
転職エージェントでSESばかりに紹介されるのはなぜ?SES以外への転職方法を解説
転職エージェントの紹介がSESばかりになるのは、求職者のスキル不足ではなく、IT業界全体の採用構造に原因があります。
この構造を理解しておけば、自社開発・社内SE・ITコンサルなど、SES以外の求人を手にすることは十分可能です。
この記事では、SESばかり紹介される理由と対処法、SES経験を活かしてITコンサルへキャリアアップする方法を解説します。
転職エージェントでSESばかり紹介される3つの理由
転職エージェントでSESばかり紹介されるのは、IT業界の採用構造や求人市場の特徴が関係しているためです。
ここでは、転職エージェントでSESばかり紹介される理由を3つ解説します。
IT業界全体のエンジニア人材不足
IT業界のエンジニア人材不足が、転職エージェントの紹介がSESばかりになる直接的な原因です。
正社員採用には時間とコストがかかる一方、SESであれば必要なスキルを持つ人材をすぐに現場にアサインできます。
経済産業省「IT人材需給に関する調査」によると、2030年にはIT人材の需給ギャップが最大45万人規模に拡大すると試算されています。
また、東京ハローワークの職種別有効求人・求職状況では、IT技術関連職の有効求人倍率は3.17倍と、職種全体平均(1.48倍)の2倍以上に達しています。
それだけ「エンジニアを採りたい企業」に対して「転職できる人材」の数が圧倒的に足りていない状況です。

こうした需給構造がある限り、転職エージェントの紹介がSES中心になるのは避けられません。
SESばかり紹介されると感じている人は、まず業界全体のこの構造を理解しておくことが重要です。
IT業界の今後のエンジニア需要については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
SES企業が転職エージェントを積極活用している
SES企業側のビジネスモデルも、紹介がSESに偏る大きな要因です。
SES企業はエンジニアをクライアントに常駐させ、稼働時間に応じて収益を得ます。
案件を受注したらすぐに人を配置しなければ売上になりません。
そのため退職者や契約終了が出るたびに補充が必要となり、常に採用し続けている状態が続きます。
一方、自社開発企業はサービスの成長に合わせてタイミングを見て採用するため、求人数が少なく選考にも時間がかかります。
結果として転職市場に出回る求人の絶対数がSESと自社開発では大きく異なり、エージェントの紹介もSES中心になりやすい構造があります。

SES企業は転職エージェントとの関係も強く、優先的に求人が流れてくる仕組みがあります。
求職者側から意思表示をしない限り、自然とSES求人が中心になるのはある意味避けられない構造なのです。
求職者の希望条件が曖昧でSESに誘導されやすい
転職エージェントは、求職者の希望条件が曖昧な場合、紹介しやすい求人を優先して提案する傾向があります。
採用ハードルが比較的低く、求人数も豊富なSES案件はまさに「紹介しやすい求人」の代表格です。
裏を返せば、「SES以外を希望している」と明確に伝えるだけで、紹介される求人の質が大きく変わります。
希望の言語化が、SES偏重を防ぐ最初のステップです。

「SESを断ったらエージェントに嫌な顔をされそう」と遠慮する必要はまったくありません。
希望条件を明確に伝えることで、自分に合った求人を紹介してもらいやすくなりますよ。
SESばかり紹介されて困っているなら、一度キャリア相談を試してみてください。
すべらないキャリアエージェントでは、あなたの希望(SES以外・自社開発・ITコンサル志望など)を徹底ヒアリングし、希望に合った求人のみをご提案しています。
SES以外の転職先として選べる主な選択肢
転職エージェントにSES以外の求人を希望する前に、まずどんな働き方の選択肢があるかを把握しておくことが大切です。
自社開発エンジニアはプロダクトに継続的に関われる
自社開発企業への転職は、1つのプロダクトに継続的に関わりながら改善を重ねていけることが最大の特徴です。
「現場が変わるたびにリセットされる」という感覚を持っていた人にとって、プロダクトの成長を長期で追える環境は魅力といえます。
求められるのは同一技術領域での2〜3年以上の実務経験が中心です。
dodaのデータによると、Webサービスエンジニアの平均年収は約452万円で、職場環境の安定とスキルの深化を両立したい人に向いています。

自社開発はポジションによって関われる工程の幅が異なります。
「上流から関わりたいのか」「特定の技術を深掘りしたいのか」によって、応募先の選び方も変わりますよ。
社内SEは自社勤務で安定したキャリアを築ける
社内SEは事業会社のIT部門で自社システムの運用・企画を担当するポジションです。
客先常駐がなく自社オフィスでの勤務が基本のため、「現場が変わるストレス」から解放されるのが最大のメリットです。
インフラ運用やネットワーク構築の経験がある人は特に親和性が高いです。
JACリクルートメントのデータによると社内SEの平均年収は、約826万円と高水準ですが、シニア層や大企業が多いデータのため、転職直後の年収は企業規模によって異なります。
長期的に安定したキャリアを築きたい人に向いている選択肢です。

社内SEはキャリアの専門性が特定の業界に限定されやすい面もあります。
長期的なキャリア設計を考えたうえで選ぶことが大切ですよ。
ITコンサルはSESの現場感覚を上流の課題解決に転換できる
ITコンサルへの転職は、SES経験者が最も大きくキャリアを変えられる選択肢です。
ITコンサルがクライアントに提供する価値は、「現場の実情を理解したうえで、経営・DX課題を解決する提案力」であり、多様な客先現場で培った現場感覚はまさにこの部分で活きます。
JACリクルートメントのデータによると、ITコンサルタントの平均年収は約887万円で、転職後に年収が大きく上がるケースも少なくありません。
ただし転職市場では「年齢×経験」がほぼ評価を決めるため、20代後半〜30歳前後が最も動きやすい時期です。
30歳を超えると年齢相応の専門スキルが前提とされるため、キャリアチェンジを考えているなら早めに動くことが重要です。

すべらないキャリアエージェントでは、SES出身エンジニアのITコンサル転職支援実績があります。
「自分にITコンサルは難しいかも」と思っていても、一度キャリア相談で強みを整理してみると、意外な可能性が見えてきますよ。
SES以外の求人を紹介してもらうための5つのポイント
転職エージェントからSESばかりを紹介されないためには、求職者側から積極的に動くことが必要です。
ここでは、すぐに実践できる3つのポイントを紹介します。
初回面談で「SES以外希望」を明確に伝える
転職エージェントからSESばかり紹介されるのを防ぐ最も効果的な方法は、会員登録や初回面談の段階で希望をはっきり伝えることです。
希望が曖昧なままでは、エージェント側は紹介しやすいSES求人を優先してしまいがちです。
特に「SES以外を希望している」という一言を最初に伝えるかどうかが、その後の転職活動を左右します。
伝えると効果的な希望の例
- 「客先常駐は希望していない」
- 「自社開発または社内SEに興味がある」
- 「ITコンサルへのキャリアアップを目指している」

希望を伝える際は「SES以外がいい」という条件だけでなく、「なぜそう思うのか」という背景まで話せると、エージェントも求人を絞り込みやすくなります。
最初の面談でどこまで言語化できるかで、その後の紹介精度が変わってきます。
転職エージェントとの面談での希望の伝え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
受け取った求人の客先常駐有無を必ず確認する
求人票の記載だけでは、客先常駐かどうか判断しにくい案件が多いため注意が必要です。
「勤務地:東京」「開発案件あり」と書かれていても、実際には客先常駐(SES)での勤務だったケースもあります。
求人を受け取ったら、以下の点をエージェントに必ず確認しましょう。
求人受け取り時の確認ポイント
- 雇用主はどの会社か(SES企業か、エンド企業か)
- 勤務場所は自社内か、客先常駐か
- プロジェクトごとに勤務地が変わるか
- 常用型派遣・特定派遣との違いはあるか

不明なまま選考に進むと入社後のギャップにつながります。
気になる点はその場で確認するクセをつけておくと、ミスマッチを防げます。
スキルと希望を言語化してキャリアの棚卸しをする
自社開発・社内SE・ITコンサルへの転職では、技術スキルだけでなく働き方の希望やキャリアビジョンとのマッチングも重視されます。
事前にスキルと希望を言語化しておくことで、SES以外の求人を紹介してもらいやすくなります。
棚卸しで整理しておくべき3つのポイント
- どの工程に関わったか(要件定義・設計・開発・運用など)
- 使用技術・言語・ツール
- 今後どんな仕事・働き方をしたいか

「今後どんな仕事がしたいか」が言葉になっているかどうかで、エージェントから紹介される求人の質が大きく変わります。
スキルの棚卸しは転職活動の中で最も重要な準備のひとつですよ。
ITエンジニアとして評価されるスキルの棚卸し方については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
すべらないキャリアエージェントでは、スキルと希望を一緒に整理したうえで、あなたのキャリアに合った求人を厳選してご提案します。
担当者と合わなければ遠慮せず変更依頼をする
希望条件を伝えてもSESばかり紹介される、技術的な話が通じないなどの場合は、担当者との相性が原因である可能性があります。
担当者との相性は紹介される求人の質に直結するため、合わないと感じたら早めに変更を申し出ることが重要です。
変更を申し出る際は「別の担当者の視点からも求人を紹介していただきたい」と伝えれば角が立ちません。
担当変更はエージェント業界では日常的におこなわれているため、遠慮する必要はまったくありません。

合わない担当者に我慢して付き合い続けると、転職活動の質やスピードにも悪影響が出ます。
「合わない」と感じたら迷わず相談してください。
複数のエージェントに登録して求人の幅を広げる
1社のエージェントだけに頼ると、そのエージェントの保有求人や営業方針に左右されます。
特に自社開発・社内SE・ITコンサルなどSES以外のポジションを希望する場合、2〜3社を並行利用して求人を比較するのが効果的です。
例えば、IT業界に強いエージェントやコンサル特化型、総合型の大手など、特性の異なるエージェントを組み合わせるのがポイントです。
転職エージェントはすべて求職者無料で利用できるので、気になるサービスは気軽に登録してみましょう。

複数登録することで担当者の質やサポートの厚さも見極めやすくなります。
1社だけで判断せずに、比較しながら自分に合うエージェントを見つけてみてください。
SES以外への転職を成功させるための3つの考え方
SES以外への転職を成功させるには、エージェントの使い方だけでなく、転職活動に臨む前の考え方が重要です。
ここでは、SES以外への転職を成功させるために押さえておきたい3つの考え方を解説します。
「SESを辞めたい」だけで動くと同じ失敗を繰り返す
転職のきっかけが「客先常駐がつらい」「スキルが身につかない」といった不満であること自体は自然です。
一方で、不満の解消だけを目的に動くと、転職先でも別の不満が生まれてすぐに辞めたくなる悪循環に陥りがちです。
「SESを辞めたい」の裏にある本当の欲求を掘り下げることが重要です。
掘り下げたいポイント
- 1つのプロダクトに深く関わりたいのか
- 上流工程で企画やコンサルに携わりたいのか
- 技術力を磨いてスペシャリストになりたいのか
出た答えによって目指すべき転職先は全く変わります。
まずは自分の本音と向き合うところから始めてみてください。

SES以外ならどこでもいい状態で転職すると、入社後にまた同じ悩みを抱えるケースは少なくありません。
転職先ではなく「何を実現したいか」を先に決めることが納得のいく転職につながります。
市場価値を正しく把握してからキャリア戦略を立てる
市場価値とは、特定の会社に限らず持ち出せる経験やスキルのことです。
社内での評価が高くても転職市場では評価されないケースがある一方、SES企業で年収が低くても市場で評価される技術経験を積んでいれば転職先の選択肢は広がります。
市場価値を把握するには、自分の経験を「業界×職種×年数」で整理するのがおすすめです。
「金融業界のシステム開発を3年」「AWSの設計・構築経験が2年」などの形で棚卸しすると、転職市場でどのポジションに手が届くかが見えてきます。

年収の高さと市場価値の高さは別物です。転職で後悔しないためにも、まず市場価値を客観的に把握することが出発点になります。
転職先は「働き方」ではなく「積める経験」で選ぶ
「自社開発=ホワイト」「SES=ブラック」というイメージで転職先を選ぶのは危険です。
自社開発企業でも残業が多い職場はありますし、配属された部署で市場価値につながらない業務を担当するリスクもあります。
転職先を選ぶ際に最も重視すべきは「そこで3年後にどんなスキルセットが身につくか」です。
なりたい姿から逆算して、そこに到達できる経験を積める環境かどうかで判断することが、転職後のミスマッチを防ぐ最大のポイントです。

「自社開発だから」という理由だけで転職先を決めると、入社後にギャップを感じやすくなります。
働き方より「何が積めるか」を軸に選ぶ習慣をつけてみてください。
転職エージェントとSESに関するよくある質問
転職エージェントに「SES以外」と伝えたのにSESを紹介された場合はどうすればよいですか?
まず「先日お伝えした通りSES企業は対象外でお願いします」と改めて明確に伝えましょう。
それでもSES求人が続く場合は、そのエージェントの保有求人がSES中心である可能性が高いため、担当者変更か別のエージェントへの切り替えを検討してください。
1社のエージェントだけに頼るのではなく、2〜3社を並行利用することでSES以外の求人に出会える可能性が高まります。
転職エージェントから紹介された求人がSESかどうか見分ける方法はありますか?
求人票の記載だけでは判断しにくい場合が多いため、エージェントに直接確認するのが確実です。
「自社オフィスでの勤務ですか、それとも客先常駐ですか」「自社プロダクトの開発に関わるポジションですか」などの質問を投げかけることで、SES型の就業形態かどうかを事前に把握できます。
「勤務地:東京都内プロジェクト先」「クライアント先での業務」といった表現が求人票に含まれている場合は、客先常駐の可能性が高いため注意が必要です。
職務経歴書にSES経験をどう書けばSES以外の求人を紹介してもらいやすくなりますか?
「SES企業で3年勤務」と書くだけでなく、担当した業界・工程・使用技術・チームでの役割・成果を具体的に記載することが重要です。
たとえば「金融系システムの要件定義・基本設計・開発・テストを3年間一貫して担当」のように書くことで、エージェントが紹介できる求人の幅が大きく広がります。
職務経歴書の内容が具体的であるほど、エージェントもあなたの希望に沿った求人を絞り込みやすくなりますよ。
転職エージェントを途中でやめることはできますか?
いつでもやめることができます。転職エージェントは求職者に対して退会や利用停止を強制することはできません。
「他のエージェントに切り替えたい」「転職活動を一時中断したい」といった場合も、担当者に連絡するだけで対応してもらえます。
ただし選考が進んでいる企業がある場合は、応募先企業やエージェントに対して早めに辞退の連絡を入れることがマナーです。
丁寧に対応しておくことで、今後また利用する際にも支障が出にくくなりますよ。
転職エージェントを使いこなして、SES以外の求人を手にしよう
転職エージェントにSESばかり紹介されるのは、必ずしもあなたのスキルや経験が不足しているからではありません。
IT業界の採用構造や転職エージェントの仕組みによって、SES求人が優先的に紹介されやすいケースもあります。
そのため、SES以外への転職を目指す場合は、「どのような働き方をしたいのか」「どのようなキャリアを築きたいのか」を明確に伝えることが大切です。
また、職務経歴や強みを整理したうえで複数の転職エージェントを活用すれば、自社開発企業や社内SE、ITコンサルなどの求人と出会える可能性も高まります。
目先の不満だけで転職先を選ぶのではなく、将来どのような経験を積みたいのかを基準に、自分に合ったキャリアを選択しましょう。

「SESばかり紹介される」という状況に悩んでいる人ほど、実は次のキャリアへのアクションを起こしやすいタイミングにいることが多いです。
転職のタイミングを逃さないためにも、まずは一度キャリア相談でご自身の状況を整理してみてください。
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