ITストラテジストへの転職方法は?年収や仕事内容を大公開!
ITストラテジストとはそもそも何なのでしょうか?ITストラテジストになるにはどうすればいいか、仕事内容や、気になる年収について大公開します!今後需要があるのか、転職に有利なのかどうかについても余すことなく紹介します!
ITストラテジストとは
ITストラテジストとは、ITによる戦略(ストラテジー)の方向を決める戦略家(ストラテジスト)です。
ITストラテジストに期待される役割とは、会社経営により近いポジションで、あるいは経営陣としてITを活用して事業計画をしたり、どのようにシステム化を進めるのかを主導する立場にあります。
言うまでもなく、IT化が事業の成功を左右しますから、現在の会社経営において欠かすことのできない重要なポジションと言えるでしょう。
さらに、このITストラテジストとしての能力を証明するための試験がITストラテジスト試験です。
「ITストラテジスト試験」とは「超上流工程において、企業のトップマネジメントと共に、企業戦略・事業計画から、システム化計画の立案と実行を主導する戦略家(ストラテジスト)としての能力を認定する」試験です。
この試験は、厚生労働大臣によって「専門的知識等を有する労働者」に指定されており、この位置付けは、弁護士、公認会計士、医師、技術士等と並ぶもので、ITストラテジスト試験ではIT系では唯一の資格であり、労働基準法においても特例の扱いの対象となります。
試験形式
試験の形式としては、
- 午前Ⅰ(四肢択一式、マークシート、30問、基準60%、高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3 相当問題、50分)
- 午前Ⅱ(四肢択一式、マークシート、25問、基準60%、システム戦略や経営戦略マネジメント等のストラテジ系、40分)
- 午後Ⅰ(記述式、4題中2問選択し回答、90分)
- 午後Ⅱ(論文課題形式、3題中1問、ABCD評価されA評価で合格、120分)
となっています。
難易度
試験の合格率は、例年14%で推移しています。
平成29年度には、6,974名が受験し、合格者は700名、合格率は14.7%となっています。
合格者の平均年齢も39歳と高めです。他のIPAの試験より難しい理由として、実務経験を元に論述する午後Ⅱの試験の存在があります。
ITストラテジストの仕事内容
ITストラテジストの仕事はどのようなモノでしょうか?
それは、ITを駆使して企業戦略のかじ取りをすることにあります。
経営的視点と技術的知見で、業務の効率化や最適化をもたらすことです。
業務内容は多岐にわたりますが、大まかな流れを見てみましょう。
1.課題の抽出
まず企業の業務内容を把握します。企業に足を運び、業務の現状を観察し現場で働く社員からの聞き取りなどをおこなうことで、課題点や問題点などを浮き彫りにします。
2.戦略の策定
企業の現状を把握した後は、システム導入の必要性、ITの活用方法を検討します。業務効率の向上やコスト削減など、企業側のメリットを目的とする戦略を策定し、経営者へ提案します。
このように、業務コンサルタントという顔もありますが、ITに精通した技術者としての力量も問われます。
加えて、ITの導入と活用をスピーディーに進めることも重要な業務となります。
このように幅広く活躍するITストラテジストは何にやりがいを感じるのでしょうか?IT業界が直面している様々な問題を解決に導くことが、最大のミッションです。
また、企業の経営戦略を実現することで、利益の創出に寄与することは、大きなやりがいとなります。
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ITストラテジストの年収は?
ITストラテジストの年収はどれくらいになるのでしょうか?
国家資格平均年収ランキングによると、ITストラテジストの平均年収は670万円です。
これは、システムエンジニアの533万円やプログラマの410万円と比較すると高額です。
さらにITストラテジストの年収を理解するために、他の資格取得者と比較してみましょう。
以下に、情報処理技術者試験の12の試験の合格率、難易度目安、合格平均年齢、平均年収を列挙します。
1.ITパスポート試験(IP)
合格率 | 50.4% |
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難易度目安 | 初級シスアド試験と比べ難易度はやや低い |
合格平均年齢 | 28歳 |
平均年収 | 380万~500万円 |
ITパスポート試験自体の難易度は他の試験と比べ比較的簡単で、この資格自体に付加価値がないため年収もさほど高くありません。
2.情報セキュリティマネジメント試験(SG)
合格率 | 58.4% |
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難易度目安 | ITパスポート試験より高、基本情報技術者試験より低 |
合格平均年齢 | 37歳 |
平均年収 | 510~600万円 |
この資格を取得しシステムエンジニアとして働くケースが多いためこのような平均年収になっています。ちなみに、30代前半の社内SEの場合は510万円が平均年収です。
3.基本情報技術者試験(FE)
合格率 | 22% |
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難易度目安 | 情報処理技術者試験制度 スキルレベル2 (プログラミング未経験の文系学生や社会人でもしっかり勉強すれば合格可能) |
合格平均年齢 | 25歳 |
平均年収 | 350~600万円 |
他の試験と比べ比較的簡単で、この資格自体に付加価値がないため、平均年収もさほど高くなく、年収は所属する企業の給与条件によって変化します。
4.応用情報技術者試験(AP)
合格率 | 21% |
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難易度目安 | 数ある国家資格・試験のなかでも難関の部類に入る |
合格平均年齢 | 29歳 |
平均年収 | 450万円~650万円 |
この資格を取得することで年収が大幅に上がるということはないようです。応用情報技術者試験の平均年収はエンジニアの平均年収とほぼ同等のようです。
5.ITストラテジスト試験(ST)
合格率 | 14% |
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難易度目安 | 数多くある試験の中でもトップクラスの難易度 |
合格平均年齢 | 40歳 |
平均年収 | 670万円 |
かなり難関な資格の1つのため、平均年収はIT業界内でもトップクラスです。
6.システムアーキテクト試験(SA)
合格率 | 12% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 38歳 |
平均年収 | 480万円~701万円 |
システムアーキテクトは、多くの企業から高い評価を受けている資格のため、同年代比としても100万~200万円近く高い収入が見込めます。
7.プロジェクトマネージャ試験(PM)
合格率 | 13% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 40歳 |
平均年収 | 500~1000万円 |
プロジェクトマネージャ、プログラマーやSEのさらに上位のポジションになるため、年収も全体に高くなります。
8.ネットワークスペシャリスト試験(NW)
合格率 | 13% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 36歳 |
平均年収 | 400~800万円 |
難関な部類の資格になるため平均年収も全体的に高くなっています。
9.データベーススペシャリスト試験(DB)
合格率 | 14% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 34歳 |
平均年収 | 400~600万円 |
難関な部類の資格になるため平均年収も全体的に高くなっていますが、所有する他の資格の有無や経験年数によっては年収400万円を下回ることもあります。
10.エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
合格率 | 14% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 37歳 |
平均年収 | 400~600万円 |
難易度の高い資格で、また高度IT人材としての専門分野の資格を持つためプログラマーやSEに比べ高い水準になります。
11.ITサービスマネージャ試験(SM)
合格率 | 13% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 34歳 |
平均年収 | 500~600万円 |
難易度の高い試験で豊富な実務経験も問われるため平均年収も高い水準になります。
12.システム監査技術者試験(AU)
合格率 | 15% |
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難易度目安 | レベル4高度区分 難関の部類に入ります |
合格平均年齢 | 43歳 |
平均年収 | 500~700万円 |
難易度の高い試験で豊富な実務経験も問われるため平均年収も高い水準になります。
ITストラテジストは転職に有利?
ITストラテジストの求人は多く存在し、今後も需要が高まることが想定されます。経済産業省によると、IT人材が不足していると考えている企業は84%にのぼります。
この事実から、IT戦略の策定を主導するITストラテジストは必要とされ、転職にも非常に有利な資格の1つです。とはいえ、ITストラテジスト資格を持っているだけで転職に有利ということではなく、実務経験や他の資格の有無も関係しています。
実際、ITストラテジストの資格を持つ人たちでも普段はSEやプログラマとして働いている人も多くいます。
転職での面接の際にも、ITストラテジストの資格がある場合、その資格についても聞かれる場合が多いため、その資格を取ろうと思った理由や目的などについても整理してしっかり説明できるようにしておく必要があるでしょう。
ITストラテジストに期待されているのは、企業の経営戦略を視野に入れつつIT化に関係する様々な基本戦略を策定、提案できる人材ですから、面接の際にも広い視野で会社の業務に携わる人材として成長していきたいとアピールしていくことが求められます。
ITストラテジスト取得後のキャリアパス
では実際にITストラテジスト取得後にどのようなキャリアパスが考えられるのか、ITストラテジスト所得後の3人の転職経験者の典型的な経歴をご紹介します。
以下の例はいくつかの転職例を参考に仮想の自分物を考えてみた事例です。
実在の人物ではありませんが、ITストラテジスト取得後にはおおむね以下のようなキャリアパスが想像できます。
Aさん(35歳)
転職前の役職 | システムエンジニア |
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転職前の年収 | 530万 |
転職先 | IT/Web系企業 |
転職後の役職 | PM |
転職後の年収 | 600万円 |
ITストラテジストの取得理由 | SEとしてより業務に精通し、問題解決能力を高めたかったから |
Bさん(40歳)
転職前の役職 | PM |
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転職前の年収 | 580万 |
転職先 | 自動車部品関連 |
転職後の役職 | 社内システム開発/リーダー |
転職後の年収 | 650万円 |
ITストラテジストの取得理由 | これまでの経験を活かしより会社経営に近い場所で仕事に携わりたかったから |
Cさん(43歳)
転職前の役職 | PM |
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転職前の年収 | 670万 |
転職先 | アプリ開発 |
転職後の役職 | ITコンサル |
転職後の年収 | 750万円 |
ITストラテジストの取得理由 | 現場での開発業務からさらにITストラテジストとして経営戦力を考え、提案できる立場で働きたかったから |
このように、ITストラテジストは資格取得後に業務の下流工程からさらに上流工程を目指すことができ、能力によっては会社経営に近い場所で働けることから、現状に満足せずさらに上を目指したいエンジニアにとって考えてみたい資格の1つです。
ITストラテジストとして活躍する方法
ITストラテジストとして活躍するには、あなたが求める仕事内容や仕事の進め方、企業風土がマッチするかが非常に重要です。転職前のイメージと、実際転職してできることが異なり「せっかく資格を取ったのにやりたいことができない」ということが多々あります。
ただ、実際の企業のイメージを転職前に理解することは非常に難しく、ITの転職に特化したエージェントを活用することがおすすめします。
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ITストラテジストに転職する際に気を付けるポイントは、企業の選び方です。
ITはあくまで手段です。企業が抱える事業課題を解決する、新しいサービスを開発するなど、ITストラテジストに求められる能力は企業によって異なります。
面接で企業と仕事内容を明確にしておかないと、転職後にやりたい仕事ができずミスマッチが起こる可能性があります。
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