薬剤師の自己PRはどう書くべき?転職先ごとのポイントを紹介
薬剤師が転職するときに迷う傾向にあるのが自己PRです。そもそもどう自分をアピールすれば良いのか、また志望する転職先によって自己PRのポイントも変わってきます。
この記事では、転職先ごとの自己PRのコツや自己PRのNGポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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薬剤師の自己PRでは経験を話すことが大事
自己PRを作成する時は経験を話すことが大事です。
なぜなら自己PRで自分がどんな人物であるのかを採用側に理解してもらうには、経験に基づく根拠が必要だからです。たとえば「協調性がある」ことを自分の強みとしてアピールしたとしましょう。
単に協調性があると言われても、どんな協調性なのか?なぜそう思うのか?と、採用側は疑問に思うはずです。「協調性がある」ことの根拠として経験を紐付けることで、採用側も納得することができますね。
このように、自己PRに経験を紐づけることは薬剤師に限らずどんな場面でも重要な視点ですから、この視点を最後まで忘れずに記事を読んでみてください。
きっとあなたの魅力が十分に伝わる自己PRを書けるようになるはずです。
採用側が自己PRで見ているポイント
自己PRでは経験を話すことが大事だとお伝えしたところですが、そもそも採用側が何を知りたいのかを理解していることが前提です。
採用側が面接で知りたいことを以下にまとめてみました。
- 志望動機と熱意
- 応募者が持っているスキル
- 会社への貢献度
採用側は上記の項目を総合的に見て、求めている人物像に合っているかを判断します。ですから、まずは採用側が知りたいことを伝えられる自己PRにしていきましょう。
【転職先別】自己PRでのアピールポイント
これまでは自己PRを作成する前に知っておきたい基本を紹介しました。ここからは、薬剤師が転職をする際にチェックされる自己PRのポイントについて転職先ごとに解説します。
薬剤師の転職先は以下の4種類に大きく分けられます。
患者さんの相手をするか、経営にも携わるかといった職場ごとの特徴によって、自己PRのポイントやアピールするべき経験も変わってきます。そのため、転職先ごとのポイントを押さえておくことが大切です。
調剤薬局に転職する場合の自己PRのポイント
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、平成30年度末時点における国内の調剤薬局の数は5万9613施設です。薬剤師の勤務先としては最も多く、転職先の有力な候補となるでしょう。調剤薬局で働くメリットには「自宅から近い」「小規模」「休みが取りやすい」が挙げられます。
調剤薬局に転職するときの自己PRのポイントは、以下の3つです。
- コミュニケーション能力があるか
- 良好な人間関係が築けるか
- 専門性があるか
調剤薬局の業務においてとくに重要なのがコミュニケーション能力です。地域に根付いた調剤薬局は多いのですが、常連患者の持病やいつも服用している薬を把握し、信頼関係を築くために必要だからです。患者だけではなく、様々な処方箋に対応するうえで他の薬剤師や看護師、医師との連携も必要になります。
コミュニケーション能力の他にも、小規模コミュニティであることが多い調剤薬局で重視されがちな人間関係を良好に築ける姿勢もアピールすべきですね。
もちろん、医薬品を処方するために必要な医療についての専門性も大切です。医薬品に関する知識や経験がどの程度備わっているのかをしっかりとアピールしましょう。
また、最近は在宅専門の調剤薬剤師が注目されており、車の免許など、職場によって資格をアピールとして使えることもあります。
ドラッグストアに転職する場合の自己PRのポイント
ドラッグストアは取り扱う商品だけでなく業務内容も幅広いので、様々なことに挑戦する積極性が重視されます。接客経験がある場合は、自己PRに盛り込むと好感を与えられるでしょう。店長業務のように、アルバイトやパートのシフト管理を薬剤師が担当することもあります。
ドラッグストアに転職するときの自己PRのポイントは、以下の3つです。
- OTCに基づくコミュニケーション能力と知識欲求
- 忍耐力
- 経営への関心
OTCとは「Over The Counter」の頭文字をとった略称で、処方箋がなくても販売できる医薬品のことです。ドラッグストアではOTC医薬品をはじめとした幅広い商品を取り扱っているので、医薬品に関する知識を積極的に身につける姿勢が重要です。
処方箋が不要となるOTC医薬品を扱うということは、患者とのコミュニケーションから症状や悩みを判断し、適切な医薬品を提供しなければなりません。ですから、コミュニケーション能力が求められるのです。
また、風邪薬のような内科領域の知識、軟膏のような皮膚科領域の知識にどれほど詳しくても、その他の領域がおろそかになっていれば高い評価は得られません。医薬品のジャンルを問わず、貪欲に勉強できる知識欲求がアピールできると効果的です。
全国展開をしている大手チェーンなら日用品も幅広く取り扱っているため、売り上げを向上させるための努力も求められます。
薬剤師としての業務だけでなく、日々の売り上げに関心を寄せながら働けるかといった経営への関心も重視されるでしょう。
病院に転職する場合の自己PRのポイント
病院勤務の薬剤師の場合、他の勤務先と大きく違うのは入院患者と直接関われることです。そのため、患者と健全な関係を維持できるコミュニケーション能力が問われます。また、医療の最先端で勤務できるので、新しい知識に強く興味がある人には向いているでしょう。
病院に転職するときの自己PRのポイントは、以下の3つです。
- チーム医療への貢献度
- 専門医療を学ぶ姿勢
- 当直勤務の経験
病院勤務で大切な協調性とは、チーム医療への貢献です。
なぜなら、今の病院では薬剤部で調剤をすることよりも、チーム医療の一員として患者さんに貢献したり、病棟服薬指導をおこなうことがメインの仕事になるからです。
チームで患者の回復までを見守ることになるため、患者と関わるコミュニケーション能力やチーム医療における協調性が重視されます。
また、病院では専門領域における最新の知識や経験を学ぶことができます。そのため、積極的に専門医療を学ぶ姿勢があるかどうかも自己PRで見られるポイントの1つです。
製薬会社の企業に転職する場合の自己PRのポイント
製薬会社の企業には、管理薬剤師や研究職、臨床開発モニター、治験コーディネーター、MR(医薬情報担当者)など様々な職種があります。希望する職種によって業務内容も大幅に異なるため、自分がどの部門で働きたいのかを明確にしておくことが大切です。
自分が業務に適した人材であることをアピールするためにも、志望する職種に合わせた自己PRを用意しましょう。
製薬会社の企業に転職するときの自己PRのポイントは、以下の3つです。
- ビジネススキル
- 調剤スキル
- 知識の専門性を高めるための努力
企業の薬剤師として勤務する場合、ドラッグストアや調剤薬局のように医薬品の知識だけでなく、ビジネススキルが必要になることもあります。
例えば、MRとして働く場合は自社の医薬品を医療機関にプロモーションするための営業スキルが必要となるでしょう。治験コーディネーターは治験に関わる全般的な業務を担当し、全国各地の医療機関を巡りながら書類作成もおこないます。
企業に勤める薬剤師は医薬品の管理がメインの業務となる場合も多く、病院での調剤の経験やスキルが重視されます。
また、製薬会社の研究職は新卒採用が多い傾向にありますから、研究をメインとして働きたいなら熱心に勉強して専門性を高めようとする姿勢をアピールしましょう。
印象に残る自己PRを作成する3つのコツ
ここからは、どの転職先でも役立つ自己PR作成のコツを3つ紹介します。
それぞれのポイントを押さえ、効果的な自己PR作成に役立ててみましょう。
得意なことをアピールする
自己PRでは、現職までの経験を踏まえて、自分が得意なことや好きなことをアピールするのが重要です。
これまでにどのような経験を積んできたのかを整理し、責任感の強さや粘り強さなど、自分の強みを探してみましょう。他人から褒められたこともアピールポイントに使える可能性があります。
具体的に話す
一般的に、エピソードが具体的になるほど文章の説得力は増します。「患者様とコミュニケーションを円滑にしていくために精一杯対応しました」といった内容では、何をアピールしたいのかが伝わりません。
「よく来院する患者様には、お薬手帳を忘れないように喚起する手紙を書いていました」など、具体的なエピソードを紹介しましょう。患者に信頼される薬剤師であることが伝わり、採用担当者の関心を惹けるはずです。
調剤経験の有無を伝える
自己PRで調剤経験の有無を伝えることも大切です。調剤薬局では、近隣病院の診療科目によって知識がかたよる場合もあるので注意が必要です。学会に出席したときの成果や、これまで勉強してきた内容についても伝えるようにしましょう。
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自己PRと一緒に対策したいのが志望動機と面接です。自己PRを考えても転職の志望動機や面接が上手くいかなければ失敗してしまいます。以下の記事を読んで対策をしてみましょう。
履歴書・職務経歴書で自己PRの書き方
転職活動において一番最初に自己PRを考えるタイミングは履歴書や職務経歴書を書く時ではありませんか?
とくに製薬会社では、面接前の書類選考が大きなカギを握ります。
せっかく良い自己PRが完成したのに書き方にミスがあって減点される、なんてことはもったいないですよね。ここで書き方のポイントをしっかり押さえておきましょう。
- 枠の8割以上を書く
- 文字の太さやスペースは均一にする
- 日本語の間違いを避ける
まず、文字数は指定されている枠の8割以上を埋めるようにしましょう。ただ文字数を増やしただけで内容が薄くなってしまっては本末転倒ですから注意してください。
また、文字の太さやスペースを均一にすることで採用側は手にとって読みやすくなります。何枚もの履歴書を見ている採用側にとって印象に残るような書き方を心がけたいですね。
最後に、日本語の間違いは絶対に避けましょう。間違いがあることは、履歴書の最終確認をしていないということです。履歴書1枚で仕事を任せられない人だと判断される可能性もありますので、厳重に注意しましょう。
薬剤師が自己PRを作成する際のNGポイント
ここからは、薬剤師が自己PRを作成する際に必ず避けたいNGポイントを5つ紹介します。
間違った書き方を避け、より訴求力の高い自己PR作成を心がけましょう。
経験が羅列されているだけ
どんなに素晴らしい経験を持っていても、ただその経験を述べるだけで、自己PRに繋がっていないケースがあります。
経験を話すことはあくまでも自己PRの手段です。経験を通してあなたは何を学び、今のあなたにどう生かされているのかを伝えられると良いですね。
抽象的な表現が多い
自己PRでは経験から自分の人間性をアピールすることが大事ですが、表現が抽象的になりすぎると説得力に欠けてしまいます。
「協調性があります」や「コミュニケーション能力があります」といっただけの表現だと誰でも言える内容になってしまい、せっかくの経験話が薄れてしまいます。
そこで、数字を適度に取り入れ、自己PRに具体性を加えてみましょう。
たとえば「自分のアイデアで投薬までの時間が短くなり、1日に対応できる患者の人数が増えて売り上げが向上した」といったエピソードがあれば、患者の人数や売り上げが以前からどれだけ増えたのか、根拠となる具体的なデータ数値を用いてアピールするとより効果的です。
数字を示したほうがエピソードの信憑性は上がり、採用担当者への訴求力が強まりますから、良い自己PRを作るための近道になります。
内容が志望動機と混合している
自己PRと志望動機の内容が混合してしまうことはありがちなミスです。なぜなら、どちらも自分自身のことを伝えるという目的があるからです。
だからこそ、明確に書き分けることができれば、より強力にアピールできます。書き分けるポイントは以下の通りです。
- 志望動機…その会社に入りたい理由
- 自己PR…スキルや経験を活かして会社に貢献できること
自分自身の何をアピールしなければならないのかを区別してより良い自己PRにしましょう。
結論から伝えられていない
自己PRでは結論を最初に伝えることが大切です。自己PRにおいて重要になる自分の強みや経験を文章の最初で伝えられていなければ、結局何をアピールしたいのかが分かりにくくなってしまうからです。
「患者様とのコミュニケーションには自信があります。なぜなら、〇〇なことをしてきたからです。」のような形で文章を始め、アピールしたいことを端的にわかりやすく伝えましょう。
苦手・短所をプラスに変えられていない
自分の短所や苦手な分野をプラスに変えることも自己PR作成のポイントです。
短所や苦手分野があるのは当然のことであり、隠す必要はありません。採用する側も事前に短所を知っておいたほうが安心して仕事を任せられます。
大切なのは、自分の短所や苦手分野を理解したうえで、転職をきっかけにプラスへと転換できるかどうかということです。短所や苦手分野がある場合は、克服するための努力をしているのか、自分の胸に問いかけてみましょう。
自己PRを作成する際は、自分の弱点とそれを克服するための努力をセットでアピールすることが非常に大切です。
自分のアピールポイントが分からないなら
結論から言うと、自己PRを作成するのが苦手な人は一度転職エージェントに相談することをおすすめします。
これまで何人もの転職を支援してきたキャリアアドバイザーから、プロの目線でアドバイスを受けることができるからです。
薬局から病院、ドラッグストアから製薬会社など未経験の職場への転職でもあなたの経験をアピールできるように指導してくれます。
ただ、担当のキャリアアドバイザーによってサポートの質が異なるので、まずは2~3社複数登録して、そこから自分に合ったキャリアアドバイザーと転職活動を進めていくのがベストですね。
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自分が作成した自己PRが不安な人は、一度転職エージェントに添削してもらうのも一つの手です。
転職のプロが応募先の求める人物像に合わせてあなたの強みをアピールできるように指導してくれるからです。
とくに、薬キャリ AGENTやマイナビ薬剤師など薬剤師の転職に特化したエージェントがおすすめですよ。