【スタートアップ転職】現場のリアルとキャリアへの影響を総まとめ!何歳まで転職できる?

スタートアップ転職のリアルをプロが暴露!リスクや魅力は?何歳まで転職できる?

    「スタートアップへの転職を考えているがちょっと不安」「スタートアップはやめとけと聞くけどなぜだろう」など様々な疑問があると思います。

    結論、スタートアップ転職はお勧めできますが、人によっては向いておらず短期離職の可能性もあります。ここでは、スタートアップ転職について転職エージェントが解説します。

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末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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そもそもスタートアップ企業とは?

スタートアップ企業とは、今までの常識を覆す革新的なビジネスモデルやプロダクトを持ち、短期間での急成長を目指す企業のことです。


その目標は、市場を一変させる新しい価値を創ることにあり、収益よりもサービス拡大を最優先し、投資家からの資金調達をメインとしながら、赤字も恐れない成長戦略が特徴です。


スタートアップ企業から大手企業になった例を挙げると、従来のオークション方式を一変させたメルカリや、東日本大震災の教訓から従来の連絡方法を変えたLINEなどがあります。これらの企業は今でこそ大企業ですが、当時はスタートアップ企業と考えられていました。

ベンチャー企業との違いは?

ベンチャー企業は、既存のビジネスモデルをベースにしながら、スピーディかつ柔軟な経営で差別化を図る企業です。


ビジネスの基盤があるため、比較的早い段階から安定した収益を得やすく、銀行融資や補助金などを活用しながら中長期的な成長を目指します。


つまり、革新性と短期での圧倒的なスケールを追求するのがスタートアップであり、既存市場の中でフットワークの軽さを活かした成長を目指すのがベンチャー企業と理解していただくと明確です。

あなたはスタートアップに向いている?

スタートアップへの本格的な転職活動を始める前に、まずはこちらのチェックリストで適性を調べてみてください。

  1. 変化の多い環境に柔軟に対応できる
  2. 未経験の課題にとりあえず挑戦できる
  3. 成長のためのリスクを受け入れられる
  4. 新しい知識を積極的に学び続けられる
  5. マニュアルがなくても自分で仕事を作れる
  6. 自分の仕事以外にも積極的に関われる
  7. 指示待ちではなく自ら提案・実行できる
  8. チームの目標を最優先に考えられる
  9. 失敗を恐れず、すぐに次に活かせる
  10. 変化をポジティブに捉えられる
「はい」が 8~10個

ポテンシャルは極めて高い!即戦力として活躍できる可能性大


あなたはスタートアップ企業が最も求める人材像と非常に高いレベルで一致しています。変化に対する高い適応力、未知への挑戦意欲、そして自律的な行動力を兼ね備えているため、企業の立ち上げフェーズや急成長期において即戦力として活躍できるポテンシャルを秘めています。


スタートアップでは、変化を楽しみ、自ら仕事を作れる人材が求められます。あなたの意欲があれば、従来の年功序列では得られないスピードでキャリアアップし、経営に近いポジションで大きな裁量権を得られるでしょう。

「はい」が 4~7個

適性は十分あり!企業選びと目標設定が成功の鍵


あなたはスタートアップで求められる資質を部分的に持っています。特に「はい」と答えた項目はあなたの強みとして活かせますが、「いいえ」とした項目が、変化や不確実性への耐性あるいは自律性に関わる場合は、入社後のギャップを感じる可能性があります。


対策としては、企業選びを慎重に行うことです。創業初期よりも、ある程度組織体制が固まり、事業が安定し始めたフェーズの企業を検討すると、あなたの強みを活かしつつ適応期間を設けやすいでしょう。まずはご自身のキャリアの軸とスタートアップで達成したい目標を明確にすることが重要です。

「はい」が 0~3個

ベンチャー企業なども視野に、慎重な検討を推奨します。


現在の傾向を見る限り、スタートアップ企業の不確実性が高くスピード感のある環境は、ストレスやミスマッチにつながる可能性があります。特に安定志向やチームプレイへの苦手意識が強い場合、スタートアップ特有の全員野球の文化や頻繁な方針変更についていけないかもしれません。

【転職のプロが暴露】スタートアップ企業の厳しいリアルとフェーズ

近年スタートアップ企業が人気ですが、ここでは改めてメリットとリスク、そして実態を確認してみましょう。

スタートアップ転職のメリット・リスク

メリット スタートアップ転職のメリット

  1. 圧倒的な成長スピード
  2. 年収アップの可能性
  3. 裁量権の大きさ

スタートアップでは「裁量権が大きく」「成果主義な環境」なことが多いです。だからこそ働けば働くほど年収アップにもつながるし、自己成長にとっても良い環境と言えるでしょう。

実際に、スタートアップでは大手企業なら5〜10年かかるキャリアを2〜3年で積めると私は考えています。

デメリット スタートアップ転職のリスク

  1. 労働時間の実態
  2. 事業の不安定さ
  3. 成果主義の環境

スタートアップでの平均残業時間は月60〜80時間で、これは大手企業の平均残業時間(月25時間程度)を大きく上回ります。

また事業自体が不安定である事も多く、事業縮小や人事異動に巻き込まれるリスクもあります。

成果主義の環境だからこそ成果を出せば給料に反映されますが、出せなければ相応のリスクも背負っているという事実も忘れてはいけません。

末永雄大

末永

メガホン ストックオプションの罠

多くのスタートアップが魅力として打ち出すストックオプションですが、実際に利益を得られる可能性はかなり少ないのが実態です。


IPOや売却により大きな利益を得られるのは、ごく限られた企業のみです。

スタートアップのフェーズとは

スタートアップは成長段階によって「フェーズ」が分かれており、それぞれ働き方や待遇が大きく異なります。

転職先を検討する際は、企業名だけでなく「今どのフェーズにいるのか」を確認することが重要です。

①シード期

事業アイデアの検証段階。プロダクトは未完成で売上もほぼなく、社員数は創業メンバー含め数名程度です。

②アーリー期(シリーズA)

初期顧客が付き始め、数億円規模の資金調達を実施。本格的な採用が始まり、社員数は10〜30名程度になります。

③ミドル期(シリーズB〜C)

事業モデルが確立し急成長フェーズへ。数十億円規模の調達を経て組織化が進み、社員数は50〜200名程度です。

④レイター期(シリーズD以降)

IPOや大型M&Aを視野に入れた段階。売上・組織ともに安定し、大手企業に近い体制が整います。

フェーズが進むほど給与や安定性は高まりますが、裁量や成長機会は減少する傾向にあります。

【フェーズ別】スタートアップ実態早見表

ここでは各フェーズの給与・残業・リスク・向いている人の傾向をまとめました。

フェーズ 給与水準 残業時間の目安 倒産・縮小リスク 向いている人
シード期 ▼ 低め
前職より年収ダウンの可能性が高い。ストックオプションで将来リターンを狙う形が一般的。
多め
月50〜80時間以上になることも。業務範囲が広く、深夜・休日対応も発生しやすい。
高い
事業が軌道に乗らず撤退するリスクあり。資金ショートの可能性も。
・不確実性を楽しめる人
・0→1の立ち上げに興味がある人
・指示待ちではなく自走できる人
・生活コストを抑えられる人
アーリー期 △ やや低め
年収維持〜微減が目安。スキルや交渉次第で維持も可能。
やや多め
月40〜60時間程度。繁忙期は増えるが、裁量で調整できる企業も多い。
中〜高
PMF(プロダクトマーケットフィット)未達成なら縮小リスクあり。
・仕組みを作ることにやりがいを感じる人
・曖昧な状況でも前に進める人
・複数業務を並行できる人
・成長環境を重視する人
ミドル期
(シリーズB〜C)
○ 中程度
前職と同等〜やや上も可能。マネージャー以上は年収アップ事例も多い。
中程度
月30〜50時間程度。組織化が進み、役割分担が明確になる。
中程度
事業は安定傾向だが、競合激化や市場変化による影響を受けることも。
・専門スキルを活かしたい人
・組織づくりに関心がある人
・裁量と安定のバランスを求める人
・将来のCxOポジションを狙う人
レイター期
(シリーズD以降)
◎ 高め
大手並みの給与水準。年収アップでの転職も十分可能。
少なめ
月20〜40時間程度。働き方改革が進み、大手と遜色ない企業も多い。
低め
IPO準備中または上場済み。事業基盤は安定している。
・経験やスキルを活かしたい人
・ワークライフバランスも重視する人
・スタートアップ文化を体験してみたい人

出典:リクルート「スタートアップへの転職動向2024」、中小企業白書(2017年)、帝国データバンク、各種転職メディア調査をもとに作成

末永雄大

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メガホン ワンポイントアドバイス

上記はあくまで「傾向」であり、同じフェーズでも企業ごとに大きく異なります。


とくに給与・残業は業界や職種によっても変わるため、必ず個別企業の情報を確認してください。

スタートアップ企業を選ぶ基準・転職のタイミング

スタートアップへの転職を成功させるには、企業選びの基準と転職のタイミングが重要です。

ここでは、転職で後悔しないための具体的な判断軸を紹介します。

スタートアップ企業を選ぶ5つの基準

スタートアップは企業ごとの差が大きいため、以下の5つの基準で見極めることが大切です。

スタートアップを選ぶ5つの基準

  1. 事業内容・市場の成長性:解決する課題が明確で今後伸びる市場か

  2. 経営者のビジョンと実績:経歴や考え方に共感できるか

  3. 資金調達状況・財務健全性:調達額や投資家の評判はどうか

  4. 組織文化・働き方:リモート可否、残業実態、評価制度が合うか

  5. 自分の役割・成長機会:強みを活かせるポジションか

スタートアップ転職に適したタイミング

スタートアップへの転職は、タイミングによって成功率や得られる経験が変わります。

メリット 転職に適したタイミング

  1. 現職で一定の実績を出した後:成果を言語化でき、面接でのアピール材料になる

  2. ポテンシャル採用される期間:30代前半までは未経験領域でもポテンシャル採用されやすい

  3. ライフイベントの前後以外:結婚・出産・住宅購入の直後は収入変動リスクを取りづらい

  4. 景気が良く採用が活発な時期:資金調達環境が良いと採用枠も広がりやすい

デメリット 避けた方が良いタイミング

  1. 現職で成果が出ていない・短期離職になる場合

  2. 転職理由が「逃げ」だけで、次に何をしたいか不明確な場合

  3. 家族の理解を得られていない場合

スタートアップには「何歳までなら転職できる」という制限はないですが、フェーズによっておすすめの年齢は異なります。

例えば、子供がいて安定した給与が必要という人がシード期のスタートアップに転職するのはお勧めできません。

自分自身のプランと照らし合わせて最適なスタートアップを探しましょう。

転職前に確認すべきチェックリスト

スタートアップへの転職を決める前に、以下の項目を確認しておきましょう。

企業について

  • 事業内容と市場の成長性を理解しているか
  • 経営者の経歴・ビジョンに共感できるか
  • 直近の資金調達状況を把握しているか
  • 現場社員から働き方のリアルを聞けたか
  • 入社後の役割と期待値が明確か

自分自身について

  • なぜスタートアップに行きたいのか言語化できているか
  • 年収ダウンや不安定さを許容できるか
  • 家族やパートナーの理解を得られているか
  • 最悪のケース(倒産・解雇)も想定できているか
  • 3年後・5年後のキャリアイメージがあるか
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末永

メガホン ワンポイントアドバイス

スタートアップ転職で失敗する人の多くは、企業の「良い面」だけを見て決めてしまいます。


華やかなイメージに惹かれるのは自然なことですが、リスクも含めて納得した上で決断することが、後悔しない転職につながります。


判断に迷う場合は、スタートアップ転職に詳しいエージェントに相談するのも一つの手です。

スタートアップ転職で求められる人材

スタートアップでは、大手企業とは異なるスキルやマインドが求められます。

スタートアップで求められる5つの特徴

  1. 自走力:少人数で業務が回るため、指示を待たず自ら動ける人が重宝される

  2. 曖昧さへの耐性:ルールや正解がない中でも前に進む必要があるため

  3. 学習スピード:事業の変化が早く、未経験領域も短期間で習得する必要があるため

  4. 当事者意識:「誰かがやる」ではなく「自分がやる」姿勢が成果に直結するため

  5. 柔軟性:役割や方針が頻繁に変わる環境に適応できる人が活躍しやすいため
末永雄大

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メガホン ワンポイントアドバイス

スタートアップの面接では「何をやったか」より「どう考えて動いたか」を深掘りされます。


華々しい実績がなくても、自分で考えて行動した経験を具体的に語れる人は高く評価されます。

スタートアップ転職を成功させるには

スタートアップ転職には、華やかなイメージの裏に隠れた厳しい現実があるので、リスクと自分との適性を理解して進めましょう。

ポイントは以下の通りです。

スタートアップ転職成功の鍵

  1. 企業の成長段階と財務状況を正しく把握する
  2. 労働条件を面接で必ず確認する
  3. 3〜5年後の明確なキャリアプランを持つ
  4. 転職エージェントから内部情報を収集する
  5. リスクを理解した上での強い転職意志を持つ

スタートアップ転職は「向いている人には最高の環境、向いていない人には地獄の環境」と言えます。

末永雄大

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メガホン スタートアップ転職を考えているあなたへ

今回お話しした内容は、転職サイトや企業の採用ページでは絶対に語られない現実なので、スタートアップ転職を検討されている方は必ずリスクを理解した上で判断してください。


スタートアップ転職のリアルをもっと詳しく知りたい方、転職で失敗したくない方は、転職のプロにご相談ください。


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スタートアップ企業に関連する質問

おすすめのスタートアップ企業はありますか?

SaaS系のマネーフォワードfreeeSanSanなどの企業は、その業績や働く人に聞いたやりがいなどを含めて、非常にお勧めできます。


ただし、これらの企業はスタートアップの中でもかなり規模が大きいものになっています。もしあなたが「もっと規模の小さいスタートアップが良い」「今の仕事を活かせるスタートアップが良い」など考えているのであれば、スタートアップ企業と多くのコネクションを持つすべらないキャリアエージェントであれば、条件にあう企業を紹介できます。


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スタートアップ企業の平均年収は?

日本経済新聞社がまとめた2023年「NEXTユニコーン調査」によると、スタートアップ企業の平均年収は710万円です。特に、創薬分野や研究開発の企業が高い年収になる傾向があるようです。


東京商工リサーチによると、上場企業の2022年度の平均年収は620万円のため、スタートアップ企業の方が8%上回る水準です。今後も上場企業と引けを取らないスタートアップ企業の活躍があると推測されます。

スタートアップ企業の離職率は?

2024年8月に厚生労働省が発表した「雇用動向調査」では、スタートアップ企業に多い、人数が5〜29人の企業の離職率は15.6%、30~99人の企業では、16.0%でした。


比較対象として、1000人以上の大手企業の離職率は14.2%なので、スタートアップ企業の離職率が特別高いわけではなさそうです。

大企業からスタートアップに転職するのはキャリア的にどう?

結論、人によります。大手と比べて、スタートアップは環境が何も整っていないに等しいため、泥臭くいろんな仕事をする必要もあります。


受け身ではなく、環境・成果を自分で形作りたいという方は成功するでしょう。また、1人あたりのインパクトも大きいため、介在価値や貢献実感を感じたいという人にも向いていると考えられます。

スタートアップに転職するのに年齢は関係ある?

多少の関係はあると思いますが、気にするほどのことではないと考えます。


立ち上げフェーズの会社は売り上げを作り出すことに全集中しているため、ラーニングコストをいかに抑えて成果コミットできるかを優先しているフェーズと言えるでしょう。だからこそ、即戦力やある程度自走できる人材を取ることが重要となるため、年齢層が高くても比較的転職はしやすいといえます。


また、若手も自分で学ぶ姿勢がある人であれば、年齢や経験に関係なく転職できることが多いです。

未経験でもスタートアップに転職できますか?

職種によっては可能です。特に営業職やマーケティング職では未経験歓迎の求人も多くあります。ただし、基礎的なビジネススキルと強い学習意欲、そして厳しい環境でも頑張れる精神力が必要です。

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