
薬剤師の企業転職とは?13職種の仕事内容と年収を解説
企業薬剤師の仕事内容や年収が分からず、転職に踏み出せない人は少なくありません。この記事では、企業で働く薬剤師の職種と仕事内容、年収の実態を、未経験の人にもわかるように解説します。
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企業薬剤師とは|働く場所と病院・薬局との違い
企業薬剤師とは、製薬会社や化粧品メーカーなど、医療・医薬に関わる一般企業で働く薬剤師のことです。
薬剤師というと病院や調剤薬局、ドラッグストアで調剤や服薬指導をするイメージが強いかもしれません。
企業薬剤師は患者と直接向き合うのではなく、薬をつくる側や世に送り出す側で専門知識を活かします。
働く場所は幅広く、製薬・化粧品・食品のメーカー、医薬品開発を請け負うCRO、販売を請け負うCSOなどがあります。
病院や薬局とは違い、調剤以外の仕事が中心になり、研究や品質管理、承認申請といった専門業務がメインになります。
企業薬剤師は求人が表に出回りにくいうえ人気が高いため、転職難易度は高めです。
まずは企業薬剤師にどんな職種があるのかを知り、自分に合う道を見極めましょう。
企業薬剤師の主な13職種と仕事内容
企業薬剤師の仕事は1つではなく、勤める会社や部門によって内容が大きく変わります。
ここでは代表的な13の職種について、仕事内容と主な求人先、やりがいを1つずつ紹介します。気になる職種から読み進めてください。
企業薬剤師の主な13職種

気になる会社でどんな仕事に携われるかを知りたいなら、薬剤師特化の転職エージェントに聞くのが確実です。
規模の大きいエージェントほど企業薬剤師の求人も充実していて、条件に合う会社を見つけやすいですよ。
開発職
開発職は、薬剤師の専門知識を活かして新薬や新製品の開発に関わる仕事です。
企業が莫大なコストをかける分野で、期待を背負って開発を進める企業の花形職と言えます。
臨床試験のデータ取得から製品検査、副作用や安全性の確認、レポート作成まで担当します。
開発職の主な仕事
- 臨床試験データの取得
- 製品検査
- 副作用や安全性の確認
- レポート作成
求人が多い主な勤務先は、製薬会社や研究機関、化粧品メーカー、食品メーカーです。
化粧品メーカーでは高機能な成分を、食品メーカーでは健康補助食などを開発し、薬剤師の知見が活きます。
会社の利益や将来を左右する職種のため、開発職の年収は高めに設定されています。

開発職は未経験からの転職が難しく、経験者を求める求人がほとんどです。
どうしても未経験から目指すなら、まず入社してから社内異動で開発職を狙う方法もありますね。
研究職
研究職は、薬学の深い知見を活かして新しい薬品や成分を生み出す仕事です。
自分が研究開発した薬品や、新たに見つけた効果が人の役に立つため、大きなやりがいを感じやすい職種です。
仕事は基礎研究と応用研究に分かれ、扱う製品によって内容が変わります。
研究職の主な仕事
- 基礎研究(新たな知識や法則、仮説の裏付け)
- 応用研究(基礎研究の結果を製品に活かす)
主な勤務先は製薬メーカーや研究機関、化粧品メーカー、食品メーカーです。
化粧品メーカーでは新しい成分を、食品メーカーでは食品の安全性に関わる研究を担います。
会社を支える専門性の高いポジションのため、研究職の年収も高めです。

研究職は博士号の取得を条件にする求人が多く、明記がなくても取得者がライバルに多い傾向です。
本気で研究職を目指すなら、博士号の取得を視野に入れておくのがおすすめですね。
MR・MS
MR・MSは、薬剤師の知見を活かして医療スタッフに自社製品の情報を提供する仕事です。
MRは医薬情報担当者、MSは医薬品卸販売担当者を指す略語で、多くは営業職に分類されます。成果が数字で見えやすく、やりがいを感じやすい職種です。
2つの大きな違いは価格交渉の有無で、MRは情報提供が中心、MSは医療機関と直接価格交渉をおこないます。主な勤務先は製薬メーカーやCSOです。
MRやMSは薬剤師資格がない営業経験者も活躍しており、他業界からの転職者も多く、多様な経歴の人と働ける面白さがあります。

MRやMSは英語力があれば外資系の製薬メーカーで活躍するチャンスもあります。
給与水準はもともと高めですが、外資系ならさらに高い年収も期待できますよ。
MSL
MSLは、医師や医療従事者に最新の医学・薬学情報を提供する仕事です。
MSLはMedical Science Liaisonの略で、製薬会社と臨床現場のどちらにも偏らない中立的な立場で情報を届けます。
この中立的な情報提供を通じて、自社製品の価値を高める役割を担います。
MSLの主な仕事
- 最新の医学・製品情報の収集と精査
- 医学・薬学・科学的観点からの情報提供
- 臨床試験の支援
- 学会参加・論文発表
主な勤務先は製薬メーカーやCRO、CSOです。日本では2010年頃から広まり、現在は外資系企業を中心に採用がおこなわれています。
近年は患者中心の医療が再び重視され、MSLの必要性も見直されています。
元MRや医師など様々な経歴の人が活躍していますが、外資系が中心のため語学力が求められる場合が多いです。
DI(学術)
DIは、医薬品情報を収集・管理しながら医療機関に情報提供する仕事です。
DIはDrug Informationの略で学術職とも呼ばれ、医薬品のプロとしてMRや医師からの問い合わせに対応します。
専門知識を深めながら専門家として活躍でき、やりがいを感じやすい職種です。
DIの主な仕事
- 情報収集と文献検索
- 情報や文献の分類管理
- 資料作成
- 医療機関などからの問い合わせ対応
主な勤務先は製薬メーカーや医療機器メーカー、医薬品卸会社、化粧品メーカー、大手ドラッグストア本社です。
病院によっては薬剤師が調剤とDI業務を兼任する場合もあります。
外資系では英語力が求められることもあり、語学に自信がある人はその強みを活かせます。
薬事申請
薬事申請は、医薬品や医療機器の承認申請を担う仕事です。
医薬品や医療機器は開発してすぐ販売できるわけではなく、厚生労働省の承認を受けて初めて医療現場で使えます。
その承認を得るための手続きが薬事申請で、製品を世に送り出す実感の大きい職種です。
薬事申請の主な仕事
- 申請書類の作成
- 申請手続き
- 製品の情報収集
- 審査専門員との面談
主な勤務先は製薬メーカーや医療機器メーカー、化粧品メーカーです。
企業によっては学術職や管理薬剤師が兼任するケースもあるため、求人内容をよく確認しましょう。

薬事申請は、申請後も信頼性調査や製造調査など細かい確認を経て承認されます。
申請から承認まで半年から1年ほどかかることも多く、腰を据えて取り組む仕事ですね。
管理薬剤師
管理薬剤師は、店舗や製造拠点ごとの責任者を務める仕事です。
薬剤を扱う店舗や企業では、各拠点に管理薬剤師の配置が法律で義務付けられています。
薬剤師よりも年収アップを期待できるため、キャリアアップの選択肢として目指す人も多い職種です。
管理薬剤師の主な仕事
- 商品管理
- 情報管理
- 品質管理
- スタッフ管理
主な勤務先は大手ドラッグストア本社や製薬メーカー、化粧品メーカー、薬品倉庫、薬品製造会社です。
医薬品を保管する物流センターや製造工場でも知見を活かせます。
勤務先によって業務内容やニーズが変わり、仕事の幅が広いのも管理薬剤師の特徴です。

企業の管理薬剤師は、店舗と違って管理業務がメインになります。
ドラッグストアでも企業薬剤師なら本社勤務が多く、調剤に追われない働き方がしやすいですね。
品質管理
品質管理は、医薬品の品質基準が守られているかを管理・確認する仕事です。
製造から出荷までの各工程が、薬機法に基づくGMPという基準を守っているかを監督します。
製造に関わるリスクマネジメントを担う大切な仕事で、大きなやりがいを感じられます。
品質管理の主な仕事
- 原料や製品の試験・検査
- 管理マニュアルの作成
- トラブルの原因究明
主な勤務先は製薬メーカーや化粧品メーカー、医薬品卸売業者、食品メーカーです。商品の安心と安全を守り、企業の信頼を高める欠かせない役割を担います。

品質管理の求人は、企業薬剤師のなかでも比較的多めです。
企業薬剤師として働きたいなら、品質管理の求人もチェックすると活躍の場が広がりますよ。
企業内診療所の薬剤師
企業内診療所の薬剤師は、企業内の診療所で社員に薬を提供する仕事です。
調剤に加え、近年重視されるメンタルヘルスの知見を深める機会もあります。
社員だけを対象に処方できるため、相手に寄り添った対応がしやすく、やりがいを感じられます。
患者がひっきりなしに来る環境ではないため、時間に追われず落ち着いて働けるのが特徴です。仕事内容は調剤業務と薬の管理が中心になります。
社内に診療所がある事業所は約1,500ヶ所とされ、年々減少傾向にあります。そのため求人はかなり希少で、出会えたら幸運と言える職種です。

学校薬剤師と違い、企業内診療所は配置義務がないため求人も限られています。
希少な求人を逃さないためにも、こまめに情報をチェックしておきたいですね。
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーター(CRC)は、医療施設での治験がスムーズに進むよう支える仕事です。
CRCはClinical Research Coordinatorの略で、被験者や医師、製薬会社の橋渡し役を担います。
様々な立場の人をまとめてプロジェクトを動かす、やりがいの大きい職種です。
CRCの主な仕事
- 治験実施計画書の確認
- 治験関係者への説明
- 検査機器・キットの管理
- 被験者対応・インフォームドコンセント
- 報告書作成・監査対応
被験者にわかりやすく説明する力が求められ、新薬開発の知識とビジネススキルの両方を身につけられます。主な勤務先は医療機関のほか、CROやCSOです。

厚生労働省は治験を活性化させる方策を進めており、CRCの人材育成にも力を入れています。
将来的にも期待されている職種なので、腰を据えて経験を積む価値がありますよ。
臨床開発モニター(CRA)
臨床開発モニター(CRA)は、治験が正しく実施されているかをモニタリングする仕事です。
CRAはClinical Research Associateの略で、新薬の製品化に向けた様々なサポートをおこないます。
新しい薬の誕生に携わり、世の中に貢献できるやりがいの大きい職種です。
CRAの主な仕事
- 実施医療機関の選定
- 治験責任医師・担当医師の選定
- 治験実施状況の調査・確認
- CRFの回収と点検
- モニタリング報告書の作成
治験の情報に漏れや不備がないかを確認し、GCPという基準に沿って安全と信頼を守ります。主な勤務先は製薬メーカーやCROです。

CRAは医療機器メーカーでも活躍でき、その場合は医療機器開発モニターと呼ばれます。
ただし医療機器は治験自体が少ないため、求人も少なめになりますね。
ファーマコビジランス(PV)
ファーマコビジランス(PV)は、医薬品の安全性を監視する仕事です。
PVはpharmaco(薬の)とvigilance(監視)を組み合わせた言葉で、日本語では医薬品安全性監視と呼ばれます。
開発段階から情報を収集・評価し、副作用のリスクを抑えつつ薬の効果を最大化する役割を担います。
PVの主な仕事
- 医薬品の情報収集
- 医薬品の分析・評価
- 安全性の報告
MRと連携して薬の安全性を分析・記録し、得た情報を医療機関や厚生労働省に報告します。主な勤務先は製薬メーカーや医薬品製造受託会社、CROです。
医薬品に関する法律や試験基準は頻繁に改正されるため、最新情報を熟知したPVが頼りにされ、近年はCROでの需要が高まっています。

PVは新卒や未経験から挑戦する人もいて、育成前提の採用も少なからずあります。
派遣やパート、一部在宅など働き方の幅も広く、正社員以外でも活躍の場がありますよ。
メディカルライター
メディカルライターは、薬剤師の知見を活かして医学・薬学の文章を執筆する仕事です。
医療や健康の情報を一般の人にもわかりやすく発信したり、臨床試験の医学的文書や論文を書いたりと、活躍の場面が幅広い職種です。
専門知識を活かして情報を届けるやりがいがあります。
主な勤務先は製薬会社や開発業務受託機関、出版社、広告代理店、コンサルティング会社です。就職先によって仕事内容が大きく変わります。
| 製薬メーカー 開発業務受託機関 |
薬事申請の文書作成、医学・薬学論文の執筆、治験実施計画書の作成 |
|---|---|
| 出版社 広告 |
医療従事者向けの雑誌やWebサイトの執筆、一般向け記事、販促ツールの作成 |
専門職向けか一般向けかで求められる力が変わるため、自分がどちらに挑戦したいかを整理しておく必要があります。

メディカルライターは未経験での転職が難しく、業務経験のある人が中心の職種です。
一方でフリーランスやパート、フルリモートで働く人もいて、柔軟な働き方がしやすいですよ。
企業薬剤師と一口に言っても、仕事内容は本当にさまざまです。
全体的に求人が少ないため、希望に合う転職先を見つけるには1件でも多くの求人と出会うことが欠かせません。
企業薬剤師の平均年収【職種別】
企業薬剤師の年収は職種によって差が大きく、専門性が高い職種ほど高年収の傾向があります。
令和7年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師全体の平均年収は約566万円です。
企業薬剤師の職種別では、dodaの職種図鑑をもとに平均年収を以下にまとめました。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| 学術 メディカルサイエンスリエゾン |
750.8万円 |
| 薬事 | 614.4万円 |
| 臨床開発関連 CRA・CRC |
560.3万円 |
| 研究 | 531.8万円 |
| 品質管理 品質保証 |
515.8万円 |
| 生産管理 製造 |
447.2万円 |
出典:doda「職種図鑑」(2025年1月31日時点)
最も高いのは学術・メディカルサイエンスリエゾンで、高度な専門性が求められ、外資系で活躍する人が多いことが年収を押し上げています。
薬事や臨床開発関連も、薬剤師全体の平均を上回る水準です。
一方で生産管理・製造は他職種より低めです。近年は人件費を抑える動きが年収にも影響していると考えられます。
年収の詳しい内訳を知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
企業薬剤師の将来性と最新の採用動向
企業薬剤師の将来性は高く、医療のデジタル化を背景に活躍の幅が広がっています。
近年はAIやデータを活用した創薬が広がり、ITの知識を持つ薬剤師の需要が増えています。
MRの情報提供もオンライン化が進み、デジタルツールを使いこなせる人材が求められています。
こうした変化は、調剤スキルだけでは差がつきにくくなった薬剤師にとってチャンスでもあります。
調剤の経験に企業での専門経験を掛け合わせれば、薬剤師のなかでの希少価値を高められます。
採用面では、企業薬剤師の求人の多くが一般には公開されない非公開求人として動いている点が特徴です。
表に出る求人だけを見ていると、良い案件を見逃してしまいます。

企業薬剤師は狭き門ですが、医療のデジタル化で求められる場面はむしろ増えています。
情報網を広げるには、薬剤師特化の転職エージェントに2〜3社登録しておくのが近道です。
各社が持つ非公開求人を横断的に受け取れるので、数少ない企業求人も逃しにくくなりますよ。
未経験でも企業薬剤師に転職しやすい職種
企業薬剤師は全体的に転職難易度が高いものの、職種を選べば未経験でもチャンスがあります。
求人が限られるなかで経験豊富な薬剤師がライバルになるため、狙う職種を間違えると苦戦します。
まずは未経験者歓迎の求人が多い職種から挑戦するのが現実的です。
| 職種 | 未経験からの転職しやすさ |
|---|---|
| MR・MS | 営業経験を活かせて比較的挑戦しやすい |
| MSL | 未経験でも門戸が開かれている |
| 品質管理 | 求人が多くチャンスも多い |
| 治験コーディネーター (CRC) |
求人が比較的多く挑戦しやすい |
| ファーマコビジランス (PV) |
未経験向けの求人もあり挑戦しやすい |
これらの職種は未経験歓迎の求人が多く、薬剤師としての業務経験に加えて、仕事内容に関連するスキルをアピールすると評価されやすくなります。
たとえばMRやCRCなら医師や被験者と関わるコミュニケーション能力、品質管理なら高い倫理観や責任感が武器になります。
具体的なエピソードを交えて話せると、活躍するイメージが伝わりやすいです。
未経験の不安を1人で抱えたまま進めると、職種選びや選考対策でつまずきがちです。
薬剤師の転職に詳しいエージェントに相談すれば、経歴に合った狙い目の職種と対策を一緒に整理できます。

これらの職種は求人が多めでも、内定が簡単というわけではありません。
しっかり準備して選考に臨めば成功率を上げられるので、プロの力も借りたいですね。
経験者向け|転職難易度が高い企業薬剤師の職種
一方で、経験者しか採用されにくく、転職難易度がとくに高い職種もあります。
これらは求人数がかなり限られていたり、待遇が良く希望者が殺到したりします。企業は即戦力を求めるため、経験者が優遇されやすい職種です。
| 職種 | 難易度が高い理由 |
|---|---|
| 開発職 | 経験者募集が中心で未経験は難しい |
| 研究職 | 博士号が前提の求人が多い |
| DI(学術) | 募集人員が少ない |
| 薬事申請 | 経験者募集が中心 |
| 管理薬剤師 | 資格や実務経験が必須 |
| 企業内診療所の薬剤師 | 募集人員が少なく希少 |
| 臨床開発モニター (CRA) |
経験者なら転職しやすい |
| メディカルライター | 求められる能力が多い |
これらの職種を目指すなら、まず別の企業薬剤師の職種で経験を積み、必要なスキルや資格を備えてから挑戦するのが近道です。
たとえば管理薬剤師なら、5年以上の実務経験や認定薬剤師の資格が欠かせません。

難関職種はどれも求人が少なく競争率が高いです。
面接対策をしっかりおこない、自分の強みを有利にアピールする準備が欠かせませんね。
企業薬剤師に転職するメリット
企業薬剤師には、現場の薬剤師では得にくいメリットがいくつもあります。
メリットを理解しておくと、今後のキャリアパスを描きやすくなり、転職の意思決定もしやすくなります。
企業薬剤師に転職するメリット
給与や福利厚生の待遇が良い
企業薬剤師はメーカーなどの大手企業で働くケースが多く、給与や福利厚生が充実しています。
住宅手当や家族手当が手厚く、産休や育休も取りやすいなど、いわゆるホワイト企業に近い働きやすさが魅力です。
社員食堂や食事補助など、日々の生活を支える制度が用意されていることも多いです。
給与水準も高めで、外資系企業なら年収1,000万円以上を目指せる場合もあります。
土日祝の休みが取りやすい
企業薬剤師は企業の就業条件に合わせて働くため、土日祝が休みになりやすいです。
薬局やドラッグストアは土日営業や24時間営業の店舗も多く、シフト制で勤務時間が不規則になりがちです。
企業薬剤師なら勤務時間が一定で、完全週休2日制のカレンダー通りに休みやすくなります。
年間休日120日以上の求人も多く、まとまった休暇も取りやすい環境です。土日休みの働き方をもっと知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
調剤以外のスキルが身につく
企業薬剤師になると、調剤や服薬指導だけでは得られないスキルを身につけられます。
開発職や研究職なら新薬開発の知識を、MR・MSならコミュニケーション能力や営業力を磨けます。
薬剤師としての専門性に別のスキルを掛け合わせられるのが、企業薬剤師の大きな魅力です。
キャリアアップの選択肢が広い
企業薬剤師は、その後のキャリアの選択肢が広い点も見逃せません。
薬局やドラッグストアの薬剤師は、管理薬剤師からエリアマネージャー、独立開業といった道が中心になりがちです。
企業薬剤師なら専門性を活かせる職種が幅広く、管理職を目指す道も他職種へ移る道も選べます。
人間関係を広げやすい
企業薬剤師は様々な部署の人や社外の関係者と連携しながら仕事を進めます。
薬局勤務で関わるのは主に患者や医師、同僚ですが、企業ではより多くの立場の人と協働します。
たとえばCRCなら被験者や医師、製薬会社の調整役を担います。組織を通じて人間関係を広げられるのも企業薬剤師ならではの魅力です。
企業薬剤師に転職するデメリット
メリットの多い企業薬剤師ですが、事前に知っておきたいデメリットもあります。
デメリットを理解しないまま転職すると、入社後に「こんなはずでは」と後悔する原因になります。
企業薬剤師に転職するデメリット
一部では土日出勤や残業も多い
企業薬剤師でも、MRをはじめとする一部の職種では土日出勤や残業があります。
基本的には土日休みですが、MRのように相手先が土日営業している場合は、取引先に合わせた勤務になることがあります。
企業だから必ず土日休みと決めつけず、雇用条件をしっかり確認しましょう。
転勤・長期出張が多い職種もある
MRやCRAのように、転勤や出張が多い職種もあります。
これらが活躍する製薬会社は本社だけでなく地方に支社を構えるケースが多く、地方への出張や転勤が生じます。
大手製薬会社では全国転勤の可能性もあるため、転職前に転勤の有無を確認しておきましょう。

首都圏だけでなく、日本全国の地方都市に転勤となる可能性もあります。
転勤が難しい事情がある人は、応募前にしっかり条件を確認しておく必要がありますね。
未経験転職では年収が下がることも
高年収のイメージがある企業薬剤師ですが、未経験転職では入社直後に年収が下がる場合もあります。
転職では即戦力が求められるため、未経験や経験の浅い場合は等級が下からのスタートになり、給与も下がりやすくなります。
ただし未経験入社は今後の成長を期待された採用でもあり、活躍次第で昇給が可能です。
大手企業は中小企業より昇給のチャンスが多く、若手は昇給を見越した転職になりやすいです。
求められる能力が多い
企業薬剤師は、薬剤師としての専門知識以外にも幅広い能力が求められます。
コミュニケーション力や企画力、調整力、プレゼン力など、職種に応じて様々なスキルが必要になります。
向いていない職種に転職するとミスマッチを強く感じやすいため、自己分析で自分に合う職種を把握しておくことが大切です。
ルーティンワークになりやすい
企業薬剤師はデスクワークが中心で、一部の職種ではルーティンワークになりやすいです。
研究職や品質管理職は特定の業務を粘り強くこなす必要があり、同じ作業の繰り返しになりがちです。
新しいことに挑戦したい人には物足りなく感じる場合もあるため、自分に合う働き方かを整理しておきましょう。

企業薬剤師は職種によって向き不向きがはっきり出ます。
後悔しないためにも、転職前の自己分析でキャリアプランまで描いておくと安心ですよ。
企業薬剤師への転職を成功させる方法と注意点
企業薬剤師への転職を成功させるには、限られた求人のなかで戦略的に動くことが欠かせません。
調剤薬局などと違い企業薬剤師の求人はかなり少なく、仕事内容も大きく異なります。
準備不足のまま進めると、転職できてもギャップに苦しむ可能性が高まります。以下のポイントを押さえて進めましょう。
転職を成功させるポイント
情報収集を徹底する
企業薬剤師への転職では、入念な情報収集が欠かせません。
職種によって仕事内容や働き方が大きく変わるため、求人情報を丁寧に集める必要があります。
製薬か化粧品かなど、どの業界を選ぶかも今後のキャリアを左右するので、業界研究も進めましょう。
情報収集の主な方法
- 求人サイトの活用
- 転職エージェントの活用
- 企業のホームページ
- 業界研究本・ビジネス雑誌
- 企業のブログ・SNS
情報収集のやり方をもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
自己分析を深める
企業薬剤師を目指すなら、自己分析も徹底しましょう。
職種によって活かせるスキルが異なり、企業薬剤師になるとキャリアの選択肢も広がります。
自分がどんなスキルアップをしたいかを言語化しておくと、意思決定の傾向がはっきりし、早い段階で自己実現につながります。
自己分析の主な方法
- 自身への一問一答
- フレームワークの活用
- 自己分析ツールの活用
- 転職エージェントへの相談
自己分析のやり方に迷う人は、以下の記事もあわせて読んでみてください。
年収だけで選ばない
求人を探すときは、提示された年収だけで判断しないようにしましょう。
薬剤師は資格手当がついたり、大手なら食事補助や住宅手当が加算されたりします。
求人の給与額が低くても、諸手当を含めると月収が高くなるケースは少なくありません。
企業ごとに給与テーブルが違うため、長い目で見て生涯年収が高くなる場合もあります。手当や福利厚生まで確認し、目先の額面だけで選ばないことが大切です。

求人を早めに確認して動くのも成功のコツです。企業薬剤師の求人は数が少なく人気も高いですからね。
メーカーは中途を一括採用する場合もあるので、志望企業の採用情報はこまめに確認してくださいね。
転職エージェントを活用する
企業薬剤師を目指すなら、転職エージェントの活用が成功の近道です。
情報収集も自己分析も、転職のプロであるキャリアアドバイザーが客観的にサポートしてくれます。
とくに薬剤師に特化したエージェントなら、薬剤師の転職支援に慣れた担当者に頼れて、スムーズに進められます。
薬キャリエージェントやマイナビ薬剤師、ファルマスタッフといった薬剤師特化のサービスは、非公開求人や企業薬剤師の求人にも強みがあります。
まずは無料相談から始めてみましょう。
企業薬剤師の転職におすすめの転職エージェント
企業薬剤師への転職では、転職エージェントを使うほうが圧倒的に有利に進められます。
限られた求人のなかから自分に合う案件を見つけ、選考対策まで受けられるのがエージェントの強みです。利用するメリットを整理しました。
転職エージェントを利用するメリット
- 非公開求人や独自求人を紹介してくれる
- プロの視点で求人を選定してくれる
- 履歴書・職務経歴書を添削してくれる
- 面接対策を徹底してくれる
- 条件交渉を代行してくれる
- 入職までサポートしてくれる
とくに薬剤師特化のエージェントなら、薬剤師のスキルや経験を活かせる求人に出会いやすく、支援実績のある担当者のサポートを受けられます。
自分の市場価値を知り、ミスマッチの少ない転職を実現できます。
会員登録は無料で、まずは登録だけでも可能です。1度気軽に相談してみてください。エージェントの選び方や評判を知りたい人は、以下の記事も参考になります。
企業薬剤師に人気の企業ランキング
企業薬剤師に人気の勤務先は、製薬・化粧品・食品メーカーの大手企業に集まっています。
薬剤師に限定したランキングではありませんが、dodaの転職人気企業ランキング2025でも味の素が7位に上昇するなど、素材・化学・食品・化粧品メーカーは人気を集めています。
安定した経営基盤や福利厚生、世界水準の製品開発に携われる点が支持されています。
薬剤師の知見を活かせる代表的な大手企業を、業界別にまとめました。
| 業界 | 代表的な企業 |
|---|---|
| 製薬メーカー | 武田薬品工業、第一三共、アステラス製薬、中外製薬、大塚製薬 |
| 化粧品メーカー | 資生堂、花王 |
| 食品メーカー | サントリーホールディングス、味の素、明治 |
製薬会社では新薬開発で知られる企業が、化粧品や食品では女性の活躍を推進する企業が人気を集める傾向があります。
企業ごとの詳しい評判は、各社の記事もチェックしてみてください。

知名度のある大手以外にも、薬剤師を募集している優良企業はたくさんあります。
希望条件やスキルに合う企業を見つけたいなら、エージェントに相談すると効率的ですよ。
企業薬剤師に関するよくある質問
最後に、企業薬剤師についてよく寄せられる質問に答えます。
薬剤師が就職する大手企業はどこですか?
製薬メーカーでは武田薬品工業や第一三共、アステラス製薬、化粧品では資生堂や花王、食品ではサントリーや味の素などが代表的です。
薬剤師の専門性を活かせる大手が多くあります。
企業薬剤師は未経験でも転職できますか?
職種を選べば未経験でも可能です。MR・MSやMSL、品質管理、CRC、PVは未経験歓迎の求人が比較的多く狙い目です。
一方で開発職や研究職は経験者中心のため、未経験からの難易度は上がります。
化粧品会社で働く薬剤師の仕事は何ですか?
化粧品メーカーでは、研究職として新しい成分の開発や品質管理、薬事申請などに携わります。
高機能な美容成分の研究など、薬学の知識を美容分野で活かせる仕事です。
企業薬剤師の年収はどのくらいですか?
職種によって差があり、学術・メディカルサイエンスリエゾンで約750万円、薬事で約614万円が目安です。
薬剤師全体の平均約566万円を上回る職種も多くあります。
企業薬剤師は転職難易度が高いからこそ、多くの求人を見られる環境を整えることが大切です。
まずは薬剤師特化のエージェントに登録し、非公開求人を含めた選択肢を広げるところから始めてみてください。
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