薬剤師が転職で給与交渉を成功させる方法|失敗しやすいケースと注意点を解説

薬剤師が転職で給与交渉を成功させる方法|失敗しやすいケースと注意点を解説

    転職で年収アップを目指す薬剤師に向けて、給与交渉を成功させる方法を解説します。

    給与交渉で失敗しやすいポイントと対策、給与交渉に必要な準備も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

末永雄大 この記事を書いた人

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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薬剤師が転職で給与交渉はできる?

薬剤師の転職活動において、給与交渉は可能です。

専門性の高いスキルや実績をアピールできれば、企業側も優秀な人材を確保するために提示条件の調整をしてくれる場合があります。

ただし、企業・薬局によっては交渉が難しく、必ずしも希望額が通るわけではありません。

薬剤師の転職を成功させるために、あらかじめ給与交渉の実態を把握しておきましょう。

大手企業は給与テーブルが決まっていて交渉が難しい

大手調剤チェーンや製薬企業、大学病院などの大規模法人では、個別交渉による大幅アップは難しいケースがほとんどです。

特に上場企業は職位や経験年数に応じた給与テーブルが整備されており、個別に上げると他社員との整合がとれなくなります。

高いスキルや実績があっても、基本的には社内規定の昇給制度や賞与査定の枠内で待遇が決まるため、交渉できる余地は限定的です。

そのため、大手を志望する場合は「給与よりもキャリア形成」「福利厚生や安定性」を重視した判断が求められます。

中小規模の薬局は交渉可能なケースが多い

地域密着型の中小調剤薬局や個人経営のクリニック薬局では、経営者判断で給与アップが決まることがあります。

特に後任薬剤師の募集が難航している場合や、特殊なスキル・経験を持つ人材には、基本給の上乗せを提案されることが多いです。

また中小企業は面接段階でオーナーや経営責任者の同席が多く、交渉結果がその場で確定することもあります。

交渉する際に即戦力性を示す成果を提示できれば、オーナーや経営責任者との直接交渉を有利に進めやすくなります。

転職後に年収が上がったケースは多い

大手エージェント「マイナビ薬剤師」の転職後アンケートによると、転職で年収が上がった薬剤師の割合は65%にのぼります。

転職後の年収

  • 上がった:65%
  • 下がった:25%
  • 変わらず:10%

出典:マイナビ薬剤師

また、薬キャリエージェントの「薬剤師の転職実態調査 vol.2|年収」によると、転職によって年収が100万円上がった人が全体の4割近くを占めます。

薬剤師が転職の給与交渉によって年収を50~100万円増やすことは、決して不可能ではありません。

給与交渉をする際に自分の保有スキルや実績をうまくアピールできれば、年収100万円以上アップも狙えます。

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転職で年収アップができない人は、「働ける時間が限定的」「職歴が多い」「現状の年収が非常に高い」などが該当します。

薬剤師におすすめの転職サイト・エージェントを知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

薬剤師の転職で給与交渉が成功しやすいケース

薬剤師の転職で給与交渉を成功させるには、相手が交渉に前向きになりやすいケースを押さえておく必要があります。

ここでは、希望額に近い条件を引き出しやすい3つのケースを紹介します。

人手不足が続いている

離職率が高い店舗や開業ラッシュで人手が追いつかない地域では、薬剤師の採用ニーズが強く、給与の交渉余地があります。

特に地方や郊外の調剤薬局、夜間対応クリニック、在宅医療を強化したい病院などでは、人材確保が喫緊の課題となっています。

人手不足が長期化すると機会損失が大きいため、急ぎで採用したい店舗ほど提示額を上積みしやすいです。

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求人情報に「急募」「常勤薬剤師1名募集」とだけ記載されている場合は、交渉余地が大きいです。

即戦力として期待されている

即戦力として期待される薬剤師は、教育コストの削減につながるため、給与交渉によって相場以上の報酬が提示されることもあります。

即戦力として認められるのは、在宅医療、抗がん剤調整、透析室管理などの高度な専門スキルを持つ薬剤師です。

認定薬剤師や管理薬剤師であれば、入社後すぐに戦える人材として企業側から高く評価され、希望額が通りやすくなります。

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特殊スキルや実績のある人は、面談時に具体的な事例や数値を示しながら交渉材料として活用するのがおすすめです。

複数の内定を持っている

複数社から内定を受けている状況を示すと、採用側は「競合に人材を取られたくない」と考え、給与を上乗せしてくる可能性があります。

ただし露骨なつり上げ交渉は信用を失うので、強気すぎる態度は控えたほうが無難です。

希望額の根拠を明示し、他社と比較検討している事実を示せば、双方が納得する落としどころを見つけやすくなります。

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複数の内定を持つ場合は、スケジュール管理と内定取り消しリスクにも注意して交渉を進めましょう。

給与交渉に定評がある薬剤師専門のエージェントを利用すれば、交渉成功率がさらに上がります。

薬剤師の転職で給与交渉を成功させるための準備

薬剤師が転職で給与交渉を有利に進めるには、入念な準備が欠かせません。

ただ希望額を伝えるだけでは説得力に欠けます。相手企業に自分の採用にはメリットがあることを示しましょう。

ここでは、給与交渉を成功させるために欠かせない3つの準備を紹介します。

業界の相場を把握する

薬剤師の転職で給与交渉をするには、事前に同業界・同エリアの相場をリサーチしておくことが重要です。

相場感を知らずに高額な提示すると説得力を失い、逆に安く見積もると交渉の余地を狭めてしまいます。

事前に平均値を理解し、無理な金額提示を避けることで、交渉の成功率が上がります。

薬剤師業界の相場を把握する方法

  • 求人サイトの公開データ
  • 厚労省統計
  • 転職エージェントが保有する非公開の年収レンジ

薬剤師は転職希望先の業種(調剤薬局、病院、製薬企業、ドラッグストアなど)や地域によって給与水準が大きく異なります。

都市部と地方では100万円以上の開きがあるケースも珍しくありません。

そのため相場を調べる際は、転職先の業種や地域、自分と同じ経験年数・役職クラスの相場の把握が大事です。

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交渉のスタートラインは、同エリア・同業態の年収相場より10〜15%高い額が目安です。


この目安なら相場から大きく外れず、交渉余地を残した提示が可能になります。

以下の記事では薬剤師の平均的な年収相場を職場・職種・年齢別にまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

自分のスキルや経験を整理する

転職時の給与交渉を成功させるには、自己分析が欠かせません。

自己分析をしてスキルや経験を整理し、給与アップの根拠を明確に示せば、相手企業を納得させられます。

スキルや経験を整理する際は、募集要項にマッチするスキルや、数値で示せる成果をピックアップするのがポイントです。

具体例

  • 過去の勤務先での処方枚数
  • 在宅訪問件数
  • 新人教育の定着率
  • 薬歴入力の効率化時間

過去の成果を数値化すれば、自分の市場価値を効果的にアピールでき、説得力が倍増します。

給与交渉のシミュレーションをおこなう

実際の面接や面談で緊張せずに給与交渉ができるよう、事前にシミュレーションをしておくのも大切です。

実際の交渉では即断即決の場面が多いので、質問への回答を準備しておくと焦らずにすみます。

「なぜその額を希望するのか」「どのような成果を出せるか」といった返答を想定して、答えるパターンをいくつか用意しておくと安心です。

また交渉に応じてもらえなかった場合のセカンドプランも考えておくと、スムーズに代替案を提示できます。

末永雄大 末永

家族や友人、エージェント担当者に面接官役を依頼して、質問への回答を反復練習しておくと、自信を持って交渉に臨めますよ。

薬剤師の転職で給与交渉を成功させる方法

薬剤師の転職で給与交渉を成功させるためには、職場・業種選びの段階から対策が必要です。

ここでは、実際に給与交渉を成功させた事例が多い5つの方法を紹介します。

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複数の戦術を組み合わせて戦略的にアプローチすれば、交渉の成功率が高まりますよ。

一人薬剤師の職場を狙う

在籍薬剤師が1人しかいない「一人薬剤師体制」の職場は、給与交渉が成功しやすい職場です。

薬剤師が一人だけの店舗や診療所は、業務負担と責任が大きい分、基本給が高く設定される傾向にあります。

また管理薬剤師が不在で調剤業務から在庫管理までを担うケースでは、オンコール手当や各種特別手当を上乗せしてもらえる可能性があります。

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オンコール待機料や在宅インセンティブを個別交渉で上積みすれば、年収50万〜120万円アップも可能ですよ。

勤務条件を柔軟にする

勤務条件を指定せずに交渉すると、基本給や各種手当を優遇してもらえる可能性があります。

企業が最も悩むのは、人手が集まりにくい曜日・時間帯の穴埋めなので、土日・夜間勤務を受け入れると給与交渉が成功しやすいです。

たとえば「土曜フルタイムOK」「19時以降も対応可能」など、柔軟な勤務条件にすれば、給与の上乗せを引き出しやすくなります。

特に深夜・早朝シフトは時給が1.25〜1.5倍になるケースが多く、大幅な手取り増につながる可能性があります。

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総労働時間を増やさなくても、勤務する時間帯や曜日を変更するだけで年収アップを狙えますよ。

ポジションアップで基本給を上げる

年収アップの近道は、役職そのものを上げることです。

以下のようなポジションを狙えば、基本給の底上げ交渉が可能です。

  • 管理薬剤師
  • 教育担当
  • 在宅医療リーダー
  • 研修責任者
  • エリアマネージャー

上記のようなポジションになると、基本給に加えて役職手当が支給され、賞与も高く設定されます。

過去に管理業務の経験がある場合は、担当したエリアの店舗数や売上改善実績などを示すと、交渉を有利に進められます。

実績をアピールしたうえで組織運営への貢献度をアピールできれば、ポジション付き内定が出やすく、ベースアップできる確率が高まります。

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「入社後◯ヶ月で店舗運営指標を◯%改善する」というように、具体的な数値でロードマップを提案するのが効果的ですよ。

年収が高い業種に転職する

薬剤師は職種によって平均年収が異なるため、基本給が高い業種を狙うのも1つの方法です。

薬剤師業界で最も年収が高いのは、製薬会社とドラッグストアです。

業種別の平均年収

  • 製薬会社:431.1万~664.4万円
  • ドラッグストア:446.5万~594.3万円
  • 調剤薬局:428.7万~596.3万円
  • 病院薬剤師:401.4万~542.2万円

出典:マイナビ薬剤師

病院や調剤薬局に勤めている薬剤師が製薬会社とドラッグストアに転職すれば、年収100万円アップも不可能ではありません。

特に製薬企業の開発職は年収レンジが高めに設定されており、調剤薬局と比較して年収が100万〜300万円ほど高くなります。

自分のキャリアビジョンと合う業種・職種を選び、語学力や統計解析などの追加スキルを交渉材料に加えれば、年収の大幅アップも可能です。

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転職まで時間の余裕がある場合は、資格やスキルを取得してから応募したほうが、給与交渉で成功しやすいですよ。

転職サイト・エージェントを活用する

給与交渉を進めるのが不安な薬剤師は、転職サイト・エージェントを活用し、プロに交渉を代行してもらう方法が有効です。

エージェントは企業ごとの給与テーブルや過去の交渉事例を把握しており、各職場の交渉余地を認識しています。

内情を熟知している代理人が相場情報と実績をもとに給与交渉すれば、条件を引き上げられる可能性が高まります。

薬剤師専門の転職サイト・エージェント

  • 薬キャリエージェント
  • マイナビ薬剤師
  • レバウェル薬剤師
  • ファルマスタッフ

末永雄大 末永

交渉を代行してくれるとはいえ、担当者にサポートしてもらうには、日頃から良い関係性を築くことが大切です。


こまめに連絡のやり取りをするなど、普段からスムーズなコミュニケーションを心がけましょう。

転職サイト・エージェントの使い方や選び方を詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。

薬剤師の転職で給与交渉をする際の注意点

給与交渉は年収を上げるチャンスですが、やり方を間違えると採用自体が取り消しになるリスクがあります。

ここでは、給与交渉をする際に気をつけるべき3つのポイントを解説します。

強気すぎる交渉は失敗しやすい

年収を高く提示したいあまり強気すぎる交渉をすると、「常識をわきまえない」とネガティブな評価をされかねません。

医療現場はチームワークが不可欠であり、交渉時の態度も合否判断の大きな要素になります。

そのため歩み寄りを示さないと「協調性がない」と評価され、内定自体が白紙になる可能性があります。

特に大手チェーンや上場企業では給与テーブルが厳格に設定されており、交渉余地が限られているため、強気な交渉は控えたほうが無難です。

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最初から大きい額を提示するのではなく、相手の反応を見ながら小刻みに条件を引き上げる段階的な給与交渉が効果的ですよ。


基本給だけでなく、福利厚生や資格手当など別項目での上乗せを提案するなど、柔軟な交渉を心がけましょう。

経歴やスキルに見合わない年収を提示しない

自分のキャリアや資格、実績を過大評価した希望年収を掲げると、面接官に「本当にそのスキルがあるのか」と疑念を抱かせてしまいます。

たとえば在宅医療経験が1年未満なのに、在宅専門薬剤師並みの年収を要求すれば、信用を損ない、交渉余地を狭めてしまいます。

給与交渉する際は、履歴書や職務経歴書に記載した実績と希望額に齟齬がないようにするのがポイントです。

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過去の処方枚数や研修講師実績、管理薬剤師としての店舗数など、具体的な数字を根拠に年収アップを訴えることが重要です。

希望年収に固執しすぎない

希望年収にこだわり過ぎると、交渉決裂や最終的な内定辞退につながるリスクがあります。

企業側には予算やポスト、組織全体の給与バランスといった制約があるため、希望年収が高すぎると受け入れられません。

そのため希望年収に固執せずに、固定給以外の手当・休日・勤務地も含めた全体的な待遇で交渉するのが得策です。

たとえば、基本給が希望額に届かなくても、住宅手当や残業代支給などの条件を変えれば、手取り金額が大きく変わります。

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福利厚生や賞与、時短勤務などを含めた総合的な勤務環境を考慮すると、お互い納得できる契約が結びやすいですよ。

薬剤師転職の給与交渉によくある質問

薬剤師が転職で給与交渉をする際に、よくある質問と回答をまとめました。

転職時の給与はいくらまで交渉できる?

薬剤師の転職で給与交渉ができる金額は、相場+100万円程度が現実的な上限です。

ただし管理薬剤師経験や専門認定資格、在宅立ち上げ実績などがある場合は、さらなる上乗せが可能です。

逆に経験年数が浅い、もしくはブランクがある場合は、相場と同水準をゴールと設定し、昇給・賞与で巻き返す計画を立てるほうが現実的です。

薬剤師が転職を成功させる方法は、下記の記事で詳しく解説しています。

転職時に給与交渉をおこなうベストタイミングは?

給与交渉の最適なタイミングは、内定の連絡を受けた直後です。

最終面接後に企業から内定条件通知書や口頭オファーを受けた直後は、採用側の熱量が最も高いので、条件調整がしやすくなります。

一方で内定前の駆け引きは企業側の意向を固めづらく、他の候補者との比較材料として扱われやすいので、交渉は避けたほうが無難です。

薬剤師が一番稼げる職場はどこ?

薬剤師の年収が高い職場は、以下のとおりです。

  • 製薬企業のMR(医薬情報担当者)・MS(医薬品卸販売担当者)
  • CRO(臨床開発機関)
  • 病院の専門薬剤師
  • 在宅訪問薬剤師
  • 研究開発職

上記の職場は専門知識やスキルが高度に求められるため、初年度から600万〜800万円台のオファーが出るケースも珍しくありません。

一方、調剤薬局やドラッグストアでも、管理薬剤師や店舗責任者として複数店舗を統括する立場に就くと、年収アップのチャンスが広がります。

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