
SESはやめとけと言われる理由7選|判断基準と脱出法
SESはやめとけ――ネットやSNSでこの言葉を見て、不安を感じている人は多いと思います。
実際にSESには構造的な問題があり、環境によってはキャリアの停滞を招くリスクがあります。
ただし、すべてのSESが一律にダメかと言えばそうではありません。
この記事ではSESがやめとけと言われる理由を具体的なデータと現場のリアルな声をもとに解説します。
やめるべき人と続けてもいい人の判断基準、そしてSESから抜け出すための転職先やキャリア戦略まで紹介するので参考にしてみてください。
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SESが「やめとけ」と言われる7つの理由
SESがやめとけと言われるのは、業界特有の構造的な問題に起因しています。
もちろん会社によって差はありますが、多くのSESエンジニアが共通して直面しやすい問題が7つあります。
案件を選べない「案件ガチャ」で成長機会を逃す
SESで最もよく聞かれる不満が「案件ガチャ」と呼ばれる問題です。
SESエンジニアは基本的に自分で配属先を選べず、会社が決めたプロジェクトに参画する形になります。
プログラミングがやりたくて入社したのに、配属されたのはExcelにスクリーンショットを貼るだけのテスト工程だった、というケースは珍しくありません。
こうした案件に長期間固定されると、エンジニアとしての技術力がまったく伸びません。
市場価値がゼロのまま年齢だけを重ねてしまうリスクがあります。
SESで希望の案件に就けないことに悩んでいる人は、以下の記事も参考にしてみてください。
多重下請け構造で給料が上がりにくい
SES業界の年収が低い根本原因は、多重下請け構造にあります。
クライアント企業が支払う費用から、間に入る複数の企業が中間マージンを差し引いていくため、エンジニアの手元に届く金額はどんどん少なくなります。
Geeklyの2024年10月〜2025年9月の調査データによると、SESエンジニアの平均年収は約408万円です。
ITエンジニア全体の平均年収537万円と比べると約130万円の差があります。
20代に限ると平均339万円で、新卒や未経験の場合は250万〜350万円からのスタートが一般的です。
商流が深い(4次請け、5次請け)会社にいると、技術力を上げても年収の天井が低いまま据え置かれます。
年収を上げたいなら、自分がいま何次請けのポジションにいるのかを把握してください。
商流が深いほど年収の伸びは鈍くなります。
現場が変わるたびに人間関係をリセットされる
SESエンジニアは案件ごとに配属先が変わるため、半年〜1年のサイクルで職場環境が一新されます。
せっかくチームに馴染んで信頼関係を築いても、プロジェクトが終われば別の現場に移ることになります。
外部の人間として扱われるため、社内のイベントに呼ばれないことも珍しくありません。
こうした環境では帰属意識が育ちにくく、自分がどこの会社の社員なのかわからなくなるという声は非常に多いです。
人間関係のリセットが辛いと感じるなら、それは自分に合った働き方を考え直すサインです。
同じ環境で長く働きたい人にはSESより自社開発や社内SEが向いています。
スキルが身につかない案件に長期間アサインされる
案件ガチャと密接に関係する問題ですが、スキルが身につかない作業に長期間固定されるケースは深刻です。
テスト工程やドキュメント整理、ヘルプデスク対応といった業務ばかりでは、エンジニアとしての市場価値はほとんど伸びません。
SES企業によっては、IT関連以外の業務(コールセンターや事務作業)に配属されるケースすら報告されています。
1〜2年こうした環境に置かれると、転職市場で評価されるスキルがほぼ残らない状態になります。
スキルが身につかない環境に2年以上いるなら、危機感を持ってください。
エンジニアの市場価値は「何の技術で、どんな規模の開発をしたか」で決まります。
もし今の案件で技術力が伸びている実感がないなら、自分のスキルがどの程度の市場価値を持つのか一度プロに確認してもらうのも有効です。
今すぐ転職するかどうかは別として、自分の立ち位置を把握しておくだけでも次の一手が見えてきます。
評価制度が曖昧で頑張りが給与に反映されない
SESエンジニアの評価は構造的に難しい問題を抱えています。
実際に仕事を見ているのはクライアント先の上司ですが、評価を行うのは自社の上司です。
自社の上司は現場での働きぶりを直接見ていないため、適正な評価ができません。
結果として、評価が年功序列的になったり、伝聞ベースで判断されたりすることが多くなります。
成果を出しても給与に反映されにくい構造があるため、モチベーションの維持が難しくなります。
評価制度が不透明な会社では、頑張っても報われないと感じるのは当然です。
面談時に昇給の条件を明確に聞いてみてください。
答えが曖昧なら要注意です。
待機期間の発生で収入や精神が不安定になる
案件と案件の間に「待機期間」が発生することがあります。
次の配属先が決まるまでの空白期間で、自宅待機を命じられるケースが典型的です。
待機期間中の給与は会社によって対応が異なります。
基本給の満額が支払われる会社もあれば、60%に減額される会社もあります。
収入が不安定になるだけでなく、自分の価値を否定されたような気持ちになるという声は少なくありません。
待機中の給与がどう扱われるかは入社前に確認すべきポイントです。
満額支給かどうかだけでなく、平均的な待機期間の長さも聞いてください。
長期的なキャリアパスを描きにくい
SES企業ではPM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)へのキャリアアップが難しい傾向があります。
管理職は基本的にクライアント企業のプロパー社員が担当するため、SESエンジニアは実装や運用の実作業を続ける立場に留まりがちです。
さらに、年齢を重ねるにつれて単価が高くなり、クライアント企業が契約を敬遠するようになるリスクもあります。
35歳を過ぎてSESの現場で働き続けることに不安を感じるエンジニアは多いです。
5年後の自分が今の延長線上にいるイメージが湧かないなら、キャリアの方向性を見直す時期です。
漠然とした不安を放置せず、具体的な選択肢を整理してみてください。
SESでのキャリアに行き詰まりを感じているなら、IT業界に精通したキャリアアドバイザーと一緒に今後の方向性を整理してみてください。
入社後半年以内の退職率1.5%以下という実績が示す通り、キャリアの軸から逆算した転職はミスマッチを防げます。
SESをやめるべき人・続けてもいい人の判断基準
SESがやめとけと言われる理由を見てきましたが、全員が今すぐやめるべきかと言えばそうではありません。
自分の状況を冷静に見極めることが重要です。
今すぐSESをやめた方がいい人の特徴
以下の条件に当てはまる場合は、転職を真剣に検討した方がいいです。
SESをやめるべきサイン
下流工程(テスト、監視、ヘルプデスク)に2年以上固定されている
商流が4次請け以下で年収が同年代の平均を大きく下回っている
案件を選ぶ権利がまったくなく営業が決めた案件に行くだけの状態
待機期間が頻繁に発生して収入が安定しない
上流工程に携わる見込みがない
こうした状況が続いている場合、今の環境で成長できる可能性は低いです。
辛い状況に慣れてしまう前に動くことが大切です。
現状に違和感があるなら、その感覚を信じてキャリアを見直すきっかけにしてください。
今のSES企業に残っても問題ない人の特徴
一方で、SES企業のすべてが悪い環境とは限りません。
以下に該当する場合は、今の会社で経験を積むことに価値があります。
優良SES企業の条件
自分の状況と照らし合わせてみてください。
案件を2〜3個の候補から選ばせてもらえる
還元率(単価に対するエンジニアの取り分)が70%以上
研修制度があり資格取得支援や勉強会の機会がある
要件定義や基本設計といった上流工程に関われている
離職率が10%以下の安定した組織
優良なSES企業はIT業界の入口として価値があります。
判断に迷ったら、同年代のエンジニアの市場価値と自分を比較してみてください。
差が開いていなければ焦る必要はありません。
今の会社を辞めるべきか見極めるチェックリスト
自分の状況を客観的に判断するために、以下の5項目をチェックしてみてください。
転職を検討すべきかのチェックリスト
3つ以上当てはまる場合は、環境を変えることを前向きに検討した方がいいです。
直近1年間でエンジニアとしてのスキルが伸びた実感がない
年収が同年代のITエンジニア平均を下回っている
案件の選択権がなく会社任せになっている
上司やメンターに直接キャリアの相談ができる環境がない
3年後のキャリアイメージが具体的に描けない
1〜2個の場合は、まず社内で改善の交渉(案件希望の伝達、評価面談の申し入れ)を試みてから判断しても遅くありません。
下流工程ばかりで成長実感がないなら、今の技術力を上流の課題解決力に転換するキャリア設計から始めてみてください。
キャリアの方向性に迷ったら、IT業界に精通したキャリアアドバイザーに相談するのも選択肢の1つです。
自分の市場価値を客観的に知りたい人は、一度相談してみてください。
SESエンジニアが転職で選べるキャリアパス5選
SESから転職する場合、主な選択肢は5つあります。
それぞれの特徴と、どんな人に向いているかを整理します。
SIerで上流工程に携わる
SIer(システムインテグレーター)は、クライアント企業からシステム開発を一括で請け負う会社です。
SESとの大きな違いは、要件定義や基本設計といった上流工程に関われる点にあります。
SESで培った実装経験は、SIerでは「手を動かせるSE」として評価されやすいです。
特にJavaやC#といった業務系言語の経験が2年以上あれば、中堅SIerのSEポジションに採用される可能性は十分あります。
SIerへの転職を考えるなら、自分がどの工程を担当してきたかを具体的に言語化してください。
設計書を読むだけでなく、修正や追記をした経験があれば十分アピールできます。
SIerへの転職を検討している人は、以下の記事で詳しく解説しています。
自社開発企業でプロダクトに関わる
Web系やSaaS系の自社開発企業では、自社のプロダクトを企画段階から開発、運用まで一貫して担当できます。
同じサービスに継続的に関わるため、SESのように現場が変わることはありません。
SESからの転職ではポートフォリオやGitHubでの活動が重視される傾向があります。
業務外で個人開発をしている人や、モダンな言語(TypeScript、Go、Python)を扱える人は有利です。
自社開発への転職は人気が高い分、競争率も上がります。
SESでの経験に加えて、自分で作ったサービスを1つでも持っていると選考で差がつきます。
事業会社の社内SEとして安定した環境で働く
社内SEは企業の情報システム部門に所属し、社内の業務システムの管理やDX推進を担う職種です。
SESとは異なり、1つの会社に腰を据えて長く働けることが最大の特徴です。
ワークライフバランスを重視する人や、技術をビジネスの改善に活かしたい人に向いています。
年収は企業規模によりますが、大手企業の社内SEであれば高い水準を狙えます。
社内SEは安定した環境で働ける反面、最新技術を追い続けたい人には物足りなく感じることもあります。
何を優先したいかを整理した上で選んでください。
SEからの転職全般については、以下の記事で詳しく解説しています。
ITコンサルティングファームで課題解決力を磨く
SIerやSESで技術的な基盤を築いたうえで、さらに上流の課題解決に携わりたい人にはITコンサルティングファームへの転職も選択肢に入ります。
ITコンサルでは、クライアントの経営課題をITの力で解決する業務が中心です。
Big4(デロイト、PwC、EY、KPMG)やベイカレント、ノースサンドといったファームがあり、SESエンジニア出身で活躍している人も増えています。
技術力に加えて論理的思考力やコミュニケーション力が求められますが、年収は大幅にアップする可能性があります。
2026年4月時点のdodaの調査によると、ITコンサルの平均年収は約602万円です。
SESの水準を大きく上回り、経験を積めば1,000万円超も十分射程圏内に入ります。
SESでの技術経験は、ITコンサルでは「現場を知っている強み」として評価されます。
上流志向がある人は、コンサルへのキャリアチェンジも視野に入れてみてください。
ITコンサルタントへの転職を具体的に検討したい人は、以下の記事が参考になります。
フリーランスエンジニアとして独立する
3年以上の実務経験があり、特定の技術領域で即戦力と言えるスキルを持っている人には、フリーランスとして独立する道もあります。
フリーランスの最大のメリットは、案件を自分で選べることです。
SESで悩まされた案件ガチャの問題が解消されます。
単価交渉も自分で行えるため、スキル次第では月単価60万〜100万円以上を狙えます。
ただし、案件が途切れるリスクや確定申告の手間、福利厚生がないことは考慮すべきです。
フリーランスは自由度が高い反面、案件獲得やお金の管理を全部自分でやる必要があります。
会社員時代に人脈を広げておくと、独立後の案件獲得がスムーズです。
もし上流志向があるなら、自分のスキルセットがどのキャリアパスに最も合うか、プロのキャリアアドバイザーに相談してみるのも手です。
すべらないキャリアエージェントでは、SESからITコンサルやSIerへのキャリアチェンジ実績が豊富です。
SESからの転職先を幅広く知りたい人は、以下の記事もあわせて確認してみてください。
SESから転職を成功させるための3つのステップ
SESからの転職を決意したら、闇雲に求人に応募するのではなく、準備を段階的に進めることが成功率を上げるポイントです。
自分のスキルと市場価値を棚卸しする
まず最初にやるべきことは、自分のスキルと経験の整理です。
SESでは複数の現場を経験している人が多いため、それぞれの現場で何をやったかを具体的に書き出してみてください。
整理するポイントは「使用技術」「担当工程」「チーム規模」「自分の役割」の4つです。
たとえば「Javaを使った業務システムの単体テストを3ヶ月担当」よりも「Javaベースの販売管理システム開発(チーム8名)で単体テスト工程を担当し不具合を12件発見・報告」の方が具体的で伝わります。
スキルの棚卸しは転職活動の基盤です。
面倒に感じるかもしれませんが、このステップを丁寧にやるかどうかで書類選考の通過率が大きく変わります。
自己分析を体系的に進めたい人は、以下の記事を参考にしてください。
転職先で求められるスキルとのギャップを埋める
棚卸しができたら、次は希望する転職先で求められるスキルと自分の現状を比較します。
たとえばSIerの上流SEを目指すなら設計書の作成経験やクライアントとの折衝経験が、自社開発企業ならモダンなフレームワーク(React、Next.js、Django)の経験が求められやすいです。
ギャップが明確になったら業務外で補完する方法を考えます。
オンライン学習サービスで足りない技術を学ぶ、個人プロジェクトで実際にコードを書いてGitHubにあげる、関連する資格を取得するなど具体的なアクションに落とし込んでください。
ギャップを全部埋めてから転職活動を始める必要はありません。
足りない部分を自覚していて、それを埋める努力をしていることが伝われば、ポテンシャルとして評価されます。
SES経験を強みに変える自己PRの作り方
SESの経歴は、伝え方次第で大きな強みになります。
複数の現場を経験したことは「多様な技術環境への適応力」として、さまざまなチームで働いたことは「コミュニケーション力」や「即戦力として立ち上がる力」としてアピールできます。
自己PRで重要なのは、SESのネガティブな側面を言い訳にしないことです。
「案件ガチャでスキルが伸びなかった」ではなく「限られた環境でも自主的に学習を続けてきた」という表現に変えるだけで印象は大きく変わります。
転職理由も「SESが嫌だから」ではなく「より深い技術力を身につけたい」「上流工程から関わりたい」といった前向きな動機を軸に据えてください。
SES出身者は「現場経験の幅」と「環境適応力」が最大の武器です。
ネガティブな転職理由は面接官に伝わりますので、自分がこれから何を実現したいかにフォーカスしてください。
キャリアの軸を言語化するところから伴走してほしい人は、キャリアアドバイザーへの相談を検討してみてください。
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SESに関するよくある質問
SESのキャリアについて、よく寄せられる質問に回答します。
未経験からSESに入るのはやめた方がいい?
未経験者にとってSESはIT業界に入る入口としては有効な選択肢です。
ただし研修制度が整っている会社を選ぶことが条件です。
入社後いきなりコールセンターやヘルプデスクに配属するような会社は避けてください。
新卒でSES企業に就職するのはあり?
新卒の就職先としてSESが最善かと言えば、他に選択肢があるなら優先すべきではありません。
ただしIT業界に強い興味がありつつも大手SIerやWeb系企業に入るのが難しい場合は、2〜3年で明確なスキルを身につけてステップアップする計画を持つことで戦略的な選択になります。
SESの将来性はある?
IT人材の不足は深刻で、SESの需要そのものは当面なくなりません。
ただし業界としての需要があることと個人の市場価値が上がることは別問題です。
成長できる案件に携われなければキャリアは停滞します。
SESは何年目で転職すべき?
目安は2〜3年です。
1年未満での転職は忍耐力がないと見なされるリスクがあります。
5年を超えるとSESの働き方に慣れすぎてキャリアの方向転換が難しくなります。
2年程度の実務経験があれば転職市場で実践経験ありとして評価される水準です。
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エンジニアのキャリアについてプロに相談したい人は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。














SESの案件ガチャは運の問題ではなく、構造の問題です。
会社の営業力や取引先の質が低いと、回ってくる案件の質も低くなります。
自分で配属先を選べる会社かどうかは、入社前に必ず確認してください。