耳鼻咽喉科医の平均年収は1078万円!仕事内容や将来性を比較解説!

耳鼻咽喉科医の平均年収は1078万円!収入を増やす方法も紹介!

    耳鼻咽喉科医の平均年収がどれぐらいなのか、他の診療科と比較した場合の収入の違いなど、転職のプロが分かりやすく解説します。

    他にも耳鼻科医の仕事内容や労働環境(忙しさ)、他診療科や開業医との比較や今よりも収入を増やす方法も紹介します。

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末永雄大

末永雄大

新卒でリクルートエージェント(現リクルート)に入社。数百を超える企業の中途採用を支援。2012年アクシス(株)設立、代表取締役兼転職エージェントとして人材紹介サービスを展開しながら、年間数百人以上のキャリア相談に乗る。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は2,000万回以上。著書「成功する転職面接」「キャリアロジック
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耳鼻咽喉科の平均年収は1078万円

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、耳鼻咽喉科の平均年収は1078万円です。

耳鼻咽喉科の年収割合は、以下のようになっています。

耳鼻咽喉科の年収割

上記の円グラフでは300万円未満は2.6%、300万円~500万円が8.3%、500万円~700万円が12.5%、700万円~1000万円が17.3%、1000万円~1500万円が33.2%、1500万円~2000万円が22%、2000万円以上が4.2%となっています。

これらの年収割合を500万円未満、500万円~1000万円、1000万円以上の3つに分類すると以下のようになります。

耳鼻咽喉科全体の年収割合

耳鼻咽喉科の年収ですが、1000万円を超えている人が全体で59.4%もいます。500万円~1000万円が29.8%、500万円未満が10.9%となっており、6割近い人が年収1000万円を超えていることがわかります。

耳鼻咽喉科と他診療科の平均年収比較

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は以下のようになっています。

診療科 平均年収
脳神経外科 1480万円
産婦人科 1466万円
外科 1374万円
麻酔科 1335万円
整形外科 1289万円
呼吸器科
消化器科
循環器科
1267万円
内科 1247万円
精神科 1230万円
小児科 1220万円
救急科 1215万円
その他 1171万円
放射線科 1103万円
耳鼻咽喉科
眼科
泌尿器科
皮膚科
1078万円

平均年収がもっとも高いのは脳神経外科で、耳鼻咽喉科は今回比較した科目の中ではもっとも平均年収が低い結果となりました。

1番年収が高い脳神経外科医は、命に関わる疾患を扱うため、極めて繊細で高度なスキル・知識が求められます。また、くも膜下出血や脳卒中といったように、緊急を要する治療・手術をおこなうことも多いので、他の診療科よりも平均年収が高くなっています。

耳鼻咽喉科が他の科目よりも平均年収が低い理由としては、命に関わるような緊急性が低いからです。外科のような緊急手術が少ないので、ワークライフバランスを保って働けるメリットもあります。

開業医だと耳鼻咽喉科の年収は高い

厚生労働省が公表している「第22回医療経済実態調査報告」のデータを元に、開業医の年間収入を算出してみたところ、もっとも高いのは産婦人科で、耳鼻咽喉科は6番目に高いという結果が出ています。

開業医の診療科別年間利益(2019年)

データによると産婦人科が4551万円ともっとも年間収入が多く、6位である耳鼻咽喉科の2597万円よりも1954万円ほど高いです。

しかし、外科の2020万円と比較した場合、耳鼻咽喉科は外科よりも577万円も収入が多くなっています。

耳鼻科の場合、独立して医院やクリニックを開業したほうが年収が高くなる理由としては、花粉症といったアレルギー患者の増加が考えられます。また高齢化社会が進んでおり、難聴に悩んで受診をする高齢者も増えています。

アレルギー症状や難聴は手術を必要とせず、入院をともなわない診察・治療が多く、医師1人で対応できる患者数が多いのも理由です。医院やクリニックによりますが、中には1日で100人程度の患者を診療するところもあるぐらいです。

耳鼻咽喉科の求人票からみる実際の年収

リクルートグループが運営するリクルートドクターズキャリアで耳鼻咽喉科の常勤求人を検索してみたところ、2020年8月14日時点で124件の求人が掲載されていました。

124件の求人の年収を確認してみたところ、耳鼻科の平均年収1078万円よりも下回っていたのは35件のみでした。残りの89件は平均年収を上回る結果となっています。

耳鼻咽喉科専門医を必須としていない求人も多く、給与UPを目的とした転職もしやすいと考えて良いでしょう。

ちなみに年収2000万円以上の求人は院長候補として募集しているものがほとんどでした。年収の幅は2000万円~2400万円と高額に設定されています。

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耳鼻咽喉科医の仕事内容

耳鼻咽喉科は耳、鼻、のど、頸部の疾患を中心に診療します。具体的には以下の5つの領域に分かれています。

耳科領域 平衡障害、聴覚障害、中耳疾患、顔面神経障害など
鼻科領域 副鼻腔の炎症や腫瘍、アレルギー、顔面外傷など
咽頭領域 舌・口腔・咽頭疾患や睡眠時無呼吸など
喉頭領域 音声や嚥下に関係する疾患など
頭頸部腫瘍領域 頸部の腫瘍や甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍など

上記のように扱う疾患は多岐に渡っており、専門性の高い診療科です。めまいや耳鳴り、アレルギーなどの内科的な治療と、副鼻腔や耳の内部(内耳・中耳)、咽喉、扁桃などの外科的な治療、両方の要素が必要になります。

患者も老若男女と対象範囲が広く、専門医として幅広い知識やスキルが求められます。また、耳鼻科は患者の治療だけでなく、QOLを重視するのも仕事の1つです。

耳鼻咽喉科医の労働環境

耳鼻咽喉科医は人間の一生に関わっていく大切な診療科です。また、花粉症といったアレルギー患者や高齢者患者の増加により、今後ますます需要が増してきます。

そんな耳鼻咽喉科医の労働環境について、主に2つをピックアップして説明します。

耳鼻咽喉科医の当直

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、47.8%の耳鼻咽喉科医は1ヶ月当たりに日直が1回もないと回答しました。

日直
なし 1~2 3~4 5回以上
平均 38.2 51 6.3 4.5
耳鼻咽喉科医 47.8 47.6 2.8 1.8

日直があったとしても1~2回と少ないです。他の診療科を含めた平均値と比較した場合、耳鼻咽喉科医は平均よりも日直の回数が少ないと考えて良いでしょう。

月に3~4回、5回以上日直をする耳鼻科医は平均よりも低くなっており、日直をする人は少ないです。

また、宿直に関しては4割ほどの耳鼻咽喉科医が月に1回もないと回答しています。

宿直
なし 1~2 3~4 5回以上
平均 32.6 34.8 21.8 10.8
耳鼻咽喉科医 41.2 42.5 14.6 1.8

宿直の回数は1~2回が平均値を上回っていますが、3~4回、5回以上は両方とも下回る結果となっています。つまり、耳鼻科医は宿直をしたとしても1ヶ月に1~2回しかないということになります。

ちなみに宿直1回あたりに診る患者の数は、1~4人がもっとも多いです。また、宿直1回あたりの平均睡眠時間は4時間以上の人が多くなっています。

耳鼻咽喉科医は宿直があったとしても、診る患者数もそこまで多いわけではないので、眠れないほど忙しいわけではないようです。

耳鼻咽喉科医の勤務先に対する満足度

勤務先に対する満足度ですが、数ある科目の中で耳鼻科医はそこそこ高い結果となっています。

労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータを元に、耳鼻咽喉科と人手が足りていない麻酔科、産婦人科、外科の3つと比較してみました。

耳鼻咽喉科の勤務先に対する満足度

満足していると回答しているのは麻酔科が11.8%、耳鼻咽喉科が10.7%、外科が10%、産婦人科が8.8%となっています。

「満足している」と「まあ満足」の2つを足した場合は、麻酔科が69.3%、産婦人科が68.7%、耳鼻咽喉科が60.8%、外科が56.3%となっており、約6割の耳鼻咽喉科医が満足していると回答していることがわかります。

一方で不満と回答した割合は、麻酔科が2%、産婦人科が2.7%、耳鼻咽喉科が4.1%、外科が5.3%となっており、不満と回答している耳鼻咽喉科医は少ないです。

つまり、耳鼻科医は勤務先に対して、高い満足度を感じている人が多いということです。

年収を上げるにはアルバイトもおすすめ

手っ取り早く給与を増やして年収を上げたいのなら、アルバイトの掛け持ちをするのも1つの方法です。

医師転職研究所の調べによると、医師でアルバイト・副業をやっている割合は以下のようになっています。

アルバイト・副業をやっている医師の割合

医師でアルバイト、いわゆる非常勤勤務をおこなっている割合は全体の68%を占めています。耳鼻科医のアルバイトですが、一般外来の募集が多くなっています。

報酬は地域によっても異なりますが、相場としては時給1万円が目安となっています。個人宅への訪問診療が多いクリニックや医師が1人で巡回する場合は報酬が高く設定されており、単価10万円という例もあります。

掛け持ちする場合の年収例

時給1万円の非常勤(アルバイト)をした場合の、年収例をご紹介します。

週1日の8時間勤務であれば、月に4回の勤務で月収は32万円となります。この働き方を1年間続けると384万円の収入が見込めます。

メインで勤務している病院とは別にこのように掛け持ちをし、300万円~400万円ほど年収が増えている医師は多いです。

医師のアルバイトについて、さらに詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみてください。

年収を上げたいなら転職エージェントに相談

耳鼻咽喉科医はニーズが高く、他の病院やクリニックへ転職するだけでも想像以上に年収が上がるケースがよくあるので、耳鼻咽喉科医として年収を上げたいのなら、転職するのがおすすめです。

転職エージェントを利用すれば、医療施設の働きやすさや年収の独自の情報をもとに、あなたの希望にあった職場を紹介してもらえるだけでなく、年収交渉を手伝ってもらえます。

無料で利用できるだけでなく、電話での面談・相談を受けられるので気軽に利用が可能です。

ただ、転職エージェントといっても保有している求人やサポートに違いがあるので、2~3社に複数登録し、最終的に1番良いと思った1社に絞り込むと効率よく転職活動を進めることができます。

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