調剤薬局薬剤師の仕事内容や給料事情・やりがい・後悔ポイントを解説!
調剤薬局は、土日休みが多く、未経験者も多い転職先です。企業や病院から調剤薬局への転職を考えている薬剤師さんもいるのではないでしょうか。
この記事では、調剤薬局薬剤師の仕事内容や給料などのメリット・デメリットを踏まえて、後悔せずに転職するためのポイントを解説していきます。
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調剤薬局の役割と薬剤師の仕事内容
まずはじめに、調剤薬局とはどのような場所か、また調剤薬局の薬剤師はどのような業務をするのか解説していきます。調剤薬局や薬剤師に求められる業務は、時代とともに変化しているので、転職する前にしっかり確認しておきましょう。
そもそも調剤薬局とは?
調剤薬局とは「医師の処方箋に基づき薬を調剤し、適切な説明・相談(服薬指導)をした上で薬を販売する」場所です。
そして「健康保険にも対応している調剤薬局」を保険薬局と言います。調剤薬局のほとんどは保険薬局ですが、まれに漢方薬局など保険対応していない調剤薬局もあることを覚えておいてください。
この記事では「調剤薬局=保険薬局」という認識で解説していきます。
調剤薬局の役割
調剤薬局の役割は、冒頭でお伝えしたとおり「医師の処方箋に基づき調剤し、服薬指導した上で薬を販売する」ことが一般的でした。
しかし、令和2年の薬機法改正により薬剤師・薬局のあり方が見直され、これからは薬剤師の対人業務の充実が求められるようになりました。
今までの薬剤師の業務は、患者さんに薬を販売して完結していました。しかし、薬機法改正後からは、販売後の服薬状況などの把握(義務)・服薬状況を処方医へフィードバック(努力義務)することも薬剤師の業務として追加されています。
現在はOTC医薬品・健康食品の販売や、かかりつけ薬剤師・在宅訪問を実施している調剤薬局も増え、地域の方の健康を守る薬剤師が求められています。
末永
調剤薬局の4つの種類
一般的に調剤薬局と呼ばれ、一括りにされていますが、実は調剤薬局には4種類のタイプがあります。調剤薬局に転職を考えている薬剤師さんには、ぜひ把握しておいていただきたいです。
調剤薬局の種類 | 特徴 |
---|---|
門前薬局 | 病院の近くにあり、近くの医療機関の処方箋を扱う |
商業施設・ドラッグストア併設型 | 施設の中にカウンターが設けられていて、柔軟な対応が求められる |
在宅訪問・施設訪問型 | 高齢者の方など、自宅にいる患者さんに対して調剤する |
商店街・住宅地の地域密着型 | 地域のかかりつけ医としての調剤薬局という立ち位置 |
このように、調剤薬局にはさまざまなタイプがあります。自分がどんな調剤薬局で働きたいのか、自分はどんな薬剤師として働きたいのかを明確にしておくと良いでしょう。
調剤薬局薬剤師の1日の業務スケジュール
調剤薬局での薬剤師の仕事は大きく以下の4つに分けられます。
-
調剤・監査業務
医師から出された処方箋のチェック、処方箋に従って医薬品の調剤、調剤薬と薬歴のチェック、患者さんに渡す -
服薬指導
薬の効果、飲み方、保管方法や、副作用など、薬を使用していく上で注意すべき点を患者さんに説明する -
薬歴管理
患者がどんな医薬品を使用してきたのかをお薬手帳などで管理する業務 -
その他の業務
医薬品の在庫管理やレジ業務など
9~19時営業の調剤薬局だと、主にこのような流れで業務をしていきます。
時間 | 仕事内容 |
---|---|
8:50 |
出勤・開局準備 使用する機器の準備や前日からの引き継ぎの確認をおこなう |
9:30 |
開局 患者さんの処方箋を受け取って、調剤作業 |
11:00 |
調剤業務 処方箋に合わせて調剤したり、服薬指導や薬歴管理をする |
14:00 |
調剤業務 調剤業務をしつつ、在庫管理や医薬品の発注をおこなう |
17:00 |
在庫確認 在庫の確認や補充を行い、日々円滑に作業できる状態を整える |
19:00 |
閉局 使用した機器や道具を清掃して、片付けたらその日の業務は終了です |
調剤薬局への転職メリット
ここからは、調剤薬局へ転職した場合のメリットをご紹介します。
調剤薬局薬剤師のメリット
ワークライフバランスが整えやすい
調剤薬局は、基本的に近隣の病院と開局日を合わせています。土日休みだったり、お盆や年末年始の長期休暇があったりするので、プライベートの予定をたてやすいです。
自分の時間を確保しやすいので、副業や趣味などで休日も充実させている薬剤師さんも多いです。
スキルアップしやすい
調剤薬局では、取り扱う医薬品の種類が多く、常に医薬品の知識をアップデートさせる必要があります。また、患者さんとの信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルも身に付きます。
大手の調剤薬局では研修が充実しているほか、知識と経験をつけるために異動する場合もあり、調剤未経験で知識不足が不安な薬剤師さんも安心して働けるでしょう。
末永
調剤未経験の薬剤師さんは、薬の知識というよりは、保険やレセプトの知識が無くて不安を感じていると思います。そのような方は、研修が充実している調剤薬局をアドバイザーに探してもらいましょう。マイナビ薬剤師は丁寧なヒアリングで不安なことも相談しやすいです。
長く働ける
調剤薬局で身に付けた知識やスキルは、異動や別の調剤薬局へ転職した際にも役立ちます。
また、他の薬剤師がフォローしやすいので、育児や介護で突発的な休みが多くなりがちな薬剤師さんでも働きやすいです。体力面で疲れにくいので、調剤薬局薬剤師は女性薬剤師が多い職種でもあります。
調剤薬局薬剤師は正社員・パート・アルバイト・派遣どんな雇用形態でも働きやすく、長く働けるのがメリットです。
調剤薬局への転職デメリット
働きやすい職種として人気の調剤薬局ですが、デメリットもあります。
調剤薬局薬剤師のデメリット
人間関係のトラブルが深刻になりがち
調剤薬局薬剤師は、長時間狭い空間で複数人で働くため、人間関係のトラブルが起こると、一気に職場の雰囲気が悪くなる傾向があります。
また、患者さんの命に関わる業務をするため、忙しい調剤薬局では特に、張り詰めた空気の中で働くことになります。調剤薬局で働く薬剤師は、職場の雰囲気に流されない、あるいは上手く気分転換ができる人に向いているかもしれません。
個人経営では限られた知識しか得られない場合がある
最近では減ってきましたが、個人経営かつ診療所の門前薬局もまだあります。アットホームな雰囲気で働きやすい環境と言えますが、処方箋の内容がいつも同じで、幅広い知識を吸収できないかもしれません。
経営合併で勤務条件が変わる可能性がある
薬局業界ではM&A(企業の合併・買収)が盛んにおこなわれています。特に個人経営や中小の調剤薬局は、大手調剤薬局に買収されやすいです。また、最近では大手の調剤薬局同士の合併もあります。
M&Aが起こると、給与や福利厚生が変更になる場合もあり、転職や勤務形態の変更を余儀なくされる薬剤師さんもいるようです。
調剤薬局へ転職したあとの後悔ポイント
ここまで読んできて、調剤薬局への転職を前向きに考えている薬剤師の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、調剤薬局へ転職しても後悔する方もいます。一見働きやすそうな調剤薬局で働く薬剤師の方々は、どんな後悔をしているのでしょう。
後悔するケースを把握して、満足する転職を叶えましょう!代表的なケースは以下の3つです。
- 年収での後悔
- 職場の雰囲気と合わない
- 単調な作業に飽きてしまう
年収での後悔
転職して後悔するケースとして最も多く考えられるのは、年収が下がる、もしくは上がりづらいことです。
2020年厚生労働省のデータから、4つの職種の平均年収を比較すると、以下のようになります。
職種 | 年収 |
---|---|
製薬会社 | 958万円 |
ドラッグストア | 557万円 |
調剤薬局 | 481万円 |
病院 | 416万円 |
職場別で比較した場合、調剤薬局で働く薬剤師の年収は、低いことがわかります。また、調剤薬局で長く働いても、役職がつかないとなかなか年収が上がらないこともあるようです。
調剤薬局に転職して年収を上げたいなら管理薬剤師の経験を積んだ上で、地方の薬剤師が少ない地域で働くことがおすすめです。また、正社員でなく派遣薬剤師として地方の調剤薬局で働くのも、年収が上がりやすくおすすめです。
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薬剤師の年収についてさらに詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
職場の雰囲気と合わない
デメリットの項目でも解説しましたが、調剤薬局で働く場合、狭い空間で緊張感のある業務をしなくてはなりません。
人間関係のトラブルで居心地が悪くなったり、そもそも職場の雰囲気が自分に合わなかったりして、転職に後悔する場合もあるようです。
転職に後悔しないように、事前に調剤薬局を見学するのをおすすめします。
単調な作業に飽きてしまう
調剤薬局での業務は、基本的に調剤・監査・服薬指導・薬歴管理がほとんどです。また、薬局によっては1日中調剤しかしない日があるなど、単調な作業ばかりになってしまうこともあります。
単調な作業中にも、自身の勉強につなげたり、やりがいを見つけたりできないと業務が苦痛に感じてしまうので気をつけましょう。
末永
上記のような後悔を防ぐためには、職場に赴いて転職先の様子を自分の目で確認したり、転職エージェントを利用して内部情報を得ることが大切です。
私がおすすめするマイナビ薬剤師や薬キャリエージェントでは、こうした求人紹介からキャリアサポートまでを実績のあるプロが丁寧にサポートしてくれます。無料ですので気軽に相談してみてください。
調剤薬局への転職が向いている薬剤師
調剤未経験の薬剤師さんは、自分が調剤薬局に向いているのか不安になる方も多いのではないでしょうか。調剤薬局への転職を後悔しないために、自分が調剤薬局が向いているか参考にしてみてください。
調剤薬局に向いている薬剤師
単調な作業を苦に思わない
特に調剤未経験者は、転職してしばらくは調剤業務が多くなります。また、業務を一通り覚えた後も、ほとんど調剤室での業務か服薬指導となるので環境の変化が少ないです。
このような単調な作業を苦にしない、あるいは単調な作業の中でも発見ややりがいを見つけられるような方は、調剤薬局が向いていると言えます。
コミュニケーション能力が高い
調剤薬局では、調剤・監査・服薬指導ができるのは当たり前とみなされます。なので、いかに患者さんと信頼関係が築けるかが重要です。
現在は調剤助手がいる調剤薬局が多く、対人業務(服薬指導・在宅)に重点が置かれています。コミュニケーション能力が高い薬剤師は、患者さんからの信頼を得やすく、調剤薬局薬剤師にやりがいを感じやすいでしょう。
また、一緒に働く薬剤師や調剤事務の方達とうまくコミュニケーションが取れると、人間関係のトラブルも起きにくいので、業務がしやすいはずです。
ジェネラリストとして幅広い分野で活躍したい
最近は面対応(門前ではなく、全国の処方箋を受け付ける)の調剤薬局が多いため、調剤薬局の薬剤師は全ての診療科目に対応できなくてはなりません。
調剤薬局薬剤師は、地域の患者さんたちの健康を守るために、幅広い診療科目の医薬品やOTC医薬品などの知識が必要かつ、臨機応変な対応が求められます。
逆にスペシャリストとして、一つの分野に集中したい薬剤師さんは病院薬剤師への転職がおすすめです。病院も未経験可の求人はあるので、転職エージェントに相談してみましょう。
調剤薬局への転職を後悔しないためのポイント
ここまで読んでみて、調剤薬局に転職したいと思った方は、3つのポイントをおさえてもらうと、後悔しない転職ができるはずです。
調剤薬局への転職を後悔しないためのポイント
調剤薬局へ転職する理由を明確にしておく
まずは、どうして調剤薬局へ転職したいのか明確にしておく必要があります。理由としては、年収アップ、働きやすい環境、スキルアップなどが多いです。理由を明確にしておくと、面接時の志望動機も考えやすくなります。
理由がブレると転職先がなかなか見つからず、焦ってしまい転職に失敗する可能性があるので気をつけてください。
自分の希望条件の優先順位をつける
転職の際、全部の希望がかなうのは難しいと思った方が良いです。なので、絶対ゆずれない条件と、妥協できる条件を決めておくと、納得した転職ができるでしょう。
調剤薬局は求人がかなり多いので、給与や福利厚生、通勤時間の希望条件はある程度具体的に決めておくと、転職先をしぼりやすいです。
調剤薬局の見学をする
調剤薬局は閉塞感のある調剤室に1日いることになります。職場の雰囲気は、調剤薬局に転職した時の後悔ポイントになってしまうほどなので、重要視した方が良いです。
調剤薬局の調剤室はガラス張りになっていて、中の薬剤師さんの様子が見えるので、一度見に行くのがおすすめです。
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転職活動のノウハウ〜概念編〜
転職活動のノウハウ〜選考編〜
薬剤師の年収事情
これからの調剤薬局薬剤師には、薬の知識だけでなく、患者さんの健康を保つサポート力が求められるでしょう。実際に生活習慣や栄養の指導をおこなう薬剤師さんも多いですし、管理栄養士さんが在籍している調剤薬局も増えてきました。