人手不足で有給が取れないのは違法?対処法や転職する際の注意事項を解説!

人手不足で有給が取れないのは違法?対処法や転職する際の注意事項を解説!

    人手不足の会社で有給が取れないときの対処法を徹底解説します。

    また、転職する際の注意事項や覚えておくべき知識について現役転職エージェントの目線から紹介します。

    労働問題を相談できる組織や、転職理由の伝え方まですべてまとめました。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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人手不足で有給が取れないのは違法?

有給が取りたかったのに、人手不足だからと断られてしまった…。そんな時、法律では有給についてどのように定められているのか気になりますよね。

結論、雇用側が人手不足を理由に有給希望を断るのは違法です。

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基本的に、雇用側が合理的な理由なく有給取得の申し出を断った場合、労働者は労働基準監督署に届け出る権利があります。


そこで違反が確認された場合、会社には是正勧告や罰金などの懲罰が課せられます。

パートやアルバイトであっても有給が付与されます。1年間の労働日数によって有給休暇の付与日数が変わるため、気になる方は厚生労働省のHPを参照してみてください。

ただ、例外的に雇用側が有給の付与を拒否できるケースがあります。

それは、時季変更権が適用される場合です。

この時季変更権について、以下で詳しく紹介していきます。

時季変更権とは?当てはまるケースを解説

時季変更権とは、従業員の有給取得により事業運営が妨げられる場合に、会社側が有給付与を拒否できる権利です。

具体的には、以下のようなケースで時季変更権が認められています。

  • 同日に複数人から有給希望があった場合
  • 研修期間中の有給取得
  • 長期間の有給取得

会社側で代わりの人員が確保できるかどうか、事業運営に支障をきたすかどうかの2点が判断基準となります。

人手不足の場合、基本的には会社側に人員の補充をする義務がありますが、短期間の人手不足であれば時季変更権が認められます。

時季変更権を理由に有給が取れない場合は、いつであれば有給が取れるのかを上司と確認しておきましょう。

この際、常に有給が取れない状況であれば違法である可能性が高いため、これから紹介する対処法を参考にしてみてください。

人手不足で有給が取れない場合の対処法5選

人手不足で有給が取れない場合の対処法は以下の5つです。

行政に相談する

労働基準法に明らかに反する行為が社内で行われている場合は、行政の窓口に相談しましょう。指導が入った場合は、労働体制の是正勧告や罰金が会社に課せられます。

労働基準監督署に直接向かう方法だけでなく、相談コーナーの利用や匿名での通報も可能です。

労働基準行政の主な窓口を以下の表にまとめました。

主な相談窓口 受付内容
労働基準監督署 賃金、労働時間、解雇などの法令違反
所在地一覧
総合労働相談
コーナー
法令に直接違反しない労働条件変更・解雇
労働問題について相談したいが、どの分野に該当するか分からない場合
所在地一覧
労働条件相談
ほっとライン
違法な時間外労働・過重労働による健康障害・賃金不払残業などの労働基準関係法令に関する相談
・電話番号:0120-811-610
関連サイト
労働基準
関係情報
メール窓口
労働基準法などの違反が疑われる事業場の情報提供(匿名可)
情報提供フォーム

弁護士に相談する

人手不足で有給が取れないだけでなく、パワハラや残業代の未払いがある場合は、弁護士に相談するのが望ましいです。

弁護士に相談すると、証拠集めのアドバイスから会社との交渉までを一貫してプロに任せることができます。

デメリットは高い費用がかかってしまう点ですが、相談内容によって見積もりは変わります。気になる方は弁護士に相談してみましょう。

初回無料相談ができる事務所が増えてきているため、対面や電話で気軽に相談することができますよ。

弁護士選びの際の注意点

  • 雇用トラブルに関する案件の実績があるか
  • 他事務所と見積もりを比較した上で、納得できる費用か

人手不足で有給が取れない場合、労働トラブルに詳しい弁護士に依頼するのが望ましいです。その際、実績はしっかり確認しましょう。

社内の相談窓口を利用する

社内に相談窓口が設けられている会社は多いです。

相談窓口を通して人事などの他の部署に相談すると、人員の補充が行われるかもしれません。

また、労働組合が社内にある場合は、組合を通して不満を直接上層部に伝えることができます。

労働組合とは、以下のような役割を持つ組織です。

労働組合は「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」、すなわち、労働者が団結して、賃金や労働時間などの労働条件の改善を図るためにつくる団体です。

厚生労働省

労働組合が社内にない場合でも、従業員が複数人集まれば届出無しで自由に結成することが可能です。

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「直属の上司には有給希望を却下されてしまったけれど、上層部に相談したら受理された」というケースもあるので、こうした社内組織は活用しましょう。

上司に直接相談する

「人がいないから有給は取れない」と言われてしまっても、改めて上司に相談してみるのは1つの手です。

「なぜ有給が取れないのか?」などの理由まで上司に尋ねると、それまで見えていなかった上司の視点が見えてくるかもしれません。

上司にとっても、人手不足で部下に有給休暇を取らせることができない状況は不本意でしょう。

相談することで、組織全体の業務量や有給制度に関してしっかり理解できますよ。

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上司に直接不満を伝える場合は、事前に労働基準法に関してしっかり勉強しましょう。


法的な根拠なく意見を主張してしまうと、無意味に自分の印象を悪くすることに繋がってしまいます。

転職をする

人手不足は、社員1人で解決するのは非常に難しい問題です。

基本的には労働環境が整備されている会社に転職する方が簡単です。

人手不足改善の目処が立っておらず、違法な労働制度が常態化している場合は転職を検討しましょう。

労働環境が整っているか、有給が取りやすい雰囲気かどうかといった情報はなかなか求職者のもとに届きにくいです。

そこでおすすめなのは、転職エージェントの利用です。

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採用担当者と直接連絡を取ることができる転職エージェントは、労働時間や業務量の実態といった企業の詳細な情報を把握しています。


そのため、エージェントを利用することで効率的に有給が取りやすい会社を探すことができますよ。

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転職を決断した後の注意点

基本的に、現在の職場での退職手続きと転職活動は並行して行うことになります。

そのため、この期間は行うべき手続きや意思決定が重なり、非常に忙しくなることが予想されます。

そこで、退職手続きと転職活動における注意点をまとめました。

退職手続きの際に気をつけること

退職後の不要なトラブルを避けるためにも、円満に現在の勤務先を退職するのが望ましいです。

そのため、以下の3点に気をつけて退職手続きを行いましょう。

  • 明確で合理的な退職理由を用意する
  • なるべく早く退職意思を伝える
  • 引き継ぎを不足なく行う

どれも重要ですが、特に1つ目の「明確で合理的な退職理由の用意」は忘れないようにしましょう。

なぜなら、人がいないから有給が取れない状況で退職を切り出すと、引き止められてしまうケースがあるからです。

「有給が取れないため」と直接的に理由を言ってしまうと、「有給さえ取れれば辞めないのか」と捉えられる可能性があるため、周囲が十分納得できるような理由を用意しておきましょう。

また、無断欠勤や無断退職といった行為は、訴訟等のトラブルの原因になるため避けましょう。

転職活動の際に気をつけること

退職してしまうと、キャリアに悪影響を及ぼすのではないかと心配になる人もいるでしょう。

そこで、転職活動を成功させるために気をつけるべきことを以下にまとめました。

  • 1人で決断しない
  • 面接では退職理由の伝え方に注意する

転職は、自身のキャリアに傷をつける可能性がある決断です。十分に検討し、他の人のアドバイスを受けるようにしましょう。

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これまで違法な労働制度に従って働いていた場合、転職先をフラットな目線で比較するのが難しい傾向にあります。


なぜなら、前職と比較して転職先を選ぶため、転職先に求める条件の基準が低くなってしまいがちです


必ず労働基準法を確認したり、信頼できる人に相談しましょう。

また、人手不足で有給が取れないという理由で退職した場合、採用面接で聞かれる「前職の退職理由」は伝え方に注意しましょう。

有給が取れないという理由での退職が直接採用に影響を与えることはないですが、理由が漠然としていては「やる気のない人」という印象に繋がってしまうためです。

例えば、「前職では休暇があまり取れず、知識をインプットする時間が確保できなかった。そのため業務の質が落ちていた点が不満だった。」などの言い回しがおすすめです。

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転職の際は、退職手続きと並行して転職活動を進めていく必要があり、非常に大変です。


すべてを1人で行おうとすると、自己分析や面接対策が十分にできず、再度合わない会社に入社することになってしまいます。

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十分な時間が取れない場合や、選考対策に自信がない場合は転職エージェントを利用してみましょう。


経験豊富なエージェントは、転職活動を効率的に進めるためのアドバイスをしてくれます。


気になる方は、まずは登録だけしてみましょう。

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人手不足の職場で有給を取る際に気をつけること3選

社外への相談や転職を検討していても、その期間に人がいないから有給が取れないのは困りますよね。

そこで、明日から意識できる有給休暇を取る際の注意点をまとめました。

できるだけ早い時期に伝える

上司は有給希望をふまえて仕事の分配を行っているため、有給希望は余裕を持って出すのが望ましいです。

直前に有給を申請すると、業務分担や業務目標を再検討する必要が生じ、上司の心象を悪くしてしまうかもしれません。

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同日に複数人から有給希望があった場合、会社側は時季変更権を主張し、有給付与を拒否することができます。


こうした事態を回避するためにも、少しでも早く有給希望日は上司に伝えましょう。

できるだけ明確な理由を用意する

理由が明確であれば、周囲からの理解が得られやすくなり有給申請が通りやすいです。

有給希望日の予定の重要度と緊急度が周囲に伝わると、人手不足の職場であっても協力を得られるかもしれません。

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もちろん、詳細な説明は義務ではありません。


しかし、人手不足の状況で理由も分からず何日も有給を取っていると、周りから不満が出てきてしまう可能性もあります。


特に、連続して有給休暇を取得する場合は理由を伝えておくのが良いでしょう。

業務内容の共有をしっかり行う

同僚に業務を頼む必要がある場合、必ず業務内容を共有しておきましょう。

そこで、意識的に共有するべき業務内容を以下にまとめました。

  • 有給休暇前後の業務計画や進捗
  • 出席できない会議がある場合、議事録の共有

休暇をとる日数が多くなればなるほど周囲の協力が必要となり、業務共有の重要性は高まります。

特に、ノルマがある職種の場合は有給をふまえたノルマ達成までの業務計画を上司と共有しておきましょう。

そうすることで、スムーズに有給が付与される可能性が高まります。

また、複数人で行っている業務では会議に出席できないと業務に支障をもたらす可能性があるため、意識的に進捗を同僚と確認しましょう。

有給が取りやすい職種とビジネスモデル

多くの企業で働き方を左右しているのは職種やビジネスモデルです。

現在の職種でプライベートとの両立が難しい場合、異動希望を出すことができる会社もあるため、転職と一緒に検討してみるのも良いでしょう。

以下で、有給が取りやすい職種・ビジネスモデルをご紹介していきます。

有給が取りやすい職種

以下のような職種は、比較的有給が取りやすい傾向にあります。

  • 経理
  • 人事
  • 社内SE

営業などのクライアントワークよりも、人事やSEなどのバックオフィス職の方が有給が取りやすいです。

なぜなら、社外とのアポイントメントが少なく、急な有給取得でも社外まで迷惑をかけることが少ないからです。

また、リモートワークとの親和性も高いため、通勤の負担が少ないのも嬉しいですね。

有給が取りやすいビジネスモデル

有給が取りやすいビジネスモデルは、BtoBの事業です。

東洋経済オンラインが発表した有給取得率が高い会社ランキングを見ると、以下のようなBtoB企業が多くランクインしています。

  • 素材関連の製造業
  • システム開発などのIT系企業

BtoC事業を行っている会社が、必ずしも有給休暇が取りにくいということはありません。

しかし、特に飲食やアパレルなどの業界ではどうしても休日出勤があったり、休めない日が発生してしまいます。

有給が取りやすい会社に勤めたいという人は、BtoBの事業を行っている会社を中心に転職活動を行いましょう。

  • BtoB=企業と企業が取引するビジネス
  • BtoC=企業が消費者と取引するビジネス

企業の人員の状況や有給の取りやすさを確認する際は、有給取得率や離職率、平均残業時間といったデータを参考にしてみてくださいね。

dodaでは、有給休暇の取得率が高い企業の求人情報を出しているため、転職する際は一度目を通してみるのも良いでしょう。

有給が取りやすい企業への転職を成功させるためには

結論、有給が取りやすい企業の転職を成功させるためには、転職エージェントの利用がおすすめです。

有給が取りやすい企業は、その他の福利厚生も手厚く転職者にとって魅力的なため、一般的には入社倍率が他社より高くなりやすいです。

そのため、短期離職をしてしまった場合や、前職で身につけたスキルが乏しい場合は他者との差別化が難しいため、他の候補者よりも入念な選考対策が必要となります。

そこで、プロの転職エージェントと選考対策を行うと的確なアドバイスを受けることができます。

アドバイスを踏まえた適切な選考対策を行うことで、有給が取りやすい企業に転職できる可能性が高まりますよ。

選考対策では、主に以下の3点が重要です。

徹底的な自己分析

転職活動では、「何を重視する性格か」「得意・不得意はあるか」「長所・短所」といった内面をよく見られます。

質問された際に言葉に詰まると、面接官に魅力が伝わらず落ちてしまう可能性が高まるため、事前の自己分析は必要不可欠です。

以下の記事を参考にして、自己分析を行ってみましょう。

十分な企業研究

企業研究をしっかり行わなければ、志望度の高さが面接官に伝わりません。

企業研究を行い、自身のキャリアプランやビジョンと合致させることで、数多くある企業の中からその会社を選んだ理由が面接官にとって明確になります。

その際は決して、「有給が多く、待遇がいいから弊社を希望している」などと思われないように注意が必要です。

企業研究は、事業やカルチャー、会社のビジョンなどを覚える必要があり、応募する企業が増えれば増えるほど負担が大きくなります。

以下の記事を参考にして、効率よく企業研究を進めるようにしましょう。

面接での伝え方・話し方

面接での伝え方は、合否を左右する重要な要素です。

どんなに自己分析や企業研究をしっかり行っていても、面接官に伝えることが出来なければ落ちてしまいます。

結論ファーストを心がけ、できる限り話をわかりやすく伝えるように心がけましょう。

表情も候補者の印象を大きく左右します。笑顔で話すことを心がけると良いですね。

面接で見られているポイントを把握することが、合格への近道です。以下の記事も参考にしてみましょう。

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このように、転職活動ではさまざまな観点から応募者の評価がなされます。


そのため、一人で選考対策をすると路頭に迷ってしまうケースも珍しくありません。


転職を成功させたい場合、転職者の特性や求められている人材像を把握している転職エージェントの利用がおすすめです。

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転職エージェントはマッチする企業探しや、入社後のビジョンまでサポートしてくれるので、転職するかどうか迷っている段階でも相談してみましょう。

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