薬剤師のやりがい・魅力とは?働きがいを感じない場合の対処法

薬剤師のやりがい・魅力とは?働きがいを感じない場合の対処法

    薬剤師がやりがいを感じやすい仕事内容を業種別に説明していきます。

    また、業務にやりがい・魅力を感じなくなる原因やその対処法も徹底解説します。他にも薬剤師がつらいと感じるエピソードも紹介します。

この記事を書いた人
末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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薬剤師のやりがいと魅力

医療の重要性が増し、薬剤師の社会的な役割が大きくなっていくにつれ、仕事へのやりがいや魅力が一層高まってきています。

その背景にあるのが日本が直面している超高齢化社会への変化です。薬剤師に期待されていること、薬剤師が担う役割も拡大しかつ重要なものになっています。

ここでは薬剤師の仕事でやりがい・魅力を感じやすい点を6つ紹介していきます、

地域医療への貢献ができる

薬剤師の仕事には、地域医療へ貢献することができるというやりがいと魅力があります。

団塊の世代が75歳以上となり、国民の医療や介護の需要が増えることが見込まれる2025年以降、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的とした取り組みが進められています。

その取り組みとは「地域包括ケアシステム」の構築です。高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けられるような地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進しているのです。

薬剤師にも、地域住民による主体的な健康の維持・増進を積極的に支援をする以下のような取り組みが期待されています。

  • 医薬品や健康食品等の安全で適切な使用のためのアドバイス
  • 地域住民の健康の維持・増進に関する相談
  • 症状に合わせた医療機関の紹介
  • 地域薬局への情報発信と取り組み支援

単に調剤をするのではなく、地域住民のかかりつけ薬剤師として健康促進や健康維持に貢献していける点がやりがいにつながっています。

人を救える仕事ができる

薬剤師は人命に関わる責任のある仕事です。目の前の命を助けられる点に大きなやりがいと魅力を感じる人は多いです。

そもそも、日本薬剤師協会が提示する薬剤師の行動規範にもあるように、人々の健康な生活を確保することが大きな任務となっています。

薬剤師は、個人の生命、尊厳及び権利を尊重し、医薬品の供給その他薬事衛生業務を適切につかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活を確保するものとする。

薬剤師綱領

実際に、薬剤師は医薬品を通じて、患者のセルフメディケーションを支援している存在です。

薬のプロとしてその役割は地域住民に大きく貢献しており、日々人を救う仕事をしていると言っても過言ではありません。

チーム医療の一員として参加できる

近年、薬剤師の役割が拡大化しており、そのなかには薬のプロとしてチーム医療への参加が期待されています。

チーム医療とは、1人の患者に対し医師や看護師、検査技師、理学療法士、薬剤師などの専門チームが各専門知識を活かしながら、患者の治療をはじめとした生活の質(QOL)の維持・向上、療養を支援していくことを言います。

実際に日本学術会議の「専門薬剤師の必要性と今後の発展」にもありますが、チーム医療の一因として医師の負担を分散し、安全・安心な薬物医療を提供していくことが期待されているのがわかります。

このように様々な専門家と一緒に協働して医療現場で活躍できるのも薬剤師の大きなやりがいと魅力だと言えます。

活躍できる分野が広い

薬剤師の仕事は、他の医療資格者に比べて活躍できる分野が広いというのも魅力です。

超高齢社会に向かう日本では、今後国民の健康意識がさらに高まることが予想され、薬剤師には以下のような役割が期待されています。

  • 健康相談
  • セルフメディケーションの貢献
  • 安全な薬物治療に貢献
  • 在宅医療・在宅介護への貢献
  • 医療経済に貢献
  • ICTを活用した情報の共有化に貢献

実際に上記内容は、日本薬剤師会が発表している「薬剤師の将来ビジョン」に詳しく記載されています。今後の超高齢化により薬剤師の役割も拡大し、ただ「薬を調剤する」業務に留まらず、今後発展していくことが予想されます。

また、薬剤師は以下のような活躍できるフィールドが広いのも魅力です。

  • 調剤薬局
  • 病院・診療所
  • 製薬会社
  • 卸業者
  • 学校・大学
  • 行政 など

このように薬剤師が活躍できるフィールドも幅広いので、さまざまなキャリアプランを描きやすいです。活躍できる場所が多いのも薬剤師の大きな魅力と言えます。

給与・高待遇の仕事

薬剤師の年収は、比較的高水準で安定しているというのが一般的なイメージとなっています。

実際に、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、薬剤師の平均年収は約549.5万円です。

国税庁が発表する「令和4年分民間給与実態統計調査」では、全国の平均年収が458万円であり、全国の平均と比較すると薬剤師の年収は高待遇であることがわかります。

つまり、比較的高待遇で安定しているというイメージはあながち間違っていないということで、給与・高待遇は薬剤師の働きがいにもなっています。

需要が高く再就職・転職しやすい

薬剤師は、国家資格ということもあり需要が高く再就職、転職がしやすいのが魅力です。

厚生労働省が発表する「一般職業紹介状況(令和6年3月分及び令和5年度分)」によると、薬剤師の有効求人倍率は3.38となっています。

つまり、薬剤師は「売り手市場」であり、人手不足であることがわかりますね。

産休や育休など取得した時、ライフステージに合わせて退職を選択した場合でも、社会復帰しやすいのも薬剤師の魅力です。

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【業種別】薬剤師がやりがいを感じやすい仕事内容

薬剤師全体のやりがいや魅力を紹介してきましたが、実は業種によって薬剤師が感じるやりがいや魅力は異なります。

薬剤師がやりがいを感じやすい仕事内容を業種別に紹介します。改めて薬剤師の仕事のやりがいや魅力を再確認してみてください。

調剤薬局で働く薬剤師のやりがい

調剤業務をメインでおこなう調剤薬局で働く薬剤師は、以下のようなやりがいや魅力を感じることができます。

  • 調剤スキルを磨くことができる
  • 患者と近い立場でコミュニケーションが取れる
  • かかりつけ薬局として地域医療に直接貢献できる

実際に調剤薬局で働く薬剤師のエピソードも参考にしてみてください。

人物 調剤薬局勤務Aさん

病院勤務よりも地域に密着しながら患者様に貢献できるというところにやりがいを感じますね。


とくに最近は、在宅医療を取り入れている薬局も多いので、患者様のお宅にお伺いしてご家族とともに患者様の健康状態を見守るという機会も増えています。

実際に、セルフメディケーションの認知度も高まっている昨今、薬局薬剤師は調剤業務に留まらず、「かかりつけ薬局」として患者と身近な立場でアドバイスし、服薬指導・情報提供、在宅医療の対応などが求められています。

地域医療の貢献に直接関われることもあり、やりがいに感じている薬剤師も多いです。

調剤薬局の詳しい業務内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ドラッグストアで働く薬剤師のやりがい

OTC医薬品の販売も担うドラッグストアで働く薬剤師は、以下のようなやりがいや魅力を感じることができます。

  • OTC医薬品の知識を身につけられる
  • 知識を活かして医薬品の提案ができる
  • 小売業として販促などの経験を積める

実際にドラッグストアで働く薬剤師のエピソードも参考にしてみてください。

人物 ドラッグストア勤務Bさん

ドラッグストアは調剤薬局よりも経営が安定しています。経営状態に余裕があるからか、患者様が後発品をあまり希望していないのに後発品を強く勧めるといったことは少ない気がします。その点では、患者様第一で仕事ができることがやりがいです。


また、ドラッグストアで扱うOTCは、処方箋を通さずに、薬剤師自身が患者様の症状に合わせてお勧めできる商品です。自分が選んだ商品で患者様の状態が良くなると、直接自分が役に立てたという喜びを得られますよ。

ドラッグストアで働く薬剤師の仕事は、OTC医薬品の販売とアドバイスに加えて、健康食品やサプリメントなどの販売・説明も含みます。

調剤薬局とは違い、医師からの処方箋に基づいた調剤業務ではなく、自身の薬学の知識を活かして患者に医薬品を提案していくことができるため、薬学知識をフルに発揮できるのもドラッグストアの魅力であり、やりがいです。

ドラッグストアの業務内容などについては以下の記事で詳しく解説しています。

病院・クリニックで働く薬剤師のやりがい

専門知識を活かせる病院やクリニックで働く薬剤師は、以下のようなやりがいや魅力を感じることができます。

  • 専門性を身につけられる
  • 患者の病状に寄り添って治療していける
  • チーム医療に関わることができる

実際に病院・クリニックで働く薬剤師のエピソードも参考にしてみてください。

人物 病院勤務Cさん

病棟に行って服薬指導ができることはやりがいの1つです。薬局やドラッグストアでは患者様の時間が限られているためゆっくり会話できないのですが、病棟服薬指導は入院している患者様とお話をしますので、薬に限らず生活のことなど普段できない話をします。


また、病院ではチーム医療に携わることが多いというのもやりがいですね。医師や看護師など他の医療の専門家と意見を出し合い、患者様にベストな医療を提供できるというのは病院でしかできない経験です。

病院で働く薬剤師の主な仕事は、入院患者に対しての調剤業務をはじめ、注射や点滴の混注、抗がん剤の調剤などをおこないます。

病院によっては診療科が特定されていることもあり、医療に関する専門的な知識を身につけやすい環境です。

また、患者と直接接する機会も多く、コミュニケーションを通じて病状に寄り添った投薬治療などが実現できる点も病院・クリニック薬剤師の大きなやりがいとなっています。

医師や看護師、検査技師など専門チームの一員として連携していき、チームや患者に頼りにされる存在であることもやりがいにつながります。

病院で働く薬剤師の業務内容などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

製薬会社で働く薬剤師のやりがい

新薬などの開発に携わる製薬会社で働く薬剤師は、以下のようなやりがいや魅力を感じることができます。

  • 新薬の開発に関われる
  • 新薬で医療の進歩に貢献していける
  • 薬学の最前線で活躍できる

実際に製薬会社で働く薬剤師のエピソードも参考にしてみてください。

人物 製薬会社勤務Dさん

製薬会社には様々な部署があるため一概にやりがいを伝えることはできませんが、自分が携わっている新薬の開発が多くの患者様の命を救えるかもしれないという思いを持って働けることが1番のやりがいになるのではないでしょうか。

製薬会社には職種が多く、MRや臨床開発モニター、研究所の管理薬剤師など多岐に渡ります。どの職種にも通じる大きなやりがいとしては、新薬などの開発や普及によって、より多くの患者の健康を守るために貢献していけます。

他の勤務地と比べて患者から直接感謝の言葉をもらうことは少ないものの、大勢の人々に影響を与えられることは大きなやりがいです。最先端の医薬品開発などのプロジェクト、新薬の開発に関わり医療の進歩に貢献していけるのも製薬会社の薬剤師ならではのやりがいになります。

製薬会社で働く薬剤師の業務内容などについては以下の記事で詳しく解説しています。

上記以外で働く薬剤師のやりがい

薬剤師は調剤薬局・ドラッグストア・病院・製薬会社以外の治験、行政機関や学校、薬の輸出入に関わり医薬品の流通を担う卸業者などでも活躍することができます。

他のフィールドで活躍する薬剤師にもそれぞれ異なったやりがいや魅力があります。

やりがい・魅力
治験 ●さまざまな職種の人と協働できる
●自分の関わった医薬品が販売される など
行政機関・学校 ●健康促進に貢献できる
●法整備などのさまざまな業務に関われる など
医薬品卸 ●海外の新薬情報など知識を広げられる
●日本の医療発展に貢献できる など

転職エージェント末永 末永

薬剤師が活躍できるフィールドとして、その他様々な業種があります。


例えば、化粧品メーカーやコールセンター、食品衛生管理、研究機関、公務員として自衛隊や警察などでも薬剤師の専門性は必要とされています。いずれもそれぞれやりがいや魅力がありますよ。

転職エージェント末永 末永

このように薬剤師の活躍できるフィールドは非常に広いので、もっと詳しく活躍できる職業のことを知っていきたいなら、転職エージェントに相談してみてください。


希望条件などに沿った求人を紹介してくれるだけでなく、それぞれの仕事のメリットやデメリット、魅力などを余すところなく共有してくれますよ。

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薬剤師が仕事にやりがいを感じなくなる原因

薬剤師はやりがいや魅力が多い仕事ですが、他にはない独特の仕事や環境です。そのため、働いていると少しずつやりがいを感じにくくなってしまうことも少なくありません。

薬剤師が仕事にやりがい・魅力を感じなくなる要因として、下記の4つが考えられます。

それぞれ詳しく紹介していきます。

業務内容

薬剤師は、調剤業務などがメインになり単純作業が多くなりがちです。そのため、単純作業が苦手な人はやりがいを感じにくいです。

とくに調剤薬局やドラッグストアでの商品の陳列などは、細かい作業を繰り返すルーティン業務が多くなります。正確さや緻密さが求められる作業を長時間するのが苦手な人は、薬剤師の業務にやりがいを感じにくくなってしまうのです。

転職エージェント末永 末永

最近では単純作業はAIを導入し、薬剤師には患者とのコミュニケーションや管理業務などを担う店舗もありますが、まだまだ普及は進んでいないため、単純作業も薬剤師が担うところが多いのが実情ですね。

人間関係・社風

薬剤師が働く場所は限定的になり、いつも同じメンバーで仕事をしていくため閉鎖的になります。

これは薬剤師に限ったことではありませんが、そうなると職場の上司や労働環境が合わないと仕事に対する悩みが増え、仕事に対するやりがいや魅力を感じる余裕はなくなりがちです。

ただでさえ神経を使う仕事なのに、職場の人間関係においても精神をすり減らしていてはやりがいどころではありませんよね。

薬剤師の仕事に対する職場のポリシーと自分の持つ理念とが一致しないときに疑問が生じ、それを解消できないこともやりがいを阻害する1つの要因です。

転職エージェント末永 末永

実際に人間関係や労働環境に苦労し、退職を選択してしまう薬剤師も少なくありません。

給与・待遇

先述したように薬剤師は一般的に高待遇で安定しているというイメージがありますが、実際のところは「仕事の責任の重さに比べ収入が少ない」「忙しさがお給料に反映されていない」と感じている薬剤師も少なくありません。

薬剤師の働くフィールドは多いですが、実は職場や店舗によって待遇が異なります。もちろん、薬剤師として経験を積んで昇給、昇進などのチャンスがあれば給料もその分多くなっていきますが時間はかかります。

そのため、給与や待遇に満足できず不満を抱えてしまい、仕事に対するやりがいや魅力を感じにくくなっているケースも珍しくありません。

キャリアアップ

薬剤師を取り巻く医療業界は、常に進歩し続けています。薬剤師に求められるのは、変化に応じることができる力、つまり、最新の新薬や医療情報をキャッチアップしていくことです。

しかし、薬剤師が不足している現状では、日々の業務の忙しさで手一杯になってしまい、自己啓発のための勉強や新しい医療情報も深くまで追求して学ぶことができません。

日々のルーティンのみをこなすことだけの仕事になってしまい、薬剤師が将来のビジョンを描けず、やりがいや魅力をなくしてしまうきっかけを作ってしまうのです。

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薬剤師が仕事に対するやりがいや魅力をなくしてしまう原因を紹介しましたが、すべての店舗や職場がそうであるとは限りません。


実際に、仕事にやりがいを持って働いている薬剤師もたくさんいます。それを左右していくのが、自分に合った職場選びですね。

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やりがいを持った働き方をしていきたいなら、自分にマッチした職場を見つけるのが一番です。


そうした職場に出会いたいなら転職エージェントに相談してみてください。希望条件をヒアリングした上でマッチする求人を複数紹介してくれますよ。

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薬剤師の仕事でつらくて大変こと

薬剤師の仕事は、人の命に関わる大切な仕事です。命にかかわる責任を背負いながら仕事をすることはやりがいであると同時に、大きなプレッシャーにもなります。

たとえば、処方する薬の分量を少しでもミスしてしまうと人の命に直結しますから、絶対に失敗が許されません。こうした人の命を左右する仕事に対して精神的につらさを感じる人は多いです。ただ、自分の処方した薬で健康になった患者から直接感謝の言葉をもらう喜びは大きなやりがいにつながりますし、薬剤師の仕事の最大の魅力です。

つまり、薬剤師のやりがいとつらさは表裏一体ということですね。ということは、つらさがやりがいに変わる日はきっと来るはずです。

薬剤師はやりがいばかりの仕事ではなく、つらくて大変だと感じることも理解しておくようにしてください。

命を扱うことのプレッシャー

薬剤師が投薬ミスや調剤過誤があれば、患者の健康状態に影響を与えてしまいます。

下手をすると命に関わることになり、もし大きな調剤過誤になれば刑事的な刑罰が課せられることにもなりかねません。

このようなプレッシャーのなか、仕事をしていることが薬剤師の負担となっています。

とくに、チームワークや連携が取れておらず、お互いに助け合う体制ができていない職場環境では余計に1人にかかる責任が重くなり、プレッシャーの中で仕事をする薬剤師が多いです。

少しのミスも許されない仕事内容

先述したように、薬剤師の仕事は調剤過誤はもってのほかで、常にミスのない仕事が求められます。

しかし、人間はミスをしてしまう生き物です。ミスも許されない薬剤師の仕事では、1度ミスをしてしまったり、自信がない仕事があれば「自分には薬剤師は向いてないのでは」と考えてしまいがちです。

もちろん、ミスには個人の責任もありますが、なかにはきちんとした業務体制が整っていないことで発生するミスもあります。

そういったなかで仕事をしてしまうと、つらい、大変という思いが先行して、仕事に魅力ややりがいを見出すことができなくなってしまいます。

最新の知識を取り入れ続ける必要があること

日々新薬が生まれ、医療が進歩する昨今では、常に最新の知識を得ることが薬剤師には求められます。

日本製薬工業協会「日本で承認された新医薬品とその審査期間」の調査によると、2022年に国内で承認された新医薬品の品目数は174品目で、2021年を39品目上回る結果であったことがわかりました。

つまり、年間で100品目以上の新薬情報をキャッチアップしていくことが薬剤師には求められます。日々勉強していき、常に知識を身につけていかなければなりません。

常に勉強を求められる環境であることがつらい、きついと感じている薬剤師も少なくありません。

薬剤師として働きながらつらいと感じるエピソード

ここまでは薬剤師のやりがいについて実際の体験談とともに紹介してきました。

とはいえ、薬剤師としてのやりがいを常に感じながら働いている人はどれほどいるのでしょうか。冒頭で説明したように、薬剤師は人の命に関わる仕事をする以上、大きなプレッシャーを抱えながら働く必要があります。

いくらやりがいを持っている人でも、つらいと感じたエピソードはきっとあるはずです。そこで、薬剤師に実際どんなつらさがあるのかを聞いてみました。

調剤薬局でのつらいエピソード

評判・口コミ

20代・調剤薬局勤務

20代・調剤薬局勤務

正直なところ、経営がかなり苦しい薬局もあり、経営視点で仕事をしている面もあります…。


患者様のためというよりも、薬局経営のために後発品の割合をわざと増やして、後発品加算を算定するようなところもありますし。患者様を第一に考える薬剤師として、そのようなシステムには疑問を感じますね。

転職エージェント末永 末永

調剤薬局のなかには、職場の規模が小さいという特徴ゆえに、人間関係でトラブルが起きやすいといった声もありました。調剤薬局では転勤の可能性が低いので、人間関係が上手くいかないことが原因で転職をする人もいるそうです。


また、経営方針によっては経営視点を優先せざる得ないこともあるので、その点をつらいと感じる人も一定数存在します。

ドラッグストアでのつらいエピソード

評判・口コミ

男性・ドラッグストア勤務

男性・ドラッグストア勤務

拘束時間が長くてつらいことは多々あります。調剤薬局などと比べてドラッグストアは夜遅くまで開いていることがほとんどですからね。


また、OTCについての知識も必要になるので調剤薬局よりも学ぶことが多くなります。

転職エージェント末永 末永

ドラッグストアでは業務量が多くて忙しいといった声は多かったです。24時間営業のドラッグストアでは夜勤をする必要もあるので、激務になりやすいです。


OTC医薬品に関しても学ぶことが多くなるので、その分多忙になることも多いと予想ができますね。

病院でのつらいエピソード

評判・口コミ

女性・病院勤務

女性・病院勤務

やはり当直や夜勤がつらいという人は一定数いますね。また、病院にもよりますが、調剤薬局よりも上下関係に厳しい傾向があり、医師と看護師さんの板挟みで人間関係に悩むことは多いかもしれません。

転職エージェント末永 末永

働き方や人間関係においてつらいエピソードを持つ人もいますが、他の薬剤師と比べて命と隣り合わせになる場面が多いので、心理的な負担に耐えることがつらくなる人もいます。


患者と距離が近い病院薬剤師ならではの責任や負担があるということですね。

製薬会社でのつらいエピソード

評判・口コミ

男性・製薬会社勤務

男性・製薬会社勤務

部署によって違うと思いますが、MRなど医師と関わる仕事になると拘束時間が長く大変だという人もいますよ。


私のように新薬の開発に関わる部署の場合は、常に最新の知識を身に付けておかなければならないので学習意欲が無い人にとってはキツイと感じるのではないでしょうか。

転職エージェント末永 末永

製薬会社では、新薬の開発のために現場の医師から意見を取り入れることと、新薬を実際に使ってもらうことが必要不可欠です。


そうした医療現場との関係性から、取引先の医師や薬剤師の言いなりになってしまうケースがあるという声もありました。

薬剤師が仕事にやりがい・魅力を感じなくなった際の対処法

薬剤師の仕事にやりがいや魅力を感じられなくなってしまい、そのまま仕事を続けてしまうと精神的につらい、大変と思う気持ちが強くなり、ストレスも感じやすくなります。

そうなると心身ともに健康な状態であると言えないため対処していくのが大切です。

そこで、薬剤師が仕事にやりがい・魅力を感じなくなった際の対処法を詳しく紹介していきます。

薬剤師の仕事とは少し離れたことに挑戦する

薬剤師の仕事にやりがいや魅力を感じられないのであれば、薬剤師としての時間から少し離れる時間を作ってみるのも良いかもしれません。

薬に直接関係はなくても、いつか仕事で役に立ちそうな新しいことを学んでみるのもおすすめです。

たとえば、英会話教室やパソコン教室に通ったりするのも良いと思いますし、サプリメントや栄養などに関する資格取得を目指すのもありです。違うことをすれば頭をリフレッシュして、仕事に対するやりがいを取り戻しやすくなります。

また、薬剤師の仕事と離れることは、薬剤師としての役割を思い出すきっかけになるかもしれません。日々のルーティン業務に身を任せていると、本来の役割や目標を見失いがちですから、リフレッシュの時間を作り、薬剤師としての役割や自分が薬剤師になった理由を思い出してみると良いですね。薬剤師の仕事の魅力を再確認できるかもしれません。

以下の記事では薬剤師が挑戦しやすい仕事について紹介しています。もしダブルワークや副業を考えている場合は読んでみてください。

同僚などに相談する

先輩や同僚に相談することもやりがいを感じられなくなった時の対処法の1つです。

同じような悩みを持っている人やその解決法を知っている人は意外と近くにいるものです。ためらわずに相談して具体的なアドバイスをもらうことで気分をリフレッシュできますよ。

新しく目標を作る

新たな目標を見つけることも有効です。

日々の仕事に飽きてしまい、仕事に対するやりがいや魅力を感じられなくなっているのならば、新たな目標を立ててみるとモチベーションを維持できます。仕事へのやりがいや魅力を感じなくなった原因を突き止めたうえで、新たな目標を立て、挑戦してみると良いです。

息抜きをかねて休息を取る

1度息抜きをかねて休息を取ることもおすすめです。

働きがいや魅力を見出せずに、悩みやつらいことだけで頭がいっぱいになってしまうと、仕事でミスをしてしまったり、薬剤師として正しい判断ができなくなってしまいます。もちろん、新しい目標を見つけたり、新しい挑戦をすることもできません。

頭をリセットして仕事について客観的にじっくり考えてみる時間も必要です。

そのためには、息抜きの時間や休息を取ってみると、頭の整理もしやすく、仕事や自分自身について客観的にみてみたり、考えやすくなります。

思い切って違う職場に転職する

上記の方法を試してもやりがいを見出せず、薬剤師を続けることが本当にしんどいという人には転職という選択肢もあります。

薬剤師という仕事に楽しさを感じられなかったり、今の職場につらさを感じながら無理に続ける必要はありません。

ただし転職する際は、自分が仕事に対するやりがいや魅力を感じたり、将来目標を持ってキャリアアップを目指すことができる職場を探すことが重要になってきます。

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また、転職エージェントは転職の予定がなくても相談だけすることも可能です。まずは、どのような求人があるか、もしくはキャリア相談に乗ってほしい人でも登録できます。

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