産婦人科医の平均年収は1466万円!仕事内容や将来性を比較解説!
産婦人科の平均年収がどれぐらいなのか、転職のプロがズバリ解説します。他にも年代別・地域別・医療施設別にわかりやすく説明します。
さらに産婦人科の仕事内容や労働環境(忙しさ)、他診療科や開業医との比較や今よりも収入を増やす方法も紹介します。
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産婦人科の平均年収は1466万円
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、産婦人科医の平均年収は1466万円です。
産婦人科医の年収割合は、以下のようになっています。
上記の円グラフでは300万円未満は0.8%、300~500万円が2.3%、500~700万円が5.4%、700~1000万円が13.8%、1000~1500万円が27.7%、1500~2000万円が29.2%、2000万円以上が20.8%となっています。
これらの年収割合を500万円未満、500~1000万円、1000万円以上の3つに分類すると以下のようになります。
産婦人科医の年収ですが、1000万円を超えている人が全体で77.7%もいます。500~1000万円が19.2%、500万円未満が3.1%となっており、8割近い人が年収1000万円を超えていることがわかります。
年代別の平均年収
産婦人科医の場合は、経験を積んだ40代から年収が一気に上がり、2000万円を超える人が増えてきます。
リクルートドクターズキャリアによると、産婦人科医の年代別の平均年収は以下のようになっています。
20代のうちは研修医なので、平均年収は600万円未満となっています。
産婦人科医は30代だと600万円未満が14%、600~1000万円が29%、1000万円未満は43%となっています。1000~1400万円が14%、1400~2000万円が29%、2000万円以上が14%となっており、57%の産婦人科医が年収1000万円を超えます。
経験を積んだ40代になると、1000~1400万円が17%、1400~2000万円が17%、2000万円が67%となっており、7割近い産婦人科医が年収2000万以上となっているようです。
50代は2000万円以上の割合が33%となっており、40代よりも減っています。1000~1400万円が17%、1400~2000万円が50%で、1400~2000万円がもっとも多いです。
ベテランの60代では、1400~2000万円未満が40%、2000万円以上が60%を占めています。
地域別の平均年収
リクルートドクターズキャリアのデータによると、地域によって平均年収が大きく異なる結果となっています。
北海道・東北は1000~1400万円と1400~2000万円がそれぞれ50%となっています。
関東は2000万円の割合が83%と高く、次いで1400~2000万円が17%を占めています。
中部は関東の次に2000万円以上の割合が67%と多いです。関西は1000~2000万円が66%、2000万円以上が33%となっています。
九州・沖縄は600万円未満が50%を占め、その他は1000~1400万円が25%、2000万円以上が25%となっており、平均年収の格差がもっとも大きいです。
上記の結果から、関東は2000万円以上の割合がもっとも高くなっており、年収を上げたい人は関東で転職先を探すと良いでしょう。
医療施設別の平均年収
リクルートドクターズキャリアによると、医療施設別では年収にばらつきがある大学・国公立病院よりも、民間病院のほうが総合的に平均年収が高いです。
600万円未満は大学・国公立病院が11%、民間病院で0%、クリニックで17%となっています。600~1000万円未満は大学・国公立病院のみで22%です。
1400~2000万円はクリニックが50%ともっとも多く、次いで民間病院が31%、大学・国公立病院が11%となっています。2000万円以上は大学・国公立病院が56%ともっとも多く、民間病院の44%、クリニックの33%と続いています。
全体て見たときに、1000万円以上の割合は民間病院が100%、クリニックが83%、大学・国公立病院が67%です。総合的に見ると、民間病院がもっとも平均年収が高くなっています。
産婦人科と他診療科の平均年収比較
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は以下のようになっています。
診療科 | 平均年収 |
---|---|
脳神経外科 | 1480万円 |
産婦人科 | 1466万円 |
外科 | 1374万円 |
麻酔科 | 1335万円 |
整形外科 | 1289万円 |
呼吸器科 消化器科 循環器科 |
1267万円 |
内科 | 1247万円 |
精神科 | 1230万円 |
小児科 | 1220万円 |
救急科 | 1215万円 |
その他 | 1171万円 |
放射線科 | 1103万円 |
眼科 耳鼻咽喉科 泌尿器科 皮膚科 |
1078万円 |
平均年収がもっとも高いのは脳神経外科で、産婦人科は次に平均年収が高い結果となりました。
1番年収が高い脳神経外科医は、命に関わる疾患を扱うため、極めて繊細で高度なスキル・知識が求められます。また、くも膜下出血や脳卒中といったように、緊急を要する治療をおこなうことも多いので、他の診療科よりも平均年収が高くなっています。
また、日本の周産期医療の安全性は世界でもトップクラスでありながらも訴訟リスクが高く、激務であることから、産婦人科は常に人出不足です。このような事情もあるので、産婦人科医の平均年収は2番目に高くなっていると考えられます。
診療科別の医師必要数
生死に関わる重大な判断をする必要がある診療科ほど、医師のなり手が少なく、常に人手不足の状態が続いています。
厚生労働省が発表している「平成30年度 第4回医道審議会医師分科会医師専門研修部会」の2016年のデータによると、上位4つの診療科の医師数と必要な医師数は以下のようになっています。
診療科 | 医師数 | 必要医師数 | 不足 |
---|---|---|---|
脳神経外科 | 7,713人 | 9,021人 | 1308人 |
産科・婦人科 | 12,632人 | 14,811人 | 2179人 |
外科 | 29,085人 | 34,741人 | 5656人 |
麻酔科 | 9,496人 | 10,076人 | 580人 |
どの診療科も人手が不足しています。なかなか後任の医師が見つからないため、優秀な医師が辞めてしまわないように、年収が高くなっていると考えられます。
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産婦人科医の仕事内容
産婦人科は新生児から高齢者まで、幅広い年齢の女性を対象としています。そのため、それぞれの診療領域が異なっていることから、産科と婦人科に分かれています。
以下で産科と婦人科に分け、それぞれの仕事内容について簡単に紹介していきます。
産科医の仕事内容
産科医は妊娠・分娩・産褥期までの診療、また無事に出産ができるように母子の健診をおこないます。入院施設があり、出産を受け入れている医療施設の場合は分娩介助も仕事になります。
出産は自然分娩の他に、予定帝王切開や緊急帝王切開になるケースもあり、状況に応じて手術もおこないます。産後は順調に退院ができるように母子のサポートもしますね。
なお、中絶手術も産科医の仕事の1つです。
婦人科医の仕事内容
婦人科医は子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮がん、卵巣がんなど女性特有の疾患の診断・治療をおこないます。他にも不妊や更年期障害も取り扱い、生涯を通じて女性の健康をサポートしていくのが仕事です。
外科治療と内科治療が必要な患者が一緒になっていることが多く、婦人科医には両方の知識やスキルが求められます。
産婦人科医の労働環境
産婦人科医は新生児から高齢者まで、幅広い年代の女性を対象としています。とくに産科医は命の誕生に立ち会うことから、患者から感謝の気持ちを伝えられる数少ない診療科だと言えます。
様々な年代の女性を対象としていることから、幅広い知識やスキルも求められます。また、他の診療科よりも訴訟に巻き込まれるリスクが高いといった実情もあります。
人手不足から激務になりがちな産婦人科医について、以下の3つをピックアップして労働環境について説明します。
診療科別の訴訟件数
診療科別の訴訟件数について、厚生労働省の「平成30年度 第4回医道審議会医師分科会医師専門研修部会」と、裁判所の「医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数」を元に、医師1000人あたりの訴訟件数を算出してみました。
診療科 | 医師数 | 訴訟数 | 1000人あたりの訴訟数 |
---|---|---|---|
形成外科 | 3,321人 | 24件 | 7.2件 |
外科 | 29,085人 | 122件 | 4.1件 |
整形外科 | 22,029人 | 84件 | 3.8件 |
産婦人科 | 12,632人 | 47件 | 3.7件 |
精神科 | 15,691人 | 37件 | 2.3件 |
泌尿器科 | 7,426人 | 16件 | 2.1件 |
皮膚科 | 8,685人 | 17件 | 1.9件 |
内科 | 112,978人 | 192件 | 1.6件 |
眼科 | 12,724人 | 19件 | 1.4件 |
耳鼻咽喉科 | 9,175人 | 10件 | 1件 |
小児科 | 16,587人 | 7件 | 0.4件 |
麻酔科 | 9,496人 | 4件 | 0.4件 |
12の診療科の中で、産婦人科医が訴訟に巻き込まれるリスクは4番目に高い結果となっています。
高齢出産の増加や出産は病気ではないから危険ではなく、失敗しないと考えている患者も多いことから、産婦人科医は訴訟のリスクが高いです。
産婦人科医の当直
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、46.4%の麻酔科医は1ヶ月当たりに日直が1回もないと回答しました。
日直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 38.2 | 51 | 6.3 | 4.5 |
産婦人科医 | 30.6 | 44.9 | 16.3 | 8.2 |
日直があったとしても1~2回と少ないです。他の診療科を含めた平均値と比較した場合、産婦人科医は平均よりも日直の回数が多いと考えて良いでしょう。
月に3~4回、5回以上日直をする産婦人科医は平均よりも高くなっており、する人としない人に分かれています。日直をする人は回数が多くなる傾向にあるようです。
また、宿直に関しては3割ほどの産婦人科医が月に1回もないと回答しています。
宿直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 32.6 | 34.8 | 21.8 | 10.8 |
産婦人科医 | 29.9 | 21.1 | 21.1 | 27.8 |
宿直の回数は1~2回が平均値を下回っていますが、5回以上は17%も大きく上回っている結果となりました。宿直は当直以上に、する人としない人の差が大きく、宿直をする人は平均よりも回数が多くなっています。
ちなみに宿直1回あたりに診る患者の数は、1~4人がもっとも多いです。また、宿直1回あたりの平均睡眠時間は4時間以上の人が多くなっています。
産婦人科医は宿直の回数は多いものの、患者数もそこまで多いわけではないので、眠れないほど忙しいわけではないようです。
産婦人科医の勤務先に対する満足度
勤務先に対する満足度ですが、数ある診療科の中でも産婦人科医は2番目に高いです。
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータを元に、産婦人科と人手が足りていない麻酔科、外科、脳神経外科の3つと比較してみました。
満足していると回答しているのは麻酔科が11.8%、外科が10%、脳神経外科が8.9%、産婦人科が8.8%となっています。
「満足している」と「まあ満足」の2つを足した場合は、麻酔科が69.3%、産婦人科が68.7%、外科が56.3%、脳神経外科が52.8%となっており、約7割の産婦人科医が満足していると回答していることがわかります。
一方で不満と回答した割合は、麻酔科が2%、産婦人科が2.7%、外科が5.3%、脳神経外科が6.5%となっており、不満と回答している産婦人科医は少ないです。
つまり、産婦人科医は勤務先に対して、高い満足度を感じている人が多いということです。
年収を上げるにはアルバイトもおすすめ
手っ取り早く年収を上げたいのなら、アルバイトの掛け持ちをするのも1つの方法です。
医師転職研究所の調べによると、医師でアルバイト・副業をやっている割合は以下のようになっています。
医師でアルバイト、いわゆる非常勤勤務をおこなっている割合は全体の68%を占めています。
分娩を取りやめる医療施設が増えているのもあり、産婦人科医の需要は高まっています。そのため、産婦人科医の非常勤(アルバイト)を募集する求人は多く、仕事を見つけやすいので年収を上げやすいです。
報酬は地域によっても異なりますが、相場としては時給1万円が目安となっています。
掛け持ちする場合の年収例
時給1万円の非常勤(アルバイト)をした場合の、年収例を以下でご紹介します。
週1日の8時間勤務であれば、月に4回の勤務で月収は32万円となります。この働き方を1年間続けると384万円の収入が見込めます。
メインで勤務している病院とは別にこのように掛け持ちをし、300~400万円ほど年収が増えている医師は多いです。
医師のアルバイトについて、詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみてください。
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産婦人科医はニーズが高く、他の病院やクリニックへ転職するだけでも想像以上に年収が上がるケースがよくあるので、産婦人科医として年収を上げたいのなら、転職するのがおすすめです。
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医師の転職に役立つ関連記事
転職を考えている医師の方向けに役立つ関連記事を載せておきます。
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