放射線科の平均年収は1103万円!仕事内容や給与が低めの理由も解説
放射線科医の平均年収がどれぐらいなのか、他の診療科と比較した場合の収入の違いなど、転職のプロが分かりやすく解説します。
他にも放射線科医のの仕事内容や労働環境(忙しさ)、他診療科や開業医との比較や今よりも収入を増やす方法も紹介します。
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放射線科の平均年収は1103万円
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、放射線科医の平均年収は1103万円です。
放射線科の年収割合は、以下のようになっています。
上記の円グラフでは300万円未満は5.3%、300万円~500万円が6.3%、500万円~700万円が11.6%、700万円~1000万円が16.8%、1000万円~1500万円が33.7%、1500万円~2000万円が22.1%、2000万円以上が4.2%となっています。
これらの年収割合を500万円未満、500万円~1000万円、1000万円以上の3つに分類すると以下のようになります。
放射線科の年収ですが、1000万円を超えている人が全体で60%もいます。500万円~1000万円が28.4%、500万円未満が11.6%となっており、6割の人が年収1000万円を超えていることがわかります。
年代別の平均年収
放射線科医の場合は、若手のうちから年収が高い傾向にあります。
リクルートドクターズキャリアによると放射線科医の年代別の平均年収は以下のようになっています。
20代のうちは研修医なので、平均年収は600万円未満としています。30代は600万円未満が25%を占めていますが、その次が1000万円~1400万円が50%、1400万円~2000万円が25%となっており、年収水準は高いです。
40代は600万円~1000万円が8%、1000万円~1400万円が17%、1400万円~2000万円が75%です。
50代になると600万円~1000万円が18%、1000万円~1400万円が9%、1400万円~2000万円が55%、2000万円以上が18%になっています。50代から2000万円以上が増える傾向にあります。
経験を積んだ60代は1400万円~2000万円、2000万円以上がそれぞれ50%を占めており、年代別ではもっとも年収が高いです。
地域別の平均年収
リクルートドクターズキャリアによると、放射線科医の平均年収は関東・関西以外は高い水準となっています。
なお、中部地方はデータがなかったため空欄としています。
地域別で見た場合、もっとも年収水準が高いのは北海道・東北です。年収の割合は1400万円~2000万円が33%、2000万円以上が67%となっており、2000万円以上の人が7割近くもいます。
九州・沖縄、中国・四国も年収が高い傾向にあります。九州・沖縄は2000万円以上が20%、1400万円~2000万円と1000万円~1400万円がそれぞれ40%で、年収1000万円以下の人はいません。
中国・四国も年収1000万円以下はいませんが、2000万円以上もいないという結果になっています。1000万円~1400万円が33%、1400万円~2000万円が67%となっています。
関東は600万円未満、600万円~1000万円、1000万円~1400万円がそれぞれ13%を占めており、残りは1400万円~2000万円が63%です。関西は関東と似た傾向にありますが、600万円未満は存在しません。
以上のことから年収をあげたい放射線科医は都市部以外、とくに北海道・東北を中心に転職先を探すと良いでしょう。
医療施設別の平均年収
リクルートドクターズキャリアによると、医療施設別で年収が良いのは民間病院です。
放射線科を専門としているクリニックが少ないため、データがない状態となっています。
医療施設別で見た場合、年収が良いのは民間病院です。民間病院は1000万円未満が0%、1000万円~1400万円が18%、1400万円~2000万円が73%、2000万円以上が9%となっています。
一方で大学・国公立病院は600万円未満が6%、600万円~1000万円と1000万円~1400万円がそれぞれ18%、1400万円~2000万円が47%、2000万円以上が12%です。
民間病院は大学・国公立病院のように年収にバラツキがなく、全体の約4分の3が1400万円~2000万円で占められているので、高年収であると言えます。転職を考えている場合は、民間病院から探すのが良さそうですね。
放射線科と他診療科の平均年収比較
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、診療科別の平均年収は以下のようになっています。
診療科 | 平均年収 |
---|---|
脳神経外科 | 1480万円 |
産婦人科 | 1466万円 |
外科 | 1374万円 |
麻酔科 | 1335万円 |
整形外科 | 1289万円 |
呼吸器科 消化器科 循環器科 |
1267万円 |
内科 | 1247万円 |
精神科 | 1230万円 |
小児科 | 1220万円 |
救急科 | 1215万円 |
その他 | 1171万円 |
放射線科 | 1103万円 |
泌尿器科 耳鼻咽喉科 眼科 皮膚科 |
1078万円 |
平均年収がもっとも高いのは脳神経外科で、放射線科は今回比較した科目の中では12番目に年収が高い結果となりました。
1番年収が高い脳神経外科医は、命に関わる疾患を扱うため、極めて繊細で高度なスキル・知識が求められます。また、くも膜下出血や脳卒中といったように、緊急を要する治療・手術をおこなうことも多いので、他の診療科よりも平均年収が高くなっています。
放射線科が他の科目よりも平均年収が低い理由としては、主な業務が画像読影(画像診断)のため、時間外労働が少なく各種手当がつきにくいからです。
働き方にもよりますが、放射線科は他の診療科よりも年収は低いものの、比較的ワークライフバランスを保って働けるのも特徴です。
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放射線科医の仕事内容
放射線科医の主な仕事は、X線写真やCT、MRIなどの画像検査によって病気を見つけ出す「画像読影(画像診断)」と、ガンなどの病変に対して放射線を照射する「放射線治療」の2つに分かれています。
どちらを専門にするのかにもよって、年収や勤務環境が大きく異なってきます。以下ではそれぞれの仕事内容や年収、勤務環境について簡単に紹介します。
画像読影(画像診断)
X線写真やCT、MRIなどの画像読影(画像診断)を専門におこなう放射線科医は、多くの診療科から依頼がくるため忙しいです。
しかし、勤務時間内で仕事が終わることが多く、他の診療科のように時間外労働やオンコールで激務になることは少ないです。
画像から疾患の有無を判断するので、放射線科医の仕事は治療の方向性に大きな影響を与えるため、常に冷静に正しい判断が求められます。
時間外労働やオンコールによる手当は少なく、年収は低い傾向にあります。さらに年収をあげたいのであれば、画像読影(画像診断)の経験を積み、放射線科診断専門医などの資格を取得すると良いでしょう。
放射線治療
放射線療法は手術療法と化学(薬物療法)と並んで、ガンの三大治療法です。そのため、放射線治療を専門におこなう放射線科医はガンの治療がメインの仕事になります。
ガンの他にも腹腔内大量出血などに対して緊急で動脈塞栓術や、くも膜下出血に対してコイル塞栓術をおこなうこともあります。緊急を要する治療が必要になるため、時間外労働や日当直などもあり、激務になりやすい傾向です。
ただ、画像読影(画像診断)を専門とする放射線科医よりも年収水準は高いです。なぜなら時間外労働や日当直の手当がつくからです。今よりも年収をあげたいのであれば、脳血管内治療専門医などの資格を取得し、実際の治療経験を積むと良いでしょう。
放射線科医の労働環境
放射線科医は主な仕事が「画像読影(画像診断)」なのか「放射線治療」なのかによって、労働環境が大きく変わります。
画像読影(画像診断)はデスクワークが中心でワークライフバランスを保って働けますが、放射線治療は緊急を要する場合もあるため時間外労働が多く激務になりやすいです。
そんな放射線科医の労働環境について、主に以下の3つをピックアップして説明します。
放射線科の訴訟リスク
患者からの訴訟リスクに対する認識について、労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータを元に紹介します。
訴訟リスクが高いと言われている産婦人科・外科・救急科の3つと比較しました。
非常に感じると回答しているのは救急科が16.7%、外科が8.5%、産婦人科が7.5%、放射線科が1.8%となっています。
「非常に感じる」と「まあ感じる」の2つを足した場合は、産婦人科が49%、外科が45.5%、救急科が44.5%、放射線科が22.9%です。訴訟リスクが高いと言われている診療科と比較すると、放射線科医は患者からの訴訟リスクを感じている人は少ないです。
ちなみに診療科の平均は38.8%で、放射線科は平均よりも下回っています。つまり、放射線科は訴訟に巻き込まれるリスクは低いと考えて良いでしょう。
放射線科医の当直
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、60.5%の放射線科医は1ヶ月当たりに日直が1回もないと回答しました。
日直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 38.2 | 51 | 6.3 | 4.5 |
放射線科医 | 60.5 | 36 | 1.8 | 1.8 |
日直があったとしても1~2回と少ないです。他の診療科を含めた平均値と比較した場合、放射線科医は平均よりも日直の回数が少ないです。
全体的に平均を下回っており、放射線科は数ある診療科の中でも日直が少ないと言えます。また、宿直に関しては6割近いの放射線科医が月に1回もないと回答しています。
宿直 | ||||
---|---|---|---|---|
なし | 1~2 | 3~4 | 5回以上 | |
平均 | 32.6 | 34.8 | 21.8 | 10.8 |
放射線科医 | 59.6 | 30.7 | 8.8 | 0.9 |
宿直の回数は日直と同様にすべてが平均を下回っています。宿直があったとしても1ヶ月に1~2回となっていますが、ほぼないと考えて良いでしょう。
ちなみに宿直1回あたりに診る患者の数は、1~4人がもっとも多いです。また、宿直1回あたりの平均睡眠時間は4時間以上の人が多くなっています。
放射線科医は宿直の回数は多くなく、あったとしても診る患者数が少ないです。そのため、眠れないほど忙しいというわけではないようです。
放射線科医の勤務先に対する満足度
勤務先に対する満足度ですが、数ある診療科の中でも放射線科医は3番目に高いです。
労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」のデータを元に、放射線科と人手が足りていない産婦人科、外科、麻酔科の3つと比較してみました。
満足していると回答しているのは麻酔科が11.8%、外科が10%、放射線科が8.8%、産婦人科が8.8%となっています。
「満足している」と「まあ満足」の2つを足した場合は、麻酔科が69.3%、産婦人科が68.7%、放射線科が62.3%、外科が56.3%となっており、6割以上の放射線科医が満足していると回答していることがわかります。
一方で不満と回答した割合は、麻酔科が2%、産婦人科が2.7%、放射線科が4.4%、外科が5.3%となっており、不満と回答している放射線科医は少ないです。
つまり、放射線科医は勤務先に対して、高い満足度を感じている人が多いということです。
年収を上げるにはアルバイトもおすすめ
手っ取り早く給与を増やして年収を上げたいのなら、アルバイトの掛け持ちをするのも1つの方法です。
医師転職研究所の調べによると、医師でアルバイト・副業をやっている割合は以下のようになっています。
医師でアルバイト、いわゆる非常勤勤務をおこなっている割合は全体の68%を占めています。放射線科医のアルバイトですが、画像読影(画像診断)の募集が多くなっています。
報酬は地域によっても異なりますが、相場としては時給1万円が目安となっています。放射線科専門医の場合は、1回あたりの単価が6~7万円という例もあります。
ただ、放射線科のアルバイトは案件数が他の診療科よりも少ないので、気になる案件を見つけたら早めに動くようにすると良いでしょう。
掛け持ちする場合の年収例
時給1万円の非常勤(アルバイト)をした場合の、年収例をご紹介します。
週1日の8時間勤務であれば、月に4回の勤務で月収は32万円となります。この働き方を1年間続けると384万円の収入が見込めます。
メインで勤務している病院とは別にこのように掛け持ちをし、300万円~400万円ほど年収が増えている医師は多いです。
医師のアルバイトについて、さらに詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみてください。
年収を上げたいなら転職エージェントに相談
放射線科医として年収をあげたいのなら、転職のプロである転職エージェントに相談するのが効率が良いです。
ただ、放射線科医の求人は他の診療科と比べ、少ないです。とくに放射線治療をおこなっている医療施設は限られており、求人も限られているのが実情です。
求人が少ない放射線科医の転職は事前に転職エージェントに登録し、希望に合う求人を待つようにすると良いです。
また、医師の転職に特化した転職エージェントは、医療施設の詳細な内部情報や今よりも年収をあげられる医療施設はどこなのかといった情報を豊富に持っています。
ただ、転職エージェントといっても保有している求人やサポートに違いがあるので、2~3社に複数登録し、最終的に1番良いと思った1社に絞り込むと効率よく転職活動を進めることができます。
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医師の転職に役立つ関連記事
転職を考えている医師の方向けに役立つ関連記事を載せておきます。
年収を上げたい放射線科の医師は転職エージェントを使ってみてはいかがでしょうか。他の年収が高い診療科に転職するとなると、新しく資格を取得し勉強もする必要があります。しかし、今の仕事が忙しくて時間にも限りがありますよね。
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