望しました。
調剤薬局では、病気にかかった人の治療で医薬品を用いますが、病気を防ぐためには健全な健康管理と支援が重要であると思い、私はそちらのサポートに力を入れていきたいと思っています。
私が勤めている調剤薬局は駅ビルの中に入っており、若い人やサラリーマンなどが多い店舗です。患者さんとのコミュニケーションを通じて、病気の元が生活習慣病であることがわかり、色々アドバイスしていくことが増えました。
私はその経験からセルフメディケーションを通じて患者の健康管理促進などを支援していきたいと思うようになりました。顧客とのコミュニケーションを大事にしている御社で、私の提案力とコミュニケーションスキルを活かして顧客支援を実現していきたいです。
末永
その他に、自分本位の価値観を持っている薬剤師もお見送りになりやすいですね。
自分のことだけでなく、会社の利益、社会貢献などの視点から志望動機を考えてみてください。薬剤師は人のためになる仕事なので、より利他思考が問われます。
どの会社にも通じる志望動機になってしまっている
どの会社・施設にも通じるような志望動機(志望理由)になっていると、お見送りになることが多いです。
どの会社・施設にも通じるような志望動機だと、人事や面接官は以下のように考えます。
- 自社でなくても良いという考えで意欲がない
- 企業研究をしていない
- ミスマッチが起こる可能性が高い
抽象的な内容の志望動機だと、定着性が大きく欠けてしまい人事や面接官は不安を抱きます。
例えば、以下のような志望動機はどの会社・施設にも通じるので、特定の薬局や病院などでなくても言えてしまいます。
抽象的な志望動機のNG例
私は、御社での薬剤師の資格を活かし人の役に立ちたいと考えています。
継続的に医薬品の処方が必要な人たちのために、お薬手帳管理や服薬指導もしていきたいと思っています。
私は、ドラッグストアに併設されている調剤薬局に勤務しており、さまざまな患者さんに接する機会を持ってきました。調剤業務ではより多くの人への調剤を実現させるため、アプリやLINEなどを用いたリクエストに沿った調剤をしていくので、受け渡しだけになりがちでコミュニケーションが薄くなっています。
今度は、クリニックに隣接している調剤薬局に勤務することで、専門的に患者さんに接し、症状に不安を抱えた患者さんに寄り添っていきたいと考えています。
薬剤師は人のためになる仕事であり、またクリニックに隣接した調剤薬局はたくさんあります。薬剤師の資格を取得しているのなら誰にでも言える内容で、この店舗でなくてはならない理由が薄いため、志望理由として説得力がありません。
もし、このような理由にしたいなら以下のように付け加えてみると良いです。
抽象的なOK例
私は、健康フェアやセミナーなどを積極的に開催し、地域に根付いたサービスを提供している御社で、積極的に地域医療に貢献していきたいと考え志望しました。
現在、ドラッグストアに併設されている調剤薬局に勤務しており、さまざまな症状に関する調剤をしてきました。調剤業務ではより多くの人への調剤を実現させるため、アプリやLINEなどを用いたリクエストに沿った調剤をしていくので、受け渡しだけになりがちでコミュニケーションが薄くなっているのが実情です。しかし、私はコミュニケーションも大切な仕事であると考えています。
今後は御社の取り組みのように地域医療に貢献する姿勢を大切にしながら、さまざまな業務を担えるマルチタスク力とコミュニケーション能力を活かし、御社で活躍していきたいです。
その会社が積極的におこなっている取り組みや経営理念などは、企業研究をしていくことでわかります。
面接では企業研究をしていることが前提となっているので、企業研究ができていないと志望意欲が低いと思われてしまうため注意が必要です。
末永
志望動機も人事や面接官が納得する理由が必要です。志望動機には正解がないため、主観だけでなく客観的な視点も重要になってきます。
もし、より人事の心に刺さる志望理由にしたいなら、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職のプロが人の心に印象に残りやすい志望動機作成の手伝いをしてくれますよ。
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薬剤師が面接で印象に残る志望動機の答え方
志望動機(志望理由)は内容だけでなく、答え方でも印象に残る必要が必要です。
志望理由を答えるときは以下の点を意識してみてください。
面接で志望動機を答える際のポイント
- 長く話しすぎないようにする
- 丸暗記せずに要点だけを押さえる
- 結論を伝えて、締めくくりで意欲を伝える
- 一次面接、二次面接で志望動機を変えない
基本的に構文は書いた時と同じで結論から話し、締めくくりで意欲を伝えます。
また、志望動機の丸暗記はせずに、要点だけを押さえて自分の言葉で具体的に説明するのがおすすめです。その時は、長く話しすぎないように1分~3分の間で話すようにしてみてください。
また、答えるときに大事なのが一貫性です。例えば、コミュニケーション能力があると答えた人が、声が小さいと説得力がありません。また、患者さんに寄り添う必要のある薬剤師が、面接官のことを考えずに一方的にずっと喋ってしまうなども同様です。
志望理由の答え方で、どのような人かを判断している人事や面接官もいるので、上記ポイントをしっかり意識してみてください。
末永
面接での失敗で1番多いのが、一方的に話すぎてしまうことですね。
面接も相互理解の場なので、一方的に話す姿勢よりは「会話する」姿勢を持って臨んだほうがリラックスもでき、スムーズな受け答えができるようになります。
自分の全てを相手に伝える必要はありません。気になることがあれば面接官が質問してくれるので、本当に伝えたいことだけを伝えるようにしてくださいね。
良い志望動機を考えたいのなら薬剤師向けエージェントに相談するのがおすすめ
もし良い志望動機(志望理由)を考えたいなら、薬剤師向けの転職エージェントに相談してみてください。
プロの視点で人事の心に刺さる志望理由にするためのアドバイスをしてくれます。
志望動機は正解がないので自分1人で作っても、採用担当者に刺さる志望理由であるかなども判断しづらいです。転職のプロであるキャリアアドバイザーに相談すれば、ポイントなどを教えてくれますよ。
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末永
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選考対策に行き詰まる薬剤師によくある質問
選考対策に行き詰まる薬剤師によくある質問をまとめました。
志望動機(志望理由)を考えていくのに合わせ、面接対策の参考にしてみてください。
転職理由・退職理由の答え方
転職者
転職理由・退職理由の答え方を教えてください。
末永
薬剤師に限りませんが、転職理由と退職理由を答えるときに大切なのは、嘘をつかないこと、志望動機と一貫性を持たせることです。
嘘をついて仕舞えば、志望動機や自己PRも辻褄が合わなくなってしまい、嘘がバレてしまいます。また、素晴らしい志望動機を伝えたとしても信用されなくなってしまうので、嘘をつかないようにしてくださいね。
薬剤師向けの転職理由の考え方・答え方について、さらに詳しく知りたい人は下記の記事も参考にしてみてください。
逆質問の答え方
転職者
逆質問の答え方を教えてください。
末永
逆質問の場合も、志望動機と同じく年収や待遇などの質問をしないようにしてください。今後、入社するイメージをつけやすい逆質問にすることで、熱意を伝えやすくなりますよ。
逆質問も薬剤師としての活躍をアピールできる機会です。その機会を無駄にしないようにしてくださいね。
逆質問に悩んでいる薬剤師は下記の記事も参考にしてみてください。
転職回数が多い場合の答え方
転職者
転職回数が多い場合の答え方を教えてください。
末永
転職回数が多い場合は、転職に一貫した軸があったことを伝えるのがおすすめです。例えば、さまざまな診療科で薬剤師として経験を積み、どんな症状にも対応できる力を身につけたなどです。
もし、一貫性がない場合には転職した理由はポジティブであることを伝えるようにしてください。また、今後は腰を据えてキャリアを積んでいきたいことを改めて伝えることも大切ですよ。
転職回数が多い薬剤師で、どのように答えれば良いのか悩んでいる人は下記の記事も参考にしてみてください。
とくに、チーム医療やセルフメディケーションの推進など大きなミッションを抱える薬剤師は、以下のようなポイントを踏まえながら志望動機を考えたほうが人事に刺さる志望動機を考えやすいです。