
麻酔科医の平均年収は1335万円|年収を上げる4つの方法も解説
麻酔科医の平均年収は統計で1,335万円、直近の求人相場では約1,581万円と、診療科のなかでもトップクラスの給与水準です。
年代別・地域別・施設別の年収や他診療科との比較、非常勤バイトやフリーランスなど年収を上げる方法まで、収入の実態を具体的な数字で紹介します。
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麻酔科医の平均年収は1335万円【求人相場は約1581万円】
麻酔科医の平均年収は、労働政策研究・研修機構の調査で1,335万円、求人市場をもとにした相場では約1,581万円です。どちらの角度から見ても、診療科の上位に入る給与水準です。
まずは統計と求人相場の2つのものさしで、麻酔科医の収入の全体像をつかんでいきましょう。
労働政策研究・研修機構の調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2012年8月)によると、麻酔科医の平均年収は1,335万円です。年収の割合は以下のようになっています。
細かく見ると、300万円未満は0.8%、300〜500万円が1.6%、500〜700万円が5.5%、700〜1,000万円が16.4%です。
さらに1,000〜1,500万円が36.7%、1,500〜2,000万円が25%、2,000万円以上が14.1%と、高い層に厚みがあります。
500万円未満、500〜1,000万円、1,000万円以上の3つに分けると、次のように整理できます。
年収1,000万円を超えている人が全体の75.8%を占めています。500〜1,000万円が21.8%、500万円未満はわずか2.4%で、7割以上が年収1,000万円超という高い給与水準です。
この1,335万円はやや前の統計にもとづく数字で、近年の求人ベースで見るとさらに高い水準になっています。
医師の求人情報をまとめたドクタービジョンの2025年9月更新のデータでは、麻酔科の平均年収は約1,581万円です。
統計上の実態は1,335万円前後、いまの求人相場は1,500万円台後半と押さえておくと、自分の給料の立ち位置を判断しやすくなります。
年代別の平均年収
麻酔科医の年収は、経験を積んだ40代あたりから一気に上がっていく傾向があります。20代は初期研修や専攻医の時期にあたるため、平均年収は600万円前後にとどまります。
30代になると600万〜1,000万円が中心ですが、リクルートドクターズキャリアの2023年6月の調査では、1,000万〜1,500万円と1,500万〜2,000万円の層が拮抗し始めています。
40代では1,500万〜2,000万円が最も多くなり、50代以降は2,000万円を超える人が3割前後まで増えていきます。
年代とともに年収が伸びるのは、単に年功で上がるからではありません。症例数を重ねて難度の高い手術を任され、当直や後進の指導まで担うことで、1人の麻酔科医が生み出す価値が上がっていくためです。
若手のうちは経験を積める環境を、40代以降は経験に見合った給与を出す職場を選ぶと、収入を伸ばしやすくなります。
地域別の平均年収
麻酔科医の年収は勤務する地域によって大きく変わり、都市部より医師が不足している地方のほうが高くなる傾向があります。
ドクタービジョンの2025年9月更新のデータでは、都道府県別で最も平均年収が高いのは新潟県の2,083万円、次いで山形県の1,850万円です。
一方で鳥取県は1,100万円、福井県は1,275万円と、同じ麻酔科医でも1,000万円近い差が出ています。
これは都会だから高いわけではありません。医師が足りない地方の病院ほど、来てもらうために高い給与や赴任手当を上乗せするためです。
年収だけを重視するなら、あえて医師が不足している地域の求人に目を向けるのは有効な選択肢です。逆に東京や大阪などは希望者が多く、給与は全国平均並みに落ち着く傾向があります。
医療施設別の平均年収
同じ麻酔科医でも、大学病院・国公立病院に勤めるか民間病院に勤めるかで、年収は大きく変わります。結論から言うと、給料の水準は民間病院のほうが高くなります。
マイナビDOCTORによると、大学・国公立病院の麻酔科医は800万〜1,200万円が中心なのに対し、民間病院は1,200万〜2,000万円が相場で、最大800万円ほどの差がつきます。
リクルートドクターズキャリアの調査でも、200床未満の病院は1,000万〜1,500万円が47%、200床以上は1,500万〜2,000万円が79%と、大きい病院ほど高収入層が厚くなります。
大学病院は研究や教育、学位取得といった金銭以外の価値がある一方、給与は抑えめです。純粋に年収を上げたい麻酔科医にとっては、症例数が多い民間病院への転職が最も分かりやすい打ち手になります。
麻酔科と他診療科の年収を比較
麻酔科医の年収は、全診療科のなかで4番目に高い水準です。労働政策研究・研修機構の調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」による診療科別の平均年収は、以下のとおりです。
| 診療科 | 平均年収 |
|---|---|
| 脳神経外科 | 1,480万円 |
| 産科・婦人科 | 1,466万円 |
| 外科 | 1,374万円 |
| 麻酔科 | 1,335万円 |
| 整形外科 | 1,289万円 |
| 呼吸器科 消化器科 循環器科 |
1,267万円 |
| 内科 | 1,247万円 |
| 精神科 | 1,230万円 |
| 小児科 | 1,220万円 |
| 救急科 | 1,215万円 |
| その他 | 1,171万円 |
| 放射線科 | 1,103万円 |
| 眼科 耳鼻咽喉科 泌尿器科 皮膚科 |
1,078万円 |
出典:労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2012年8月)
最も平均年収が高いのは脳神経外科で、麻酔科は4番目に位置します。上位に並ぶのは、いずれも高度な技術と重い責任を伴う診療科です。
脳神経外科はくも膜下出血や脳卒中など、一刻を争う繊細な手術を担うため給与も高くなります。麻酔科も、患者の全身状態を手術中ずっと管理し、少しの判断ミスが命に直結する専門性の高さが年収に反映されています。
診療科別の医師必要数
生死に直結する判断を求められる診療科ほど、なり手が少なく人手不足が続いています。厚生労働省の医道審議会医師分科会がまとめた2016年時点のデータでは、上位4診療科の医師数と必要数は以下のとおりです。
| 診療科 | 医師数 | 必要医師数 | 不足 |
|---|---|---|---|
| 脳神経外科 | 7,713人 | 9,021人 | 1,308人 |
| 産婦人科 | 12,632人 | 14,811人 | 2,179人 |
| 外科 | 29,085人 | 34,741人 | 5,656人 |
| 麻酔科 | 9,496人 | 10,076人 | 580人 |
出典:厚生労働省「平成30年度第4回医道審議会医師分科会医師専門研修部会」
どの診療科も医師が足りていません。手術に欠かせない麻酔科医は後任がすぐに見つからないため、優秀な人材が辞めないように給与を高く保つ力が働きます。人手不足と高年収は、表と裏の関係にあるわけです。

年収を上げたい麻酔科医は、診療科を変える前に転職エージェントに相談してみてください。
他の高年収の診療科へ移るには資格の取り直しや長い勉強が必要で、現実的ではありません。
麻酔科の求人から、いまの専門性のまま希望年収に合う職場を紹介してもらえるので、遠回りせずに収入を上げられますよ。
麻酔科医の年収が高い3つの理由
麻酔科医の給与が高いのには、はっきりした理由があります。医師の年収は本人の頑張りだけでなく、その仕事の希少価値で決まる部分が大きく、麻酔科はその条件を満たしています。
まず1つ目は、慢性的な人手不足です。厚生労働省の「将来の診療科ごとの医師の必要数の明確化について」によると、麻酔科医は2016年時点で必要数に対して580人足りていません。
手術件数が増える一方で麻酔科医の数が追いつかず、給与を高くしてでも確保しようとする病院が多いのです。
2つ目は、他の医師では代われない専門性です。麻酔科医は手術中の血圧や呼吸、痛みのコントロールを一手に担います。外科医が手術に集中できるのも、麻酔科医が全身状態を守っているからです。
3つ目は、麻酔科標榜医などの国の許可が必要な仕事だという点です。参入のハードルが高いほど、希少性は保たれます。
需要が大きい市場で、他の人に代替されにくい専門性を持つことです。これが高年収の条件であり、麻酔科医はまさに当てはまっています。
麻酔科医が年収を上げる4つの方法
すでに高年収の麻酔科医ですが、動き方しだいで収入はさらに大きく伸ばせます。麻酔科は働き方の選択肢が豊富で、転職・非常勤・フリーランス・資格の4つが主な手段です。
①民間病院・地方病院へ転職する
最も分かりやすいのが、給与水準の高い職場への転職です。前述のとおり、大学・国公立病院より民間病院、都市部より医師が不足している地方のほうが、麻酔科医の年収は高くなります。
たとえば大学病院で年収1,000万円前後の麻酔科医が、症例数の多い民間病院に移るだけで1,500万〜2,000万円台に届くケースは珍しくありません。
狙い目は、手術件数が多く麻酔科医が不足している中規模以上の民間病院や、赴任手当を出す地方の急性期病院です。
応募前にまず求人でその病院の手術件数と当直体制を確認し、面接では担当できる症例の幅と当直回数を具体的にすり合わせておくと、条件交渉で失敗しにくくなります。
②非常勤・スポットバイトを活用する
麻酔科は、非常勤やスポットのアルバイト単価が全診療科でもトップクラスに高い診療科です。常勤で働きながら休日に麻酔のバイトを組み合わせることで、年収を数百万円単位で上乗せできます。
日給の相場は8万〜14万円程度で、都心部は8万〜12万円、医師が不足している地方では12万〜20万円になることもあります。
心臓血管外科の麻酔や緊急対応など、難度の高い案件では日給20万円を超えることもあります。
まずは週1回の休日にスポット案件を入れてみて、負担と収入のバランスを見ながら回数を調整するのがおすすめです。
常勤の給与に月2〜4回のバイトを足すだけでも、年間で200万〜400万円ほど収入が変わってきます。
③フリーランス麻酔科医になる
思い切って常勤を離れ、フリーランスの麻酔科医として働く道もあります。麻酔科は特定の病院に属さなくても、日ごとに複数の病院で麻酔管理を請け負えるため、フリーランスと相性の良い診療科です。
たとえば週4日勤務で1日あたり13万円の案件を年192日こなすと、それだけで約2,496万円になります。高単価のスポット案件や待機料が加われば、年収3,000万円も現実的な水準です。
ただし、フリーランスは収入が働いた日数に直結する分、税金や社会保険を全額自分で負担するため、手取りは見た目の年収より少なくなります。
安定した案件を紹介してくれるエージェントがあるかどうかが、成功の分かれ目になります。
④麻酔科専門医・指導医などの資格を取る
麻酔科標榜医から認定医、専門医、指導医へと資格を積み上げていくことも、年収アップに直結します。資格はこの人に任せれば安心だという証明になり、任される症例の幅や責任、そして提示される給与に反映されます。
とくに麻酔科専門医は多くの民間病院やアルバイト案件で優遇され、同じ勤務内容でも専門医の有無で日給が数万円変わることもあります。
まずは自分がいま取得できる資格の要件を学会のサイトで確認し、必要な症例数や研修期間を逆算して計画を立てるところから始めてみてください。
目の前の症例を専門医取得につなげる意識で積み重ねれば、数年後の年収に確実に効いてきます。
ここまで見てきた通り、年収を上げる近道は自分に合う求人と出会うことでした。医師専門の転職エージェントなら、麻酔科の非公開求人の紹介から年収交渉まで任せられます。
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麻酔科医の仕事内容
麻酔科医は、手術中の麻酔管理だけでなく、手術の前後を通じて患者の全身状態を良好に保つのが役割です。仕事内容は大きく3つに分けられます。
| 循環管理 | 輸液や輸血をおこない、手術中の血圧や脈拍など心臓や血液の流れを整える。 |
|---|---|
| 呼吸管理 | 気管挿管を用いて、手術中の体に十分な酸素を送り込む環境を整える。 |
| 疼痛管理 | 手術中や手術後の痛みを和らげるため、麻酔薬や鎮痛剤の投与量を調整する。 |
麻酔科医は患者の生理機能をモニターしながら、手術中は常に患者のそばで異変に備えます。手術後も、呼吸や血圧、心拍数が安定し意識がしっかり戻るまで見届けるのが大切な仕事です。
この手術を安全に支える司令塔としての役割の重さが、年収の高さの裏付けにもなっています。
麻酔科医の労働環境
麻酔科医は手術に欠かせない存在だけに、激務になりやすいと言われます。予定手術に加えて、交通事故などの緊急手術が入れば、すぐに駆けつける必要があるためです。
ここでは当直と勤務先への満足度の2点から、麻酔科医の働き方を見ていきます。
麻酔科医の当直
麻酔科医の当直は、意外にも他の診療科より少なめです。
労働政策研究・研修機構の調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」では、46.4%の麻酔科医が1ヶ月あたりの日直が1回もないと回答しています。
| 日直 | ||||
|---|---|---|---|---|
| なし | 1〜2回 | 3〜4回 | 5回以上 | |
| 平均 | 38.2 | 51.0 | 6.3 | 4.5 |
| 麻酔科医 | 46.4 | 36.6 | 8.5 | 8.5 |
日直があっても1〜2回にとどまる人が多く、全診療科の平均と比べても少なめです。宿直についても4割を超える麻酔科医が月に1回もないと答えています。
| 宿直 | ||||
|---|---|---|---|---|
| なし | 1〜2回 | 3〜4回 | 5回以上 | |
| 平均 | 32.6 | 34.8 | 21.8 | 10.8 |
| 麻酔科医 | 43.1 | 22.9 | 18.3 | 15.7 |
出典:労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」(2012年8月)
ただし、5回以上の宿直をする人は15.7%と平均を上回っており、当直をする人としない人にはっきり分かれる傾向があります。
近年は当直やオンコールの負担を軽くする動きも広がり、条件交渉しだいで働き方を選びやすくなっています。
麻酔科医の勤務先に対する満足度
勤務先への満足度を見ると、麻酔科は数ある診療科のなかでも最も高い水準にあります。
労働政策研究・研修機構の調査シリーズNo.102「勤務医の就労実態と意識に関する調査」で、麻酔科と人手が足りない産科・婦人科、外科、脳神経外科を比較しました。
満足していると答えた割合は、麻酔科が11.8%で最も高い結果でした。
満足とまあ満足を合わせると麻酔科は69.3%にのぼり、約7割が勤務先に満足しています。不満と答えた割合も麻酔科は2%と最も低くなっています。
高い満足度の背景には、当直の少なさに加えて、手術ごとに区切りがつきやすく担当患者を長く抱え込まない働き方の特性があります。高い給与と両立しやすい労働環境が、満足度を支えていると考えられます。
麻酔科で働くために必要な資格とキャリアステップ
麻酔科は、医師免許を取っただけでは名乗れない特別な診療科です。内科や外科は医師免許があれば標榜できますが、麻酔科だけは別の手続きが必要になります。
具体的には、医師免許の取得後に2年以上、麻酔科専門医の指導のもとで麻酔に特化した経験を積みます。そのうえで厚生労働省に麻酔科標榜医を申請し、書類審査を通過して初めて許可証が交付されます。
さらに研修を重ねると、日本麻酔科学会の試験を受けて麻酔科専門医を目指せます。
麻酔科医の資格とキャリアステップ
麻酔科医は、臨床経験と資格の取得を重ねることでキャリアアップしていきます。資格は次の順にステップアップしていくのが基本です。
| 麻酔科標榜医 | 麻酔科で2年以上の研修をおこない、厚生労働省が認可する標榜医資格を取得する。 |
|---|---|
| 麻酔科認定医 | 標榜医資格を持ち、日本麻酔科学会が定める所定の審査に合格した医師。 |
| 麻酔科専門医 | 認定医取得後3年以上、麻酔関連業務に専従し、所定の臨床・研究業績がある医師のみが認定される、麻酔のスペシャリスト。 |
| 麻酔科指導医 | 専門医取得後4年以上専従し、認定医や専門医を育成・指導する能力を持つと認められた医師。 |
資格が上がるほど任される役割は広がり、それが給与にも反映されます。
とくに専門医から先は取得に年数がかかるため、20代のうちからどの症例を経験しておくべきかを逆算しておくと、キャリアと年収を効率よく伸ばせます。
麻酔科医の年収に関するよくある質問
麻酔科医の年収について、検索でよく調べられている疑問に答えます。
研修医のうちの麻酔科医の年収はどれくらいですか?
初期研修医のうちは診療科に関わらず年収600万円前後が目安です。麻酔科としての高収入は、専攻医を経て症例を重ね、専門医に近づくにつれて実現していきます。
女性の麻酔科医でも高い年収を得られますか?
得られます。麻酔科は手術ごとに区切りがつきやすく当直も比較的少ないため、非常勤やスポットのバイトを組み合わせて働き方を調整しやすく、ライフイベントと収入を両立しやすい診療科です。
麻酔科医の年収は今後も高いままですか?
高い水準が続くと考えられます。手術件数は高齢化で増える一方、麻酔科医の不足はすぐには解消しません。需要が供給を上回る状態が続く限り、給与水準も高く保たれやすい環境です。
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麻酔科医はニーズが高く、別の病院やクリニックへ移るだけでも年収が大きく上がるケースがよくあります。今の専門性を活かして給料を上げたいなら、転職は最も現実的な選択肢です。
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