皮膚科医の平均年収は1078万円!仕事内容や将来性を比較解説!
皮膚科医の平均年収がどれぐらいなのか、転職のプロが年代・地域・医療施設別に分けて解説します。
他にも仕事内容や労働環境(忙しさ)、他診療科や開業医との比較や今よりも収入を増やす方法も紹介します。
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皮膚科医の平均年収は1078万円
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、皮膚科医の平均年収は1078万円です。
皮膚科医の年収割合は、以下のようになっています。
上記の円グラフでは300万円未満は2.6%、300~500万円が8.3%、500~700万円が12.5%、700~1000万円が17.3%、1000~1500万円が33.2%、1500~2000万円が22%、2000万円以上が4.2%となっています。
これらの年収割合を500万円未満、500~1000万円、1000万円以上の3つに分類すると以下のようになります。
皮膚科医の年収ですが、1000万円を超えている人が全体で59.4%もいます。500~1000万円が29.8%、500万円未満が10.9%となっており、6割近い人が年収1000万円を超えていることがわかります。
年代別の平均年収
皮膚科医の場合は、経験を積んだ40代から年収が一気に上がり、1400万円~2000万円の人が増えてきます。
リクルートドクターズキャリアによると、皮膚科医の年代別の平均年収は以下のようになっています。
20代のうちは研修医なので、平均年収は600万円未満となっています。
皮膚科医は30代だと600万円未満と1400~2000万円がそれぞれ27%、600~1000万円と1000~1400万円がそれぞれ20%、2000万円以上が7%となっています。稼げる人と稼げない人で明確に分かれているようです。
経験を積んだ40代になると、1000万円未満が11%、1000~1400万円が21%、1400~2000万円が58%、2000万円以上が11%となっており、9割の皮膚科医が年収1000万円を超えていることがわかります。
50代は1000万円未満が15%、1000万円以上が85%となっています。60代は2000万円以上が100%で、年代別ではもっとも平均年収が高いです。
地域別の平均年収
リクルートドクターズキャリアのデータによると、皮膚科医は地域によって平均年収に多少のバラツキがあることがわかりました。
なお、九州・沖縄はデータがないため、空欄としています。
都道府県別で見ると、年収1000万円以上の割合は中国・四国がもっとも高く100%となっています。次いで関東が90%、北海道・東北が76%、中国・四国が74%となっています。
関西は1000万円以下の割合が43%ともっとも多く、年収を上げたいと考えている皮膚科医は避けたほうが良いかもしれません。
2000万以上の割合は関東が1番多くて27%、その次が中国・四国の25%です。皮膚科医で年収を上げたい人は、中国・四国か関東で転職先を探したほうが良いと言えます。
医療施設別の平均年収
リクルートドクターズキャリアによると、医療施設別では民間病院とクリニックのほうが平均年収が高いです。
大学・国公立病院は600万円未満、600~1000万円、1000~1400万円の割合がそれぞれ15%となっており、1400~2000万円は54%です。1000万円を超えている人は69%です。
民間病院は1000万円未満の割合が8%ともっとも少なく、2000万円以上の割合が25%ともっとも多いです。合わせてみると、1000万円を超える人は91%となっていますね。
クリニックは1000万円未満が17%、1000万円以上が84%となっており、うち17%が2000万円以上を占めています。このことから、年収を上げたい皮膚科医は民間病院から転職先を探すと良いと言えますね。
皮膚科と他診療科の平均年収比較
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は以下のようになっています。
診療科 | 平均年収 |
---|---|
脳神経外科 | 1480万円 |
産科・婦人科 | 1466万円 |
外科 | 1374万円 |
麻酔科 | 1335万円 |
整形外科 | 1289万円 |
呼吸器科 消化器科 循環器科 |
1267万円 |
内科 | 1247万円 |
精神科 | 1230万円 |
小児科 | 1220万円 |
救急科 | 1215万円 |
その他 | 1171万円 |
放射線科 | 1103万円 |
皮膚科 眼科 耳鼻咽喉科 泌尿器科 |
1078万円 |
平均年収がもっとも高いのは脳神経外科で、皮膚科は今回比較した診療科の中ではもっとも平均年収が低い結果となりました。
1番年収が高い脳神経外科医は、命に関わる疾患を扱うため、極めて繊細で高度なスキル・知識が求められます。また、くも膜下出血や脳卒中といったように、緊急を要する治療をおこなうことも多いので、他の診療科よりも平均年収が高くなっています。
皮膚科が他の診療科よりも平均年収が低い理由としては、命に関わるような緊急性が低いからです。外科のような緊急手術が少ないので、ワークライフバランスを保って働けるというメリットもあります。
皮膚科医の勤務医と開業医の年収比較
皮膚科医の平均年収ですが、勤務医と開業医とではまた違ってきます。
厚生労働省が公表している「第22回医療経済実態調査報告」のデータを元に、開業医の年間収入を算出してみたところ、もっとも高いのは産婦人科で、皮膚科は5番目という結果になっています。
データによると産婦人科が4551万円と年間収入が多く、皮膚科医は2792万円です。
冒頭で説明したように皮膚科の勤務医の平均年収は1078万円なので、開業医と比較すると1714万円もの差があることが分かります。
ただ、開業医の場合は年間収入がすべて年収になるのではなく、この中から建物や設備の改善、修繕にかかる費用が出されるため、実際はもう少し低いと考えられます。
末永
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皮膚科医の仕事内容
皮膚科医は皮膚の疾患全般を専門に診断・治療する医師のことです。
皮膚は全身を覆っているため、皮膚科の診療範囲は全身にも及びます。また、患者は新生児から高齢者までと様々なので、幅広い知識・スキルが求められます。
皮膚科の患者は入院の必要がない軽い症状のものが多いのも特徴です。具体的にはアトピー性皮膚炎、ニキビ、蕁麻疹、帯状疱疹、やけどなどですね。
重度のやけどや悪性腫瘍の場合は、外科手術をおこなうこともあります。他にも爪や脱毛症の問題も皮膚科医が専門で診ます。さらにシミに対するレーザー治療などの美容医療も皮膚科医の仕事に入ります。
皮膚科医の労働環境
皮膚科は比較的、症状の軽い患者を診ることが多く、他の診療科よりもワークライフバランスを保って働けるというメリットがあります。
そんな皮膚科医の労働環境について、主に以下の2つをピックアップして説明します。
皮膚科医の当直
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、47.8%の皮膚科医は1ヶ月当たりに日直が1回もないと回答しました。
日直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 38.2 | 51 | 6.3 | 4.5 |
皮膚科医 | 47.8 | 47.6 | 2.8 | 1.8 |
日直があったとしても1~2回と少ないです。他の診療科を含めた平均値と比較した場合、皮膚科医は平均よりも日直の回数が少ないと考えて良いでしょう。
月に3~4回、5回以上日直をする皮膚科医は平均よりも低くなっており、日直をする人は少ないです。また、宿直に関しては4割ほどの皮膚科医が月に1回もないと回答しています。
宿直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 32.6 | 34.8 | 21.8 | 10.8 |
皮膚科医 | 41.2 | 42.5 | 14.6 | 1.8 |
宿直の回数は1~2回が平均値を上回っていますが、3~4回、5回以上は両方とも下回る結果となっています。つまり、皮膚科医は宿直をしたとしても1ヶ月に1~2回しかないということになります。
ちなみに宿直1回あたりに診る患者の数は、1~4人がもっとも多いです。また、宿直1回あたりの平均睡眠時間は4時間以上の人が多くなっています。
皮膚科医は宿直があったとしても、診る患者数もそこまで多いわけではないので、眠れないほど忙しいわけではないようです。
皮膚科医の勤務先に対する満足度
勤務先に対する満足度ですが、数ある診療科の中で皮膚科医はそこそこ高い結果となっています。
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータを元に、皮膚科と人手が足りていない麻酔科、産婦人科、外科の3つと比較してみました。
満足していると回答しているのは麻酔科が11.8%、皮膚科が10.7%、外科が10%、産婦人科が8.8%となっています。
「満足している」と「まあ満足」の2つを足した場合は、麻酔科が69.3%、産婦人科が68.7%、皮膚科が60.8%、外科が56.3%となっており、約6割の皮膚科医が満足していると回答していることがわかります。
一方で不満と回答した割合は、麻酔科が2%、産婦人科が2.7%、皮膚科が4.1%、外科が5.3%となっており、不満と回答している皮膚科医は少ないです。
つまり、皮膚科医は勤務先に対して、高い満足度を感じている人が多いということです。
年収を上げるにはアルバイトもおすすめ
手っ取り早く年収を上げたいのなら、アルバイトの掛け持ちをするのも1つの方法です。
医師転職研究所の調べによると、医者でアルバイト・副業をやっている割合は以下のようになっています。
医者でアルバイト、いわゆる非常勤勤務をおこなっている割合は全体の68%を占めています。皮膚科医のアルバイトですが、一般外来・施設往診・美容皮膚科の募集が多くなっています。
報酬は地域によっても異なりますが、相場としては時給1万円が目安となっています。個人宅への訪問診療が多いクリニックや医者が1人で巡回する場合は報酬が高く設定されており、10万円という例もあります。
掛け持ちする場合の年収例
時給1万円の非常勤(アルバイト)をした場合の、年収例をご紹介します。
週1日の8時間勤務であれば、月に4回の勤務で月収は32万円となります。この働き方を1年間続けると384万円の収入が見込めます。メインで勤務している病院とは別にこのように掛け持ちをし、300~400万円ほど年収が増えている医師は多いです。
医師のアルバイトについて、さらに詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみてください。
年収を上げたいなら転職エージェントに相談
皮膚科医はニーズが高く、他の病院やクリニックへ転職するだけでも想像以上に年収が上がるケースがよくあるので、皮膚科医として年収を上げたいのなら、転職するのがおすすめです。
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医師の転職に役立つ関連記事
転職を考えている医師の方向けに役立つ関連記事を載せておきます。
年収を上げたい皮膚科の医師は転職エージェントを使ってみてはいかがでしょうか。他の年収が高い診療科に転職するとなると、新しく資格を取得し勉強もする必要があります。しかし、今の仕事が忙しくて時間にも限りがありますよね。
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